早稲田大学の博士論文のデータはコスモ・バイオのウェブサイトからの借用

小保方博士が早稲田大学に提出した博士論文のデータの一部は、コスモ・バイオ株式会社のウェブサイトの肝細胞培養キット【Hepatocyte Culture kit】肝細胞(マウス)の写真を盗用したものであったことがわかりました。この博士論文における数々の不適切な行為に関しては、小保方晴子の博士論文の疑惑まとめ(stapcell.blogspot.jp)といウェブサイトにまとめられています。

博士論文だけに限っても常軌を逸した不正行為が次々と露見しており、ここまで来るともう小保方氏個人の問題にとどまらず、早稲田大学の教育責任が問われる事態です。インターネットから文章をコピーアンドペーストし、実験結果の写真もネットから拾ってきて貼り付けただけという、滅茶苦茶な”博士論文”を受理して博士号を与えてしまった早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻では一体どのような大学院教育がなされているのでしょうか?

論文作成にあたっては学生と指導教官が何回も草稿をやり取りして書き直していくのが通常のプロセスです。個々の学生にどの程度の英語力があるかは、普段の研究指導の過程で自然にわかるもので、コピーアンドペーストによっていきなり完成度の高い英文を日本人の学生が書いてきたら、指導教官は違和感を覚えることでしょう。リファレンスがないイントロダクションや、引用箇所が対応していない本文など、おかしなことだらけで、こんな博士論文が通ってしまったということは、早稲田大学では主査、副査の先生が小保方氏の博士論文をろくに読まずに審査を通していた可能性すらあります。

今回の件を小保方氏の個人の問題に帰してしまえば、また同じような人がいつか現れて同じような問題が繰り返されます。このような研究不正が起こりえない研究教育制度を確立することが急務です。残念ながら、研究者はデータの捏造などしないという、性善説に則ったシステムが機能しないことは今や明らかでしょう。

参考

  1. 小保方さん「コスモバイオ」のホームページから転載を疑われる(秒刊SUNDAY 2014年03月13日10:06)
  2. 早大博士論文、細胞画像までコピペ? 小保方晴子氏の疑惑発覚続く(J-CASTニュース 2014年03月13日19時50分):コスモ・バイオによると、サイト上の画像は、2007年6月に撮影して掲載した。小保方氏の博士論文は、それより後の11年2月に提出されていることから、もしコピペなら、小保方氏がしたことになる。
  3. 早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻
  4.  疑惑の論文…小保方さん、博士号剥奪も 早大「厳密調査中」(スポニチアネックス2014年3月13日 05:30):早大は12日、スポニチ本紙の取材に「過去に学位取り消しの例もある」とし、調査結果次第で博士号が取り消される可能性が出てきた。
  5. 指導教員は何を指導したのか、学位論文の審査はどうだったのか。大学は第3者機関の調査を受けなければいけないと思う。そして、その結果は公にされるべきだし、問題のあった教員や責任者は処分を受けるべきだと思う。(日々の研究 2014-03-11 火曜日 京都大学理学研究科 教授 佐々真一)

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