バイオ研究者にもはんだ付けは必要
生物学の研究者でふだんピペットマンをつかってDNAワークばかり行っている人は、そうそう仕事ではんだ付けをやる機会がないでしょう。しかしそんなバイオ系のラボでも研究内容によってはちょっとした電気工作ではんだ付けをする必要が生じることがあります。学校ではんだ付けを習ったのは中学の技術の時間だったと思いますが、それからずいぶん歳月が流れているため、ふだん電気工作を趣味にしているのでもない限り、何をどうしたらいいのかわからない人が多いでしょう。
- 最近の普通中学校では、技術家庭科の授業でハンダ付けの実技はないのですか?2018/12/1601:20:15 YAHOO!JAPAN知恵袋
そんなわけで、はんだ付けを行うにあたっての注意事項や基本的な手順などを解説したサイトをまとめて紹介します。
はんだ付けに必要な道具
温度調節可能な半田ごて、糸はんだ(ヤニ入り)、部品を保持するためのクリップ台、こて台&クリーナー、ハンダ吸い取り線(ウィック)があれば、はんだ付けができます。
はんだ付けの基本操作と注意点
はんだ付けを自己流で初めてやろうとすると、迷うことがたくさんあります。人間に手は二本しかないのに、はんだ付けによってくっつけたい部品は当然2個あるわけですし、はんだごてと糸はんだもあるので、手が合計4本必要ではないですか?どうすればいいのでしょう?2つの部品を保持するクリップの台があると便利です。基盤に部品をはんだ付けする際には部品が動かないようにどうやって固定すればよいのでしょうか?(マスキングテープで止めるといいらしい)そしていざはんだ付けをする際には、はんだごてをどこに当てて、糸はんだはどこに当てて溶かせばいいのでしょうか?当たり前のことがわからないというはとてもストレスフルです。簡単に言うと、
1.プリント基板の「ランド」と部品の足に同時にこて先を当てて温め、
2.じっくりあったまったところにハンダを軽~く付けて、
3.「いち、に」と数え、
4.ハンダを先にどかして、
5.こてを離す。ハンダごてを買わされ、そして教わる1
(ハンダごてを買わされ、そして教わる 2018年9月3日 デイリーポータルZ)
ということになるようです。これは電気部品を基板に固定する場合の話ですが。上のサイトは動画もあってとても分かりやすいです。この記事で紹介されている温度が調節できる半田ごては自分も使っています(HAKKOのFX-601という機種)。充分あたたまった部品にはんだがスッと溶けて間を埋めるのが、良い仕上がりということのようです。はんだごてと糸はんだはどちらを先に離すべきかなんて、初心者だとうっかり間違えそうなポイントですね。考えたら当たり前なのですが。
正しいハンダ付けは、表面がなめらかでデコボコしておらず、富士山のような形をしています。… ハンダ付けをうまく行うには「ハンダを約250℃で、約3秒間溶融させる」だけなのです。… 一番確実な方法は、「温度調節機能つきのハンダゴテ」を使うことです。コテ先温度を340~360℃にコントロールします。(初心者でも失敗しないハンダ付けのコツ! 2015年7月9日/2018年1月16日更新 ものづくりの今がわかる工場タイムズ)
上記の記事も、失敗しないコツがいろいろと解説されていて、はんだ付けにチャレンジする前の必読記事でしょう。
自分は、何年も前に野瀬氏のハンダ付けの教科書と動画チュートリアルDVDと半田ごてセットを買い、それをずっと使っています。久ぶりにウェブサイトを見たら会社の名前がカッコよく今風(ハンダの神様?ゴッドハンドを持つ人間?)になってました。
会社名 ゴッドはんだ株式会社(株式会社ノセ精機は、社名変更しました)
代表取締役社長 野瀬 昌治 https://noseseiki.com/sp/index.htmlリード型(アキシャル)抵抗のはんだ付けお手本(体験用基板を使用)効果音
リード部品(Dip部品)のはんだ付け(古賀電子)のウェブサイトも、写真入りでとてもわかりやすくはんだ付けの基本工程が解説されています。そうそう、やってみると、糸はんだを早く離しすぎて全然足りてなかったりもするものなのですね。糸はんだを当てる場所は、この記事の説明だと半田ごての先ではなくて、基盤の「ランド」と部品のリード線の部分だということです。上で紹介したゴッドはんだの動画だと、はんだごてに当てているように見えますので、流儀が人によって異なる部分があるのかもしれません。どちらがどうということは自分には全くわかりませんが。糸はんだを話したあとも半田ごては1~2秒おいておくというのは、これらの解説を読むまで知りませんでした。部品を熱を破損させないか恐いと思っていると、ついつい慌てて離してしまいそうなところですが、間を取るべき部分ではしっかりと間をとるということのようです。
フラックスって何?
はんだ付けといえば、くっつけたい電子・電気部品や基盤などを接触させて、はんだごてを当てて、糸はんだの先を当てて溶かすだけだと思っていました。ところが、はんだ付の成功のカギを握る要素として、「フラックス」なるものがあるんだそうです。フラックスとは一体何なのでしょうか?
初心者が半田付けをする場合、よくやってしまうのが、熱した半田コテ先に真っ先に糸半田を接触させて半田を溶かそうとすることです。 これをやってしまうと、フラックスは一気に高温になり、蒸気となって煙として なくなってしまい1.2.3.の働きをする間もなく、蒸発してしまいます。フラックスのなくなった半田は、即酸化して、コテコテベタベタで、まったく流れなくなってしまいます。 (ツノが出たり、オーバーヒートを起こして表面が凸凹、ザラザラになる)(ごっどはんだ)
参考
- はんだ付けのコツ!基本のテクニックで簡単&きれい!溶けない理由も解説 2018年10月18日 暮らしーの