Alpha Goが日中韓のトップ棋士らに60戦60勝

2016年12月29日から31日にかけて韓国のインターネット囲碁サイト「Tygem(東洋囲碁)」にMagisterというIDの”棋士”が突如現れ、中国の柯潔九段や韓国ランキング1位の朴廷桓(パク・ジョンファン)九段ら世界トップ級棋士と対局し30戦全勝しました。その後、中国の囲碁サイト「野狐囲碁」にMasterというIDで出現し、トップ棋士らとさらに30戦を戦い、合わせて60戦60勝としました。

中央日報日本語版や人民網日本語版が報じた、MagisterやMasterと対戦したとされる棋士

MagisterとMasterの正体は実は進化したアルファ碁(Alpha Go)だったことを、ハサビス氏がツイッターで明らかにしました。今後の公式戦に備えて、インターネット上でテストを行っていたそうです。

棋士らの反応:

本因坊文裕(井山裕太九段):「強いの一言。中央のとらえ方で、人間との感覚の違いを感じた」 (世界トップ連破、実は「アルファ碁」の改良版 毎日新聞2017年1月5日
大橋拓文六段 「人間では理解できない手が30手以内に出てくる。しかし、後にそれが良い場所になってくる不思議、マジックのようだった」 (プロ棋士はもはや囲碁AIに勝てない 進化型アルファ碁「Master」の衝撃 J-CASTニュース1月6日(金)17時20分)

報道によっては61戦60勝としていますが、その事情はインターネットコネクションの中断による1引き分けでした。

「マスター」にとって唯一「未攻略」だった対局が4日午前、陳耀燁棋士との間で行われ、わずか数手打っただけで陳耀燁棋士のネット接続が切断し、システムによって「引き分け」と判定された。同日午後、両者は再び対局に臨み、「マスター」は第55局も連勝した。(人民網日本語版 2017年01月05日15:43

参考

  1. 60連勝を果たす謎のネット棋士「マスター」、正体はアルファ碁進化版(人民網日本語版 2017年01月05日15:43):”破竹の勢いでこの一週間連勝を続けている謎のネット棋士「マスター」が4日夜、中国のトップ棋士・古力九段との第60局を控え、自分が昨年、韓国のトップ棋士李世石(イ・セドル)九段を破った人工知能(AI)囲碁ソフト「アルファ碁」の進化版であることを明かした。「マスター」が自分であると明かした「アルファ碁」開発チームの首席デザイナー黄士傑博士は、「今回の対戦がテスト戦での最後の戦いとなるだろう」と話した。この「最終戦」は、古力九段の2目半負けの結果に終わり、「マスター」は60連勝という前代未聞の偉業を成し遂げた。新華社が報じた。”
  2. Google’s AlphaGo AI secretively slays top human Go players (人民網英語版 People’s Daily Online 06:41, January 05, 2017):”Since December 29th, an unknown Go player named “Master” has annihilated some of the best players in the world on the online Tygem platform in accelerated, time-controlled matches. As of now, the “Master” has won 60 wins of 61 games, including one tie. Earlier today, AI lab DeepMind founder Demis Hassabis admitted that “Master” is an improved version of Google’s AlphaGo.”
  3. <囲碁>世界最強の柯潔九段にも勝った…さらに強くなったアルファ碁「60戦全勝」(中央日報日本語版 2017年01月05日15時25分):”グーグル・ディープマインドの人工知能(AI)囲碁プログラム「アルファ碁」がオンラインで世界最高棋士を相手に全勝したことが確認された。”
  4. プロ棋士はもはや囲碁AIに勝てない 進化型アルファ碁「Master」の衝撃 (J-CASTニュース1月6日(金)17時20分):”「囲碁AI(人工知能)はプロ棋士の能力を遥かに超えてしまった。さらに進化が進み追いつくことはできないだろう」。囲碁AIにくわしいプロ棋士の大橋拓文六段はJ-CASTニュースのインタビューにそう語った。”
  5. グーグルAI、囲碁トップ棋士に60戦全勝 神の一手は人から奪われた? (ニューズウィーク日本版 2017年1月6日(金)06時15分):”グーグルのAI開発の拠点であるDeepMind社の共同創立者デミス・ハサビスが5日、年末年始に「AlphaGo」の新バージョンで世界のトップ囲碁棋士と対局したことをツイッターで明らかにした。”
  6. Google’s AlphaGo Is Slaying Unsuspecting Nerds Online (GIZMODO 1/4/2017 3:05pm By George Dvorsky)
  7. 謎の囲碁マスター、正体は人工知能「AlphaGo」の進化版だった (朝日新聞デジタル/Huffington Post 2017年01月05日 10時48分 JST):”ここ数日間、ネット上の囲碁サイトにハンドルネーム「Master(マスター)」なる棋士が参戦し、非公式ながら世界トップ級の棋士とみられる対戦相手を次々に破った。各国の棋士たちや囲碁ファンが騒然とするなか、その正体が、韓国の世界トップ棋士の一人を昨年破った「アルファ碁」の進化版であると明らかにされた。”
  8. アルファ碁が進化 「匿名」対戦でトップ棋士ら撃破 (日本経済新聞 2017/1/5 17:49):”米グーグル傘下のディープマインド社が開発した人工知能(AI)の囲碁ソフト「アルファ碁」改良版が、世界トップ級棋士らとインターネットで対局し、次々と破っていたことがわかった。”
  9. 野狐囲碁
  10. 東洋囲碁
  11. Go Ratings
  12. 中国・柯潔9段「アルファゴは完璧、私も敗れる可能性大」 (東亜日報 March. 14, 2016) :”中国囲碁界の第一人者、柯潔(19)9段が12日、アルファゴとの第3局でも李世ドル(イ・セドル)9段が敗れると、「私も負けるかも知れない」と言った。柯9段は9日、李9段がアルファゴとの最初の対局で敗れた時は、微博(中国版ツイッター)に「アルファゴは李9段に勝ったが、私に勝つことはできないだろう」とつぶやき、自分の勝率を約60%だと自信満々だった。アルファゴの第3局について、「ほとんど完璧だった。仕損じたところはなかった。同じ条件なら私も敗れる可能性が非常に高い」と評価した。柯9段をインタビューした人民網は、「最初の対局とは違って第3局を見た後、柯9段が若干動揺している」と伝えた。”
  13. 韓国人プロ棋士イ・セドル(Lee Sedol)九段と人工知能「アルファ碁」(AlphaGo )との戦い:グーグルディープマインドチャレンジマッチ2016年3月9日ー15日
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