Category Archives: 放射能汚染問題

宮崎・早野論文が撤回 博士号も取り消し

 

 

  1. 不透明な「宮崎早野論文」撤回~宮崎氏は博士号取り消し (07/30/2020 – 14:09 OurPlanet-TV)福島県立医科大学の宮崎真講師と東京大学の早野龍五名誉教授が、福島県伊達市住民の被曝データを使って執筆した2つの論文について、英国の学術雑誌「Journal of Radiological Protection(以下 JRP誌)」が7月28日付けで撤回を公表した。… また福島医大は、宮崎氏の学位論文撤回が決定されたことの報告と学位取り消しの申し出があったため、今月15日に審査を実施。博士号の学位取消しを承認したことを明らかにした。
  2. 福島県伊達市 被ばくデータ論文撤回 7/31(金) 22:00配信 テレビュー福島 YAHOO!JAPANニュース
  3. 同意なく被ばくデータ使用の論文2本を撤回 早野東大名誉教授ら執筆 2020年7月31日 12時40分 東京新聞
  4. 不透明な「宮崎早野論文」撤回~宮崎氏は博士号取り消し 07/30/2020 – 14:09 OurPlanet-TV
  5. 伊達市民の被曝解析データを前規制委員長へ提供〜宮崎早野論文 ( 03/02/2020 – 01:43 OurPlanet-TV)伊達市民の被ばくデータを同意を得ずに論文に使用していた問題で、論文の著者が投稿前の解析データを原子力規制委員会の田中俊一委員長(当時)に提供していたことがわかった。
  6. 実測数より多いデータ解析〜宮崎早野論文に新疑惑 (02/28/2020 – 02:14 OurPlanet-TV)伊達市が、2014年の第3期(10月〜12月)に住民に配布したガラスバッチは約1万6000だったにもかかわらず、論文では2万1,080人のデータが解析されていた。2万1,080人という人数は、2013年7月から2014年6月までの1年間に、年間を通してガラスバッチを計測した人口と一致するため、前年のデータを流用した可能性がある。
  7. 宮崎早野論文に関するフォーラム開催 東大調査の不備指摘 (2019年9月16日 東大新聞ONLINE)
  8. 「日本の科学は危機的」〜「宮崎早野論文」と研究不正調査を検証 (09/14/2019 – 17:00 OurPlanet-TV )本人の同意を得ずに、福島県伊達市の全住民の被ばく線量を解析していた「宮崎早野論文」問題をめぐり、研究不正調査の結果を問う東京大学出身の研究者らが9月14日、「科学の健全な発展を望む会」を結成し、科学コミュニティの問題を考えるオープンフォーラムを開催した。
  9. 東大・福島医大「研究不正なし」〜宮崎・早野論文 (07/19/2019 – 08:36 OurPlanet-TV )
  10. 福島の放射線量過小評価か 早野名誉教授らの論文不正疑惑を概観 2019年4月3日  東大新聞ONLINE
  11. 「早野(龍五)氏はめちゃくちゃ!伊達市民の人権や尊厳を一切無視。許せない!」 黒川眞一名誉教授(高エネルギー加速器研究機構)による宮崎真・早野龍五論文に関する記者会見 2019.2.22 (記事公開日:2019.2.26 IWJ)ツイッターで「原子力安全神話」に沿った情報発信を行っていたのが東京大学大学院教授(当時。現在は東大名誉教授)の早野龍五氏である。一時はフォロワーが15万人を超えていた。 早野氏は当初、メルトダウンは起きておらず、格納容器も壊れていないと言い切っており、「東大の学者がそう言うのなら大丈夫だろう」と受け止めた人も多かったはずだ。2014年には「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里氏との共著『知ろうとすること。』(新潮社)を出版。放射能の影響を懸念する人々に安心を与える科学者として、「3.11後の安全神話」の旗振り役となっている。 その早野氏が、福島県立医科大学講師の宮崎真氏と共同で発表し、英国の放射線防護専門誌「Journal of Radiological Protection」(JRP誌)に掲載された2本の研究論文が問題視されている。
  12. 疑惑の宮崎早野論文を報じた朝日新聞に看過できない「改ざん」。不誠実な「訂正」は許されない2019.02.21 HARBOR BUSINESS Online(ハーバー・ビジネス・オンライン)
  13. 「被曝に関するウソあり」東大名誉教授論文を先輩学者が指摘 (2019/02/15 11:00 最終更新日:2019/02/15 19:43 女性自身)黒川さんは、「少しでも除染の効果を低く見せるための印象操作ではないか」と推察する。
  14. 千代田テクノルのデータを研究に使用認める〜宮崎・早野論文 (02/08/2019 – 17:00  OurPlanet-TV)第一著者の宮崎真福島医科大講師は5日、個人線量測定会社千代田テクノル(本社:東京都文京区)」から提供を受けたデータを使っていたことを認めた。また研究は、仁志田昇司前市長に持ちかけられたことも明かした。… 宮崎氏が使用を認めたのは、伊達市の個人線量計測を受託している千代田テクノルから入手したデータ。伊達市から個人線量分析業務を受託している同社は2015年2月13日金曜日、「成果物の品質向上を図る」との名目で、宮崎氏と早野氏にデータを開示したいと求める文書を仁志田前市長に提出。土日を挟んだ16日月曜日、市は個人情報保護審査会にかけることなく承認した。
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  16. 被ばく線量誤り論文修正へ 東大・早野氏 福島の住民データ (2019/1/8 17:10 日本経済新聞)著者の早野龍五東京大名誉教授(原子物理学)は8日、「累積線量を3分の1に評価する重大な誤りがあった」として、掲載した英専門誌に修正を求めたと明らかにした。… 16年12月空間線量との関係を調べた第1論文が掲載された。誤りがあったのは、人が生涯に被ばくする放射線量との関係を検証し17年7月に掲載された第2論文

市民放射能監視センターや環境運動連合など韓国の11市民団体が、「2016ソウル酒フェスティバル」開催に抗議

市民放射能監視センターや環境運動連合などは25日、ソウル雲泥洞(ウンニドン)の日本文化院前で記者会見を開き、「2016 ソウル酒フェスティバル」の中断を促した。…団体は「イベントに参加する100カ所余りの日本の醸造所の中には5年前に原発事故が起きた福島近隣4県に所在する醸造所も含まれている」とし「さまざまな国々が日本産水産物と食品輸入を全面制限している中で酒フェスティバルを開くとは話にもならない」と明らかにした。韓国環境団体「ソウル酒フェスティバル」の中断要求 YHOO!JAPANニュース/中央日報日本語版 3月25日

市民団体側は「フェスティバルに参加する七つの酒蔵が、福島原発事故後に韓国政府が放射能汚染地域として定めた地域で酒を生産している。汚染地域の米や水で作られた酒をPRするイベントは、市民の安全を考慮すれば適切ではない」と主張した。今回のフェスティバルには、宮城県の三つの酒蔵をはじめ、岩手県、茨城県、群馬県、栃木県の各一つの酒蔵は参加するが、これらの地域は全て、韓国政府が放射能汚染を懸念し、2013年9月から水産物の輸入を禁止している。(YAHOO!JAPAN ニュース/朝鮮日報日本語版 3月26日)

2016SeoulSakeFestival
(2016ソウル酒フェスティバルウェブサイトsakefestival.krより)

2016年3月26日(土)11:00~18:00、3月27日(日)11:00~17:00
Seoul Sake Festival 2016
主催:韓国地酒輸入業協会中央会
共催:在韓日本大使館
場所:COEX D2ホール
内容:日本から日本酒蔵元約100社が参加し、400種類以上の日本酒の試飲ができる、大規模なレセプション。参加蔵元数・実施規模は日本以外で実施され る日本酒レセプションとしては過去最大規模。また、日本酒の他にも日本の観光PRを行うと共に、当地所在の和食レストランも参加し、会場で和食(焼き鳥、 ラーメン、蕎麦、おにぎり等の軽食)も食べることができる。詳細情報は、ホームページ(http://sakefestival.kr)を参照のこと。入場料:20,000ウォン(満19歳以上の方のみ入場可能)。
(在大韓民国日本国大使館 Embassy of Japan in Korea)

韓国のインターネットのニュース記事“‘방사능 우려’사케 홍보말라” 日대사관에 항의서한 (「“放射能憂慮’サケ 広報するな」日大使館に抗議書簡) (NAVER.COM 2016-03-25)には、200以上のコメントが付いていますが、それらの中からいくつか紹介します(自動翻訳 hot-korea.com/tool/translation/による日本語訳/韓国語原文)。

NaverCom20160325SakeFestival
“‘방사능 우려’사케 홍보말라” 日대사관에 항의서한 (NAVER.COM 2016-03-25)より

catd****
まぬけな政府 福島原爆社とは2011年3月に起きたが、とうに過ぎた2年後の2013年9月ではやっと輸入禁止させて、中国、台湾このような国々見ろ。 買ってからある月の中に全部オールストップした。 特に台湾はより一層検疫強化して水産物だけでなく、日本全体水産物、そして9県から出た日本産物品全体検疫して輸入禁止下は方案出した。 中国も5県全面輸入禁止. 9県検疫強化して、まぬけな韓国政府. (自動翻訳 hot-korea.com/tool/translation/
catd****
멍청한 정부 후쿠시마 원폭사고는 2011년 3월에 일어났는데, 한참 지난 2년뒤인 2013년 9월에서야 겨우 수입금지 시키고, 중국 대만 이런 나라들 봐라. 사고나서 한 달안에 전부 올 스톱했다. 특히 대만은 더욱 검역 강화해서 수산물 뿐만 아니라, 일본 전체 수산물, 그리고 9개현에서 나온 일본산 물품 전체 검역하고 수입금지하는 방안 내놓았다. 중국도 5개현 전면 수입금지. 9개현 검역강화하고, 멍청한 한국정부.

leeg****
日本も食べない放射能憂慮水産物が甘い我が国にだけ唯一たくさん輸入されるのに本当に心配だ。 
機械翻訳 hot-korea.com/tool/translation/
leeg****
일본도 안먹는 방사능우려 수산물이 만만한 우리나라에만 유독 많이 수입된다는데 정말 걱정스럽다.

shl8****
私たちの政府は国民を守る政府なのか放射能物質食べても死ぬのか生きるのか実験テーブルに上げる政府なのか? (機械翻訳 hot-korea.com/tool/translation/
shl8****
우리정부는 국민을 지키는정부인지 방사능물질 먹어도 죽는지 사는지 실험테이블에 올리는정부인지 ?

yo2o****
居酒屋でサケを飲む人々は日本酒を飲もうがセシウム酒を飲もうが本人選択であるから誰を恨むこともできません。 問題は日本産農水産物と知らずにだまされて食べる人々です。 学校、軍隊、会社団体給食やレストランで外食してさらに家ご飯食べて放射能を食べることができるということは政府責任が100%です。 このように放射能に無防備な状態であって途方もない社会的費用を払って滅びていく日本と一つの船に乗るという心づもりらしいです。(機械翻訳 hot-korea.com/tool/translation/
yo2o****
이자카야에서 사케를 마시는 사람들은 일본 술을 마시든 세슘 술을 마시든 본인 선택이니까 누굴 탓할 수도 없겠습니다. 문제는 일본산 농수산물인줄 모르고 속아서 먹는 사람들입니다. 학교, 군대, 회사 단체 급식이나 음식점에서 외식하다가 심지어 집밥 먹다가 방사능을 먹을 수 있다는 건 정부 책임이 100%입니다. 이렇게 방사능에 무방비한 상태로 있다가 엄청난 사회적 비용을 치르며 망해가는 일본과 한 배를 타겠다는 심산인가 봅니다.

ginn****
上手にするといおうというして!  日本放射能ゴミ屑鉄、帆立貝、どのかまぼこに入るのか分からない魚みな遮断しろ!! (機械翻訳 hot-korea.com/tool/translation/
ginn****
잘한다잘해! 일본 방사능 쓰레기고철,가리비, 어느 어묵으로 들어갈지모르는 생선들 다 차단해라!!

saik****
なぜ政府はこのような行事をあらかじめ中止させることができないか? 外交でなぜこのように屈辱的なのか、違うとこのような式で徐々に放射能汚染疑い農水産物を韓国市場に解いておく日本に何か食べるのか? (機械翻訳 hot-korea.com/tool/translation/
saik****
왜 정부는 이런 행사를 미리미리 중지 시키지 못하는가? 외교에서 왜 이리 굴욕적인가, 아니면 이런식으로 야금야금 방사능 오염 의심 농수산물을 한국시장에 풀어 놓는 일본에게 무엇인가 먹은건가?

fdks****
日本と外交断絶を宣言しなければならない。 それでも独島(ドクト)がムカデの土だと言い張って見くびれば、その時は国交断絶まで宣言しなければならない。 日本ないと私たちが世の中生きていくのに何の支障ない。 (機械翻訳 hot-korea.com/tool/translation/
fdks****
일본하고 외교단절을 선포해야 한다. 그래도 독도가 지네땅이라고 우기고 우습게 보면, 그때는 국교단절까지 선포해야한다. 일본없다고 우리가 세상살아가는데 아무 지장없다.

参考

  1. 最大規模の日本酒祭り=ソウル(佐賀経済新聞 2016年03月26日):”韓国ソウルの大型展示施設で26日、日本各地の地酒が試飲できるイベント「ソウル・サケ・フェスティバル 2016」が2日間の日程で始まった。”
  2. ソウルでの日本酒フェス開催に韓国市民団体が抗議集会=韓国ネット「政府は前もって中止できなかったのか?」「輸出しようとする日本も日本だが…」 (RecordChina 2016年3月25日)
  3. COEX D2ホール
  4. The 31st Korea Emigration & Investment Fair 2016/Spring Period : 2016-03-26 ~ 2016-03-27 Time : 11:00 ~ 18:00 Venue : COEX HALL D Website : www.uhak2min.com
  5. “‘방사능 우려’사케 홍보말라” 日대사관에 항의서한 (NAVER.COM 2016-03-25)

『隠ぺい・詭弁・脅迫 ~ フクシマの嘘』

『隠ぺい・詭弁・脅迫 ~ フクシマの嘘』 (原題:Täuschen, tricksen, drohen ― Die Fukushima-Lüge)

ドイツの公共放送テレビ局ZDF(ツェット・デー・エフ)が制作した番組『フクシマの嘘』。リポーターは、ヨハネス・ハーノ(Johannes Hano)氏。

ドイツZDF「フクシマの嘘 其の参」 (43分15秒)

参考

  1. ドイツの脱原子力政策決定から4年 国民的合意は揺るがない (第2回)(THE HUFFINGTON POST 熊谷徹 投稿日: 2015年03月11日):”ドイツの公共放送局ZDFは、2014年2月26日に「偽装・欺瞞・威嚇―福島の嘘(Täuschen, tricksen, drohen ― Die Fukushima-Lüge)」という43分間のドキュメンタリーを放映した。”
  2. ドイツ国営放送が「フクシマのウソ」を告発 「原子力ムラ」の恐るべき実態を暴いたドキュメンタリーが話題に(シネマトゥデイ 2012年4月18日)”日本のメディアでは決して語られることのなかった「原子力ムラ」の恐るべき実態を次々に暴いていく。”

福島第1原発で起きたこと 今中氏のセミナー

2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故から5年: 5年前に福島第1原発で起きたこと (今中 哲二 氏のセミナー動画)

2011年(平成23年)3月11日14時46分に東北地方太平洋沖地震が発生し、津波に襲われた福島第一原子力発電所では非常用電源も含めて全ての電気が止まりました。その結果、炉心を冷却して発熱を止めることができなくなり、炉心溶融(メルトダウン)に至る大事故となりました。

5年前に福島第1原発で起きたことおよびこれまでの5年間を考えるための参考になりそうな、最近行われた市民向け講演会の動画を紹介します。講師は京都大学原子炉実験所の今中哲二氏。

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勉強会 『事故直後の被曝量をいまから見積もる試み:飯舘村といわき市』 NPO法人いわき放射能市民測定室 たらちね
講師:京都大学原子炉実験所 今中哲二 先生

今中哲二 勉強会 2016年1月31日 (本論の始まり 8:30-)

今日の話題
1.5年前に福島第1原発で起きたこと (8:55-38:33)
2.飯舘村での初期被爆評価プロジェクト:結果と宿題
3.いわき市での初期被爆評価について:これからの構想

1.5年前に福島第1原発で起きたこと (* 完全な文字起こしではありません)

地震、津波、運転停止
8:55 まず、5年前に起きたこと。福島第一原発で大変な事故が起きました。3月11日14時46分地震が発生。1号機、2号機、3号機が運転中。
10:05 地震が起きたときの、原子炉の非常事態の3つのスローガン:「止める、冷やす、閉じ込める」
11:58 震源の距離は180km、地震が起きました。制御棒が自動的に原子炉に入って原子炉は止まった。「止める」にはこの3つは成功しました。地震で原子炉があるのはちょくちょくある話です。
11:40 そのときにこの原子炉で何が起きたかというと、原子力発電所は普段は電気を作って外へ出しているわけ。地震で1,2,3は停まってしまった。4,5,6(号機)も動いてなかったということになると電気がなくなるわけです。そういうとき外から電気を持ってきます。外部電源。送電線があって、この発電所の場合2系統+予備で3つ、それが全部やられた。送電線のタワーが地震で倒れ、変電所の碍子が地震で壊れて、電気を受けられなくなった。ひとつの緊急事態です。そこまでは日本の原発は対策は考えていた。そういうときに備えて、非常用発電機、ディーゼル発電機を備えている。
13:00 ディーゼル発電機が予定通り動き始めた後に起きたこと、津波ですよね。15時35分、36分、37分と何回かにわけて津波が来た。
13:30 この発電所の非常用発電機がどこにあったか?原子炉が入っている原子炉建屋というのがこの四角の建物、長細いのは電気を起こすタービンが入っているタービン建屋。非常用発電機は、このタービン建屋の地下にあった。
14:00 この発電所の津波対策は5.7m。そこに10mを越える津波がきて、全部水浸しになって非常用発電機も止まってしまった。本当に深刻な事態が始まってきたということになります。

非常用電源、メルトダウン

14:26 福島原発事故も、原子炉の安全性に責任を持っている人たちが「原発は危ないものだ」と本当に思っていたら、簡単に回避ができた。なぜならば、この非常用発電機をちょっと山のほうに置いておくとかすれば回避できた。ここに10mをこえる津波が来るかもしれないよという警告はずいぶんまえからされていた。
15:04 吉田調書を読んでいくと、「2008年に、東電内部チームから、福島原発で10mを越える津波の可能性の報告があった」。結局全部それを握りつぶしてきた、ということがこの事故につながったんだろうと思います。そういうことで人災であることは間違いない。
15:38 結局、3月12日、1号機で水素爆発、3月14日に3号機で水素爆発。冷やせなくなって。電源がなくなるということは、ポンプを回せなくなる。ポンプを回せないということは、水が送れない。

16:04 ちょっとややこしい話なんですけれども、核分裂の連鎖反応は止まっているんですよね。日常生活で火が燃えているところに水をかけたら火が消えて発熱は終わります。原子炉が厄介なのは、核分裂の連鎖反応が止まっても発熱は続いている。これはどいう発熱かというと、莫大な量の放射能が溜まっているんですよね。ウランが核分裂を起こすと、核分裂生成物これが非常に放射能が強い。放射能が強いということは放射線を出しているわけ。アルファ線、ベータ線、ガンマ線という言葉を聞かれたことがあると思いますが、それぞれ強いエネルギーを持っている。この真ん中に莫大な放射能が溜まっていると、放射線が出たら最終的に熱になる。その熱(崩壊熱あるいは残留熱と呼ぶ)をうまく取り除かないと、全部溶けてしまう。これが原子力発電の一番やっかいな点です。

17:45 1号機の電気出力46万kW。要するにタービンをぐるぐる回して出てくる電気の量が46万kW。原子炉の中でどれだけの熱が出ているかというと、運転中が46万kWだったとするとその3倍、だいたい120万kW。原子力の発電効率は非常に悪くて3分の1。原子炉の中では3倍の熱が出る。

18:30 (スライド:全交流電源喪失→炉心冷却不能がおきたら)

18:30(スライド:BWRの構造図) 核分裂が止まったときどれくらいの熱がまだ発生しているかというと、その6%か7%、ですから10万kWくらいの発熱があります。その熱をうまいこと取り除いてやらないと溶けてしまう。ポンプが止まって、崩壊熱が冷やせなくなって、メルトダウン。
19:20 (燃料棒の説明)

20:35 燃料棒の鞘の金属、ジルコニウムは1000度を越えると水とよく反応する。酸素とジルコニウムがくっついて酸化ジルコニウム。結局、水とジルコニウムの反応で、水素が生じる。

21:35 最終的に放射能を閉じ込める役割をするのはこの格納容器。この中の温度、圧力が上がっているぞと。(燃料集合体が)高温になって溶けてしまうのがメルトダウン。厚さが15cm、20cmの鋼鉄製のお釜と言いましたけれど、これが溶けてしまうのがメルトスルー。

22:20 メルトダウン、メルトスルーが1号機では11日の夜から多分始まっていたと思います。
23:16 福島がチェルノブイリになってしまったのは15日のことです。「とめる、ひやす、とじこめる」の閉じ込めるという役割はこの格納容器なんですよね。1号機3号機は派手に爆発したけれどもこの格納容器はまだ壊れていなかった。「閉じ込め」機能はまだあった。3月15日の午前11時に枝野さんが「格納容器が壊れた」。ここで「閉じ込める」もできなくなった。私は、本当に大変だもう涙が出る思いがしました。
24:36 (スライドのグラフ)これは放射能濃度を後から調べた結果。Iはヨウ素、Csはセシウムの記号
25:30 (グラフ)3月15日のSPEEDIの結果。

放射能汚染
27:30 原発事故のときはいろんな放射能が出るんですけれども、福島の事故で問題になるのは主に放射性のヨウ素131、放射性セシウム134と137。ヨウ素131は半減期が8日間なので2ヶ月か3ヶ月で消えます。一方、セシウム134の半減期が2年、セシウム137の半減期が30年。
28:48 私は東京だってある意味で放射能まみれだと言っています。東京の土を採って私の職場の測定器で測ると、どこでも、セシウム137と134が出てきます。そういう意味ではかなりの汚染です。
29:08 (スライド)セシウム137の汚染が1平方m当り1万ベクレル以上の面積は約2万5000平方km。
29:58 (スライド)ある程度の被爆は避けられない。専門家の役割は被爆リスクについてできるだけ確かな情報を出す、これが私の役割だと思っています。ここなら住める住めないという一般的な判断は私にはありません。みなさんがどうするというのは私からは言えない、そういうスタンスでやっています

1960年代の核実験による放射能との比較
32:34 (スライド)私が子供のころ、1962年から1963年にかけて空から放射能セシウム137)が降ってきました。ソビエト、アメリカ、中国が核実験。一つの目安になると思う。1平方mあたり3000ベクレルから5000ベクレル。セシウムは土につかまりやすい、あまり流れない。半減期が30年。1962年から50年、そのときの放射能というのは日本中どこでも残っています。人の手のはいっていない山とかで土をとってくると、上の10cmから20cmの間にセシウム137があります。これは福島原発からではなくて、(当時の)核実験。1平方mあたり1000ベクレルくらい残っています。というのがひとつの目安になります。
34:54 この1万ベクレルというのがどれくらいの量かということなんですけれども、多摩市で土をとってくると1平方mあたり1万4千(ベクレル)ありました。

もともと自然に存在する放射能との比較
35:58 自然界にもともと放射能あります。その量がどれくらいかというと東京でだいたい0.05マイクロシーベルトくらいです。それに1平方mあたり10,000ベクレルのセシウムがあったら、
0.05だったものが0.06か0.07くらいに上がります。ですから、1平方mあたり10,000ベクレルというのは、放射線量を0,01か0.02(マイクロシーベルト)上げる量。
36:53 福島くらい行くと10万ベクレル、0.1から0.2(マイクロシーベルト)上がります。これは自然放射線よりかなり大きなレベルになります。
37:10 自然放射線というのは実は場所によって違います。東京は0.05(マイクロシーベルト)と言いましたけれども、福島は比較的低くて0.04くらいだったと思います。広島が日本で一番高くて、平和公園で測ると0.08あります。たいていの人は「原爆のせいか」というんですけど、そうではありません。土の性質によります。自然放射線というのは、地面からくるやつ、宇宙からくるやつ、があります。広島の場合は花崗岩が多いんですよね。花崗岩の中には放射線の元、ウラン、トリウムが他の地域に比べると多いので0.08になります。ということを考えながら、この汚染というものを見ていただきたい。

38:39 飯舘村の話に入ります。5年前、放射能汚染の情報がまったくといっていいほど出てこなかった。

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第112回 原子力安全問題ゼミ (2016年2月10日に京都大学原子炉実験所で開催された「最後」の原子力安全問題ゼ­ミより、今中哲二さんの講演部分の映像)

第112回原子力安全問題ゼミ 今中哲二さん講演(全編版) (youtu.be/PpUclT4dDlA)

今日の話 (スライド 7:53)
1.飯舘村のいま
2.5年前に福島第1原発で起きたこと (11:45-30:33)
3.これまで福島でやってきたこと
4.日本も、放射能汚染と向かい合う時代になった

参考

  1. 東電社長 メルトダウンの判断巡り「隠蔽ではない」(HHK NEWSWEB 2016年3月3日):”東京電力の廣瀬社長は3日の参議院予算委員会に参考人として出席し、…「3月14日の朝の時点で1号機は55%の損傷率だと報告したが、マニュアル上は『5%という数字をもって炉心溶融と判定しなさい』と書かれており、明らかに5%より大きく、隠蔽するということではなかったと考えている」と説明しました。”
  2. 「メルトダウン」判定基準問題 菅氏「可能性あると思っていた」 (FNN 2016/02/25) ニュース動画 ”東日本大震災から5年近くがたち、新たに驚きの事実が判明した。事故を起こした福島第1原発、核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が公表されたのは、発生から2カ月後というタイミングだったが、実際には、事故発生のほぼ直後から「メルトダウン」と判断できたはずの東電社内マニュアルが存在していたことがわかった。事故発生から3日後の2011年3月14日午前11時ごろ。福島第1原発では、12日に水素爆発した1号機に続き、3号機でも爆発が発生した。事態が緊迫の度を増す中、東京電力は会見で、炉心溶融いわゆる「メルトダウン」が起きている可能性について聞かれ、「燃料の損傷の程度というのは、ちょっと今の時点ではわかりません」、「(溶融の可能性はあると?)可能性はあります」と話していた。実際はこの時、原子炉内の核燃料が1号機で55%、3号機で30%損傷したことがわかっていたが、東電は当時、「メルトダウンと判断する定義がない」などと説明。会見などでは、炉心の溶融ではなく損傷の表現にとどめていた。しかし、事故から5年近くがたって、驚きの事実が発覚。メルトダウンの判定基準が記された社内マニュアルを東電はこれまでずっと見過ごしてきたという。24日の会見で、東電は「マニュアル上で、炉心損傷割合が5%を超えていれば、炉心溶融と判定するということが明記されているということが判明致しました」と話した。”
  3. 東電、「メルトダウン」社内マニュアルを5年経って「発掘」 事故1年前に改訂していたのに「気づかなかった」とは (JCASTニュース 2016/2/25):”2011年3月11日に起きた東京電力福島第1原発事故で、本来であれば事故から3日後には核燃料が融け落ちる「メルトダウン(炉心溶融)」が起きたことを発表できていたことが、16年2月24日の東電の発表で明らかになった。東電は事故について「炉心溶融だと判定する根拠がなかった」などとして、炉心溶融を認める11年5月まで、溶融ほど深刻ではなく、燃料が傷ついた状態を指す「炉心損傷」という言葉を使い続けてきた。だが、事故から丸5年もたった今になって、当時の事故判定マニュアルを「発見」したのだという。そこには「炉心損傷の割合が5%を超えていれば、炉心溶融と判定する」という記述が明確にあった。”
  4. 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)
  5. 福島第一原子力発電所事故(ウィキペディア)
  6. 今中哲二・京大原子炉実験所助教の最終講義(2016年1月28日) (大間原発止める道 ooma.exblog.jp)
  7. 放射能汚染の時代を生きる~京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち~ 2011年10­月23日(日)深夜25:00-26:00 大阪MBS関西ローカル (youtu.be/vBg1XUr88ow
  8. 原子力安全問題ゼミ<最近の安全ゼミ>
  9. 原子力安全問題ゼミ全レジュメ集 第一回(1980.6.4)~第100回(2005.3.22)
  10. 炉心溶融のシミュレーション 防災用事故シナリオ理解のための教材(BWRマークI型)

「それは風評じゃねぇんだ、現実なんだから。」 映画『大地を受け継ぐ』

映画『大地を受け継ぐ』予告編

井上淳一監督『大地を受け継ぐ』インタビュー

参考

  1. 大地を受け継ぐ公式ウェブサイト
  2. 原発事故で父が自殺 息子が語る…映画公開 (日テレNEWS24 2016年2月20日):”東京電力・福島第一原発事故により、父親を自殺で失った農家の男性を描いたドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」が20日から東京で公開が始まった。”
  3. 原発事故、父の自殺… 母子二人、農家の葛藤を映した作品が緊急公開 (シネマトゥデイ 2015年11月13日):”2011年3月24日、原発事故を受け農作物出荷停止のファックスが、福島県で農業を営む一人の男性のもとに届いた。直後に自ら命を絶ったこの男性に先立たれた妻の樽川美津代さん、息子の樽川和也さんは、今も同じ土地で農業を続けている。汚染された土地の作物を流通させることに対する罪悪感、賠償をめぐる裁判、東京電力からの補償金、身内からの非難……。さまざまな葛藤(かっとう)を抱えながら暮らす母子二人の4年間の軌跡と、彼らのもとを訪れ、彼らの抱える「孤独」に触れる学生たちの姿を映す。”
  4. 福島県放射能測定マップ
  5. いわき放射能市民測定室 たらちね 2016年1月の放射能測定結果 93件
  6. なぜ、日本はチェルノブイリの教訓を生かせなかったのか?(ラジオフォーラム#162): 福島事故直後から被災地の放射線量を測定し続けた京大原子炉実験所助教の今中哲二さん­をゲストに、チェルノブイリの教訓が福島で生かせなかった驚くべき理由を西谷文和がお­聞きします(02:02-)。