科研費を獲得した研究者への報奨金の授与

研究者が科研費を獲得すると、その金額(「直接経費」)の30%に相当する金額が間接経費として大学に入ります。つまり、大学が抱える研究者が科研費を獲得すればするほど大学は潤うのです。多額の研究費を獲得してもそれは研究にのみ使えるお金であって、研究者個人の懐には通常お金は入ってきません。

そこで、研究者の科研費獲得へのモチベーションを高める工夫として、報奨金制度を導入する大学が出てきています。報奨金の対象となる研究費の金額や、報奨金の金額は大学ごとにまちまちですが、公的研究費の一部がささやかながら研究者個人に還元される仕組みです。

東工大報奨金授与式を実施
平成26 年2 月13 日(木)に東工大蔵前会館ロイアルブルーホールにおいて東工大報奨金の授与式が行われました。この報奨金は、大学に多大な貢献等をした職員の勤労等に報い 励ますとともに、他の職員の勤労意欲の向上及び志気高揚を図り、大学を一層発展させることを目的として制定されたもので、今回で6 回目となりました。授与式では、平成24 年10 月から平成25 年9 月の間に外部資金、寄附金等により、合計1,500 万円以上の多額な間接経費を獲得し、大学の運営等に多大な貢献をされた次の22名の方々のうち7名の出席者に対して、三島学長から直接、目録が授与される とともに、本学を一層発展させるため、今後も尽力願いたい旨の言葉がかけられました。(東工大クロニクルNo.496 2014年3月 PDFファイル

名古屋大学 平成24年度 事業報告書 (PDFファイル) ”外部研究資金獲得に関して、間接経費獲得者に対する報奨金制度を構築した。”

科研費獲得金額の増加を目指す大学が考えることはニンジン作戦だけではありません。アメとムチでいえば、ムチを振るうことで科研費申請を促す大学もあります。科研費申請を行わない研究者には大学は研究費を減額、あるいは支給しないという厳しいものです。

科研費の申請の義務化について
7 月29 日に、科研費申請の義務化にかんする団体交渉をおこないました。
教員の話となりますが、科研費の申請をおこなわないことを2 年続けると、研究費がゼロに
なるというペナルティー付きです。しかも「研究代表者」としての申請が義務付けられていま
す。私たち教職員組合は、このような、ペナルティー付きの科研費申請義務化が教員にとって
も(申請業務にたずさわる)、事務系職員にとっても労働強化になる、という理由で反対の申
し入れをおこないました。(高知大学教職員組合中央執行委員会機関紙 こぶし 第 2 号 2014 年9 月4 日 PDFファイル

中でも科学研究費補助金の獲得増に当たっては、申請・採択増の方針によって、原則1人1研究課題以上の申請が義務づけられており、研究者各位の積極的な応募が不可欠であります。

法人化後、本学の研究推進会議がこうした「方針」実現のために「1人1課題以上の申請」を「義務」化し、それを果たさなかった教員には翌年度の研究経費の10%をカットするという、いわば“ペナルティ”を課してきたことは、周知の通りです。(熊本大学教職員組合 赤煉瓦 2009.10.7 PDFファイル


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