アカデミアでパーマネントなPI職(Principal Investigator)を獲得できなかった場合のキャリアについて

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アカデミアでパーマネントなPI職(Principal Investigator、主任研究員)を獲得できなかった場合のキャリアについて、どんなものが考えられるのかを生成AIの一つであるperplexity.aiに訊いてみたところ、以下のような答えが返ってきました。

これらのキャリアパスは、アカデミアでの研究経験や専門知識を活かしつつ、異なる形で科学や研究に関わり続けることができる選択肢です。個人の興味や適性、スキルセットに応じて検討することが重要です。

産業界の研究職

民間企業のR&D部門で研究者として働く

民間企業への転職は自分も考えましたが、いかんせん、行動に移したときは既に40代でしたので、人材登録会社の人と面談しましたが、全然いい職を紹介してもらえませんでした。唯一、求人票を見せてくれたのが、いつ潰れるともわからないベンチャー企業の技術営業で、年収も低いものでした。1年後になくなっているかもしれない会社に移るのなら、1年契約のポスドクと大差ないし、アカデミアで職を探し続けるほうがましだと判断しました。ポスドクからまともな製薬会社に転職した人が周りにいましたが、みな30代前半だったと思います。

  1. アカデミアから民間へ【博士の転職】年齢・年代別成功事例

当時はアカリクが存在していない時代でした。今なら、アカリクに相談の一択かな。アカデミアからインダストリーに転向するなら、絶対に転職エージェントを使った方がいいです。アカデミアから会社に移った人がそう言っていました。とても助けになったそうです。

アカデミアで研究をやってきた自分にとって当たりまえすぎて強みやセールスポイントになるとは到底思えないことが、第三者の目からするとインダストリーのジョブマーケットにおいては非常に魅力的な武器になることがあります。仮にアカデミアで生き残れるだけの研究業績がなかったとしても、英語力、プレゼン能力、交渉能力、異分野の人や立場が違う人とでも協調できるコミュニケーション能力、データ収集能力、問いや仮説を設定しそれを検証する能力、誰かに指示されなくても問題や課題を見つけ出す能力、データ解析能力、文章執筆能力、企画力などなど、いくらでもあるはず。これらの能力は研究者にとってはあって当たり前のことなので、わざわざそれが誰かに評価されるなんて本人には想像できないものです。

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ポスドク研究員の継続

別の大学や研究機関でポスドクを続ける

独身ならそういう人生もあるのかもしれませんが、さすがに結婚していて早くどこかに落ち着いてと毎日プレッシャーをかけられている状態では、さらにポスドクを続けるという選択肢は選びにくいでしょう。

  1. アカデミア研究者雇用状況の過酷な現実

研究マネジメント職

大学や研究機関の研究支援部門、URA(University Research Administrator)など

URA職は文科省が普及に力を入れているので、将来性があるのではないかと思います。ただしURA職の取り扱いは大学によりけりです。文科省の助成事業にのっかってURAを雇用したが、数年後に財源がつきてURAを解雇したという研究大学も間近に見てきました。いまだに有期(任期あり)でしかURAを雇用しない有力研究大学もあるくらいなので、先行きが不透明です。

  1. 大学における第3の職種URAとは?科研費獲得増の効果は?
  2. 大阪大学 経営企画オフィス 特任学術政策研究員(常勤)公募 (JREC-IN) D124091286 公開開始日 : 2024年09月19日 雇用形態:契約職員・契約社員任期あり 採用日から2026年3月31日まで ※ 雇用契約期間満了後、業務の継続状況および勤務評価などの審査により更新の可能性あり (ただし、「73.国立大学法人大阪大学有期雇用教職員等の契約期間に関する規程」に基づき、通算契約期間は当初採用日から最長10年を期限とする
  3. 慶應義塾大学 信濃町 学術研究支援課 専門員/契約担当URA(随時) (JREC-IN) D124050178 公開開始日 : 2024年05月02日  雇用形態:契約職員・契約社員 任期あり 単年度契約更新有(最長5年間。65歳を迎えた場合その年度末にて契約満了)

科学コミュニケーター

科学館や博物館の学芸員、サイエンスライター

博物館の学芸員も競争率が非常に高いと思います。科学館のサイエンスコミュニケーターも、非常に残念なことに有期雇用しかないようです。サイエンスライターは、自営業なので食えるか食えないかはその人次第でしょう。食えない研究者が、もっと食えそうにない作家になって食えるようになるの?と考えたら、かなり悲観的な考えしか浮かびません。

  1. 日本科学未来館研究員(常勤)募集概要 任期 単年度契約 次年度以降の契約更新については、人事評価等により機構が必要と判断した場合に限り可能。更新回数は4回を限度とする。なお、特に勤務実績が優れていると評価された場合に限り、更なる契約更新を可能とする。その場合における契約更新限度は機構規程「基礎研究及びその他の各事業に従事する研究者等の就業に関する規則」に基づくこととする。但し、事業の改廃、国における予算の状況その他の事情により、契約更新を行わない場合がある。 着任時期2024年5月1日以降(応相談)

科学政策アドバイザー

政府機関や国際機関で科学政策の立案に携わる

過去の研究者時代の知り合いの人で、今の所属を見たらプログラムオフィサーになっている例を見たことがあります。そんな道があったのかと、新たな気づきでした。

  1. プログラムオフィサー及びプログラムディレクター制度について JST

特許関連職

特許事務所や企業の知的財産部門

研究職から弁理士になるというのはわりと良く目にするキャリアチェンジです。自分も一瞬考えたのですが、特許独特のあの文章を読んだときに、自分の専門分野の内容であっても何が書いてあるのか全く理解できず、ましてやそんな文章を自分が書けるようになる気がしなくて、選択肢から外しました。

【特許請求の範囲】【請求項1】対象において腎臓がんを検出する方法であって、前記対象から得られた尿サンプルを規定倍率に希釈することと、希釈した尿サンプルに対して線虫が誘引行動を示すか否かを評価することと、を含み、前記規定倍率が200以上の倍率である、方法。https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7170280

科学教育者

高校や予備校などでの教職

高校の先生は自分も一瞬考えたことがあります。実際、教育委員会の人と面談したことがあるのですが、「ブラックですけど大丈夫ですか?」とハッキリ言われました。ポスドクの生活より大変なことが世の中にあるとも思わなかったので、「大丈夫です。」と返しました。

  1. 博士研究者から高校教員へのキャリアパス

予備校で教えるというのはありかもしれません。実際、自分の浪人時代に通っていた予備校には、大学の先生やもと大学の先生が何人も教えていました。経済的に恵まれるかどうかは本人の実力次第なのでしょう。

自分はもう予備校に雇ってもらうような年齢でもないので、個人的に塾をやるしかないかなと思います。お客さんをどうやって集めればいいのか、わかりませんが。都会でも田舎でもどこにいっても、駅前には必ず学習塾がいくつも存在しており、補習塾や受験指導の塾は永遠に不滅だなあといつも思います。しかし、この数十年間、東大を頂点とする偏差値に大きく影響されて志望大学を決めることが全く変わっていないのを見ると、何だかいびつに思えて仕方がありません。

  1. 東大が無理で京大?まだ偏差値で選んでるの?

東大に合格することと人生で成功すること、幸せな人生を手に入れることとは、ほとんど関係ありません。実際のところ世の中のほとんどの人は東大には行かないわけですが、成功する人は成功し、幸せになる人は幸せになっています。知能信仰、偏差値信仰はなぜ何十年も不変なのでしょうか。

  1. MARCHって括るのいい加減やめません?

中高6年間という最も多感な時期を、偏差値の高い大学へ合格することという価値観だけで過ごすのはあまりにももったいないのではないでしょうか。

  1. 鉄緑会(てつりょくかい)とは

研究資金団体職員

研究助成財団などでプログラムオフィサーとして働く

助成財団が研究経験者を雇用しているのかどうかは自分は情報を持ち合わせていません。

科学系スタートアップ

自身の研究を基にしたベンチャー企業の立ち上げ

自分にベンチャーのネタがあればいいのですが、持ち合わせていません。もちろん、他人のネタでも、お金になりそうなものを見つけて、特許関係をしっかり固めて起業するというのはありだと思います。ただしその場合は相当の目利きの能力が必要でしょう。無理やり論文にしただけの怪しい知見に基づいてビジネスをやるのは危険すぎます。

  1. WPIサイエンスシンポジウム聴講レポート

【続報】線虫がん検査は有効か。全国規模の調査開始。【HIROTSU社、反論文を公開】線虫くん/広津社長/がん検診/N-NOSE(解説:須田桃子) NewsPicks /ニューズピックス チャンネル登録者数 139万人

  1. 投資家が説く「起業=リスクが高い」が間違っている理由お金でも時間でもない、起業の成否を分けるポイント“起業はノーリスク。「やらない」は言い訳だ”ーー#世界最速で日経新聞を解説する男、南祐貴の起業の極意 logmi.jop

データサイエンティスト

研究で培った分析スキルを活かし、様々な産業で働く

データサイエンスは時代の要請に合ったもので、チャンスが大きいと思いますが、素養がない人にはどうしようもありません。バイオ系でもバイオインフォマティクスなどの研究をしてきた人は相性がいいのかもしれません。自分のように統計といえばt検定くらいしか使ったことがない人間にはちょっと敷居が高すぎます。

  1. 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ

博士号を取得したあと、アカデミックキャリアを目指すか、それ以外の道を目指すかは悩むところです。

  1. 大学院生 新卒 就職支援 アカリク就職エージェント

参考

文科省が凝りもせずにまたやってくれます!「博士人材活躍プラン」、なんて夢のある響きでしょう。アンケート結果を見ると、実際に多くの人が期待をかけているようです。なのであえて、アンケートの中から批判的なコメント(自分が読んで共感したもの)を紹介します。

  • 失敗の分析を全くしていないために、同じ悲劇を繰り返そうとしている
  • アカデミアで研究を続けたい場合の解決策が示されていない
  • 博士課程で指導できる人と環境がなければ、博士の育成は不可能
  • 「目標とするべき先輩」である世代(35-45歳)の方々の現状が悲惨
  • 文科省は各研究機関にいるポスドクや会計年度雇用職の研究者の業績をちゃんと調査したほうが良いと思います。ものすごい業績の方々がたくさんいます。まずはそうした方々にスポットライトを当てるべきです。
  • 今後博士号を取得する人のサポートはするが現在困っているいわゆるポスドク1万人計画世代(氷河期世代)の博士人材のことには触れられていない。まずは、ポスドク1万人計画で生みだされ、任期無しポジションにつけず薄給で生活し、結婚もままならないなど非人間的な生活を送らざるを得ない、40代前後の博士人材を活用するのが先
  • 日本は企業とアカデミアで必要とされるスキルや知識の乖離が非常に大きい
  • 修士での就職の方が容易であるため、就職後に働きながら、博士課程で取得することが主流になるように、制度を作って行った方が良い

「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」 意見書提出に向けたアンケート 集計結果(第1版) 回答期間:2024.4.10 – 5.10 回答者数:1531名 2024.6.9

文部科学省で博士号取得者を3倍に増やす「博士人材活躍プラン」が始動する。約30年前の「ポスドク1万人計画」と異なるのは博士人材の需要を学術界の外に作ろうとしている点だ。大学などのポストはほぼ増えないことを前提に、産業界や教育界に採用拡大と処遇改善を働きかけ、多様な場面で博士人材が活躍する社会を作る。

博士3倍プラン始動…ポスドク問題で根付いたネガティブイメージ払拭できるか 2024年04月10日 ニュースイッチ 日刊工業新聞

 

令和7年度 文部科学省概算要求のポイント(科学技術関係) 博士人材が活躍できる研究開発マネジメント体制の整備 15億円(新 規 )

令和7年度概算要求について 文部科学省 https://www.mext.go.jp/content/20240830-mxt_hojinka-000037878_8.pdf

海外でも、研究している人とビジネス専門の人がいますが、その中間の人がたくさんいます。研究をしながらビジネスを手掛け、CEOをやっている大学教授がごろごろいます。日本では研究者は論文を書いて終わりで、実用化まではめんどうをみません。一方、ビジネス側は、お金にならないとやらないので、いつまでたっても研究とビジネスの間に橋がかからないと感じています。資金の問題もあります。今はわりとベンチャーキャピタルから資金調達ができるようになっているので、きちんとしたビジネススプランを描ければお金には困らないと思います。‥ 大学教員に応募したのですが、ひとつの教員ポストに200人以上が応募するわけなんですね。ポスドク1万人計画の大失敗はそこです。博士は作ったけれど、働く場所がない

20年かけて「無職の博士」を大量に生み出した…世界一だった日本の研究力が最低レベルに陥った根本原因 凄い研究をしていてもまったく稼げないワケ 2023/11/17 PRESIDENT Online 桜庭 喜行 Varinos代表取締役CEO

  1. AIや生命科学など、高度な研究担う博士を増やせ…文科省が大学院14校を7年間財政支援 2024/09/06 15:00 読売新聞オンライン 5年一貫の博士課程をもつ国公私立の大学院が対象。産業界や国内外の教育機関と連携し、博士人材を育成している大学院を14校指定し、7年間財政支援する。研究は、生命科学や機械工学など複数の領域にまたがる分野や、情報技術など産業の創出が見込まれる分野
  2. ポスドク問題の何が問題か 小林武彦 特集2◆若手生命科学研究者のキャリアパスについて考える  学術の動向 2017.3 大学院を修了して、留学までした本来は社会の中心的な仕事に就くべき有能な人材が、数年先の生活を気にしないといけないのは、甚大な社会的損失でもある。
  3. 大学院重点化とポスドク1万人計画が目指したもの 2007 有馬朗人
  4. ポストドクター糖1万人支援計画」の概要・推移