ニワトリの有精卵から殻なしで孵化に成功 千葉県立生浜(おいはま)高等学校生物部が卵からヒヨコになるまでの発生過程をつぶさに観察

      2017/09/03

殻無しの状態で卵を培養してヒヨコを誕生させることは、長らく不可能と考えられていました。

しかし、千葉県立生浜(おいはま)高等学校生物部(顧問:田原豊先生)では、食用鶏卵を割卵した内容物を透明プラスチックラップの中へ移して胚を培養する「ラップ法」の研究を続けた結果、2012年6月22日、7月8日、7月15日に計3個体のヒヨコを誕生させることに成功しています。その年度の実験だけでも300個以上の卵を用いて試行錯誤を続けたそうですが、成功したときの条件下での実験に限れば、10個中3個が孵化したため、成功率率30%とのこと。

最初の成功例では、56時間保温後に割卵していたそうですが、その後の研究により保温時間無しでも孵化に成功。また、最近では鶏卵だけでなくウズラ卵の孵化にも成功しているそうです。

生浜高校生物部のこれらの研究成果は数々の賞に輝いていますが、今年、NHK番組『ガッテン!(ためしてガッテン)』(5月18日(水)放送)で取り上げられたことがきっかけとなり、世界的な反響を呼んでいます。

Does this answer which one came first?
Amazing video shows an egg transform into a chicken using a plastic cup and cling film but NO SHELL in school science experiment
(Mail Online By Louise Cheer for Daily Mail Australia Published: 08:35 GMT, 8 June 2016)

 

Bizarre experiment shows egg grow into a chick WITHOUT a shell (Mirror 12:02, 7 Jun 2016 Updated 14:21, 8 Jun 2016 By Kara O’Neill)

 

Video shows how to incubate an egg without the shell
A class of high school students in Japan have used a plastic cup and cling film to incubate and “hatch” a chicken egg without the shell. (CNET June 7, 201611:53 PM PDT by Michelle Starr)

 

Students create a baby chick from an egg without a shell (NEW YORK POST By Alexandra Klausner June 8, 2016)

 

ザ!世界仰天ニュース 高校生が「殻を割った卵からヒヨコをふ化

生浜高校生物部顧問の田原豊先生らが新しい方法を報告した論文。

A Novel Shell-less Culture System for Chick Embryos Using a Plastic Film as Culture Vessels
The Journal of Poultry Science Vol. 51 (2014) No. 3 p. 307-312

NoShell

 

参考

  1. 千葉県知事賞 殻無し卵孵化への挑戦! ー誕生ー 千葉県立生浜高等学校生物部 (PDFファイル):””生物部の顧問である田原豊先生は食用有精卵を割卵し殻無し状態で発生を詳しく観察する実験を30年以上先輩の方々と続けてこられた。しかし、誕生には一度も成功していなかった。この実験に興味を持った私たちはヒヨコを誕生させることを目標に、この研究を開始することにした。”
  2. 千葉県教育長賞 殻無し卵孵化への挑戦!Ⅱ -保温0時間割卵- (PDFファイル)(千葉県立生浜高等学校 3年次 チームピヨちゃん):”千葉県立生浜高等学校生物教室では,2012年独自に開発したプラスチック製人工容器内でニワトリのヒナ誕生に成功した。しかし,この成果は保温0時間での割卵ではなく,保温56時間前後の割卵での成功であった。このとき,割卵時期はとても重要で56時間前後が最適と結論付けられた。ところが,2011年に同様の研究を行っていた千葉県立船橋高等学校の谷春菜さん他2名の研究により,保温0時間割卵では孵化は不可能であるが,卵殻外で途中までは培養が可能であるという報告があった。千葉県立船橋高等学校の谷春菜さんらの方法を再検証し,孵化に至らない主な原因は異常な率の奇形発生,カルシウム不足および孵化が近づいた時期の酸欠であることを突き止めた。すでにカルシウム不足と酸欠の対処法は先輩たちが解き明かしていたので,奇形を発生させないための条件を突き止めることが出来れば,誕生の可能性がでてくるのではないかと考えた。”
  3. 千葉県立生浜高等学校 理科通信 TOPICS
  4. 速報:チームピヨちゃん快挙!殻無しウズラ卵孵化研究 (特集記事 生物室通信 千葉県立生浜高等学校):”平成26年12月22日からお台場にて行われていた、日本学生科学賞中央審査会で、本校研究チーム「チームピヨちゃん」が、読売新聞社賞を受賞しました。”
  5. 6月22日(水) 本校の殻なし卵孵化研究、更に世界を駆けめぐる (生浜NOW 千葉県立生浜高等学校)
  6. 日本の高校生が「殻無しの卵からヒナを誕生」させた! 千葉県の高校生物部の研究が世界で話題に (POUCH 田端あんじ 2016年6月15日):”現在は、ニワトリのみならずウズラのヒナをも孵すことにも成功したという、生浜高校生物部。一体なぜ、今再び彼らの研究が注目を集めているのかといいますと、それは今年5月18日(水)放送のNHK番組『ガッテン!(ためしてガッテン)』で取り上げられたから!”
  7. 三重県総合教育センター課題研究講座 生物教材 No.114 「ニワトリのふ化の観察 -殻無し卵を用いた観察方法-」 :”これまで適当な観察法がなかったために授業での展開が難しかったのですが、1995年に日本生物教育会の千葉大会で千葉工業高校の田原先生が発表された「殻無し卵のふ化実験」は新しい観察法で、飯南高等学校でも生徒の関心の高い観察・実験となっています。”
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