ブルーバックスは講談社が出版している新書シリーズで、「科学をあなたのポケットに」をキャッチフ レーズとして1963年に創刊されました。今年2013年は50周年にあたります。
記念すべきブルーバックスの第1冊目「人工頭脳時代― 頭 脳労働の革命が始まっている」 (1963年)の後、「相対性理論の世界」(1966年)、「量子力学の世界」(1967年)、「マックスウェルの悪魔」(1970年)、「ブラック・ ホール」(1975年)、「クォーク」(1981年)、「フェルマーの大定理が解けた!」(1995年)、「消えた反物質」(1997年)、「記憶力を強 くする」(2001年)、「iPS細胞とはなにか」(2010年)など、50年間のブルーバックスの発行点数は1800を超えるそうです(累計部数は7千 万)。後にノーベル賞を受賞した日本人研究者が執筆していた本もいくつもあり、かなり本格的なサイエンス入門書シリーズと言えます。
50年間の歴代ベスト10は、
- 「子どもにウケる科学手品77」後藤道夫(著)1998年 75万部
- 「ブラックホール」ジョン・テイラー(著)、渡辺正(訳)1975年 63万部
- 「相対性理論の世界」J・A・コールマン(著)、中村誠太郎(訳)1966年 63万部
- 「四次元の世界」都筑卓司(著)1969年 57万部
- 「パズル・物理入門」都筑卓司(著)1968年 36万部
- 「量子力学の世界」片山泰久(著)1967年 33万部
- 「マックスウェルの悪魔」都筑卓司(著)1970年 32万部
- 「計画の科学」加藤昭吉(著)1965年 32万部
- 「統計でウソをつく法」ダレル・ハフ(著)、高木秀玄(訳)1968年 31万部
- 「電 気に強くなる」橋本尚(著)1969年 30万部
となっており、1960年代はブルーバックスの黄金時代であったようです。このころは物理学やパズルの人気が高いことがわかります。ちなみに21世紀(2001年~)の売上ベスト3を見てみると、
- 「記憶力を強くする」池谷裕二(著)2001年 24万部
- 「『分かりやすい説明』の技術 」藤沢晃治(著)2002年 20万部
- 「進化しすぎた脳」池谷裕二(著)2007年 17万部
となっており、現代の人々が脳科学や生きるためのスキルに興味を持っている様子が窺えます。
参考
- 講談社ブルーバックス
- ブルーバックス創刊50周年記念 『ブルーバックス物語』ダウンロード(PDF:6.7MB)