Category Archives: 宇宙開発・天文学

ホリエモン(堀江貴文氏)ロケットが宇宙へ

MOMO3号が打ち上げ成功

“ホリエモンロケット”打ち上げ成功 宇宙空間到達(19/05/04) ANNnewsCH 2019/05/03

  1. ホリエモンロケット発射5・2以降に 過去2度失敗(日刊スポーツ 2019年4月30日13時30分)北海道大樹町の宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」は30日、昼ごろに打ち上げを予定していた小型ロケット「MOMO(モモ)」3号機に不具合が見つかり、打ち上げ時間を5月2日以降に延期すると発表した。

 

これまでの打ち上げの失敗

Sounding rocket MOMO2 launch 観測ロケットMOMO2号機打上 インターステラテクノロジズ(株)2018/07/04

 

ホリエモンが宇宙産業に参入した理由

  • 宇宙開発の主導権は国にあって、産業として競争原理が働いていない。競争がないから安くする必要もない。安くなるはずもない。当たり前のことができていないんです。
  • ロケットビジネスのターゲットは日本国内だけではありません。アジアやアフリカには人工衛星さえ打ち上げたことのない国がある。「おらが国」の衛星をつくろうというビジネスもある。
  • 衛星打ち上げロケットは2020年までに実用化させたいですね。それに成功したら、サードステージは地球近傍の小惑星探査ですね。

(ホリエモンの「世界最低性能ロケット」 宇宙観測ロケット「モモ」2017年5月23日エンジン燃焼試験(日本発、宇宙ベンチャーの挑戦No.5 堀江 貴文x稲川 貴大x笹川 真 2017/06/15 dentsu-ho.com)

ホリエモンロケットを作っている技術者

  1. 少数精鋭から、選ばれるロケット企業へ インターステラテクノロジズ株式会社 稲川貴大 (秋山文野 YAHOO!JAPAN 2019/3/18(月) 6:00)現在は、観測ロケット「MOMO」の1号機、2号機に続く3号機の打上げが直近のマイルストーンで、なるべく早く打上げたいと準備しています。次に超小型衛星打上げロケット「ZERO」の推力6トン級エンジン開発があります。簡単な試験は2~3月から進め、来年度はエンジンを製作して統合試験までできればいいなと考えています。
  2. “宇宙にも宅配便を” MOMO3号機と新型ロケットZEROで拓く、宇宙ビジネスの未来「失敗も苦難も、全て夢へのプロセスだ」(ひとつ上を目指す人のキャリア転職サイト タイプ type 2018.10.02) 僕たちのゴールは、あくまで「宇宙への宅配便」となる「輸送サービス」をつくること。そのためには、現状、年に3~4回程度しかないロケットの打ち上げ頻度を上げ、100億円ほどかかる開発費用を最小限に抑えたロケットを開発する必要があります。そして、宇宙空間に「安くて高頻度な輸送手段」としての、ロケットを使った新しいインフラをつくりたいと思っているんです。
  3. インターステラテクノロジズ 稲川貴大さん 大事なのは所属する組織の大きさよりも、どこでも生きていける力(業界・企業研究 DODA【Career Interview】2017.09.25)一方で内定をもらえたのは、卒論のテーマでもあった、光学系のメーカーだったんですよね。「就職ってそんなもの。だからロケットは、趣味として続けていこう」そう思っていた矢先…。「なつのロケット団」の手伝いに行った先で、スポンサーの堀江貴文さんに会い、言われたのが「ロケットやりたいんでしょ?なんでカメラなの?うちに来なよ」という言葉だったんです。といっても、メーカーへの入社式を、数日後に控えているときにですけどね。

 

インターステラテクノロジズ(IST)

  1. 日本の小型ロケットは世界のライバルに勝てるか? (1/3)(itmedia.co.jp 2017年08月18日 13時15分) 8月にはキヤノン電子が筆頭株主(70%)となり、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行の4社とともに、新世代小型ロケット開発企画株式会社を発足した。小型衛星打ち上げ需要の獲得を目的とした打ち上げサービスの事業化を目指すという。

 

参考

  1. ホリエモンの「世界最低性能ロケット」 宇宙観測ロケット「モモ」2017年5月23日エンジン燃焼試験(日本発、宇宙ベンチャーの挑戦No.5 堀江 貴文x稲川 貴大x笹川 真 2017/06/15)

 

スペースXのマスク氏が火星植民計画を発表

メキシコ西部の都市グアダラハラ(Guadalajara)で開催中の第67回国際宇宙会議(IAC)で、スペースXのCEOイーロン・マスク(Elon Musk)氏が火星植民計画を発表しました。

Making Humans a Multiplanetary Species

参考

  1. 67th International Astronautical Congress (IAC) September 26th-30th 2016, Guadalajara, Mexico
  2. 火星コロニー構想、スペースXのマスク氏発表 「楽しい旅」に(YAHOO!JAPANニュース AFP=時事 9月28日(水)9時43分配信):”【AFP=時事】米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)は27日、火星に人類のためのコロニーを建設する構想を発表した。”
  3. イーロン・マスク(ウィキペディア)

恒星間航行を極小宇宙船団で ロシア富豪が計画

手のひらサイズの宇宙船団「ナノクラフト」を建造して太陽以外の他の星に到達させるプロジェクトをロシア人大富豪ユーリ・ミルナーが発表しました。ナノクラフトに搭載したカメラで撮影した画像を地球に送ってくるというものです。宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士もこのプロジェクトに参加します。

ナノクラフトが目指す恒星として選ばれたのは、太陽に最も近いケンタウルス座アルファ星ですが、それでも4.4光年の距離があります。しかし、このナノクラフトを光速の20%の速さで航行させれば20年で到達でき、自分たちが生きている間にこのプロジェクトの成果が得られるという目論見です。夢物語でしかなかった恒星間航行が、現実味を帯びてきました。

プロジェクトを説明するユーリ・ミルナー(Yuri Milner)氏。
Stephen Hawking space “Breakthrough Starshot” (1時間12分55秒)

参考

  1. アルファ・ケンタウリにナノ探査ロボット群を送るStarshot計画発足。20年以内が目標、ホーキング博士とFacebookのザッカーバーグ、ロシア富豪が推進(engadget日本語版 BY Ittousai 2016年04月13日):”ロシアの実業家 Yuri Milner とスティーブン・ホーキング博士が、太陽系から約4.3光年離れたアルファ・ケンタウリへ20年かけて探査機を送る恒星間探査計画 Breakthrough Starshot を発表しました。わずか20年で隣の恒星系に到達するために、推進方式には光推進システムを採用。地上に巨大なレーザー発振設備「ライトビーマー」を多数建造し、宇宙に浮かぶわずか数グラムの超小型探査機「ナノクラフト」群が展開するライトセイルに100ギガワット級のレーザー光線を照射することで、一気に光速の20%ま で加速する構想です。”
  2. Reaching for the Stars, Across 4.37 Light-Years (New York Times, By DENNIS OVERBYE APRIL 12, 2016) :”Can you fly an iPhone to the stars? In an attempt to leapfrog the planets and vault into the interstellar age, a bevy of scientists and other luminaries from Silicon Valley and beyond, led by Yuri Milner, a Russian philanthropist and Internet entrepreneur, announced a plan on Tuesday to send a fleet of robot spacecraft no bigger than iPhones to Alpha Centauri, the nearest star system, 4.37 light-years away. If it all worked out — a cosmically big “if” that would occur decades and perhaps $10 billion from now — a rocket would deliver a “mother ship” carrying a thousand or so small probes to space. Once in orbit, the probes would unfold thin sails and then, propelled by powerful laser beams from Earth, set off one by one like a flock of migrating butterflies across the universe.”
  3. Yuri Milner, Stephen Hawking’s Breakthrough Starshot targets Alpha Centauri     $128M initiative will seek Earth-like planet 40 trillion kilometres away (Thomson Reuters Posted: Apr 12, 2016 1:28 PM ET):”Billionaire internet investor Yuri Milner announced another $128 million ($100 million US) initiative on Tuesday to better understand the cosmos, this time by deploying thousands of tiny spacecraft to travel to our nearest neighboring star system and send back pictures. If successful, scientists could determine if Alpha Centauri, a star system about 40 trillion kilometres (25 trillion miles) away, contains an Earth-like planet capable of sustaining life.”

一般相対論の予言から100年 重力波をついに検出

一般相対性理論を完成させたアインシュタインはその理論に基づき、1916年に重力波の存在を予言しました。この予言から100年後の今、アメリカのLIGO(レーザー干渉計重力波天文台)の研究グループが重力波を直接観測することに世界で初めて成功しました。下の動画はこの研究成果を発表する記者会見の模様です。

LIGO detects gravitational waves (National Science Foundation)

0:00- France Cordova氏(アメリカ科学財団ディレクター) の挨拶
2:25 – 重力波の説明ビデオ放映
4:00 – 12:43 David Reitze氏が重力波観測の成功を報告 “We did it! “ 。2つのブラックホール連星が合体し重力波が発生すること、地球に届いた重力波をどうやって検出したかの説明。
12:54 - 21:13 Gabrieal Gonzalez氏が今回の観測結果をわかりやすく説明しています。
14:08- LIGOの説明
14:48- 観測された重力波データの説明
21:43 – 31:02 Rainer Weiss氏が重力波研究の歴史と測定装置について解説
31:25 - 39:45 Kip Thorne氏
40:00 – 44:25 France Cordova氏
44:25 – 質疑応答

、この輝かしい研究成果はフィジカル・レビュー・レターズ誌に報告されました。

GravitationalWaveAbstract-1 (LIGO Scientific Collaboration and Virgo Collaboration) Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger. Phys. Rev. Lett. 116, 061102 – Published 11 February 2016. DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

地球に到達した重力波は2015年の9月14日に、米国ルイジアナ州リビングストンとワシントン州ハンフォードに設置された2つの検出器で記録されていました。

2016AbbottFig1(DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

今回観察された重力波の発生源となったのは、2つのブラックホールの衝突と考えられています。今回衝突した2つのブラックホールの大きさは、太陽の質量のそれぞれ36倍と29倍で、この2つが衝突後に太陽の質量の62倍の大きさブラックホールを形成し、太陽の質量3つ分が重力波として放出されたと考えられます。

2016AbbottFig2(DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

今回重力波を記録することに成功した2つの検出器は、リビングストンとハンフォードに設置されており、2つの距離は3000km離れています。

2016AbbottFig3(DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

今回の研究は、重力波を世界で初めて直接検出したと同時に、ブラックホール連星の2つブラックホールが合体する瞬間を捉えたということに関しても世界初となります。

CONCLUSION
The LIGO detectors have observed gravitational waves from the merger of two stellar-mass black holes. The detected waveform matches the predictions of general relativity for the inspiral and merger of a pair of black holes and the ringdown of the resulting single black hole. These observations demonstrate the existence of binary stellar-mass black hole systems. This is the first direct detection of gravitational waves and the first observation of a binary black hole merger. (DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

参考

  1. B. P. Abbott et al. (LIGO Scientific Collaboration and Virgo Collaboration). Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger. Phys. Rev. Lett. 116, 061102 – Published 11 February 2016. DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102
  2. LIGO Caltech News
  3. 重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語 ノーベル賞級発見の手法と意義、天文学の新たな広がりを詳しく解説 (ナショナルジオグラフィック日本版 2016.02.12)
  4. 重力波の直接観測に成功! 13億年前のブラックホール衝突の余波検出、正式発表 (GIZMODO.JP 2016.02.12)
  5. ついに重力波の観測に成功、光による宇宙観測を補完することで宇宙研究が大きく広がる可能性 (GIGAZINE 2016年02月12日)
  6. Gravitational Waves Discovered Proving Einstein’s Theory (Sequence Media Group)
  7. Search for Gravitational Waves by LIGO Scientific Collaboration, Particle Physics at the Year of 250th Anniversary of Moscow University (page 152) :””In the last few years a number of long-baseline, laser interferometric gravitational wave detectors have begun operation. These include the Laser Interferometer Gravitational Wave Observatory (LIGO) detectors located in Hanford, Washington and 3000 km away, in Livingston, Louisiana. It is the joint Caltech-MIT project supported by the USA National Science Foundation.””
  8. LIGO Physicist Kip Thorne speaks to RT on gravitational waves discovery (RT)
  9. 重力波とは(KAGRA 大型低温重力波望遠鏡):”アインシュタインの一般相対性理論によれば、質量をもった物体が存在すると、それだけで時空にゆがみができます。さらにその物体が(軸対称ではない)運動をすると、 この時空のゆがみが光速で伝わっていきます。これが重力波です。重力波はすべてを貫通し、減衰しないと考えられています。”
  10. What is the difference between a stellar mass black hole and a super massive black hole? (Institute of Astronomy, University of Cambridge):” stellar mass black holes are around 3-10 times the mass of the Sun, whilst supermassive black holes are 10^5-10^10 times the mass of Sun”
  11. Stellar mass black holes (http://jila.colorado.edu)
  12. Baumgarte and Shapiro. Binary black hole mergers. Physics Today. Oct. 2011
  13. 重力波ってなんだろう (THE HUFFINGTON POST/東京大学大学院理学系研究科 特任研究員 秋本祐希 2016年02月13日)
  14. 重力波、装置改造2日後に観測 明確なデータに驚きの声(朝日新聞DIGITAL 2016年2月13日):”アインシュタインの「最後の宿題」とされた重力波を初めて観測したと米研究チームが報告した。…”
  15. 「重力波を初観測」米中心の国際研究チーム 発表(NHK NEWS WEB 2月12日):”アメリカを中心とした国際研究チームは、11日、宇宙空間にできた「ゆがみ」が波となって伝わる現象、いわゆる「重力波」を初めて直接観測することに成功したと発表しました。重力波の観測は、ノーベル賞に値する成果とも言われ、日本の専門家も「天文学の飛躍的な発展につながる」と述べて高く評価しています。…”
  16. 重力波の間接的な存在証明(重力波研究の歴史 KAGRA 大型低音重力波望遠鏡):”… ハルス先生とテーラー先生は、連星中性子星という、極めて強い重力場を持つ中性子星同士が互いに近接して連星系をなす、極めて稀な天体(PSR1913+16)を1974年に発見しました。そして、もし、その連星運動から強い重力波が発生していたら、連星系の回転の勢いが奪われ、連星の公転周期が短くなるはずだと予測しました。何年にもわたって、PSR1913+16という中性子星連星系の公転周期の変化を観測したところ、1979年、ついに、その公転周期の短縮変化が重力波が原因であると仮定して得られる理論的な予想と、誤差1%程度で一致する結果を得て、結果、これが重力波の間接的な存在検証となりました。この成果により、二人の先生は1993年にノーベル賞を受賞されました。”
  17. The Nobel Prize in Physics 1993 (nobelprize.org) :”The Nobel Prize in Physics 1993 was awarded jointly to Russell A. Hulse and Joseph H. Taylor Jr. “for the discovery of a new type of pulsar, a discovery that has opened up new possibilities for the study of gravitation””

参考(追加)

  1. 「メディアによる大袈裟な『重力波騒動』:あれは本当に重力波の波形なのか?」
  2. ノーベル賞がいくつあっても足りない重力波の観測 その感動を伝えられない大手メディアに価値なし(伊東 乾 2016.2.15 JBPRESS)
  3. 「重力波観測」の特報に胸が高鳴る6つの理由 揺らぐシャープに「重力波スマホ」開発の気概は?(山根 一眞 2016年2月15日 日経ビジネス)
  4. 重力波の直接観測に成功! 13億年前のブラックホール衝突の余波検出、正式発表 (GIZMODO.JP 原文は英文サイトのMaddie Stone氏の記事)
  5. 重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語 ノーベル賞級発見の手法と意義、天文学の新たな広がりを詳しく解説 (NATIONAL GEOGRAPHIC日本版 原文は英文サイトのNadia Drake氏の記事
  6. ついに重力波の観測に成功、光による宇宙観測を補完することで宇宙研究が大きく広がる可能性 (Gigazine)

再利用可能なロケットの着陸に成功

通常はロケットは打ち上げのときに一度きり使われてきましたが、2015年11月23日に、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスが設立した企業ブルーオリジンが、再利用可能なロケットの着陸に成功しました。これによりロケット打ち上げのコストが劇的に削減される可能性があります。
‘There and back again’ – Amazon founder has success with reusable rocket

参考

  1. Blue Origin

小惑星探査機「はやぶさ2」搭載ロケットの打ち上げに成功

2014年11月3日午後1時22分4秒、小惑星探査機「はやぶさ2」が搭載されたH2Aロケット26号機が鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられました。

「はやぶさ2」、3日午後1時22分に発射 打ち上げ成功(14/12/03)  (FNN)

参考

  1. はやぶさ2、打ち上げ成功 生命の起源に迫る(ヤフーニュース・産経新聞 12月3日)
  2. 小惑星探査機「はやぶさ2」(http://www.jaxa.jp/projects/sat/hayabusa2/index_j.html)
  3. はやぶさ2特設サイト