理化学研究所研究員2800余名が関わる過去の全論文(2万報超)にデータ捏造、改竄、盗用などの不正行為がないか自主点検
STAP細胞NATURE論文の捏造問題の処理にあたっている理研の調査委員会の調査委員長や調査委員らの過去の論文にデータ捏造、改竄の疑義が唱えられるという異常な事態になっていますが、理研の研究者は自分の過去の論文の粗探しをされることを恐れて、STAP細胞問題に関わることに尻込みしてしまっているようです。
ジャパンタイムズの記事によると、理化学研究所の元研究者トーマス・クヌッフェル(Thomas Knopfel)氏は、理研在職中に研究不正を問題にしようとしたらむしろ激しいハラスメントに会い、理研で研究を続けることが不可能になったと述べ、研究不正に関して非常に甘い理研の隠蔽体質を強く批判しています。
理研の野依良治理事長は石井俊輔氏がSTAP細胞論文調査委員会の委員長を辞任するという事態を受け、4月25日に理研の研究リーダーらに対して、画像の切り貼りや盗用などの不正がないかを自主的に点検するよう文書で指示していたことが明らかになりました。
参考
- 理研、論文の自主点検指示=対象研究者2800人余(時事ドットコム 2014/05/04-14:37):理研では年間約2500本の論文を出しているが、指示文書では、どの時点までさかのぼって点検するかは明示していない。
- 理研 全研究者に論文の自主点検指示 (NHK NEWSWEB 5月4日 11時28分):理化学研究所は少なくともこの10年の間に書かれた論文を対象とする方針で、この間の論文の数は2万を超えるとみられるということです。
- 小保方氏側「調査委の信用なくなった」と不信感(読売新聞 YOMIURI ONLINE 2014年05月04日 13時25分):「STAP細胞の問題に関わると、自分の研究にも厳しい目が向けられると思うようだ」。理研のある幹部は、読売新聞の取材に対し、委員の論文の確認作業が思うように進んでいないことを認めた。
- STAP問題で理研、全研究者の論文を自主点検 (読売新聞 YOMIURI ONLINE 2014年05月04日 13時25分):STAP(スタップ)細胞の論文問題を受け、理化学研究所が、理研のすべての現職研究者約3000人がかかわる論文について自主点検していることが3日、わかった。
- ‘STAPgate’ shows Japan must get back to basics in science – Misconduct, and covering it up, common in nation’s labs (The Japan Times Apr 20, 2014):(Thomas Knopfel) “I personally had been severely harassed (and finally found unsuitable to continue my work at Riken) because I was not willing to tolerate events that in my word constitute ‘research misconduct.’ ”
- ドイツ人教授「理研は“STAP”以前も改ざんあった」(テレ朝NEWS 04/17 19:01):理化学研究所の元研究者、トーマス・クヌッフェル氏:「(Q.論文の盗用など見たことがあるか?)ええ、見たことがあります。私は、それについて批判しま したが、うまくいかなかった。批判に対する前向きな反応はなく、逆に私の立場が危うくなりました。それは、理化学研究所で育まれた一種の『文化』だと思い ます」【クヌッフェル教授のインタビュー動画】