100通の お祈り手紙に 心折れ (詠み人知らず ラボ川柳)
父親からのアドバイス⇒【世間の常識】募集が出たときには採用される人は既に決まっている
いいかベイベーきいてくれ。人事の数だけモノサシがあるんだよ。(大学教員公募戦線仏恥義理シェキナベイベー)
下のウェブ記事にも教員人事の本質、オファーを勝ち取るための具体的な戦略に関するアドバイスがあり、落ち続けている人にとっては認識を改める助けになる内容だと思います。
公募に落ちた時「なんで自分が」と思うということは、自分の業績に自信があるのでしょう。それは素晴らしいことだと思います。しかし、それが人に評価されるかどうかはまた別の話です。ここでいう評価とは、「その研究が素晴らしい」ということより、「この人を採用したいと思うか」という点が重要です。どんなに優秀でも、その公募で必要とする人材にマッチしなけれは採用されません。(研究者として生きていくコツ gist.github.com/kaityo256)
目次
大学教員になるための熾烈な競争
博士号を取得した人の多くは研究者として生きることを望みますが、アカデミアで常勤職を得るのが非常に困難な状況は依然として続いています。
かなりの数(数十~数百のオーダー)の応募書類を書き,ほぼ全ての大学から不採用を告げられ,いくつかの大学から面接に呼ばれ,そのうちの一つの大学からオファーをもらえば,例えその大学が何処のどのような大学であろうと御の字と考えなければならないのが現状である.(【大学教員への道】有益な書籍・サイト akt37 2013年9月7日)
関連記事 ⇒ アカデミックポジションの倍率はどれくらい?
大学教員”公募”の実態
日本の研究力を強化するには、優秀な研究者が公正な競争の結果PI (Principal Investigator)の職に就けて、さらに自分の研究を発展させられるような体制を整備することが必要です。しかしながら、現実はというと、大学の教員募集要項で「公募」と称しておきながら実際には公募でないことが多いという強い不満の声が聞かれます。
大学教員の採用については、形式的には公募制がとられていても、その情報の流通が十分でないために、結果として閉鎖的な人事が行われている場合もあると言われている。(大学における教育研究の活性化のために 文部科学省)
公募の偽装を公に認める大学はないでしょうが、まずは現実を直視するところから始めないことには、対応策が見出せないでしょう。以下では、公募出来レースの真相、問題点、応募者への現実的なアドバイスなどを議論している、インターネット上の有益な記事を紹介します。
さらに頭に来るのは、「公募」と称して自分も参加したポスト獲得競争において、明らかに自分よりも業績や能力に劣ると思われる候補者が選ばれることをしばしば経験することでしょう。そのたびに、この国にはフェアな競争がないと絶望的な気持ちになることは想像に難くありません。
(ポスドクから見たダメ教員 5号館のつぶやき 2007年 10月 28日)
このブログ記事では興味深い議論がなされており、論文業績の格差にも関わらずなぜ内部昇進が行われるのかの内情を説明するコメントが紹介されています。
多くの教員は業績があって採用されて、その後成果を上げられなくなっていっています。特に最近は。なぜか?まず週に講義を5-6コマ担当し、入試・教務・学生委員会など委員に選ばれれば必ず出る必要のあるさぼれない委員会や会議が週平均1.5回くらいあります。校費は昔は100万以上あったのが今は10-40万です。大手の大学と違って、卒業研究の指導も教授自ら真剣に手取り足取りやる必要があります。そのうちちょっとデキの良い学生は大手の大学の大学院に行ってしまい、自分のところには誰も来ないか、来ても2年間バイトにあけくれるモラトリアム組です。そして、論文も急速に出なくなり、着任当時は当たっていた科研費も次第に当たらなくなります。 ここで公募で(場合によっては所属ラボのお陰もあって)すばらしい業績をもつポスドクと競っても、地方で苦労して教育と運営をしている教員は負けるでしょう。しかし、そのポスドクも慣れない教育と運営に四苦八苦しているうちに結局は前任者と同じ運命をたどるでしょう。 そこで現場で行われているのは、公募条件を厳しくして当該内部候補しか当てはまらないような募集をするのです。(ポスドクから見たダメ教員 5号館のつぶやき 2007年 10月 28日)
地方大学ならではの悩みがあるようで、実際に公募要項にもその理解を求めるような記述をしている大学もあります。
応募資格…(3)地方大学の現状を理解して教育・研究および大学運営に対応できる者
岩手大学は男女共同参画を推進しています(http://www.iwate-u.ac.jp/gender/)。 …
(https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=4&id=D115080098&ln_jor=0)
公正な審査をすっ飛ばした結果、最悪の事態を迎えたのが、あのSTAP細胞事件でした。小保方氏がリクルートされたときの状況が詳細に報道され、公募の実態の一端が一般の人の目にも明らかになった珍しい事例です。
2)運営における不誠実なヤラセ行為を止めよ
私は、STAP問題にあった背景の本質の1つは、「人事」であったと思っています。ところが、メディアなどでは、これを真正面から取り上げた記事を見たことがありません。1つは、小保方氏をCDBのユニットリーダーに採用した「出来レース」。これは、理研CDBの関係者は「出来レースではない」と言い張るが、本当でしょうか。幹細胞の分野のPIを募集するという「公募」の英文を書いたのは、一体誰だったのでしょうか?(昨今の科学研究体制への苦情と提言 わがまま科学者 2014年12月29日)
RIKENですらこうなのですから、偽装公募の問題は地方大学に限ったものではなさそうです。公募だったはずの人事が、フタを開けてみたら内部昇進させていただけだったという例は、首都圏にある日本有数の研究大学でも見受けられます。学生を優れた研究者に育て上げることが期待される研究大学であれば、PIの任用にあたっては極めて高い研究能力(=研究業績)が要求されて然るべきなのですが。
自分が教官となって自覚させられることは、研究成果を挙げていない人間が大学院の学生を指導できるわけがないということの一語につきる。
(新大職組新聞1996年3月29日【検証・大学改革④】「同情するなら職をくれ!」その後ー研究妨害とはこのことだ 露崎史朗(元大学院自然科学研究科))
業績欄のレベルについては、今の日本の助教(40歳前後)はおろか、准教授(45歳前後)でも今のポスドクよりも業績欄が寂しいことは珍しくないように思います。… 結局、現在のバイオ業界は、ポスドクが次のステップに行くための業績の最低ラインだけを著しく上げている(Nature/Cell /Scienceクラスの論文が必須)にも関わらず、いったん助教や准教授となった人たちは過剰なまでに守るという図式になっていて、これこそが、今のポ スドク就職難の原因なのではないかと思います。(BioMedサーカス.com 研究者の声:オピニオン 2013年12月15日更新 執筆者:ポスドク@関東地方)
下のツイートのように助教→講師→准教授と上がっていく人がいるときに、もしそのポジションが公募で出ていても既に当確の人がいるわけですから、業績で上回るポスドクが応募したとしてもチャンスは無いでしょう。フタを開けてみたら「内部昇進かよ!」という例は私大に限らず国立でも見たことがあります(首都圏の超有名な研究大学)。
同じ35歳でも,東大→東大院→ポスドク→専業非常勤で明日をも知れぬ身分で年収200万円と言う人が結構いる一方で,中堅私大・院卒→母校で助教→専任講師→准教授で年収1000万円と言う人が結構いて,アカデミアのキャリアパスは学部時代に考えるべきだと
— ポスドク問題とアカデミアを考える会 (@UNIONTELLING) November 6, 2016
みせかけの公募はいつの時代にもあるようです。
また,ある地方に県立大学が開設されることになり,学会誌の求人欄にて,その教授や助教授の募集の公示が出 ておりました。それには,ちょうど私の専門分野に関係する部門のポストがありました。 当時の私は,一応の論文数もあったので,教授職に応募するべく自信 を持って書類を作成し,大学開設準備室へ送付しました。 しかし,締め切り後,面接の通知もなく,一ヶ月ほどして紙切れ一枚の不採用の通知。なぜ不採用な のか自分でも疑問に思えてなりませんでした。
ところが,翌年に開設されたその大学の教員リストを見ると,なんと,全部,地元の旧帝大のOBであることを知り,唖然とし,腹立たしさも覚えまし た。 しかも,私が応募した部門の採用者の業績はそれほど多くはありませんでした。 結局,その採用者以外の応募者ははじめから「当て馬」であり,利用さ れただけでした。
公募には,「候補者が決まっているが,公募で採用を決めたという形式にする」ためのものと,文字通り「広く門戸を開いた完全に平等な人材募集」の2種類があることを,そして,いずれの場合でも,複数の著名な方々からの推薦書が絶大な効果をもたらすことを,私は学びました。(大学院博士課程のあなたへ、たやすく研究者の道、諦めないで! 大槻義彦の叫び 2015-07-12)
こうなると公募に応募書類を出す意味がどれだけあるのか、ということになりますが。
公募の体裁を取っていながら、実際は出来公募だったり、教員選考委員にコネを持った他の応募者がいるので、面接に呼ばれてもコネがなければ採用に至るのは難しく連敗を重ねてしまうことが多いようだ。しかし、デキ公募でも選考委員全員の意見が「デキ公募」で完全に一致していることは稀である。即ち、公平に選考しよう(したい)と考えている選考委員は少数だが存在する。
(私の公募に対する心構えメモ http://www.geocities.jp/ryannmaryu16/point.html)
運、縁、コネの重要性
就職において人間関係が重要というのは普遍の真理です。
しかしほとんどの場合、多人数の横並び状態です。私やあなた程度の研究者はたくさんいるのです。ドングリの背比べの中で採用の確率を上げるプラスアルファが縁なのです。
縁は作ることができます。方法は単純で、真摯に他人と関われば良いのです。ただし他人と関わるだけでは、縁は作れません。真摯な態度が必要です。真摯と言っても、何か高度なことではありません。裏切らない、見下さない、見捨てない、卑屈にならないなど普通のことを実践すれば良いだけです。
一方、他人と関わるには動かねばなりません。学会や研究会、勉強会など人が集まる場にコミットする必要があります。研究室に居るだけでは、あなたを知るのはあなただけです。「コミットする」とは、参加だけを意味しません。討論で質問したり、懇親会で話をしたりを含みます。そこであなたの存在は他人の記憶に刷り込まれます。他人に認知されて初めてあなたは何者かに成るのです。
科学者を志す人の多くにとって、そういうのが億劫なのは良く分かります。しかし、研究内容は第一に論文、第二に学会発表で知らせることができますが、その他の属性については直接関わって知ってもらうしかありません。温和な性格、鋭い頭脳、辛抱強さ、責任感の強さなどの良い属性を書類で伝えるのは難しいでしょう。ところが教員採用の場合、研究業績がコンパラブルであれば、案外そういう部分が大事な要因なのです。その部分がまさにプラスアルファです。(どうすれば大学教員になれるか 長束・鈴木研究室ブログ 2016年07月12日)
Q. やっぱりコネ?
A. はい.私も大学人になってから身に染みて感じていることなのですが,“採用する側として” も,やっぱりコネが必要です.というのも,僅か1名の教員を採用するのに,どこの馬の骨とも知れない人を引っぱってくるよりも,「私が保証しますから」という内部の推しがあったほうが採る側としては安心なのです.
(大学教員になる方法3 Deus ex machinaな日々 2011年9月27日)
今回の公募もコネ公募ではなく、JREC-IN を見て応募したガチ公募でした。しかし、応募してからわかったことでしたが、受け入れ先の教授の先生は、私と深いつながりのある先生と、かつて同じ研究室にいたことがあったそうです。常にシンポジウムで顔を合わすような先生ならたいてい知っているわけですが、現在の互いの研究がそこまで似ているとは限らず、意外な接点というのは把握しきれません。今回はその深いつながりの先生の名前を「所見がもとめられる研究者」として挙げたわけではなかったのですが、ちゃんとその先生にも調査が入っていました。なので、応募した私としては完全なガチ公募ではあったのですが、採用側や上のほうの先生たちの間で様々な思惑 (コネ的な側面) が本当になかったのかと言えば、どうなのかなあ、という印象は持っています。… 「コネも実力のうち」と言われることもありますが、本当にそれに近い話で、さらに「コネも運のうち」とも言えるんじゃないかなと思いました。というのは、コネというのは自分で把握できるようなものだけではないからです。自分のコネだけでなく周囲の人間のコネも大いに関係あります。雇う側として、身元が確かな人のほうが安心するのは自明です。
(教員公募、内定をもらって思うこと 研究者って自称ギタリストと何が違うの? 2015-01 19)
Q:コネなしでアカデミックポストに就くことなんてできるんですか? (YAHOO!JAPAN 知恵袋 jackruccelさん 2008/4/2702:14:30)
A:公募でよい人が応募してくるとは限らないので、あらかじめ選考側からよさそうな人を探して、公募に出さないかと勧誘することも多いです。自分たちだけでわからないときは、周りの大御所に誰かいないかと聞きます。どちらにせよ、大事なのは名前が思い浮かぶような存在であることです。… コネは厳然として重要です。… 偉い人の頭の中に浮かぶような存在感が必要なのです。共同研究や学会活動を通じてよく知られている、好感持たれているというのも含めての「コネ」です。(YAHOO!JAPAN 知恵袋 tecnical_errorさん 2008/4/2708:49:46)
公募により教員を採用していることを明言している大学もあります。
また、オホーツクキャンパスでは公募制に切り替えてから、採用目的に合致するか期待以上の研究能力と教育者としての資質をもつ人材が得られるようになってきた。その結果、当該学科・研究室の研究レベルや教育レベルが向上しつつあり、全体が活性化し始めている。さらにこれらの人材は現在進行中の学部・学科再編のキーパーソンになりつつある。今のところ、公募制の長所だけが目立ち、短所は表面化していない。(教員選考手続における公募制の導入状況とその運用の適切性 東京農業大学 自己点検評価書)
大学側のニーズを汲み取ることの重要性
公募が本当に公募なのか、公募でどんな人材が求められているのかは、ひとえに採用する大学側の都合であり、応募する側には知りえないことです。
公募広告が出ていても実は候補者がいたり、内部昇進を形式上カムフラージュするために公募したりと、ようするに「デキレース」とか「見せかけ公募」ってえのがあるのわ確かだ。でもなベイベーきいてくれ、デキレースかどうかなんて、応募するおいらたちにはわからねえのよ。だから、あれこれと余計なことを考えている暇があったら、応募すりゃいいじゃねえか!デキがいいとか良くないとかいった制度批判もすぐに過熱する傾向があるぜ。気をつけるんだな、そうゆう議論に時間を奪われちゃあいけねえぜ。そいつは貴重な公募応募活動時間の浪費だ。目をさますんだシェキナベイベー!! (デキレースかどうかなんてかんがえるんじゃねえぜ! 大学教員公募戦線仏恥義理シェキナベイベー)
一流の研究実績を持つ人物を求めている人事だったら研究実績だけ見て教歴は考慮されないかもしれないし、教育指導に優れた人物を求めている人事だったら研究実績はそんなに重視されないかもしれない。それだけのことサ。学位をとってから民間企業の研究所だとか公的機関だとかで研究に専念してきた研究者が大学教員になる例は珍しくない。助手の経験もなく、講義の経験もなく、大学独特の教室運営に関する経験も無い彼らに求められているのは教歴かい?それとも研究能力かい?
いいかベイベーきいてくれ。人事の数だけモノサシがあるんだよ。(人事の数だけものさしがある 大学教員公募戦線仏恥義理シェキナベイベー)
大学の都合は別として、採用する側から見た理想的な候補者像はというと。
採りたいと思う候補者には、共通点があることに気づきました。その共通点は複数あるのですが、まず挙げたい点は、採用された場合、自分にどのような役割が期待されているのかをしっかりと自覚しているということです。これは、単に担当する科目がわかっているというようなレベルではありません。所属することになる学科やセンターの教員構成やバランス、学生数等を把握し、自分の専門性や年齢等を勘案して、求められるポジションや役割を自ら見出しているというようなものです。そして、そのビジョンが、こちらの要求と合致している、あるいはそれ以上のものであるという共通点です。
(大学教員公募の面接(実施側の立場) 大学の教員生活 2012年11月16日)
一方でポスドクを経て次のテニュアトラックに臨む場合、求められる像は異なる。基本的に学科・学部のスタッフの一員としての職を担うことになるからだ。多少のばらつきはあるにせよ、研究だけではなく、プログラムの運営など範囲の広い貢献が期待される。数年間のポスドクを経ても、そういった全てを担える経験 が備わっている事はほぼなく、それは面接する側も理解している。だから面接ではこれら全てを担えるか、その素養を計られる(国立研究機関などであればまた変わってくるとは思うが)。要は研究グループへの貢献だけではなく組織への貢献の期待。恐らくはこの点がポスドクの面接とテニュアを得るための面接の大きな相違点と思う。テニュアを得る際の面接では、この違いを明確に理解して、自分に何が欠けていてそれを補う意欲、補わなくては話にならないという理解を明示する。
(アカデミア永久職獲得まで(3) 勢い余って話し過ぎないこと Kagakusah.net 2014年5月11日)
募集側にいる大学教員との感覚のズレ(温度差)を埋めるためには,日頃大学という場所で,どのようなことが問題になっているかを知ることは有益であると僕は考えている.例えば,次のような言葉の意味を簡潔に説明できるであろうか.●高大接続 ●リメディアル教育 ●FD(Faculty Development) ●SD(Staff Development) ● JABEE ●ティーチングポートフォリオ ●アドミッションポリシー ●カリキュラムポリシー ●ディプロマポリシー ●AO入試 ●大学設置基準 ●教養部 ●リベラルアーツ ●グローバル化 ●全入時代 ●割愛採用 ●マル合教員 ● ....知らない言葉がある公募戦士には,大学教育や大学改革に関する本を何でもいいから一冊読むことをお勧めする.(【大学教員への道】有益な書籍・サイト akt37 2013年9月7日)
職には呼ばれるもの
「コレ―ジュ(コレ―ジュ・ド・フランス)で君のやった講演はすごく印象がよかったし、その印象はずっと続いている。フランソワ・ペルーが退職して、そのポストが空いた。候補者はたくさんいんるのだが、いずれもぱっとしない。われわれの中で、君を推す者が何人かいる。君がぜひやりたいと言えば選ばれるはずだ」(ベノワ・B・マンデルブロがアンドレ・リシュネロヴィチから受けた電話)
引用元:ベノワ・B・マンデルブロ『フラクタリストーマンデルブロ自伝ー』早川書房2013年 397ページ
公募といっても採用側は事前にめぼしい人に目をつけて応募を促したり、それこそコネを駆使して良さげな候補を事前に探すようなので、その段階で声がかからない人にはほとんどチャンスがないのではないかと個人的には思います。
それは、2017年1月のことでした。私は、東京大学教養学部統合自然科学科・学科長、大学院総合文化研究科・広域科学専攻生命環境科学系・教授及び同研究科人事委員会・委員長を務められている先生より、お電話で、私の教授としての採用が決定したことと、着任が6月初旬となる見込みであることを告げ、「来て下さいますね?」というお言葉をいただきました。 … この公募に応募しないか、と人事委員の中の先生よりお声がけいただいた当初より、私が応募する場合は兼任が必須である旨をお伝えしてありました。(東大から「内定取り消し」を受けた大学教授がどうしても伝えたいこと 2019.03.01 現代ビジネス)*太字強調は当サイト
逆に言えば、公募に出し続けて玉砕を繰り返すよりも、公募が出る前に事前に声がかかるような人間になるにはどうすればよいかに注力したほうが、職を得る早道かもしれません。
関連記事 ⇒ まだアカデミアで消耗してるの?【博士の転職】
【世間の常識】募集が出たときには採用される人は既に決まっている
「世間の表面に出てきたときには、全て終わっているんだよ。体裁を整えるために募集をかけて試験をやっているだけなんだから。だから、声がかかるように普段からそういう活動をしておかないとだめ。試験で優秀な人間が採用されるわけではない。」大学教員の職探しが熾烈なことを父親に話したときに、父親はそう言いました。「それが世間の常識なのに、お前は何を今頃寝ぼけたことを言っているんだ」と呆れられました。父親は学校を卒業するとき商社や銀行を受けたらしいのですが、採用された人間はみな親戚などが事前にその会社の上層部に根回ししていた人だけだったとのこと。その体験によって世間の常識を学び、それ以降はその常識に従ってこれまで生きてきたので、職探しで困ったことはないそうです。これは、民間の話ですが。職が得られなくて苦しんでいるのは、研究ばかりやってきて、こういった世間の常識をわきまえていない研究者だけなのかもしれません。
参考
- 人事の数だけものさしがある 大学教員公募戦線仏恥義理シェキナベイベー
- 大学教員公募についてのメモ 私(52連敗)が大学教員公募で内定ゲットするまでの履歴やメモ
- どうすれば大学教員になれるか 長束・鈴木研究室ブログ 2016年07月12日
- 教員公募、内定をもらって思うこと (研究者って自称ギタリストと何が違うの?クソ田舎助教から、政令指定都市に逃亡しました 2015-01 19)
- JREC-IN利用者座談会開催報告2012年3月24日@JST東京本部
- 【大学教員への道】有益な書籍・サイト akt37 2013年9月7日
- 大学教員公募の面接(実施側の立場) 大学の教員生活 2012年11月16日
科学的とはどういうことか
大学教員 採用・人事のカラクリ
大学改革 その先を読む
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