日本の科学と技術

大学教員を目指す公募戦士の戦い方、デキ公募という難敵の回避方法など

大学教員を目指す全ての人にとっての最大の壁は、採用する人間がいるのに公募する、いわゆるデキ公募です。公募の大部分は出来公募と言われても、わずかにでも可能性があるのなら出さざるをえません。自分も任期切れ目前までひたすら公募に出しつづけて、その数は軽く100を超えました。

ポスドクや有期付きの助教が、期間の定めのない大学教員を目指す場合、JREC-INなどの公募情報を見てアプライすることが多いと思いますが、どうすれば採用内定を勝ち取れるのか、ネットの上の参考になりそうなものを紹介します。

出来公募は存在する

公募の何割が出来レースなのかは自分にはわかりませんが、「この公募は俺が採用されるためのだから、出しても無駄だから出すなよ。」と親切に教えてもらったことがありますので、世の中に出来公募があることは間違いありません。


どの公募がガチなのかは誰にもわからないため、どうせ出来レースかなと思いつつも、応募書類作成には一切手が抜けないので、莫大な時間を取られます。

”公募”という罪なやつ

あなたは出来公募には勝てない

当て馬が勝って生じる不測の事態

内部昇進を偽装公募する背景

出来公募には当て馬が必要

自分は採用側になったことがないのでわかりませんが、内部昇進だろうが出来レースだろうが、おそらく、面接には複数の候補を呼んでちゃんと決めましたという形を整える必要があるのでしょう。誰のために?

応募を続けると家計が逼迫する

応募書類を簡易書留で送るだけでも600~700円くらいしますし、地方の大学で面接に呼ばれようものなら、交通費と宿泊費で何万円もかかります。自分も地の果ての大学に面接に行ったことがありますが、事務員に案内されて部屋に入ってしゃべっておしまい、教員と話す機会はゼロ、聴きに来た先生たちもずんだれた服装でシラーっとした雰囲気でやる気無しみたいなことを経験しました。まあわかりませんが、これは当て馬に呼ばれただけだったのかなと思いました。人を馬鹿にするにもほどがあると思います。

出来公募は研究者の心を壊す

出来公募でない公募も存在する

公募要領を読み解く必要性について

 

ガチ公募の場合はその旨を発信すること

揺らぐJREC-INの存在意義

JREC-INへの要望:出来レースはみんなでチェック

出来レースには目印を

出来公募の特徴

古き良き時代への回帰を

 

関連記事 ⇒ 大学教員公募が必ずしも公募でない理由

 

面接に臨む心構え

書類選考を突破して面接に呼ばれる。とても嬉しいことですが、期待と不安、落胆いろいろ感情が大きく揺り動かされるイベントです。自分が経験した面接は、正直、自分は当て馬だったんじゃないかと思えるくらい最初から反応が薄い面接ばかりでした。しかし、書類選考で数人に絞りこんだあとの面接試験は、ガチだよというシニアの先生の言葉を聞いたこともあります。結局、大学にもよるし、そのたびごとにも状況は異なるのではないでしょうか。

  1. 大学教員公募戦士:面接に呼ばれるということの意味 退役軍人会 2022年9月30日 11:23 ¥100
  2. 大学教員公募戦士:面接で聞かれたこと 退役軍人会 2022年7月25日 21:35 ¥100
  3. 公募戦士の忘備録 ~自身のラボを立ち上げるまで 2022-03-12(blog.goo.ne.jp/radiologist-soma-tohoku)

模擬授業対策の方法

研究しかしてこなかった人間にとって、模擬授業をやらされるのはかなりツライのですが、今から振り返って考えると、模擬授業で学生(選考委員の先生たち!)を巻き込んだ魅力的な授業を実演してみせることは、非常に大事だったんだなと思います。ただそれも研究志向の大学か、教育重視の大学かによるでしょう。

  1. 【大学教員への道】 模擬授業 2014年10月13日 宮本園 ”一つの事例として捉えて頂きたい.また,結果的には不採用”
  2. 公募戦士 のための 『 大学教員公募 大全 』(面接・模擬授業対策) @applebenz2021 (公募への応募46件、うち、面接に呼ばれた回数大学7校、高専1校、専門学校1校 だそうです。非常に高い数字ですね。)

 

日本以外の選択


日本に職がないから欧米でというのは、実際のところどうなんでしょうか。もちろん選択肢を広くしたほうが機会は増えると思いますが、アメリカも競争が厳しくてアメリカ人のポスドクもアメリカで職が獲れずにヨーロッパのどこかの国とか、オーストラリアとかアメリカにこだわらずに職探しをしていました。

 

企業からアカデミアへ

大学教員の経歴を見ていると、企業勤めの研究者だった人がいきなりメジャーな大学の教授になっている例を見かけます。自分には全く見えない道筋なのですが、アカデミアからアカデミアを探すよりも、インダストリーに一度出てからアカデミアを目指すほうがひょっとして可能性が高いのか?と思ったこともあるくらいです。

  1. 大学教員への道、詰みました 2020-09-30 実務家教員、人生の岐路で生きる事に挫折した

 

参考

  1. 新・教員公募星取り表78 教員公募は「負けに不思議の負けあり、勝ちに不思議の勝ちなし」の世界。日々の研究・プレゼン能力・教育指導・実務経験の全てが問われる、真剣勝負の世界へようこそ。
Exit mobile version