日本の科学と技術

東北大学の女性限定教授公募の波紋「教授って合コンサークルか何かなのか?」

アカデミアで職探しをしている研究者の皆様に、グッドニュースとバッドニュースがあります。

グッドニュースは、東北大学が、5人もの教授を公募していること。ただし工学系の分野です。
バッドニュースは、その教授選の応募資格が、残念なことに女性限定とされていること。


そして、さらにバッドなニュースですが、東北大学の副学長が、「優秀な若手男性がポストに恵まれないことは周囲を見ていて無いと思います。」と言い放ちました。

優秀な若手男性がポストに恵まれないことは周囲を見ていて無いと思います。

優秀な若手男性がポストに恵まれないことは周囲を見ていて無いと思います。

 

優秀な若手男性がポストに恵まれないことは周囲を見ていて無いと思います。

by 東北大学副学長

思わず耳を疑うような言葉ですが、本当にそうでしょうか?

関連記事 ⇒ アカデミア研究者雇用状況の過酷な現実

関連記事 ⇒ アカデミックポジションの倍率はどれくらい?

関連記事 ⇒ 大学教員公募が必ずしも公募でない理由

今の日本の研究業界の惨状を知っている人間であれば、一体どうすればこんな言葉が出てきうるんだろう思いますが、note.comの解説によれば、

すべての教員公募が女性限定ではないので、きちんとした業績のある男性研究者がポジションを得られない訳ではない、という意味

https://note.com/sendaitribune/n/nf7f0a975486f

だったそうです。まあ、職がなかなか見つからなくてポスドクや有期大学教員を綱渡りしている人間が見たら、怒りで発狂してしまいそうなくらいの暴言ではないでしょうか。note.comでは、そのあと謝罪していました。

これは、そもそも日本全体で研究ポストが非常に少なく、日々、辛い気持ちでチャレンジを続けている若手男性研究者の気持ちに寄り添ったものではなかったと猛省しています。

https://note.com/sendaitribune/n/nf7f0a975486f

謝罪の文章を読んでも、認識を改めたようには読み取れません。別に気持ちに寄り添ってもらわなくていいので、研究業界の現状に対する認識を改めて欲しいです。ここでこの東北大副学長がいう周囲の優秀な若手男性研究者の論文業績は一体どれくらいのものなのでしょうか。

私が自分の知っている範囲で見渡した限りでは、どこかの大学で教授になっていて全然おかしくないような人が有期教員の職に甘んじているのをいくらでも見かけます。一生安泰の教授の論文業績よりもはるかに良い業績の人が、その教授の下で有期雇用の教員やっていて、研究を辞めなくてはいけなくなる不安、それどころか、そもそも食べていけなくなる不安に苛まされているのが現状なのではないでしょうか。東北大というメジャーな大学の上層部の人の感覚がこれでは、日本の研究業界はまだしばらく暗黒時代が続くのかなぁ。

 

 

目次

東北大学が女性限定で教授を公募したことに対する驚き・呆れ・疑問

  1. 本末転倒だな。 
  2. マジで意味わからんわ。
  3. 平等ってこういうことなん? 
  4. 女性限定。。(笑)おかしいだろ 
  5. 全く理解してないね、この大学
  6. 研究に男も女もあるもんかい!
  7. 無理くり女性比率増やして意味あんの? 
  8. 男女平等の意味をはき違えた愚かな行為!
  9. ダイバーシティで女限定って、大いなる矛盾 
  10. 平等ってこういう風にしてつくるものかなー 
  11. 女性限定など姑息な大学運営としか言いようがない
  12. 思考停止国家らしいあほ 最高学府大学でさえこれか
  13. アホなさくやな。もうちょっと知恵が回らんのかな? 
  14. ばかすぎる 割合を増やすことが自体が目的になってる
  15. 無理矢理増やして無能ばっかり集まっても仕方ないでしょ
  16. ジェンダー差別に他ならない。誰か止めるやつ、いなかったの?
  17. いっきり性差別じゃないか しかも教育機関がやるとか論外だよ 
  18. コンビニのレジなら構わないが、大学の教授だぞ!何を考えているんだ
  19. ホントに愚かだな。結局苦しむのは女性なのに、そのこと解ってるのかな
  20. 工学研究科が、こんな合理性のかけらもないことやるの?悪い冗談でしょ?
  21. 比率のためなら能力ある者も排除するという発想が頭の悪さを顕著に表してる。 
  22. 能力が低くても、女なら採用ってことでしょ。大学の質が落ちるぞ。バカでも分かる話。
  23. やっている感だけを求める馬鹿施策にしか思えない。性別で分けてどうなるんだ?笑うしかない。 
  24. 目的が大学が掲げる『目標達成』のために女教授を『作る』ことであり、女性教授を増やすことではないのが笑うわ。

ほんこれ。

性別ではなく能力によって入学を認め、女子学生の受け入れに道を開いた初代総長澤柳政太郞も嘆くことだろう。

https://news.yahoo.co.jp/profile/comments/16506927362598.9553.32283

 

 

東北大学が女性限定で5名の工学研究科教授を公募

東北大学が、東北大学ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)推進プロジェクトの第一弾として、工学全般の広い研究分野において教授職の女性教員5名(任期なし)の公募を開始しました。

工学研究科 教授(女性) 5名 (8/1締切)

募集種別:工学研究科 教授(女性)

下記の 6 つのグループに属する⼯学研究科 13 専攻の中から、
ご⾃⾝の専⾨を踏まえ、配属を希望する専攻を選択ください。
なお、複数の希望がある⽅は順位を付してください。

  1. 機械系 教授
    (機械機能創成専攻・ファインメカニクス専攻・ロボティクス専攻・航空宇宙⼯学専攻)
  2. 電気・情報系 教授
    (電気エネルギーシステム専攻・通信⼯学専攻・電⼦⼯学専攻 )
  3. 応用物理学専攻 教授
  4. マテリアル・開発系 教授
    (⾦属フロンティア⼯学専攻・知能デバイス材料学専攻・材料システム⼯学専攻)
  5. 都市・建築学専攻  教授
  6. 技術社会システム専攻 教授

募集人員:5名(女性)

公募締切日:2022年8月1日(月)必着
※応募者が少ない場合、公募を継続する場合があります。

転載元:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/04/employ20220406-01.html

「性別・国籍・職位によらず働きやすく学びやすい環境を醸成するため」だそうですが、「性別によらず」と謳っておきながら男性を締め出す排他的な行為で、自己矛盾に陥っていると思います。ヤフーニュース(朝日新聞)の記事では2800件余りのコメントが寄せられていますが、そのほとんどが男性に対する逆差別ではないかという批判的な内容です。

 

大学教員公募で女性を優遇するのは何も東北大学が初めてではなく、女性優遇の是非に関してもこれまでにさんざん議論されてきたことです。

2010年,いくつかの大学で教官の女性限定公募が行われた.改善しない男女比率を,もっと直接的なやり方で上げてしまおう,と言うわけである.‥ 就職の性差別を堂々とやろうと言うのですよ.それも,実力主義のはずの研究の世界で.同じような違和感を持った人は多いのではないだろうか? インターネットを見ると,特に男性ポスドク,院生からの批判的な意見があふれている.だが,なぜかそういう意見は,表には出てこない.

(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

 

阪大教授が2012年頃に書いたコメント

共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

は長大な文章ですが、ここで、女性限定の大学教員公募に関する論点が整理されて言い尽くされており、問題解決のための妙案も示されているように思います。

今回の東北大のニュースで寄せられた3000近いヤフーコメントを読んでみたらどれもこの阪大の先生の分析に集約されると思いました。

東北大の女性限定教授公募の朝日新聞の記事はこちら:

ヤフーに掲載されたこの朝日新聞の記事(archive.org)に対するコメントをいくつか整理して紹介します。

女性限定公募が憲法に反することについて

憲法に書いてあることが守られていないのに、憲法違反ではないということになるのなら、そんな憲法は存在する意味なくない?と思うのですが、どうなんでしょう。

  1. 憲法14条には「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的 関係に おいて、差別されない」とあるが、今回の東北大学の採用は明確に違反していると思う。 

 

女性限定公募の違法性について

不合理な理由で男性ばかりが教授になっていたからそれを是正するというのならわかります。今回は、そうではないでしょう。違法かどうかを決めるのは裁判所なので、誰かが訴訟を起こさない限り、本当のところ違法なのかどうかはわかりません。

  1. 国立大学が男女雇用機会均等法違反を堂々とやらかす神経が怖すぎる 
  2. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律って知らんのやろか?
  3. そもそも女性差別で男性教授が多いわけではなかろう?!
  4. 男女雇用機会均等法5条に、「労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」とあります。8条では、「均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を構ずることを妨げるものではない」となっていますが、こういう措置をとる者は、「何が障害となっているのか」及び「この措置がその障害を取り除くための合目的措置となっているのか」を明らかにしなければいけません(立証責任がある)。 

条文は機会均等の障害になっている事情の改善を求めている.「女性教官の数を無理やりに増やす」のが事情の改善ならば,「現在女性教官の数が少ないこと」が機会均等の障害ということになる.要するに,「少ない原因は少ないからだ」ということだ

(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

上の分析は、女性限定大学教員公募の根拠とされていることの論理的な可笑しさをわかりやすく説明してくれていると思います。

 

今まで女性が虐げられてきたのだから今の男性は文句をいうなという暴論の非合理性について

この公募に関して、東北大学副学長(広報・ダイバーシティ担当 女性研究者 )がツイッターで不用意な発言をしたため、もともと炎上するネタだったのにさらに油を注いだ形になりました。

ツイッターなどにも、ヤフーコメントにも、昔のつけを今の若者に払わせるなという憤りの声がいくつも見られました。副学長の発言を受けての反論です。ここでは一つだけ、言い得て妙だと思ったヤフーコメントを紹介。

  1. 誰かわからんけど男に殴られたから、男なら誰でもいいから殴り返すという論理と同じ 

 

教授の男女比を合わせることの無意味さについて

東北大学では代々、女性の教授候補が不合理な理由で落とされて続けてきたという事情でもない限り、男女平等のために教授の男女の数合わせをするというのはバカげた発想だと思います。

  1. 男女の比率が同じならそれだけで良いのか?教授って合コンサークルか何かなのか?  
  2. その研究分野で頑張って成果をあげて評価された人が教授職につけばいいのでは?そこに、女性が何か%いなければという発想自体がおかしい 
  3. まだ国会議員で女性枠をつくるというなら分かる。どんな立場の人でも国会議員になる資格はあるから。だけど、教授職は完全に実績で勝負するべき職業。 

 

東北大学が「男女の雇用機会均等」の意味を履き違えていることについて

これが一番大事なポイントじゃないかと思います。「機会」を平等に与えるべきという趣旨にもかかわらず、最終結果でしかない教授の男女比の数字だけ作ろうとするのがナンセンス極まりないと思います。理系に進む女子高校生が少なかったり、工学部を選ぶ女性が少なかったり、大学院に進学する女性がすくなかったり、アカデミアで教授を目指す女性が少なかったりした結果でしかないのですから、その途中途中のプロセスをすべて改善していかないかぎり、教授の男女比は望んだものにはならないわけです。東北大は女性限定公募をするのであれば、過去の教授選のほとんどで女性差別が存在したという証拠をまず見せるべきでしょう。

  1. 男女の「雇用機会」を均等にするのが本来のあるべき姿であって、無理に「雇用者割合」を均等にするのは意味がわからない。 
  2. 男女を問わず能力のある人を雇用するというのが目的であるはずが、「男女比の目標を達成する」ことにすり替わってはいないかと。 
  3. 男女の雇用機会均等というのは男女比率がどうこうではなく、性別を理由に一方に不利益が出ない事を目指す取り組みを言うのではないだろうか。
  4. 平等の意味を履き違えるとこうなる。採用人数が平等ではなく、適正を見極めて平等に選定すればよいだけ。 
  5. 有能なのに女性だからという理由で排除するのがダメであって、無能でも優先的に女性を採用しろとは誰も言ってない 
  6. 女性比率が上がるのは優秀な人が評価された結果であって席を用意することで強制的に数値を上げるお人形を置くことではない 
  7. 能力や研究実績で評価した結果教授・准教授に占める男の割合が多いとしてそれに何の問題が? 

 

女性限定公募が逆差別・性差別であることについて

いまさら言うまでもないですね。

  1. 性差別を無くすために差別をするのか。
  2. これこそ差別。男性女性区別なく、能力で採用してこそ本当の平等。 
  3. 本当に最近は逆差別が当たり前になったね。それを狂ってるって言えない社会が狂ってるんだよ 
  4. これ結局この前の東京医大の男性医師を多くするために男子学生に加点するって考えと同じじゃん。 
  5. 大学教授に必要なコンピテンシーやスキルセットを持っているかがキーであってチンチンの有無できめるのはおかしい。

女性に生まれたかった男性の声

自分もJREC-INの公募情報を見ていて、「女性限定」の言葉を見るたびに、女に生まれときゃよかったと思っていました。

  1. ぁあ、おれも女になりたかった
  2. あたしも女体で生まれたかった〜ん

 

LGBTの応募枠に関する疑問

女性枠への応募資格があるのかどうなのか、気になるところです。

  1. LGBTとか考えると男性だの女性だの規定すること自体が間違ってるような気がしますけどね。 
  2. 性的少数者を差別していることになると思いますけどねえ。LGの方は応募権があるのかどうかもはっきりしない。 

 

女性限定公募がかえって女性差別を増長させる危険について

教授はいったんなると、何十年もそのポジションを塞ぐわけですから、今大バーゲンセールをやってしまうと、数年後に現れる優秀な女性研究者は職が得られないということになりはしませんか。

  1. 無理に女性を増やそうとすると、能力がないのに女性だから教授になれたと言われてしまい、余計に男女差別が広がります。 
  2. 数を目標にするのいい加減やめた方がいいと思うんだよな 無理に数だけ増やしたその女性のせいで将来の本当に優秀な女性の活躍の機会を奪っているような気もする  

男性研究者と女性研究者の感情的な溝が深まる

優秀な男性研究者が多数職にあぶれて就職できずに困っている状況で,女性限定公募を行えば,当然自分の性別を常に意識し,その有利不利を考えざるをえない.男女共同参画のゴールは「両性が自分の性別を気にせずに研究できるようになる」ということのはずなのに,むしろ逆行するのでは?

(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

 

女性限定公募が女性の人間性を尊重していないことについて

女性研究者が、研究者ではなく「女性」とだけ見られているような気が自分もします。

  1. 女性の割合を増やすと言ってる時点で、人を性別でしか見てないのが明らか。自己矛盾。

 

女性限定公募は女性の能力が低いとして侮辱する行為にほかならないことについて

本当にコメントされている方たちの言う通りですね。

  1. これって女性が無能だって自分で言うようなものだよな。 
  2. 女性なら能力が劣っていても採用しますよという意味でしかない。
  3. 「女性は(能力的に)男性と互角に競えない」と言ってるようなものだと思います。
  4. この政策自体が、理系分野で特性上、女性は男性より劣っていると言ってるようなもの。  
  5. 女性限定にしたと言うのは、それほど優秀な人材が女性にはいないと言っているようなもので、逆に女性を侮辱している。 

女性研究者に対する侮辱

女性は限定公募でなければ職に就けない,ということは,要するに女性は能力が低くてもよいと言っているのと同じである.

(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

 

日本の研究力の低下を危惧する声

研究不正疑惑に問答無用で蓋をして捏造疑惑論文製造者集団を野放しにしているのも腹立たしいことですが、人事においてもこんな不公正なことをやっていると、研究業界がどんどん魅力のないものになっていきますね。

  1. 日本を潰したいの? 
  2. これで博士に進まない男性学生が増えるかもね 
  3. こんな事してるから日本の技術はどんどん衰退していくんだと思うの。 
  4. このような愚策により、若手研究者のモチベーションが下がるのではないか
  5. アホみたいなことをするね。こんなことをしていたら日本の学問は衰退する。 
  6. 本気で研究力や国力の低下を憂慮してたらこんな発想にならないもん。男とか女とか関係無くとにかく優秀な人を採用して死に物狂いで研究力向上に努めるはず。  

成果主義の原則の放棄

PIへの採用は,1論文の採否よりもはるかに重い.そこに男女の差を持ち込むということは,成果が絶対でなく,それ以上の判断基準があることになる.これはサイエンス全体のモラルの低下につながりかねない.(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

 

研究者の人生を賭けた熾烈な競争により科学研究が成り立っていることに対する無理解について

数ある論点の中で自分が一番訴えたいのがコレです。研究は競争であって、研究者はそれに人生を賭けているのです。そこに女性だから高い下駄を履かせるというのは、競争の前提となる公正さを著しく損なう行為です。女性限定公募というのは、科学の在り方を否定するに等しいと自分は思います。

  1. ポスドクや助教は皆、ただでさえ少ないポストに就くため命がけで論文を書いている。優秀な研究者が、安月給や競争に疲れて、離脱するのを何人も見てきた。今の教授陣も若い頃苦労しただろうに、なぜ文科省の言いなりなのか?
  2. もともと博士課程なんて超リスク。その上でこんなことやられるなら、男性はなおさら博士課程行くのやめたほうが良いな。任期なしのポストなんて、超過当競争な状態。生活全部を研究に費やして、優れた成果を出していてもなかなか手に入らないポストなのに、男性応募不可の枠ができるとか最悪だろう。
  3. 当方、50代過ぎ、地方大准教授。20年近く前から「女性優先」公募は多かったが、「女性限定」が目立ち始めたのは5-6年前から。昇進にも、「女性限定」が多い。ほんと心折れるよな。当方もそうだったので、よくわかるが、男性ポスドクならもっとそうだろう。頑張っても、チャンスすら与えられないんだからな。

科学者は,より大きな成果を上げるために身を削っている.それができるのは,成果で自分が評価されるという信頼感があるからだ.それがなくなったら,やっていられない.論文のリジェクトの理由に,男だからダメ,女だからダメ,とあったらどう思うだろう?

(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

 

国の圧力や文科省による大学支配について 

お金で脅して言いなりにするって、人間として最低の行為だと思うのですが、文科省や国が大学に対して当たり前のようにやっていることなんですね。

  1. 男女平等とか言っといておいて、数値目標にあわせるっていうのが、きもい。 
  2. 知ってる先生から聞いたけど、京大も女性教員増やさないと定員減らされるので今必死に探してるらしい 国立大でそうなったらもう終わりやわ! 
  3. 文科省が、各大学に予算を配分するための指標のひとつが「構成員の中の女性比率」だからなだけ。東北大学に限った話ではなく、こうして、全ての大学が予算という鎖に縛られて、踊らされている。 
  4. 本当に問題意識をもってやってる取り組みじゃないですよね、これ。文科省から女性教員の比率の目標立てさせられてて、それを達成できなかったら交付金の査定に響くからやむなくやってるだけですよ。 
  5. これも国が女性教員率や女性教員の上位職登用率を大学のKPIにあげさせて、補助金の増減ちらつかせて無理強いしてるからだろ。文科のやることはろくでもないし、それに従う大学幹部もどうかしてる。忠犬ポチ公やん。 
  6. 女性の採用者を増やせと国が言うてるんやから仕方ないわなぁ 国の言うてることがおかしいもん おかしな公募もこれから増えるよ 
  7. 国は2025年までのできるだけ早期にあらゆる分野で指導的立場(管理職、教授、国会議員など)の女性を30%以上にするとしている。その指標にどれだけの意味があるのでしょうか。
  8. 私は某国立大学を昨年三月に定年退職した名誉教授職にありますが、ここ数年女性限定の公募が複数ありました。研究や管理運営の能力においては男女の区別は無いはずですが、学内の複数のセンター長等のポストも女性に限定されていました。大学力の向上に向けた適材適所という言葉は既に死語になっていました。独法化したとは言え文科省の数値目標圧力を意識していましたね。 

教授の男女比の目標値の根拠に合理性がないことについて

一見もっともらしいグラフを見せていても、議論のための比較対象が違うんじゃないかと思います。これが論文だったら、論理的じゃないからリジェクトになるでしょう。

東北大学が公開している学生数をみると、

工学部 学部学生3,475人のうち女子学生 387人 (11.1%)

大学院工学研究科前期課程1,502人のうち女子学生166人(11.1%)

大学院工学研究科後期課程521人のうち女子学生 90人(17.3%)

となっています。現在の教授の男女比に不平等さがあるかどうか議論するためには、東北大学工学研究科の教授職への応募者の女性比率を示すべきです。その数字が新聞で報じられていないため、この新聞記事の主張を鵜呑みにすることはできません。新聞記事のグラフは、女性比率の高い文学部なども含めた、全学部あわせた平均です。

ちなみに留学生数は、学部2.4%、大学院前期課程12.9%、大学院後期課程43.2%となっていて、博士コースの留学生の割合が大きいことに自分は驚きました。この表だと日本人に限定した場合の博士後期課程の女子学生の割合もわかりません。

  1. 機械や電気に興味を示す女性自体が少ないのが根本的な原因では? 
  2. 女性の就業率(役職)が低いとあるが、当の女性が望まないのに上がるわけがない。
  3. そもそも女性の応募が極端に少ないなら、女性限定で募集しても増えないと思うが… 
  4. 工学系の学生自体男女比が著しく偏っているのに、教授だけバランスとるのは合理性に欠ける。 
  5. 教授の公募って応募資格も限られてて,応募資格を持つ人の人数の男女比を見た上でやらないと,男性の倍率が20倍で女性の倍率が3倍とかになってしまうなら,それはちょっと違うんじゃない? 
  6. 物理や電気系の学科の女子率は数パーセント、なのに女子限定で優秀な人を採れるはずがない。 
  7. 理系入学女子は学科によっては2割に満たない。さらに大学院までとなると1割となる。その一割の中から優先して女子を教員に採用するとなれば能力が基準に満たない者も採用せざる負えないだろう。 
  8. 私は大学の専攻は機械工学科だったが、私の学年は、生徒数が150人ぐらい居て、女性は1人しか居なかった。1%にも満たなかった。元々の学科の専攻の男女比がこんな感じなので、女性の教授の比率を上げることは、不自然な事だな、と感じる。 
  9. 業績はあるのに未だ正規の職にありつけず、それでもアカデミックポストを狙っているという人は男性が圧倒的多数であるという事実があります。
  10. 教授が少ないのは、現職の女性教員が単に業績が少なくて教授になれないからなんじゃないの?
  11. そもそも教授候補として値する人々のなかの男女比がどれだけか。‥ 99:1とかで候補になりうる人材が非常に少ない分野であればこのような公募を続けていけば本来なら教授になるわけのない無能が教授になる可能性がでてくる。

 

女性のキャリアパスの途中の過程の改革が大事であることについて

教授の男女比は「結果」にすぎません。なぜ教授が男性ばかりなのか?なぜ教授選への応募者が男性ばかりなのか、なぜ准教授、講師、講師に女性が少ないのか、女性が研究者としてのキャリアパスを歩むための支援が十分なされているのか、なぜ大学院に進学する女子学生が少ないのか、なぜ理系の大学を志望する女子高生が少ないのか、なぜ理系を志す女の子が少ないのかと考えて、途中の過程で男女が平等か、ライフイベントを考慮したものになっているかを吟味して改革をしていくべきでしょう。全部をすっ飛ばして最後の教授の比だけを取り繕うというのは、偽善的だと思います。

研究者として自分を確立していかねばならない20代後半~30代前半が,出産・育児の適齢期なのである.このハンデは大きすぎないだろうか?

(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

  1. 平等は数や比率ではない。それらは結果であってプロセスではない。 
  2. やるべきは、女性が働きやすい環境を作りつつ、採用は男女平等であるべき
  3. 最後の結果だけの数合わせ。それ以前の環境を改善したりするほうが有用なのでは?
  4. 元々女性教授が少ない環境がおかしいと思わないところが東北大学のおかしいところ。
  5. 女性が働きやすい環境にするとか、優遇とまではいわなくとも女性が働きたくなるようなメリットを与えれば、自然に比率は増えると思う。
  6. こんな数合わせの公募をやるより、どうして女性教授の数が少ないのか、何が障害になっているのか、それを見極めなければ真の解決にはならないだろう。
  7. ガラスの天井を無くすための取り組みや、育児休暇の取り方や取りやすさなどの環境づくりに取り組みをしたほうが自然と入ってくるのではないでしょうか
  8. 単純に男女差別なく公平に審査(審査結果は開示)して採用し、女性が働きにくい原因があるならそこを改善する等が正しいやり方なのではないでしょうかね。 
  9. ジェンダーフリーが浸透し、そういう社会で育った世代がジェンダーに囚われることなくポストを望むようになった結果、男女の数が均衡するというのが道筋なのでは?それを直接的に最終結果を求めるのは賢明とは思えない。

女性限定公募が致命的間違いであることについて

能力が低い人を教授にするって、ただただあり得ないと思うんですが。教授という職は東北大にとって、そんなにどうでもいいような職なんでしょうか。

  1. 5人の医師(A,B,C,D,E)がいたとして、評価もこの順だったとする。Eだけが女性としよう。あなたの手術の執刀を”男女平等”にペアで組まれたとする。AとEで貴方は安心できますか?私ならAとBが良い。  

 

女性限定教授公募の犠牲者が学生であることについて

割を食うのは学生です。

  1. 能力で選ばれた教授に師事できないのは学生がかわいそうだわ 
  2. 女性であるというだけで選ばれるアホに教わる学生からしたらたまったものではない 学費を払って研究しに来る学生は、決して女性の教授に教えを請いたいわけではないと言うこと。女だろうが男だろうがどっちでも良くて、「ちゃんとした研究が出来ること」を望んでます。
  3. 学生たちは、下駄を履いた大学教授に教わるために、大金と労力を注ぎ込んで東北大学に入ったわけではないだろう。 

 

女性優遇人事で避けられないこと

容易に想像がつくことですが、実際にそういうことになるそうです。

  1. 男女比を調整するために女性を公募すると、それを希望する男性より能力の劣った女性が選ばれることがある例を何度も目にしてきた。かえって不公平なのでは?

 

女性優遇人事がもたらす不幸な結末

これも容易に想像がつくことですが、実際にそういう例があるそうです。

  1. 女性枠で、男性に比べて見劣りする研究者を採用しても、結局競争についていけずに離職したのを結構見かける。
  2. 無理矢理に(明らかに能力不足な)女性を研究室主宰者で取った挙句、初年度の配属学生が全員不登校になった研究室とか見たことあります。 

 

女性限定公募で採用された人が偏見を持たれることの心配

申し訳ないですが、自分もそういう目で見てしまいそう。自分が個人的に知っている女性PIはみんな非常に優秀な人たちばかりなんですが。

  1. この募集で教授になっても学生に舐められるでしょ。 
  2. 女性だからと、実績がたいしてなくても副学長になったりね。
  3. 東北大学の教授は能力ではなく性別で選ばれるものなんですね。素晴らしすぎる。 
  4. 「東北大の教授は、能力ではなく性別でなった人」と今後思われても仕方がないですね。 
  5. これで採用された教授は生涯「女だから下駄履かせてもらっただけ」と言われ続けるよ。
  6. こんな性別限定枠で採用されても「あ、優遇されて入ってきた女の子ね」と色眼鏡で見られて正当に評価されないと思う。
  7. もしこれで教授になった人がいても、「女性枠教授でしょ?」って言われちゃうようになるのわからないのかな。。。 

 

女性限定教授公募で男女比を変えようとするのは性急過ぎるという指摘

ポスドク1万人計画とかいうのも昔ありましたが、いつもテキトーな数値目標を出してくる文科省が2025年までに女性比率を××になどというから、こんなとち狂ったことをやって間に合わせようとする大学が出てきてしまうんでしょうね。

  1. 結果論として長年かけて最終的に男女比率が同じくらいになることはあるでしょうが無理矢理女性割合を上げることは愚策中の愚策です。 
  2. 今の教授職相当の年齢の理工系博士号持ちの女性はかなり少ないはず。だから今の教授職の女性比率が少ない。今は昔に比べて女性の理工系博士号持ちは増えているはずだから、時が経てば自然に教授職の女性比率も次第に上がっていくはず。それを急速に変えようとするから軋轢を生んでしまう。 

 

女性限定教授公募が表層的であることへの懸念

根本的なところから深く考えて施策を打ち出す大学であれば、女性限定で教授の公募なんてやらないだろうなと思います。

  1. 見せかけのダイバーシティですね。 
  2. 当面の見せかけだけの平等なんて意味がないような
  3. それを目標にしてしまうと、達成して終わりになりかねない。  
  4. 数字とか体裁だけ揃えて満足する役所仕事な感じがして仕方ない。
  5. 大学のやっている感が妙に悪目立ちしているように思えるのは気のせい? 
  6. 無理矢理女性の比率を上げようとする行動には意味ないよね!数字だけで中身が無い! 

男女共同参画事業:

女性の少ない理由は,女性が,出産・子育てなどの時間・体力的なハンデを背負っているからであり,その点をサポートして社会進出を後押ししよう,というのがその趣旨だ.この考えは,国会で法律化されており,各国立大学法人は,少なくとも20%の教官を女性にするように努力目標を与えられている.そのため,各大学や学会にそれぞれ委員会が作られ,女性社会進出の啓蒙活動等を行っているわけである.

(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

 

東北大学に失望

東北大というか、旧帝大という日本の科学技術を背負って立つレベルの研究大学がこういうことをやるのは、勘弁してほしい。

  1. 男女平等をはきちがえるな。東北大がっかり。
  2. 東北大ともあろう所が正気でやってるのが間抜けだね。
  3. 大学は物事の本質を考えるところと思っていました。東北大学という名門大学でありながら、物事を表面的にしか考えることができないとは、とても残念です。
  4. 性別ではなく能力によって入学を認め、女子学生の受け入れに道を開いた初代総長澤柳政太郞も嘆くことだろう。

 

東北大学の女性限定教授公募実験への期待

ヤフーコメントはほとんど(多分9割以上)が批判的なものでしたが、少数ながら賛同する声もありました。その中でも特に自分が説得力を感じたものを2つ紹介します。

  1. 工学部は特に女性教員が少ないせいで卒業後のキャリアのイメージを学生・保護者ともに持つことができず、女子学生の数が増えないという悪循環に陥っています。日本は理系人材の需要が上がっているにも関わらず、少子化で人材の確保が難しくなる一方で、女子学生に工学の魅力を感じて来てもらえるかが急務です。アカデミックに限らず企業でも女性のロールモデルを増やし、女子学生に工学の道を現実的なキャリアとして思い描いてもらうための一歩として、東北大は一歩を踏み出したのだと思います。  
  2. ある程度数を増やして、まだ社会に残っている、「トップが女性がであることに対して多くの人が不慣れな状況」を変えるのが大切かと思うようになりました。個人的にそれを実感したのが、黒人に対してです。アカデミー賞なんかで黒人への授賞が最近異常に多いとか、一時的な不公平感は否めませんが、見慣れた光景になって違和感がなくなること、黒人であることが特に騒がれなくなるという状況は、ある意味一つの見方として平等が定着しつつあると言える気がします。そういう意味で、過渡期にはこういう処置が必要なのではないかと思います。  

 

東北大の試みに対する支持率

ヤフーコメントでの圧倒的な批判・非難に比べると、ツイッター上でのコメントは落ち着いたものが多く、東北大の女性限定公募を支持する人も結構な割合います。

過半数は反対だが、賛成意見もそれなりの割合ある、だから良いと言えるでしょうか?女性限定公募と聞いてどう反応するかは、置かれた状況で大きく変わります。他人事ならたいして腹も立たないのは当たり前のことで、必死にアカデミアで職探しをしている男性以外の人にとっては他人事です。無関係の人が賛成しているからOKということにはなりません。当事者の意見、ステークホルダーの意見を尊重すべきだと思います。

科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり、血の川のほとりに咲いた花園である。(寺田寅彦『科学者とあたま』)

女性比率を無理やり引き上げようとする東北大学で採用される女性教授は、優秀で命知らずの男性研究者の死骸の山の上に立つ存在になるということです。女性限定で一人公募というのならともかく、5人同時に公募というのは、「東北大学教授」の価値を著しく下げる愚かな施策なのではないかと自分は思います。1億円のダイヤモンドを、女性限定5名様まで1万円で売りますと言われたような気分。国立大学の教授のポジションは、日本の研究者社会全体の公共のものととらえるべきなのではないでしょうか。勝手にバーゲンセールを、排他的かつ差別的な方法で行っていいものではないと自分は思います。

 

大学教員選考における機会均等を実現する妙案

「2年間(出産と育児の期間を仮に2年とする)休んでも,その分の年齢をカウントしない.」

業績に関して下駄をはかせたりしないので,男性研究者からの反発も起きない.そもそも,研究とは違う「価値あること」に従事していたわけなので,研究キャリアからその分を除外するのは,理にかなっている.

「出産・育児休暇を取った場合,定年を2年延長する」

出産・育児をしても,その分,定年を延ばせるのであれば,女性側のデメリットはほぼなくなる.研究者としての実働時間は,男性と比較しても同じになる.

とにかく重要なのは,女性が出産・育児に集中する時間を,「ハンデ」というネガティブなものとして扱わず,社会的にも意義のある時間であると認識できる制度にすることだと思います.そうした仕組みが確立されれば,「漢」でない女性にとっても研究者という道が現実的な進路と感じられるのではないでしょうか.

(引用元:共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?

 

注意:「共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?」およびヤフーコメントは、部分部分を切り取って紹介しています。全体の主張、主旨を正しく理解するためにはリンク先の原文をお読みください。

Exit mobile version