東工大で大学入試二次試験無しの女子枠

女子学生の比率が少ないから、難しい学力試験は免除して面接だけでOKという入試制度を東工大が始めるようです。

目次

ヤフーニュース等

  1. 東工大、入試に「女子枠」導入へ「日本の科学技術発展に女性の活躍必須」2024年4月入学向け試験から順次実施 11/11(金) 3:58 TBS NEWS 「女子枠」と「一般枠」の併願も可能で、両方の枠で合格した場合は「女子枠」としての合格になるということです。
  2. 東工大 入試に「女子枠」導入が「男性差別」「ついていけるの?」と波紋…筆記試験ナシで選抜の学部も 11/11(金) 19:02 女性自身 女子枠の導入で学力検査中心の“一般選抜”の定員は現在の930名から801名へと100名以上減少する。女子枠の試験内容は、各学部によって異なるが、情報理工学院の場合は面接のみ工学院や物質理工学院は面接と大学入学共通テストの成績を半々で評価。理学院の場合は、数学の筆記試験と物理・科学の共通テストの結果、そして面接をもとに学力試験中心に選考を行うという。どの学部も受験者が一定数を超えた場合は、共通テストの得点で選抜を行ったうえでこれらの試験を実施することになる。
  3. 入試に「女子枠」東工大で…低すぎる“理系女子”割合 11/11(金) 21:07 日テレNEWS アメリカのマサチューセッツ工科大学は48%、イギリス・ロンドンのインペリアル・カレッジは40%。これに対して、東工大では現在、女子学生の比率はおよそ13%にとどまっています。(いずれも学士課程の割合)東工大は「女子枠」の導入で、この数字を20%以上に引き上げることを目指しているといいます。
  4. 東工大、入試で143人の「女子枠」導入。2024年入学者から総合型・学校推薦型で順次実施 11/10(木) 19:15 BUSINESS INSIDER JAPAN  2024年4月入学者の入試では、4学院(物質理工学院、情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院)を対象に新選抜を開始する。このうち58人の女子枠を導入する。また、2025年4月入学者の入試では、残り2学院(理学院、工学院)で新選抜を開始し、85人の女子枠を導入。2025年の段階で、143人分が女子枠となる。
  5. 東工大、143人の「女子枠」創設へ…「女性が増えれば活性化する」比率2割以上目指す 11/10(木) 20:57 読売新聞 女子枠は東工大の全6学院(学部に相当)で導入する。24年度入試では、物質理工や生命理工など4学院で計58人、25年度は理学院と工学院で計85人の女子枠を新設する。総募集人数(計1028人)は変更せず、一般選抜枠を930人(23年度)から801人(25年度)に減らす。同日の記者会見で、東工大の益(ます)一哉学長は、米マサチューセッツ工科大の学生は半数近くが女性だとし、‥

女子枠導入の理由

記者会見した益一哉学長は「ダイバーシティー(多様性)確保を積極的に進める中で、理工学分野や産業界で最も遅れているジェンダーバランスを解決する第一歩だ」と話した。(東工大、一部入試に女子枠導入へ 24年度入学から 11/10(木) 20:48 時事通信)

  • ダイバーシティ&インクルージョンを実現するための一歩
  • 本学の学修環境を多様性のある理想的なものに近づ けます。
  • より多くの女性科学者・技術者を社会のさまざまな 分野に輩出します。
  • これを起点に波紋が広がり、本学だけでなく社会全体に、真に多様性を受容する環境が育つことを 期待します。

参考:https://www.titech.ac.jp/news/pdf/news-31129-pd2.pdf

東工大の入試制度 現行の制度と今後の変更点

現行制度(2022年度に実施される、2023年4月入学者を選抜する令和5年度入試まで)

一般選抜(前期日程):共通テストによる第1段階選抜と大学独自の個別試験による第2段階選抜。選抜方法、試験科目、試験問題は、大学全体で共通。一般選抜(前期日程)の募集人員は6学院の合計930人(全体の90%程度)。

総合型選抜および学校推薦型選抜:選抜方法や試験科目などは学院独自。現行入試では、理学院のみが学校推薦型選抜を実施、それ以外の5学院(工学院、物質理工学院、情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院)は総合型選抜を実施。総合型選抜と学校推薦型選抜の募集人員を合計すると98人(全体のおよそ10%)。

新制度(2023年度に実施される2024年4月入学者を選抜する令和6年度入試から導入)

  • 全体の層募集人数’(1028名)および学院ごとの層募集人数(理151、工348,物質178、情報92、生命150,環境・社会109)は変更なし。
  • 総合型選抜(AO入試)・学校推薦型選抜(推薦入試)性別によらず出願することができる一般枠と、女性のみが出願可能な女子枠という2つの枠を設定。
  • 2024年度入試から2025年度入試にかけて、総合型選抜・学校推薦型選抜に合計143名の女子枠を導入
  • 一般枠と女子枠を併願する場合、各枠で判定した結果、両方合格であれば女子枠としての合格

一部の学院に関して、情報を抜き出してみます。2次の学力試験が課せられず、共通テスト利用であったり、共通テストすら必要なかったり(情報理工学院)、随分と思い切った制度を導入したものだと思いました。東工大のような難関大の志望者の場合、共通テストは学力を測る指標としては物足りないので、事実上、学力を問わないで女子学生を受け入れると言っているに等しいのではないかと個人的には思います。

工学院の新しい総合型

  • 第1段階選抜(約1.5倍を超えた場合行う)共通テスト(得点合計)で選抜を行う
  • 第2段階選抜 総合問題(面接)(100点) 共通テスト(100点)
  • 総合問題(面接)(100点) 女性活躍社会に貢献するために本学工学院で学びたいこと、及び自身の将来像をふまえた志望動機、与えられた物理や数学(数学Ⅲを含む。)のテーマに関して論理的かつ明快に説明する能力を評価する。※ 志望理由書に「女性活躍社会に貢献するために東京工業大学工学院で学 びたいこと、および自身の将来像」を記載
  • 共通テスト(100点) 得点合計で評価 ※現行で行っている総合問題の筆記試験は行わない

 

工学院の総合型ではそもそも男子は受験できません。女性だけ70人が受け入れられます。この女性枠では共通テストと面接で決まるので、いわゆる学力をみるための二次試験がないということになります。東工大のような難関大学の場合、共通テストで高得点をとれる学力で難しい二次試験には対応できないため、二次試験(学力試験)が課せられないで東工大に入れてしまうというのは結構、衝撃的なことのように思えます。東工大の工学院は、男子には極めて高い学力を要求しておきながら、女子70人には学力不問と言っているようなもので、これで入学してクラスメイトの男子と同じように授業についていけるものなのか、はなはだ疑問です。

 

物質理工学院

  • 募集人員 178人 (一般選抜138人、総合型(一般枠)20人、総合型(女子枠)20人)
  • 新設 総合型(女子枠)
  • 筆記試験は行わず共通テストを利用。理科と外国語を重視
  • 面接では、女性が活躍できる環境調和型社会に貢献するために学びたいこと、及び自身の将来像をふまえた志望動機を論理的かつ明快に説明する能力を評価
  • 女子枠では、科学的センスと世界展開の可能性を有した女性の入学を期待しているため、一般枠と配点が異なる
  • 第1段階選抜(約1.5倍を超えた場合行う) 共通テスト(得点合計)で選抜を行う 一般枠ではすべての科目を素点のまま合計し、女子枠では理科と外国語のみを1.5倍に換算し合計する。
  • 第2段階選抜 総合問題(面接) 共通テスト
  • 第2段階選抜 総合問題(面接)一般枠 科学的な知識及び考え方について試問し、考察 力、表現力とともに物質についての科学技術を 学ぶうえでの適性を評価する。
  • 第2段階選抜 総合問題(面接)女子枠 科学的な知識及び考え方について試問し、考察力、表
    現力とともに物質についての科学技術を学ぶうえでの適性を評価する。また、女性が活躍できる環境調和型社会に貢献するために本学物質理工学院で学びたいこと、及び自身の将来像をふまえた志望動機を論理的かつ明快に説明する能力を評価する。
  • 第2段階選抜 共通テスト 一般枠ではすべての科目を等倍で換算し、女子枠では理科と外国語のみを1.5倍に換算する。

物質理工学院の総合型も、2次学力試験が課せられておらず、共通テストの点数と面接で合否が決まります。

 

情報理工学院

  • 第1段階選抜(約2倍を超えた場合行う) 共通テスト(得点合計)と出願書類で選抜を行う
  • 第2段階選抜 総合問題(面接)(100点) 面接内容が一般枠と女子枠で異なる 女子枠では以下を追加 女性活躍社会に貢献するために本学情報理工学院で学びたいことおよび自身の将来像をふまえた志望動機を論理的かつ明快に説明する能力を評価

 

情報理工学院に至っては、共通テストすら課せられておらず(足切り以外)、面接のみで合否が決まるようです。ほとんど、女子は学力不問と言っているに等しいのではないかと思います。

 

参考サイト

  1. https://www.titech.ac.jp/news/2022/065237
  2. https://www.titech.ac.jp/news/pdf/news-31129-pd2.pdf

 

東工大が女子限定の入試制度を作ったことによる波紋

東工大は女子枠導入の説明において、これを機に波紋が広がってほしいと述べていますが、東工大の期待とは少し違う意味で大きな波紋が広がっています。世の中には、様々な意見、反応があるようです。

男性に対する逆差別だという意見

女子枠導入の撤廃を求める声

これまでの東工大の入学試験で女性は差別されていなかったのだからアファーマティブアクションの対象にする理由がそもそもないという意見

下のツイートは至極もっともだと思います。

東北大や東工大、その他の多くの日本の大学は、文科省の圧力のせいか、女性限定で教授を公募しています。これなども、今まで女性が教授選でどれほど差別されてきたのかのデータを出さずにアファーマティブだのインクルージョンだのともっともらしいことをいうのは、どうなんだろうと思います。

素朴な疑問

2次学力試験免除で入学した女子学生が落ちこぼれないか心配する声

東工大のレベル低下を危惧する意見

女子枠で入学した東工大女子の就職を心配する声

入口でなく出口が大事という話

東工大在学生の意見

男女の差がない世代

東工大を受験する女子高生に社会が抱える問題を背負わせることを問題視する声

東工大の趣旨を読むと、東工大は面接のときに、女子受験生に対して、「女性活躍社会に貢献する」ことを確約しろと強制しています。これってどうなんでしょうか。自然科学が好きだから東工大で学びたいという純粋な気持ちだけの女子受験生は面接で落とされるのでしょうか。

男性に対する逆差別だという指摘から、東工大の男子学生を揶揄するようなものまで、さまざまな意見が飛び交っている中で、自分が一番憂いたのはこのツイートが指摘しているこの問題です。

女子枠がそもそも埋まらないのではないかと心配する声

2022年の 東工大一般入試では、志願者数 男子 3201人(合格864人、男子の合格率27.0%) 女子 601人(合格109人、女子の合格率18.1%)だそうですので、東工大に行きたい人はたくさんいると思います。東工大志望者がわざわざ入りやすい女子枠を敬遠するとは思えません。

女子が理系単科大学を敬遠する理由の考察

女子枠導入の前に検討すべきだった課題とは

東工大の試みを歓迎する意見

別大学ですが理工学部に進学したものの、退学した女子生徒として賛成したいです。‥ 選択したコースではなんと女子生徒は自分1人でした。男子生徒が30人程いる中で、たったの1人です。‥ すると、どういうことが起こるでしょうか。‥ 誰かと仲良くすれば別の誰かと軋轢が生じてしまったり、告白されたりしてしまうので、誰とも仲良くできませんでした。‥ わたしが勉学に集中できる環境が、あの大学にはありませんでした。(東京工業大学が多様性実現のために入試に『女子枠』を導入することについてどう思いますか?  みつ quora.com)

滑り止めに利用されるため女子枠に低学力の女子は入ってこないという読み

女子枠は実は東工大男子学生のためという深読み

 

女子枠は結局東工大男子学生のためにはならないという深読み

東工大と東京医科歯科大統合へ

  1. 東工大と東京医科歯科大統合へ、合意書締結…新大学は「みんなが覚えられる名前に」 2022/10/14 23:54 読売新聞オンライン いずれも国立の東京工業大と東京医科歯科大は14日、2024年度中をめどに単一の新大学に統合することなどを盛り込んだ基本合意書を締結した。‥ 政府が年数百億円を支援する「国際卓越研究大学」の認定獲得も目指す。

文科省に意向に従う東工大

文部科学省は2023年度入学の大学入試から、理工系分野に「女子枠」を創設するよう各大学などに促している。理工系専攻の女子学生が少ない現状を変えたい考えだ。(理工系学部に「女子枠」、文科省が創設促す…名古屋大工学部は学校推薦定員の半数を女子限定 2022/08/13 17:24 読売新聞)

  1. 東工大は、昔から政府(文科省)の意向に従順な傾向
  2. 「東工大はお上に忠実な大学」と本学の教員からもよく言われます
  3. 結局は大学改革しろって文科省から圧力来てるのが原因やろ
  4. 10兆円ファンドの運用益が注がれる国際卓越大学への申請準備
  5. 東工大は、元々女性の比率が極めて低いので、そのままでは国際卓越研究大学の申請すら出来ない可能性
  6. 東工大は、学生ではなくて「文科省様」「文科大臣様」を見て経営している、というだけ。
  7. 東工大の女子枠はどうせ文科省の靴舐めてるだけなのが最高にダサい
  8. 脅されてるんかな
  9. 東工大はもとから文科省に従順な大学なので、文科省が見当違いなことをすると、それに素直にしたがって見当違いなことをするということ
  10. 全て違う方向に行ってるよな 文部科学省何考えてんだ?
  11. 結局文科省がアホと言う話に行きつく