【世界標準】研究者の個人識別番号ORCID(オーキッド)活用の勧め

      2019/06/30




ORCIDは、Open Researcher and Contributer IDentifierの略です。

ORCID(オーキッド)とは何か?

研究者はグラント申請などで自分の業績をアピールする必要があり、また研究費の助成機関は研究者を業績に基づいて正しく評価する必要があります。そのために必要な書類作成は非常に大きな労を要するため、研究者にしてみればこのようなペーパーワークを最小限にしたいという欲求があります。助成機関側としても、同じ研究分野に同姓同名の研究者がいたりすると、研究者の業績を正しく評価するのが困難になります。そこで、登場したのがORCIDという研究者を同定するための識別番号です。これに基づいて発表論文等を管理すれば、業績目録などが自動生成しやすくなります。

日本にはresearchmapがありますが、それの世界標準版みたいなものです。researchmapは日本独自なので、業績目録をORCIDからresearchmapへは取り込めても逆はできないようです。ですから、一番大元の業績管理をORCIDで行い、researchmapその他のデータベースへはORCIDからインポートしたほうが、二度手間にならなくてよいでしょう。

What is ORCID? @ORCID_Org

An introduction to ORCID

 

 

ORCIDは世界標準

論文を投稿する段階でその雑誌のウェブサイトにアカウントを作る際、ORCIDのIDを求められることも多くなりました。
How to use ORCID

 

雑誌社ごとのORCIDへの対応状況

例えばScientific Reportsの最新の論文をみると、著者名をクリックすると小さなウインドウが現れて、個人名、ORCIDへのリンク、所属、Pubmed、グーグルスカラーへのリンクなどが表示され、雑誌社によるORCIDの扱い方がわかります。ネイチャーコミュニケーションズの最近の論文を見ても同様でした。しかし著者全員がORCIDを登録していわけでもないようで、まだまだ浸透途中なのかもしれません。ネイチャーの最近の論文を見ると、むしろORCIDへのリンクが表示されている人や論文のほうが少ないようです。同じネイチャーグループでも、オープンアクセスジャーナルのほうがORCIDの利用に積極的ということなのでしょうか。

PLOS BIOLOGYも論文著者をクリックすると登録している人はORCIDへのリンク表示されるようになっています。

eLifeの場合、著者をクリックするとORCIDの番号が表示されますがリンクはしていませんでした。

 

ORCIDに登録

https://orcid.org/

 

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日本でのORCIDの普及状況

日本でもORICDを浸透させようという動きはあるようです。

日本でのORCID実装状況

KAKEN:研究者自身が認証し、ORCIDをKAKEN研究者プロ フィールにリンク付け

Researchmap:著者プロフィールにORCID iDのマニュアル入力、 およびORCIDから書誌事項のマニュアルダウンロードが可能(電子認証なし→2019年に実装を予定)

J-Stage:2015年末より著者のORCID iD表示を可能とする(出版 社により別途ORCID iDの取り込み、メタデータへの入力が必要)

SAMURAI:NIMSの研究者プロフィールシステム。研究者自身が 認証し、ORCIDをSAMURAI研究者プロフィールにリンクし、書 誌情報などを同期。

MyJpGU:日本地球惑星科学連合の研究者SNSとして、2016年よ りテスト運用中

2016年に東工大慶應大2017年に筑波大富山大総研大京大がメンバー加入、研究者プロフィールシステムなどに実装予定め

(国際研究者識別子ORCIDの活用 研究者の視点から ORCID勉強会@横浜みなとみらい YOKOHAMA, JAPAN | 13 MARCH 2018 スライド61 スライド89枚分のPDF

日本の研究者の間でORCIDへの関心が高まる中、ORCIDは着実に日本の研究コミュニティからの支持を得ています。4月より筑波大学の参加により、日本のORCIDメンバー機関は大学、国立研究機関、助成機関、学協会、企業など含めて合計10機関となりました。

日本のORCIDメンバー機関(順不同)

  1. 株式会社アトラス (since 2013)
  2. 日本地球惑星科学連合 (since 2016)
  3. 科学技術振興機構 (since 2013)
  4. 日本消化器外科学会 (since 2016)
  5. 慶應義塾大学 (since 2015)
  6. 物質・材料研究機構 (since 2015)
  7. 国立情報学研究所 (since 2013)
  8. 株式会社サンメディア (since 2016)
  9. 東京工業大学 (since 2016)
  10. 筑波大学 (since 2017)

(筑波大学が日本で10番目のORCIDメンバー機関になりました Submitted by 宮入暢子 on Mon, 2017-04-10 21:18 orcid.org)

  1. ORCID Japan Workshop 2019 #1 場所:東京工業大学大岡山キャンパス西9号館デジタル多目的ホール 日時:2019年6月28日(金)13:00〜18:00 参加予定機関:京都大学、NII、慶応義塾大学、東京工業大学、JST etc. 研究者およびその支援者の一意的IDであるORCIDは、世界的な標準となりつつある永続的識別子です。 
  2. ORCID updates 22 June 2018 Nobuko Miyairi  

東京工業大学におけるORICD活用の取り組み

現在,Tokyo Tech Research RepositoryにORCID APIを実装し、研究活動のエビデンスとしてORCIDからデータをダウンロードしています。組織及び個人の評価システム(制度)を確立するにあたっては、まず研究者の活動状況について効率的なデータ収集が必要です。このため、ORCIDから研究業績データが自動的に提供されることは有益です。(日本のORCID機関会員による協力体制に向けて Submitted by Masao Mori on Tue, 2017-12-19 09:01 orcid.org

  1. 東京工業大学と慶應義塾大学、日本の大学初のORCIDメンバーに (2016年9月6日 ndl.go.jp)  2016年9月から、東京工業大学と慶應義塾大学がORCIDメンバーに加わったことをORCIDが発表しています。 日本の大学としては初のORCIDメンバーとなります。

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