当たり前のように毎冬、風邪を引きますが、人間は免疫システムを備えているというのになぜ繰り返し風邪をひくのでしょうか?免疫ができないの?と不思議に思う人は多いようです。
風邪には何故、免疫抗体は出来ないのでしょうか ? (YAHOO!JAPAN知恵袋 2011/6/16)
答えはというと、
風邪は、病原体が鼻や口から侵入して感染し、症状を起こす感染症の総称です。病原体、特にその8割を占めるウイルスは、冬に多いもの(ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルス)以外にも数百種類はあります。そのため体に抗体ができず、1シーズン中に何度もかかったり、症状や経過がその時々で違うのです。(「風邪」をひく理由とその症状 早めに治す4つのポイント 2013.11.08 16:00 NEWSポストセブン)
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繰り返す風邪…免疫がつかない理由と効果的な対策法 (AllAbout)
抗体はできるのですが、風邪の原因となるウイルスの種類が多すぎて、次々と新しいものに感染するからということらしいです。
野生型のアデノウイルス5型はありふれたものです。ほとんどの人は、3歳くらいまでにアデノウイルス5型の風邪に感染するため中和抗体を持っています。(Adenovirus Dual Expression Kit TAKARA)
ベクターとしてよく使われてきたアデノウイルスが風邪のウイルスかと自分は思いこんでいたのですが、それは論文の記述を正しく読んでいなかったせいでした。
主にベクターとして応用されているのは,小児の風邪の原因ウイルスの一つであるアデノウイルス 2 型あるいは 5型である.(アデノウイルスベクターの遺伝子工学 ウイルス 第 57 巻 第1号,pp.37-46,2007 10ページPDF)
アデノウイルスは風邪の原因の一部にすぎないということです。そもそも「風邪」というのは総称にすぎず、風邪の原因となる病原体はウイルスおよび細菌で、それがまた多種多様なんだそう。だから風邪の症状も多種多様なんですね。
誰もが知っている身近な病気「風邪」は、正式には「風邪症候群」といいます。主にウイルスや細菌により、上気道で引き起こされる炎症を伴う病気で、その症状を指して、急性上気道炎または上気道感染症と称することもあります。(人はなぜ風邪を引くのか? 早稲田の学問)
ライノウイルス
ライノウイルス(Rhinovirus)は、ピコルナウイルス科エンテロウイルス属に属するライノウイルス系のウイルスの総称。一般的にはヒトライノウイルス(human Rhinovirus)を指す。100種類以上の血清型が存在する。このため風邪ワクチンの開発も難しい。[1] RNAウイルスであり、風邪(普通感冒)の代表的な原因ウイルスとして知られている。(ライノウイルス ウィキペディア)
↓ヒト ライノウイルスの種類の多さがわかる図(RNA塩基配列の相違の程度を樹状に表示したもの)。
参照元(フルサイズの画像):Jacobs et al., Clinical Microbiology Reviews
- The three species of rhinovirus (A, B, and C) include around 160 recognized types of human rhinoviruses that differ according to their surface proteins (serotypes).(Wikipedia)
- http://www.picornaviridae.com/enterovirus/rhinovirus.htm
参考
- 自然免疫と獲得免疫(MBLライフサイエンス)
- 医者はインフルエンザなどの感染症に罹患しない? – 真相を聞いてみた(2017年9月27日 10時24分 マイナビニュース livedoor.com)