STAP細胞NATURE論文を取り下げへ「何より私自身、真実が知りたい」

STAP細胞に関するNATURE論文の共著者の一人、山梨大学教授若山博士は、研究データに重大な問題が見つかった結果、STAP細胞が存在するという確信がなくなったとして、他の共著者に論文取り下げを呼びかけたことを2014年3月10日のNHKのインタビューで明らかにしました。若山教授は、自分が担当した実験については正しいと信じているが、前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった、と述べています。

また、若山教授は山梨大学のウェブサイト上でも声明を発表しました。

STAP細胞の論文の問題について 2014年3月10日      
関係各位
山梨大学生命環境学部生命工学科      
 教   授  若山 照 彦      
STAP細胞の論文の問題について
   今年1月30日にNature誌に発表したSTAP細胞に関する論文について、現在、多くの問題が指摘されております。私が担当した部分(共著者より提供された細胞からのキメラマウスの作製、及び幹細胞の樹立)については、自信を持って適正に実験がなされたと言い切れますし、共著者の結果についても信頼してきました。
   しかし本論文に関して様々な疑問点が指摘されている今日、私はSTAP細胞について科学的真実を知りたいと考えております。そこで私は、先に共著者より提供され、キメラマウスの作製実験に用いたSTAP幹細胞を所有していますので、この細胞を公的第三者研究機関に提供し、詳細な生化学的分析を依頼する事を決断しました。

   分析結果は速やかに公表致します。

http://www.yamanashi.ac.jp/modules/information/index.php?page=article&storyid=768

理化学研究所は平成17年に「科学研究における不正行為とその防止に関する声明」を出しており、その中で「研究論文の著者は、その論文の正しさを客観的にいつでも誰にでも説明する責任がある。」と述べています。若山教授はこのSTAP論文の著者の中ではただ一人、マスコミの取材に答えて持ち上がった疑義に関しても自分の考えを説明してきました。今回の声明の内容も合わせて考えると、これまでの言動は首尾一貫しており、少なくとも論文著者として一定の説明責任は果たしています。

参考

  1. STAP細胞 確信なくなった(NHK NEWSWEB 3月10日 19時06分)
  2. STAP細胞の論文の問題について (山梨大学 2014年3月10日)

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