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2013年のノーベル賞受賞候補者を予測

学術情報、研究動向の分析を行うトムソン・ロイター社が、論文・引用データに基づいてノーベル賞クラスの研究者を選出し、本年度のトムソン・ロイター引用栄誉賞の対象者として発表しました。選ばれたのは以下の3氏です。

大隅 良典 氏(医学・生理学分野「オートファジーの分子メカニズムおよび生理学的機能の解明」)→東京工業大学  大隅研究室ウェブサイト
水島 昇 氏(医学・生理学分野「オートファジーの分子メカニズムおよび生理学的機能の解明」)→東京大学 水島研究室ウェブサイト
細野 秀雄 氏 (物理学分野 「鉄系超伝導体の発見」)→東京工業大学 細野研究室ウェブサイト

トムソン・ロイターによると、トムソン・ロイター引用栄誉賞の選出は、ノーベル賞受賞と高い相関性を示しているそうです。つまり、上記3氏はノーベル賞の有力候補と言えます。

参考

  1. 「トムソン・ロイター引用栄誉賞」を発表。日本からは、東京工業大学の細野秀雄氏、大隅良典氏、東京大学の水島昇氏 (トムソン・ロイター 2013年 プレスリリース)
  2. 日本人3人含むノーベル賞有力候補を発表=トムソン・ロイター(朝日新聞デジタル2013年9月25日)

科研費申請書の書き方

* これは古い(2013年9月)記事です。最新版(2014年9月)のこちらの記事をご覧ください
⇒ 【平成27年度】誰も教えてくれなかった「通る」科研費申請書の書き方

 

今年も科研費申請の時期がやってきました。

文科省の予算配分もあって、ここ数年リサーチアドミニストレーター(URA)を大学が雇用する動きが活発になってきました。URAの重要な職務の一つが、外部資金獲得支援です。今まで科研費をどう書いたら良いか悩んでいた研究者も今年は強力な助っ人を得て、今までよりもずっと良い申請書が書く人が増えそうです。

申請書の書き方テクニック~科学研究費(若手研究B)を例に~ 福井大学URAオフィス (PDF14ページ):望ましくない言葉遣いを具体的に列挙するなど、丁寧・親切。

科研費計画調書の書き方指南 九州大学大学院数理学研究科 三町勝久(PDF5ページ):典型的な採択されないポイント6点、採択される申請書を書く際の心構えなど。

現時点で一般に公開されていませんが、京大も科研費申請書指南書を作成しています。

「科研費申請書の教科書」~サステイナブルな研究活動を行うために 京都大学学術研究支援室:落ちる申請書には理由があった!京都大学で採択・不採択になった科研費申請書を網羅的に分析すると、明らかな差があることに気付いた。優れた研究でも「伝わらない」申請書は採択されない。審査委員に「伝わる」申請書の書き方を、学術研究支援室が説く!(*本書は学内の科研費説明会の参加者にお配りし,また教員の方々には部局を通じて本書を配布させていただきました.既に数々のお問い合わせを頂いており,本書への強いニーズを実感しております.)

今年の申請に合わせたタイミングで新しく書籍も出版されています。

科研費獲得の方法とコツ 改訂第3版〜実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略 児島 将康  (出版年月日:2013/8/10):
ビジュアル図解 科研費のしくみと獲得法がわかる: 応募の方法から、申請書の書き方・仕上げ方まで 佐藤 成美  (出版年月日2013/7/23)

「霊長類認知ゲノミクス」キックオフワークショップ 9月30日(月)-10月1日(火)@生理研

「霊長類認知ゲノミクス」キックオフワークショップ
期日:9月30日(月)-10月1日(火)@
会場:自然科学研究機構生理学研究所

ヒトの高次認知機能やその破綻として現れる精神・神経疾患の根本的な理解には、マウスやラットなどのげっ歯類に代わる、ヒトにより近縁な霊長類モデルの開発が必要不可欠であると考えられます。ヒトの疾患、特に高次認知機能に関わる病態機序の解明には、そもそもヒト脳との形態や機能分化の程度において大きな差異があるマウス脳やラット脳で得られた結果を、ヒトに外挿する方法論の限界も指摘されており、一方、ヒトにおいては、病態と遺伝子・分子の相関関係は明らかにできる可能性がありますが、実験的な操作や侵襲的な実験が不可能なため、因果律の解明まで踏み込む事が極めて難しいのが現状です。

そこで、本プロジェクトでは、ヒト脳との形態的・機能的類似性を持ち高次認知機能課題の遂行に優れているマカクザル(ニホンザルおよびアカゲザル)、また、高度の社会性・認知機能を有し、かつ世代時間の短いマーモセットを対象に、げっ歯類でもヒトでも行えないエビデンスベースの因果律の解明を目指した霊長類精神・神経疾患モデルの作出を行う事を目標とするものであります。


上記の目的を達成するために、具体的に3つのフェーズを想定しています。


① みつける(ゲノム解析:エキソーム解析、CNV 解析、など)
② はかる(中間表現型解析:遺伝子発現解析、タンパク質機能解析、脳構造・機能イメージング、認知行動解析、など)
③ そうさする(操作・介入実験:遺伝子導入、クローンサル作製、など)


上記の3つのフェーズ間をシームレスかつ体系的につなぎ合わせることで、「霊長類認知ゲノミクス」研究を推進しようというのが本ワークショップのねらいです。

(http://www.nins.jp/cnsi/brain/index.php#bs_infoより一部転載)

リサーチアドミニストレーター(URA)リンク集

リサーチアドミニストレーター(URA; Univsersity Research Administrator)の業務に関するリンク集です。

【リサーチ・アドミニストレーターとは】

  1. リサーチ・アドミニストレーター (URA) という職業を知っていますか?:丸山 浩平氏、阿部 佑氏(東京農工大学 先端産学連携研究推進センター)へのインタビュー(Chem-station.com)

【組織】

  1. リサーチアドミニストレーション研究会
  2. Society of Research Administrators (SRA) 
  3. National Council of University Research Administrators (NCURA)

【企業】

  1. エルゼビア・ジャパン株式会社イベント:エルゼビア研究戦略セミナー2013年6月26日「研究評価」、エルゼビア研究戦略セミナー2012年6月7日「URAを取り巻く環境の最新情報」、
  2. トムソン・ロイター・プロフェッショナル株式会社 :トムソン・ロイター 学術情報ソリューションが提供するURA・研究支援実務担当者向け有料研修、

【国立大学】

  1. 京都大学 学術研究支援室(Kyoto University Resaerch Administration Office):   「科研費申請書の教科書」”落ちる申請書には理由があった!”、URA募集特設サイト、
  2. 金沢大学 先端科学・イノベーション推進機構 (Organization of Frontier Science and Innovation, O-FSI) 
  3. 北海道大学URAステーション:北海道大学創成研究機構、研究支援室、
  4. 大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室 (Osaka University Research Administrator) :
  5. 東京大学 研究活動 リサーチ・アドミニストレーター
  6. 名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部
  7. 九州大学学術研究推進支援機構(University Research Administration Office)
  8. 筑波大学 URA研究支援室(Research Administration Office):
  9. 広島大学 研究推進機構:
  10. 九州工業大学リサーチ・アドミニストレーション・センター:
  11. 岡山大学:ニュース「本学におけるURAは、森田学長が直接指揮する組織として設置。」
  12. 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究推進センター:
  13. 東京医科歯科大学研究推進・産学連携:
  14. 東京工業大学研究推進部:
  15. 電気通信大学 研究・産学連携:
  16. 豊橋技術科学大学 研究・技術開発:
  17. 神戸大学 学術研究推進機構:
  18. 熊本大学 研究:

【私立大学】

  1. 早稲田大学 研究推進部:
  2. 慶應義塾大学研究連携推進本部:
  3. 同志社大学研究開発推進機構:同志社大学リサーチ・アドミニストレーターについて(PDF)、

森口尚史氏のiPS細胞臨床研究不正に関する最終報告書を東大が公表

iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心筋細胞を患者に移植したというウソの発表をした森口尚史(ひさし)氏(49)。新聞で大々的に報道された直後にウソがバレてさんざん世間を騒がせましたが、ようやく東京大学が最終報告書をまとめて公表しました。

森口尚史氏による研究活動の不正行為に関する調査報告 東 京 大 学

平成24 年10 月10 日、米国で開催された国際会議において、森口 尚史 元・医学部附属病院 特任研究員(平成24 年10 月19 日付け懲戒解雇。以下「森口尚史氏」という。)により、iPS 細胞から誘導した心筋細胞移植を初めてヒトで行ったとする研究(以下「iPS 心筋細胞移植」という。)をハーバード大学の関連病院で行ったとする発表がなされ、翌11 日に読売新聞で報道された。直後にハーバード大学は、正規の手続きを経た臨床応用が行われたことを否定し、その後、森口尚史氏による虚偽発表等の不正行為 について新聞各誌で報道された。

これを受け、本学においては、森口尚史氏が在籍していた医学部附属病院及び先端科学技術研究センターにおいて予備調査を実施するとともに、本部に設置した科学研究行動規範委員会1において調査・審議を行い、調査結果をまとめたので、その概要を報告・公表するものである。

(http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_250920_j.html)

 4. 本学の対応について
(1) 関係者の処分等
森口尚史氏に対しては、虚偽の発表を行い、大学法人の名誉又は信用を著しく傷つけたとして、平成24年10 月19 日付けで懲戒解雇の懲戒処分が既になされている。その他の関係者については、本学規則に基づき、厳正に対処する。
(2) 公的研究費の返還
森口尚史氏が特任研究員として雇用され、参画していた公的研究費に関しては、資金配分機関の指導に基づき、適切に対応する。
(3) 論文の取り下げ
不正行為であると認定した14 編の論文のうち、5 編については、既に撤回されている。その他の論文等についても、撤回等の処置が確実に講じられるよう、適切に対応する。
(4) 再発防止に向けた取組

(http://www.u-tokyo.ac.jp/public/pdf/public01_250920_j.pdfから一部抜粋)

不正を行った責任者は懲戒解雇、公的研究費を返還するというものです。助教の監督責任についても言及していますが、この森口尚史氏の一件は「単独犯」の趣きが強いものです。それに対して、東京大学分子細胞生物学研究所や大阪大学医学部の研究不正は研究室ぐるみの組織的犯罪の様相があります。なぜなら、同じ研究室から出た異なる筆頭著者による複数の論文で不正行為があったからです。

実質的な論文不正の責任者を懲戒解雇し、研究費を返還させるということを是非他の事件にも公平、公正に適用してもらいたいものです。億単位の研究費を使って不正行為を働いてきた研究室は、その数億円~数十億円を返還すべきですし、それを徹底することが今後の論文不正防止の最良の策でしょう。

再発防止に向けた取組みで教育のためのリーフレットを配っても効果はありません。そんなことは何年も前から行われていることです。

過去にさかのぼってでも責任を追及して、懲戒解雇、研究費返還などを徹底的に行い、論文不正が割に合わないことだと研究者に知らしめることが最重要です。捏造体質の研究室が組織的に行ってきた論文不正の悪質さに比べたら、森口尚史氏の件などジョークみたいなもので、メディアがこぞって仰々しく取り上げる価値はありません。

参考ウェブサイト

  1. 森口尚史のブロマガ「医学報道の光と闇」 降圧剤の臨床研究不正~バルタン星人(バルサルタン)の方程式~
  2. 森口尚史インタビュー(2012年11月10日):「十八番はデュエット曲の『ロンリー・チャップリン』や。俺、こう見えてサービス精神旺盛で、女には結構モテんねん。学生時代にバンドでボーカルやってたから、歌もなかなかのもんや」

 

 

 

10月29日東京でMATLAB EXPO開催

日本最大級のMATLABイベントMATLAB EXPOが2013年10月29日に東京・ホテルグランパシフィックLE DAIBAで開催されます(参加費無料、事前登録制)。内容は、基調講演、セミナー、チュートリアル、出展パートナー企業による製品展示、デモなど。セミナーのトピックは、

  • Embracing Complexity- 複雑性への取り組み
  • 基礎研究の現場から眺めた情報技術の見えないイノベーション
  • MATLABプログラミング入門
  • 今から始めるSimulink入門~制御編~
  • Simscapeによる物理モデリング入門
  • MATLABによる最適化入門
  • MATLABによるビッグデータ解析
  • MATLABプログラミング中級編パワフル機能を完全活用
  • MATLABによる機械学習
  • MATLABで試す機械学習
  • いまからはじめる、MATLABによる画像処理・コンピュータービジョン(導入編)
  • いまからはじめる、MATLABによる画像処理・コンピュータービジョン(活用編)
  • MATLABで信号処理~各種センサーを題材として~
  • 音声分野におけるMATLABの利用と先端研究紹介
  • ますます広がるSimulinkからの通信システム実装
  • MATLAB/Simulinkを活用した電源システム設計フロー紹介
  • ついに出た、SimulinkによるプログラマブルSoCデバイスへの実装ワークフロー
  • 画像処理IPコアへのHDL Coder適用事例
  • モーター・モーション制御モデルベースデザイン実践「制御系設計」編
  • モーター・モーション制御モデルベースデザイン実践「プラントモデリング」編
  • モーター・モーション制御モデルベースデザイン実践「リアルタイムテスト」編
  • モーター・モーション制御モデルベースデザイン実践「組み込みコード生成」編
  • 不具合の早期検出~モデルベースデザインによるモデルとコードの検証~
  • 多入出力(MIMO)制御システムのチューニングをSimulinkでより簡単に
  • 太陽光発電用パワーコンディショナへのMATLAB/Simulinkの活用
  • Simscapeと閉ループシミュレーションを活用したエンジン制御開発のフロントローディング実践
  • 量産ソフト開発向けのモデルベースデザイン環境構築
  • CADデータを活用したロボットシミュレーションと実機制御のシームレス化
  • アセスメントによるモデルベースデザインプロセス改善

詳細、最新情報はマスワークス社のMATLAB EXPOウェブサイトをご覧ください。

 

参考(商品・サービス紹介)

  1. 転職スキル習得に役立つお勧めのプログラミングスクール

論文著者にはデータ捏造疑惑の説明責任がある

論文不正問題の渦中にある井上明久東北大学前総長が、告発した教授らを名誉毀損で訴えていた裁判で、仙台地裁は「論文に捏造、改ざんがあったとはいえない」という理由で名誉毀損を認める判決を下しました。

捏造があったのかどうかがもちろん一番の焦点になるわけですが、告発した側は「捏造や改ざんの疑いがあり、説明責任は井上氏にある」と主張し、井上明久前総長は「捏造などがあった事実を証明するべきだ」と反論していました。

仙台地方裁判所(市川多美子裁判長)は、「論文に捏造、改ざんがあったとは いえない」、「論文に捏造、改ざんがあるとの印象を与え、(井上明久氏の)社会的評価を低下させた」」という判決を下しました。井上明久東北大学前総長の言い分を認めた形です。

しかし、名誉棄損という判決を下しておきながら、”教授グループのホームページに記載された文言の削除と謝罪文掲載については請求を棄却”しています。名誉棄損だけれども名誉棄損になる文言はそのままで残しておいてかまわないというのは、矛盾していないのでしょうか?

「直ちに捏造、改ざんがあるということはできない」、「学術論争で決着を図るべきだ」というのがこの仙台地方裁判所の判断です。告発グループは書籍を出版し、数多くの文書をインターネット上で公開し、YOUTUBE動画なども用いて、論文不正の疑いに関する詳細な説明をしてきました。これらをみると、捏造の可能性に関する学術的な議論は十分尽くされていたように思えます。データ捏造の有無の判断を裁判所は避けたということでしょうか。

もし誰かが研究においてデータを捏造をしたら、それは「犯罪行為」と受け止められるべきであり、「学術論争の対象」という表現はあまり適切ではありません。

告発した教授らは控訴する方針で、今後の裁判の行方が注目されます。

参考記事

  1. 告発教授らに賠償命令 東北大前総長論文不正訴訟(河北新報社2013年08月30日金曜日)
  2. 論文不正訴訟:「告発で評価低下」認める 仙台地裁判決(毎日新聞 2013年08月29日)
  3. 東北大総長おやめください―研究不正と大学の私物化

現在インターネットで公表されている数多くの「捏造の疑い」は、専門の研究者から見ると事実上、「捏造の証拠」と思えるものが多く、それをさらに 「証明」せよといわれても告発者にはそれ以上はどうしようもないのではないでしょうか?その分野の研究者の大多数がこれは怪しいと思うのであれば、あと は、論文著者が説明責任を負うべきです。論文の矛盾点が説明されないままであれば、その論文は誰からも信用されず、引用もされず、存在価値を失います。存 在価値がないどころか、もし撤回されないのであれば、むしろ非常に迷惑な「ゴミ」として残ってしまいます。