ランチョンセミナー出席で学会出張の日当が減額される理由

多くのの学会では昼食時にスポンサー企業が主催するランチョンセミナーがあります。その企業の測定機器や試薬などをよく利用しているどこかの大学の先生が講演し、聴衆は企業から提供されたお弁当を頬張りながら聞くことになるわけですが、学会出張を終えてラボに戻ると、ランチョンセミナーに出席したかどうかを事務に報告しなければなりません。なぜなら、学会出張中の日当の金額が、ランチョンセミナーに出席したかどうかで変わってくるからです。ランチョンセミナーでお昼代が浮くわけではなくて、その分は日当から減額されることになります。これに関しては、大学や研究機関によってはあまり徹底されていないところもあるようで、研究者の間に不公平感がたまっているかもしれません。

 

日当の意味とは?

日当を学会参加の労務に対する報酬と理解している研究者も多いと思いますが、旅費の意味を正しく理解しておく必要があります。


 

旅費の中に含まれる「日当」(にっとう)は、社会常識としての日当とは全く意味が異なり「昼食代」のことです。旅費法上の「日当」を正確に表現すれば「昼食代等」です。研究費を使用するときに、この日当を正確に理解していないと、真面目に研究していても思わぬところで「研究費の不正使用」を疑われてしまいます。(旅費法上の日当は昼食代、学会参加費に昼食代が含まれるなら減額調整 誰も教えてくれない官公庁会計実務

 

学会のランチョンセミナー等への出席の報告の義務

2.確認事項(用務内容が「学会等参加」と「招聘」のとき) (□へのチェック)
①参加費の立替払請求を経費を問わず □する □しない □含まない → ※協賛企業等負担
②ランチョンセミナー等で食事の提供があったとき、参加費に食事代が □含まれる(   回)
会議費で食事の提供を □する □しない → ※飲み物だけの提供は「しない」にチェック (出張報告書 東京医科歯科大学


 

日当の減額調整

Q27:国際会議等の参加登録費には、以下のものが含まれている場合、どのようにすればよいでしょうか?
① モーニングセミナー等
② ランチョンセミナー等
③ イブニングセミナー等
④ ウェルカムレセプション等
A :参加登録費の内訳が公式に確認できる場合(主催者のパンフレット等に内訳が明記されている場合など)は記載された①~④の金額を差引き、確認ができない場合は、回数に応じて日当の半額を差し引きます。ただし、不参加の場合には差引くことはありません。(秋田大学

学会の公式行事として食事パーティが組み込まれていることはよくあります。学会参加費に食事代が含まれていると明言されていればわかりやすいのですが、通常、学会期間中に行われるランチョンセミナーは企業の宣伝の場に過ぎず、学会参加費とは無関係です。しかし、そのような、学会参加費に含まれていないランチョンセミナーのランチ代も日当の減額の対象になるのでしょうか?実際のところなるようです。このあたりの規則の運用に関しては、ネット上で自分が探した限り明文化されたものが見つかりませんでした。

安い給与で働いている研究者には、このような日当の減額はかなり懐が痛いと思います。ランチョンに関する取扱いは大学や研究機関によって若干の差があるのかもしれませんし、研究者間でも意識の差が大きい事柄かもしれません。

 

ランチョンセミナー出席の報告義務に関する厳格さの差

ランチョンセミナーに参加していなくてもそのようなセミナーが開催されているだけで自動的に日当が減額されてしまう極端な研究機関もあるようです。

 

ランチョンセミナー参加の有無の確認が生み出すラボ内の緊張

教授、研究者、教授秘書の間で、規則を遵守する意識に差がみられる場合があります。


 

 

日当が減額されることに対するモヤモヤ、不満、怒り


 

 

日当の減額がもたらす、ランチョンセミナー出席意欲の低下


 

 

ランチョンセミナー出席で日当を減額することの合理性に関する議論


 


 

 

 

 

 


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