英語の研究プレゼンで使える英文フレーズと発音は youglish.com でマスターできます。
国際学会などで英語で発表をすることになった場合、どんな英文が使えるのか、どんな風に発音するのか悩みがつきません。そんな日本人研究者の悩みをズバリ解決する凄いウェブツールがあることをツイッターで知りました。
youglish.comというものですが、これは使えます。検索できること自体すごいのですが、このツールでは、YOUTUBE動画の下に、英文トランスクリプトが大きく表示され、しかもその下の操作ボタンを使うと、何回も同じ場所を繰り返し再生したり、5秒前に戻って再生したり、ポーズして自分で発音練習する間をとったりできます。そして、次の動画に移動したり(右側の青緑色のボタン)、前の動画に戻ったりもできます。この操作性が実に素晴らしいため、非常に能率よくいろいろな人の発音を参考にしながら自分で英文フレーズの発音練習をすることができます。
以下、英語のセミナーで頻出する英文フレーズをyouglish.comで検索した結果のリンクを羅列していきます。全ての検索結果が科学研究の英語プレゼンではないことはご容赦ください。
目次
- 1 本論に入る前の挨拶の表現
- 2 話の流れをつくることの重要性
- 3 今日の講演で何を話すのかをまず伝える表現
- 4 仮説・クエスチョンを伝える
- 5 どんな実験・解析を行ったのかを伝える
- 6 予測される結果を述べる
- 7 実験結果・発見したことを述べるときの言い方
- 8 実験結果と感情表現
- 9 スライドの説明
- 10 スライドのデータを説明する英語表現
- 11 図の説明
- 12 対照実験
- 13 相手に見えて欲しい場所に目を向けてもらいたいときに使える英文フレーズ
- 14 実験結果に関する感情
- 15 結果の解釈・現象の説明
- 16 結論を示す英語表現
- 17 話す内容量の調節
- 18 トークの流れの制御
- 19 まとめに入る
- 20 これが最後のスライド
- 21 伝えたかったことを伝える
- 22 講演の締めの言葉
- 23 質問があれば受けます
- 24 質疑応答
- 25 気を付けるべき発音の単語・
- 26 セミナーで良く使われるその他の語彙
- 27 その他の語句
- 28 参考
本論に入る前の挨拶の表現
紹介してくれた座長にお礼
Thank you for the introduction.
招待へのお礼
I want to thank you for the invitation.
Thank you for having me today.
オーガナイザーへのお礼
First of all, I would like to thank the organizers ~
その他の挨拶
It’s a great pleasure to be here.
話の流れをつくることの重要性
プレゼンは、講演者がバスの運転手として乗客を目的地に運ぶようなものです。トークの最初の部分では、お客さんをバスに乗せなければなりません。そして乗客に対して、「○○行きのバスです。」と目的地を明確にアナウンスする必要があります。トークの途中では、お客さんが「本当にこのバスは目的地に行くんだろうか?」と不安がって途中下車してしまうことないようにする必要があります。そしてトークの最後では、お客さんが期待した通りの目的地できっちり下ろしてあげることが必要です。このバスの例えは、昔プレゼン方法のセミナーで聞いたことなのですが、なるほどと思いました。話の流れを作るために便利な英語表現をみていきましょう。
今日の講演で何を話すのかをまず伝える表現
「今日お話することは、‥」を英語で言う場合、
動詞+目的語、
What節+動詞、
どちらの形も同じくらいよく使われます。
日本で英語の読み書きをさんざん勉強してアメリカに行きましたが、会話の中でとても新鮮に響いたのがWHAT節でした。とても便利な言い方なのでWHAT節なしで英会話は成立しません。しかし私が英語の勉強中にはほとんどノーマークだったフレーズです。もちろん日常会話でもセミナーでもふんだんに使います。
WHAT節のひとまとまりは一息でしゃべり切りましょう。途中でつっかえると聴きづらいです。単語を考えずに口が勝手に動くようになるまで何百回も練習することをお勧めします。
ゆっくり話すのはもちろんOK.英語を話すときに一番重要なのは、つっかえたり淀んだりせずに、流れることです。
動詞talkを用いた表現
So, today I’m going to talk about ~
What I’m gonna talk about today is ~ (11件)
I would like to talk to you today about ~ (6件)
What I’ll be talking about is ~
動詞tellを用いた表現
What I’m going to tell you about is ~
What I’m going to tell you today is ~ (4件)
What I’m going to tell you about today is ~ (3件)
What I’m gonna tell you today is ~ (1件)
What I will be telling you about is ~
I am going to tell you about ~
動詞Doと組み合わせた表現
これからやりたいことは~することです という言い回し。
What I want to do over the next 45 to 50 minutes or so is give you a feel for some of the things our lab has been doing in synthetic biology and systems biology .
(NIH Seminar May 13, 2009 James Collins)
トークの冒頭でもよく使われますが、背景となる事柄をひとしきり説明した後で本題に入るときにももちろん使えます。
研究の興味が何なのかを伝える表現
What we were interested was ~ (35件)
What we are interested in is ~ (24件)
What we were interested in is ~ (9件)
Our lab is interested in ~ (8件)
What my lab is interested in is ~ (1件)私のラボが興味を持っていることは、~です。
Our research focuses on ~ (30件)
今日の講演で何を伝えたいのかを伝える
動詞convinceを用いた表現
I’m going to convince you that ~ 「~ということを納得していただけるように話をしたいと思います。」
まず初めのトピックの導入
仮説・クエスチョンを伝える
hypothesize, hypothesisを使った表現
So, we hypothesized that ~ 「我々は~という仮説を立てました。」
So, the hypothesis was ~ 「我々が立てた仮説は、~です。」
questionを使った表現
The question we addressed is ~ 「我々が答えたいと考えた問いは、~です。」
the question we wanted to answer/ask/address
knowを使った表現
What we wanted to know is ~ 「我々が知りたいと思ったことは~です。」
What we wanted to know is whether ~ 「我々は~かどうかということを知りたいと思いました。」
We wanted to know how ~ 「我々は、どのようにして~なのかを知りたいと思いました。」
We wanted to know, what ~「我々は、何が~なのかを知りたいと思いました。」
We wanted to know where ~ 「我々は、どこで~なのかを知りたいと思いました。」
We wanted to know when ~ 「我々は、いつ~なのかを知りたいと思いました。」
We wanted to know, which ~「我々は、どちらが~なのかを知りたいと思いました。」
We wanted to know, why ~「我々は、なぜ~なのかを知りたいと思いました。」
We wanted to know if ~ 「我々は、~かどうかを知りたいと思いました。」
重要なポイントを述べる
長いトークですと結局何がポイントだったのか曖昧になってしまう恐れがあります。そこでトークの序盤に、一番伝えたいことはこれこれです、という言い方をよくします。要するに結論にあたることを一文で言い切って、残りのトークはその結論を支持するための実験データを示すだけですよ、ということを伝えてあげるわけです。
And what I would like to try to tell you today is …
The point here is that ~ 「ここでポイントとなるのは~です。」
The important point here is that ~ 「ここでの重要なポイントは、~です。」
どんな実験・解析を行ったのかを伝える
How do we do that? 「さて、どうやってそれをやればよいのでしょうか?」研究目的を述べたあとで、具体的な方法を述べる前の前置きとして使えそうなフレーズです。
What we did is ~ (1515件)我々が行ったことは、
予測される結果を述べる
So, the prediction is that ~ 「予期されることは、~」
実験結果・発見したことを述べるときの言い方
What we found is ~ (1239件)「我々が見つけたことは、~」
Now, what we found is ~ 「さて、我々が見つけたことは~」
Furthermore, we found ~ 「さらに~ということを見出しました。」
That’s exactly what we observed. 「その予想通りのことが実際に観察されました。」
実験結果と感情表現
What was surprising to us is/was ~ 「我々が驚いたことに、~」
What was intriguing was ~ 「我々が驚いたことは、~」
What was unexpected was that ~ 「予想外だったことは~」
Not surprisingly, we found that ~ 「予想通りに、~」
As we expected, we found that ~ 「期待した通り、~」
We unexpectedly found ~ 「期待とは異なり、~」
What we didn’t expect was ~ 「予想していなかったことは~」
スライドの説明
This slide shows you ~ 「このスライドが示しているのは~です。」
In this slide, you see ~ 「このスライドに示されているのは、~です。」
on the top panel 「上のパネルに示されているのは、~です。」
on the bottom panel 「下のパネルに示されているのは、~です。」
on the left panel 「左側のパネルに示されているのは、~です。」
on the right panel 「右側のパネルに示されているのは、~です。」
This is just to give you a sense of ~ 「これは~がどんなものかを皆さんにわかっていただくために示しています。」
便利なWhat節
What節は本当に万能です。What節を使った英文フレーズがスムーズに口をついて出てくるようにすれば、英語でのプレゼンが非常に楽になります。主語にYouを用いれば、聴衆の意識を対象に向けさせる効果があります。主語にWeを用いれば、講演者と聴衆の一体感を演出する効果があります。
What we are looking here is … ここで観察されるものは、
What we want you to notice is … 気づいていただきたいことは、
What this is telling us is … これからわかることは、
What we thought is that … 我々が考えたのは、
What I’m going to show you here is … 私がここでこれから示すことは、
What I’m going to show you now is …
What we have shown here is … 我々がここで示したことは、
What you can notice is …
One thing you can notice is …
What we wanted to consider is …
The question we wanted to consider is …
What we wanted to know is …
One question that we wanted to know is …
スライドのデータを説明する英語表現
動詞 be
What this is is ~ 「これは何かというと、~です。」
動詞 see
What you can see is ~ (966件)「ここで示されていることは~」
What you see here is ~ (896件)
What you see in this slide is ~ 「このスライドでお示しすることは~」
What you can see here is ~ (311件)「ここで示されていることは~」
What you see here is ~ 「ここで示されていることは~」
What we can see is that ~ 「ここで示されているのは、~ということです。」
What we can see is that ~ (110件)「ここで示されているのは、~ということです。」that節以下には文が来ます。
動詞show
What’s shown here is ~ (39件)「ここで示されているのは~です。」
動詞notice
One thing you can notice is that ~
What節を使った実験結果等の説明
But, what happens is, when ~ 「しかし、~したときに何が起こるかというと、~」
So, what happens is that ~ 「さて/それで、何が起こるかというと、~」
例を示す exampleを使った表現
Let me show you one example (of ~).
Let me show you some examples (of ~)
Let me show you a couple of examples (of ~)
Let me show you a few examples.
話すことの予告・次のスライドへ進むときの表現
In the next slide i will show you ~
In the next slide, you will see ~
What you see in the next slide is ~
As I will show you in the next slide, ~
次のスライドに行く前に、次に何を見せるのかを予め予告することが、話の流れをスムーズにするためには非常に重要です。いきなりデータを見せてはダメで、理解を容易にさせるには、聴衆に心の準備をさせる必要があるのです。
What I’m going to show you now is ~ 「次にお見せするのは~です。」
What I’m going to show you here is ~ 「次にお見せするのは~です。」
スライドの細かさの言い訳
図の説明
色の説明
グラフを説明するときに使える英文フレーズ
What you (can) see in this graph is ~
X-Yグラフの説明をするときに使える英語表現
対照実験
相手に見えて欲しい場所に目を向けてもらいたいときに使える英文フレーズ
if you take a closer look at ~
if you pay attention to this ~
実験結果に関する感情
結果の解釈・現象の説明
What we think is happening is that ~
結論を示す英語表現
話す内容量の調節
I won’t go into detail, but ~ 「詳細には立ち入りませんが、~」
I won’t go into details, but ~
How much time do I have left? 「あと何分残っていますか?」
So/Well/Maybe/I guess/I think, I’ll skip this slide/part. 「これはスキップします。」
トークの流れの制御
一つの結果から次のクエスチョンを導入する
this brings up a question 「この結果から、一つの疑問が生じます。」
it/that brings me to the next question 「この結果から次のクエスチョンが生じました。」
That led us to ask (the question)~ 「この結果から~というクエスチョンが生じました。」
研究の興味が何だったのかを明瞭に伝える
What we really wanted to know was/is ~
話したことの確認
まとめに入る
Let me wrap up ~ 「まとめますと、~」
これが最後のスライド
伝えたかったことを伝える
トークの終盤でよく使われるのが、テイクホームメッセージという表現。「これだけは覚えて帰ってねという内容」を言いたいときに使います。
テイクホームメッセージ(覚えて帰って欲しいこと)
take home message (577件)
The take home message is ~ (85件) この講演のテイクホームメッセージは~
終わることの予告・まとめ
講演の締めの言葉
質問があれば受けます
I would be happy to take any questions
I would be happy to take questions.
I will be happy to take any questions
I will be happy to take questions
質疑応答
質問を切り出すときの英語表現
My question is about ~(名詞)). 「私の質問は~に関することです。」(このように質問内容をまず最初におおざっぱに伝えたほうが、演者に質問内容を理解してもらいやすくなります。)
I wanted to ask you a question about ~ 「~について質問したいと思います。」(wantedと過去形が良く使われるようです。口調が柔らかくなるのでしょうか。)
I want to ask you a question about ~ 「~について質問をしたいのですが、」
I was wondering if ~ 「質問の内容は~」
I have two questions. The first is ~ 「質問が2つあります。最初の質問は~」
I would like to ask two questions. 「質問が2つあります。」
I have a question for you. 「あなたに質問がひとつあります。」
Can I ask one more question? 「もう一つ質問していいですか?」
Can I ask another question? 「もう一つ質問していいですか?」
I’m asking this question because ~ 「私がこの質問をしている理由は~」(演者に質問の意図を伝えたほうが、的確な答えが返ってくる可能性が高まります。)
The reason (why) I’m asking this question is ~ 「私がこの質問をしている理由は~」
受け答え
Well, that’s a great question. 「それは良い質問です。」(英語ではありきたりの表現ですが、日本語の学会で下手にこういう受け答えをすると相手に対して失礼に響くことが多いので要注意。)
Well, that’s a hard question to answer. 「答えるのが難しい質問です。」
So, his question is ~ 「彼の質問は、~」(質問者がマイクを使わなかったときなどに、質問の内容を聴衆のために再度繰り返すときの表現)
Does that answer your question? 答えになっていましたか?私の説明であなたの質問に答えたことになりますか?
What was the firs question, again?
We haven’t done that experiment.
気を付けるべき発音の単語・
acetylcholine adiponectin apoptosis Arabidopsis arrhythmias calmodulin chloroform chlorophyll chromosome diabetes Drosophila epinephrine eukaryote genome hydrgen immunohistochemistry iPS cells microbiota NFAT noradrenaline RNA-seq single cell analysis Treg triglyceride t-SNE tubulin tyrosine urea zebrafish
セミナーで良く使われるその他の語彙
a talented postdoc a very talented graduate student contributed to this work CRISPR/Cas9 fantastic collaborators great collaborations last but not least long standing question one of my potdocs the good news is Treg
その他の語句
And that’s where ~ comes in. 「そこで~の登場となります。」
参考
- YOUGLISH.COM: A PROMISING TOOL FOR PRONUNCIATION DICTIONARY LEXICOGRAPHY. Annual Review of Education, Communication & Language Sciences . 2018, Vol. 15, p81-96. 16p. MCCARTHY, DANIEL