⇒ 北海道大学が最終報告:公的研究費の不正使用5億3500万円
平成25 年11月13日の北海道大学の発表「公的研究費等の不適切な経理処理について」によると、研究費等の不適切な経理処理があり、教授20人を含む教員44名が関与していたことが明らかになりました。不正の内容は、いわゆる「預け金」と呼ばれるものです。また教員1名に関しては私的流用も発覚しました。
預け金の経理不正を成り立たせるためには、研究者と業者が結託し、大学事務がそれを見逃すという3者の協同が不可欠であり、各々の責任が問われるべきです。
北大は改善策として管理体制等の強化等の取り組みを示しています。
- 納品物品の事後抽出確認(平成23年10月から実施)
- 納品先までの職員の同行(平成23年10月から実施)
- 宅配便など、納品受付センター未経由納品物等の第三者確認(平成25年3月から実施)
- 反復使用を防止するため、納品受付センター経由物品のマーキング対応(平成25年3月から実施)
- 資産管理対象納品物品のシリアル番号の届出義務化(平成25年3月から実施)
- 納品後の随時確認(平成25年4月から実施)
- 教員と業者との直接接触を極力回避するための電子購買システムの導入(平成26年度から実施予定)
不正経理の手口
「預け金」とは、業者と架空取引を行い、契約した物品が納入されていないの
に納入されたなどとして代金を支払い、その支払金を当該業者に管理させるも
の。業者に対して、適時の支払いができないことを知りながら物品を納入させ
るなどした後に、業者に架空取引を指示して代金を支払い、先に納入させた物
品などに対する代金の支払いに充てることを含むものである。
「品名替え」とは、業者から実際に納品を受ける物品に対する支払いのために、
業者に指示してその物品とは別の物品が納入されたなどとして代金の請求をさ
せて、その支払いをなしているものである。
参考ウェブサイト
- 公的研究費等の不適切な経理処理について(PDF) 平成25年11月13日 国立大学法人北海道大学総長 山口 佳三
- 平成24年12月21日 国立大学法人北海道大学 公的研究費等の不適切な経理処理にかかる調査結果について(中間報告)(PDF)
- 2013年7月22日改訂 国立大学法人北海道大学 研究費不正使用防止計画 (PDF)
- 2007-04-27 北海道大学研究戦略室コラム「不正経理の徹底排除を」:誠に残念ながら、本学においても教員による不正経理事件が発生してしまった。新聞各紙などですでに報じられており詳細は控えるものの、カラ発注によるキックバックや、カラ出張、カラ謝金といった、非常に稚拙だが、関係者間で口裏を合わせ書類を整備すれば発見しにくくなる、悪質な手法である。