先延ばし癖(procrastination)は、学生時代はまだしも、社会人になっても直っていないと致命的です。先延ばし癖を直す方法などを纏めて紹介。
先延ばしの代償
やるべき時に やるべき事を やれない者は…
暗殺教室では存在感を無くして行く刃を研ぐのを怠った君は暗殺者じゃない
暗殺教室(あんさつきょうしつ)を見ていたら、ころせんせーの言葉中、上のようなセリフがありました。研究に当てはめれば、論文を出すべきときに、論文を出せない者は、研究の世界では存在感を無くしていく、論文を書くのを怠った君は研究者じゃない、ということでしょうか。論文業績が足りなくて研究の世界で生き残れなかった自分には、身に沁みる言葉です。どんな業界にも当てはまる人生の教訓ですね。
先延ばしする理由
先延ばし癖をする人の心理を解説した記事↓。
今の状態が続いても困らないと考えているか今の耐えられる状態がまだまだ続くと考えているからなんですね。(とどのつまり、すべき事をすべき時にしなかったら人生どうなる? by 佐藤しょ~おん『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』 2019.07.16 28 MAG2NEWS)
期限が切られた研究職に就いていると、この状態を続けたら先がないという危機感に常に満たされており、期限が切れたら今の状態が終わることは明らかなので、先延ばし癖が出る隙がありません。
「宿題」とは一種の「約束」である。「約束」を守らない人は信用できない。(「宿題をやらない大人」に初めてであったときの話 識学総研)
上の記事はなかなか面白いと思ったのですが、修行中の時代は宿題はやるべきだけど、慣れてきたら、宿題(仕事)を他人に振るのも能力かなとも思います。学校の宿題の場合も、小、中、高くらいだと先生の自己満足としか思えないような無意味な大量の宿題というものもあるので、本人がやるかやらないかを選ぶのが大事なのではないかと思います。
先延ばし癖をする人の心理に関する、下の記事の分析も納得することが多いです。
- 本気で取り組めばすぐに終わるだろうと考えたり、仮に終わらせなくても大問題ではないと考える
- 興味の不足が起きやすく対象の遂行に飽きる
- 高すぎる理想のため完璧を求め着手できない
(あるある!やらなきゃいけないことを先延ばしにしてしまうのはなぜ? 6/18(木) 18:30 YAHOO!JAPAN CanCan.jp)
先延ばし癖の原因は主に2つ。ストレスからの逃避行動 恐怖心 この2つに集約されます。(「先延ばし癖は病気かも?」先延ばし癖を治す9つの克服法と原因とは 2018.10.01 2020.05.22 merise.me)
先延ばし癖を解消する方法
すぐやる
自分の経験に基づいて言えば、先延ばしを解消する一番良い方法は、すぐやる癖をつけることです。例えば、人から何か依頼を受けたとすると、たとえそれが2週間後の締め切りであっても、その場ですぐにその仕事に取り掛かるのです。簡単な内容なら、その日のうちに仕事を終わらせてしまうなど。実際には、見直して完成度を高める作業が必要なので、依頼が来た当日のうちに7割、8割、9割まで持って行く癖を付ければいいと思います。少し間をおいて、100%近いところまで仕上げて、100%でないとわかっていても、期日前にもう出してしまうくらいでもいいと思います。
拙速(せっそく)は巧遅(こうち)に勝る 孫子
ちょっとだけでも手をつける
私の知る限り最も強力で効果的なライフハックがこれです。「作業興奮」を飼い慣らせ。pic.twitter.com/JtFhEWbMyd
— 田草川 俊|楽天モバイル社員 (@Nicotama222) November 22, 2024
完璧主義を捨てる
100%の努力というのは絶対に大事で、それを常にやっていないと成長はないと思うのですが、それと同時に100%近ければ良しとするという考え方も同時に必要だと思います。これは、修行中の身か、とにかくアウトプットを求められる時期かで使い分けが必要です。アウトプットが、のちに残らないもの、例えば学会発表などであれば100%の完成度は不要でしょう(発表の準備に100%の努力をすることは必要ですが)。論文などの出版物は永久に残るので、100%を目指したいところではあります。求められる完成度の高さは、課題の種類で異なると思います。
ただし、学生や大学院生のように一段も二段も成長しなければならない時期は、とにかく自分でやれる限りのことをやってから指導を仰ぐという姿勢を持っていない限り、伸びないでしょう。
ご褒美をあげる
締切日前に物事を終わらせたら、軽く一服したり甘いものを食べたり、プチ贅沢をしたりして自分の脳に報酬を与えることもよいのではないかと個人的には思っています。先延ばし癖に悩んできた場合には、締切日を守ることがこれほど爽快なのかと思うことでしょう。その爽快さをご補備によって増強しておくわけです。
ロールモデルから学ぶ
研究者の中には、締め切りギリギリにやる人や、下手したら締切日を過ぎてから始める人もいますが、締切日をきっちりと守る人もいます。自分のそばに、締め切りをきっちりと守る人がいれば、その人の仕事のやり方やスケジュールの組み方を学ぶのがいいと思います。特に、一人ではまとめられない仕事の場合、共同作業する人に対してどのタイミングでどのように働きかけて仕事を取りまとめて締め切り日をきっちり守って成果物を提出しているかをつぶさに見るのは非常に勉強になります。100%を目指すときりがないので、99%~99.5%くらいかなと思えればもそれ出してしまうのがいいのではないかと個人的には思います。