日本学術会議の生物科学分科会は、2017 年に「高等学校の生物教育における
重要用語の選定について」と題する報告書を出しました。
その後、2019 年に「高等学校の生物教育における重要用語の選定について(改訂版)」という改訂版が出され、さらに2025年(令和7年)11月14日には、「高等学校の生物教育における
重要用語の選定について(2025 年版)」という報告書が発表されて、さらなるアップデートがなされました。
高校生にとって特段の影響力を持つ大学入学者選抜においては、細かな用語の記憶の有無で合否が左右されるような出題を避け、知識をもとにした理解力や思考力を問う設問とすることが望ましい。そのため、このリストに含まれていない専門用語を出題に用いる場合には、過度な負担を避ける観点から、その語に適切な説明や脚注を付すことを提案している。(高等学校の生物教育における重要用語の選定について(2025年版))
目次
高校生物 重要用語リスト 2025年版(全489語)
2025年11月、日本学術会議が「高等学校の生物教育における重要用語の選定について(2025年版)」を公表しました。高校生物で学ぶべき用語として、最重要語201語+重要語288語=合計489語が選定されています。
本記事では全489語を、日本語・英語・簡単な説明つきで一覧にまとめました。
最重要語 = 概念理解に不可欠な用語 / 重要語 = 概念理解に必要な用語
201
最重要語
288
重要語
489
合計
目次
1. 細胞と分子
細胞の基本構造
- 細胞 最重要語
cell
すべての生物の構造と機能の基本単位。細胞膜で囲まれた内部に生命活動に必要な物質を含む。 - 単細胞生物 最重要語
unicellular organism
1個の細胞だけで体が構成される生物。アメーバ、ゾウリムシなど。 - 多細胞生物 最重要語
multicellular organism
多数の細胞からなる生物。細胞が分化して組織や器官をつくる。 - 原核生物 最重要語
prokaryotes
核膜をもたない細胞からなる生物。細菌やアーキアが含まれる。 - 真核生物 最重要語
eukaryotes
核膜に囲まれた核をもつ細胞からなる生物。動物・植物・菌類など。 - 核 最重要語
nucleus
真核細胞の中にあり、DNAを含む構造。核膜で囲まれている。遺伝情報の保管場所。 - 細胞質 最重要語
cytoplasm
細胞膜と核の間の領域全体。細胞質基質と細胞小器官を含む。 - 細胞膜 最重要語
plasma membrane / cell membrane
リン脂質の二重層からなる膜。物質の出入りを選択的に制御する。 - 細胞小器官(オルガネラ) 最重要語
organelle
細胞内で特定の機能をもつ構造体の総称。ミトコンドリア、葉緑体、小胞体など。 - ミトコンドリア 最重要語
mitochondrion
二重膜をもつ細胞小器官。呼吸(酸化的リン酸化)によりATPを大量に産生する。 - 葉緑体 最重要語
chloroplast
植物や藻類の細胞にある二重膜の細胞小器官。光合成の場。 - 組織 重要語
tissue
同じ種類の細胞が集まり、特定の機能を果たす細胞の集団。上皮組織・結合組織など。 - 器官 重要語
organ
複数の組織が組み合わさって、特定の機能をもつ構造体。心臓、肝臓、葉など。 - 核膜 重要語
nuclear envelope
核を囲む二重膜構造。核膜孔を通じて物質の出入りが行われる。 - 細胞質基質(サイトゾル) 重要語
cytosol
細胞質のうち、細胞小器官を除いた液状部分。解糖などの反応が起こる。 - 液胞 重要語
vacuole
主に植物細胞にある、膜で囲まれた袋状構造。水分・老廃物の貯蔵、浸透圧の調節など。 - 核小体 重要語
nucleolus
核内の構造体。rRNAが合成され、リボソームのサブユニットが組み立てられる場所。 - 小胞体 重要語
endoplasmic reticulum
核膜とつながる膜系。粗面小胞体はタンパク質合成、滑面小胞体は脂質合成などに関与。 - 中心体 重要語
centrosome
動物細胞にある構造で、微小管の形成中心。細胞分裂時に紡錘体の極となる。 - 細胞壁 最重要語
cell wall
植物・菌類・細菌の細胞膜の外側にある丈夫な構造。植物ではセルロースが主成分。 - 細胞骨格 最重要語
cytoskeleton
細胞の形の維持、運動、物質輸送を担うタンパク質繊維のネットワーク。 - 微小管 最重要語
microtubule
チューブリンが重合した管状の構造。細胞分裂の紡錘体、繊毛・鞭毛の骨格。 - アクチンフィラメント 最重要語
actin filament
アクチンが重合した細い繊維。細胞の形態変化、筋収縮、アメーバ運動に関与。 - チューブリン 重要語
tubulin
微小管を構成する球状タンパク質。α-チューブリンとβ-チューブリンが対になる。 - アクチン 重要語
actin
アクチンフィラメントを構成するタンパク質。筋収縮でミオシンと相互作用する。 - 細胞接着 重要語
cell adhesion
細胞どうしが接着タンパク質を介して結合すること。多細胞体の組織構築に不可欠。 - 繊毛 重要語
cilium
細胞表面から突出する短い毛状の構造。微小管が骨格。物質の移動や細胞の遊泳に関与。 - 鞭毛(べん毛) 重要語
flagellum
繊毛より長い毛状の構造。精子の遊泳など、細胞の運動に用いられる。 - ゴルジ体(ゴルジ装置) 最重要語
Golgi apparatus
扁平な膜の重なりからなる細胞小器官。タンパク質の修飾・選別・輸送を行う。 - リソソーム 最重要語
lysosome
加水分解酵素を含む膜小胞。細胞内消化を行い、不要な物質を分解する。 - リボソーム 最重要語
ribosome
mRNAの情報をもとにタンパク質を合成する構造体。rRNAとタンパク質から構成。
生体を構成する物質
- 有機物 最重要語
organic matter
炭素を骨格とする化合物の総称。生物の体を構成する主要な物質。 - 核酸 最重要語
nucleic acid
ヌクレオチドが鎖状につながった高分子。DNAとRNAの総称。遺伝情報を担う。 - 脂質 最重要語
lipid
水に溶けにくい有機化合物の総称。エネルギー貯蔵、細胞膜の構成成分、ホルモンなど。 - リン脂質 最重要語
phospholipid
親水性の頭部と疎水性の尾部をもつ脂質。生体膜の基本構成成分。 - 炭水化物 最重要語
carbohydrate
糖類の総称。エネルギー源や構造材料(セルロースなど)として機能する。 - タンパク質 最重要語
protein
アミノ酸がペプチド結合で連結した高分子。酵素、構造タンパク質、抗体など多彩な機能。 - アミノ酸 最重要語
amino acid
タンパク質の構成単位。生物共通で20種類が使われる。 - ペプチド 最重要語
peptide
2個以上のアミノ酸がペプチド結合した短い鎖。ホルモンや神経伝達物質として機能するものもある。 - ポリペプチド 最重要語
polypeptide
多数のアミノ酸がペプチド結合した長い鎖。折りたたまれてタンパク質となる。 - 生体膜 最重要語
biomembrane / biological membrane
リン脂質二重層を基本構造とする膜の総称。細胞膜や細胞小器官の膜を含む。 - 親水性 重要語
hydrophilicity
水と親和性が高い性質。極性をもつ分子やイオンなどが示す。 - 疎水性 重要語
hydrophobicity
水をはじく性質。非極性分子が示す。脂質二重層の内部は疎水性。 - 糖 重要語
sugar
炭水化物の基本単位。グルコース(単糖)、スクロース(二糖)など。 - グルコース(ブドウ糖) 重要語
glucose
最も重要な単糖。呼吸の主要な基質であり、血糖の正体。 - セルロース 重要語
cellulose
グルコースが直鎖状に重合した多糖。植物の細胞壁の主成分。 - リン酸 重要語
phosphoric acid / phosphate
ATPやヌクレオチドの構成要素。エネルギー通貨の一部を担う。 - ペプチド結合 重要語
peptide bond
アミノ酸のアミノ基とカルボキシ基が脱水縮合してできる結合。タンパク質の骨格。 - 水素結合 重要語
hydrogen bond
水素原子を介した弱い結合。DNAの二重らせん構造やタンパク質の高次構造に重要。
タンパク質の構造
- 一次構造 重要語
primary structure
タンパク質のアミノ酸配列そのもの。立体構造の土台となる。 - 二次構造 重要語
secondary structure
ポリペプチド鎖が局所的に形成する規則的構造。αヘリックスやβシートなど。 - 三次構造 重要語
tertiary structure
ポリペプチド鎖全体が折りたたまれた立体構造。機能を決定する。 - 四次構造 重要語
quaternary structure
複数のポリペプチド鎖(サブユニット)が集合した構造。ヘモグロビンなど。 - αヘリックス 重要語
alpha helix
ポリペプチド鎖がらせん状に巻いた二次構造。水素結合で安定化。 - βシート 重要語
beta-sheet
ポリペプチド鎖が平面的に並んだシート状の二次構造。水素結合で連結。
膜輸送
- 能動輸送 重要語
active transport
ATPなどのエネルギーを使って、濃度勾配に逆らって物質を輸送すること。 - 受動輸送 重要語
passive transport
エネルギーを使わず、濃度勾配に従って物質が移動すること。拡散や浸透。 - 輸送体 重要語
transporter
特定の物質と結合して膜を通過させるタンパク質。 - チャネル 重要語
channel
イオンなどが通過できる膜タンパク質の孔。開閉により物質の通過を調節。 - ポンプ 重要語
pump
ATPを消費して特定のイオンや分子を濃度勾配に逆らって輸送する膜タンパク質。 - ナトリウムポンプ 重要語
sodium pump
Na⁺を細胞外へ、K⁺を細胞内へ輸送する能動輸送ポンプ。神経の膜電位維持に重要。 - エキソサイトーシス 重要語
exocytosis
細胞内の小胞が細胞膜と融合して内容物を外に放出する仕組み。分泌の基本メカニズム。 - エンドサイトーシス 重要語
endocytosis
細胞膜が陥入して外部の物質を小胞として取り込む仕組み。食作用も含まれる。
2. 代謝とエネルギー
- 代謝 最重要語
metabolism
生体内で起こる化学反応の総称。同化と異化に大別される。 - 同化 重要語
assimilation / anabolism
エネルギーを使って単純な物質から複雑な物質を合成する反応。光合成など。 - 異化 重要語
catabolism
複雑な物質を分解してエネルギーを取り出す反応。呼吸など。 - ATP(アデノシン三リン酸) 最重要語
ATP / adenosine triphosphate
生体のエネルギー通貨。リン酸結合が切れるときにエネルギーが放出される。 - ADP(アデノシン二リン酸) 最重要語
ADP / adenosine diphosphate
ATPがリン酸を1つ失った物質。再びリン酸化されてATPに戻る。 - 酵素 最重要語
enzyme
生体内の化学反応を促進するタンパク質触媒。基質特異性をもつ。 - 触媒 最重要語
catalyst
自身は変化せずに化学反応の速度を高める物質。酵素は生体触媒。 - 基質 最重要語
substrate
酵素が作用する対象の物質。活性部位に結合して反応が進む。 - 基質特異性 最重要語
substrate specificity
酵素が特定の基質にのみ作用する性質。活性部位の立体構造によって決まる。 - 活性部位 最重要語
active site
酵素上で基質が結合し反応が起こる特定の部位。 - 失活 最重要語
inactivation
酵素が機能を失うこと。高温やpH変化による変性が原因。 - 変性 最重要語
denaturation
タンパク質の立体構造が壊れて機能を失うこと。加熱やpH変化で起こる。 - 活性化エネルギー 重要語
activation energy
化学反応が起こるために必要な最小限のエネルギー。酵素はこれを下げる。 - 生成物 重要語
product
酵素反応によって基質から生じた物質。 - 競争的阻害 重要語
competitive inhibition
基質に似た物質が活性部位に結合し、基質の結合を妨げる阻害様式。 - 非競争的阻害 重要語
non-competitive inhibition
阻害剤が活性部位以外に結合して酵素の形を変え、反応速度を低下させる阻害様式。
呼吸
- 呼吸 最重要語
respiration
有機物を分解してATPを合成する過程。解糖→クエン酸回路→電子伝達系の3段階。 - 解糖系 最重要語
glycolytic pathway
グルコースをピルビン酸まで分解する代謝経路。細胞質基質で行われる。 - 解糖 最重要語
glycolysis
解糖系で起こる一連の反応そのもの。1分子のグルコースから2分子のピルビン酸を生じる。 - クエン酸回路 最重要語
citric acid cycle
ミトコンドリアのマトリックスで起こる回路状の代謝経路。CO₂を放出しNADH等を生成。 - 電子伝達系 最重要語
electron transport system
ミトコンドリア内膜上のタンパク質複合体群。電子の受け渡しで大量のATPを産生。 - 発酵 最重要語
fermentation
酸素を使わずに有機物を分解してATPを得る過程。アルコール発酵、乳酸発酵など。 - マトリックス 重要語
matrix
ミトコンドリア内膜の内側の液状部分。クエン酸回路の反応が起こる場。 - ピルビン酸 重要語
pyruvic acid / pyruvate
解糖の最終産物。好気呼吸ではアセチルCoAとなりクエン酸回路に入る。 - アルコール発酵 重要語
alcohol fermentation
酵母などがピルビン酸からエタノールとCO₂を生じる発酵。 - 乳酸発酵 重要語
lactate fermentation
乳酸菌などがピルビン酸から乳酸を生じる発酵。筋肉でも起こる。 - NADH 重要語
NADH
補酵素NAD⁺の還元型。電子と水素を電子伝達系へ運ぶ。 - ミオシン 重要語
myosin
筋収縮に関わるモータータンパク質。太いフィラメントを構成する。
光合成
- 光合成 最重要語
photosynthesis
光エネルギーを使ってCO₂とH₂Oから有機物を合成する反応。葉緑体で行われる。 - カルビン回路 最重要語
Calvin cycle
ストロマで行われるCO₂固定の回路。光化学系で得たATPとNADPHを使い有機物を合成。 - クロロフィル(葉緑素) 最重要語
chlorophyll
光合成色素。光エネルギーを吸収して電子を放出する。緑色を示す。 - 炭酸同化(炭素同化) 重要語
carbon dioxide assimilation
CO₂を有機物に取り込む反応の総称。光合成のカルビン回路が代表例。 - ストロマ 重要語
stroma
葉緑体の内膜とチラコイドの間の液状部分。カルビン回路が起こる場。 - チラコイド 重要語
thylakoid
葉緑体内の扁平な膜構造。光化学系や電子伝達系が存在し、光エネルギーの変換を行う。 - 光化学系 重要語
photosystem
チラコイド膜上の色素とタンパク質の複合体。光を吸収して電子を放出する。Ⅰ・Ⅱがある。 - NADPH 重要語
NADPH
光合成の光化学反応で生成される還元力。カルビン回路でCO₂の還元に使われる。
3. 遺伝情報とDNA
- 遺伝 最重要語
heredity / inheritance
親の形質が子に伝わる現象。DNAを介して遺伝情報が次世代に引き継がれる。 - 遺伝子 最重要語
gene
遺伝情報の基本単位。DNAの特定の塩基配列で、主にタンパク質やRNAをコードする。 - DNA(デオキシリボ核酸) 最重要語
DNA / deoxyribonucleic acid
遺伝情報を担う二本鎖の核酸。A-T、G-Cの塩基対で二重らせん構造を形成。 - ヌクレオチド 最重要語
nucleotide
核酸の構成単位。塩基+糖+リン酸の3つの部分からなる。 - 二重らせん 最重要語
double helix
DNAの立体構造。2本のポリヌクレオチド鎖が相補的に結合してらせん状に巻いた構造。 - 複製(DNA複製) 最重要語
replication / DNA replication
DNAが自身と同じ配列のコピーを作る過程。細胞分裂の前に行われる。 - 塩基配列 最重要語
base sequence
DNA・RNAを構成する塩基の並び順。遺伝情報そのもの。 - 染色体 最重要語
chromosome
DNAがヒストンに巻きついて凝縮した構造。細胞分裂時に顕微鏡で観察できる。 - ゲノム 最重要語
genome
ある生物がもつ遺伝情報の全体。1セットの染色体に含まれるDNA全体。 - 塩基 重要語
base
ヌクレオチドを構成する窒素含有化合物。A・T(U)・G・Cの4種類。遺伝情報の文字。 - デオキシリボース 重要語
deoxyribose
DNAのヌクレオチドに含まれる五炭糖。リボースの2’位のOHがHに置換されている。 - リボース 重要語
ribose
RNAのヌクレオチドに含まれる五炭糖。 - アデニン 重要語
adenine
プリン塩基の一つ。DNAではチミンと、RNAではウラシルと塩基対を形成。 - チミン 重要語
thymine
ピリミジン塩基の一つ。DNA特有で、アデニンと塩基対を形成。 - グアニン 重要語
guanine
プリン塩基の一つ。シトシンと3本の水素結合で塩基対を形成。 - シトシン 重要語
cytosine
ピリミジン塩基の一つ。グアニンと塩基対を形成。 - ウラシル 重要語
uracil
ピリミジン塩基の一つ。RNA特有で、チミンの代わりにアデニンと対合。 - 相補性 重要語
complementarity
A-T(U)、G-Cのように、特定の塩基どうしが対合する性質。複製や転写の基盤。 - 半保存的複製 重要語
semi-conservative replication
DNA複製の方式。新しい二重鎖はそれぞれ元の鎖1本と新しい鎖1本からなる。 - DNAポリメラーゼ(DNA合成酵素) 最重要語
DNA polymerase
DNA複製時に新しいヌクレオチドを繋ぎ合わせる酵素。鋳型鎖に相補的な鎖を合成。 - ラギング鎖 重要語
lagging strand
DNA複製で不連続に合成される鎖。岡崎フラグメントとして断片的に合成される。 - リーディング鎖 重要語
leading strand
DNA複製で複製フォークの進行方向に連続的に合成される鎖。 - ヒストン 重要語
histone
DNAが巻きつく塩基性タンパク質。ヌクレオソームの構成成分。クロマチンの基本単位。 - クロマチン 重要語
chromatin
DNAとヒストンの複合体。間期の核内で分散している状態をいう。 - 遺伝情報 重要語
genetic information
DNAの塩基配列に記録された、タンパク質や生物の形質を決める情報。 - 形質 重要語
character / trait
生物が示す観察可能な特徴。遺伝子型と環境の相互作用で発現する。
細胞周期・分裂
- 細胞周期 最重要語
cell cycle
細胞が分裂してから次の分裂までの一連の過程。間期とM期(分裂期)からなる。 - 体細胞分裂 重要語
somatic cell division / mitosis
体細胞が2つの同じ細胞に分かれる分裂。染色体数は変わらない。 - 分裂期 重要語
mitotic phase
細胞周期のうち、染色体の分配と細胞質分裂が起こる時期。 - 間期 重要語
interphase
細胞周期のうち分裂期以外の期間。DNA合成期(S期)を含む。 - DNA合成期 重要語
synthesis phase
間期の中でDNA複製が行われる時期。S期とも呼ばれる。
4. 遺伝子発現(転写・翻訳)
- 遺伝子発現 最重要語
gene expression
遺伝子の情報からタンパク質やRNAが作られること。転写と翻訳の2段階。 - 転写 最重要語
transcription
DNAの塩基配列をもとにmRNAが合成される過程。RNAポリメラーゼが行う。 - 翻訳 最重要語
translation
mRNAのコドン配列をもとにリボソーム上でアミノ酸が連結されタンパク質が合成される過程。 - RNA(リボ核酸) 最重要語
RNA / ribonucleic acid
リボースを含む一本鎖の核酸。mRNA、tRNA、rRNAなど多様な種類がある。 - mRNA(伝令RNA / メッセンジャーRNA) 最重要語
mRNA / messenger RNA
DNAから転写された、タンパク質のアミノ酸配列の情報を運ぶRNA。 - tRNA(転移RNA / トランスファーRNA) 最重要語
tRNA / transfer RNA
アンチコドンをもち、対応するアミノ酸をリボソームへ運ぶRNA。 - rRNA(リボソームRNA / リボソーマルRNA) 重要語
rRNA / ribosomal RNA
リボソームの構成成分となるRNA。翻訳の触媒機能も担う。 - コドン 最重要語
codon
mRNA上の連続する3塩基の組。1つのアミノ酸(または終止)を指定する。 - アンチコドン 重要語
anticodon
tRNA上の3塩基配列。mRNAのコドンと相補的に結合する。 - 遺伝暗号(遺伝コード) 重要語
genetic code
コドンとアミノ酸の対応関係。ほぼ全生物に共通(普遍性)。 - 開始コドン 重要語
start codon / initiation codon
翻訳の開始を指定するコドン。通常AUGで、メチオニンを指定。 - 終止コドン 重要語
termination codon
翻訳の終了を指定するコドン。UAA、UAG、UGAの3種類。アミノ酸は指定しない。 - アミノ酸配列 重要語
amino acid sequence
タンパク質を構成するアミノ酸の並び順。遺伝子のコドン配列によって決まる。 - RNAポリメラーゼ(RNA合成酵素) 最重要語
RNA polymerase
DNAを鋳型にしてRNAを合成する酵素。転写を担う。 - センス鎖 重要語
sense strand
DNA二本鎖のうち、mRNAと同じ配列をもつ鎖(Tの代わりにU)。非鋳型鎖。 - アンチセンス鎖 重要語
antisense strand
RNAポリメラーゼが鋳型として読み取るDNA鎖。鋳型鎖とも呼ばれる。 - エキソン(エクソン) 最重要語
exon
遺伝子のうち、成熟mRNAに残る領域。タンパク質に翻訳される配列を含む。 - イントロン 最重要語
intron
遺伝子のうち、スプライシングで除去される介在配列。翻訳されない。 - スプライシング 最重要語
splicing
転写されたpre-mRNAからイントロンが除去され、エキソンがつなぎ合わされる過程。 - 調節タンパク質 最重要語
regulatory protein
遺伝子の転写を促進または抑制するタンパク質。転写調節因子/転写因子とも。 - プロモーター 最重要語
promoter
遺伝子の上流にある塩基配列。RNAポリメラーゼが結合して転写が開始される場所。 - 基本転写因子 重要語
basal (general) transcription factor
RNAポリメラーゼがプロモーターに結合するために必要な一群のタンパク質。 - 調節遺伝子 重要語
regulatory gene
他の遺伝子の発現を調節するタンパク質をコードする遺伝子。
5. 体内環境と恒常性
- 恒常性(ホメオスタシス) 最重要語
homeostasis
体内環境を一定に保つ仕組み。体温、血糖値、浸透圧などの調節。 - 赤血球 最重要語
erythrocyte
ヘモグロビンを含み酸素を運搬する血球。哺乳類では無核。 - 白血球 最重要語
leukocyte
免疫に関わる血球の総称。好中球、リンパ球、マクロファージなどを含む。 - 血小板 最重要語
platelet
血液凝固に関与する小さな細胞片。傷口でフィブリン網の形成を促進。 - 血しょう(血漿) 最重要語
blood plasma
血液の液体成分。タンパク質、グルコース、イオンなどを含む。 - 血液凝固 最重要語
blood coagulation
傷口で血液が固まる仕組み。フィブリンの繊維網が血球を捕捉する。 - 血清 最重要語
serum
血漿からフィブリノーゲンなどの凝固因子を除いた液体成分。抗体を含む。 - 血糖 最重要語
blood glucose / blood sugar
血液中のグルコース濃度。インスリンとグルカゴンで調節される。 - 循環系 重要語
circulatory system
心臓と血管からなり、血液やリンパ液を循環させる器官系。 - 体液 重要語
body fluid
生体内の液体の総称。血液、リンパ液、組織液など。体内環境を構成。 - リンパ液 重要語
lymph
リンパ管を流れる体液。組織液の一部が回収されたもので、免疫にも関与。 - ヘモグロビン 重要語
hemoglobin
赤血球に含まれる鉄含有タンパク質。酸素と結合して全身に運搬する。 - 骨髄 重要語
bone marrow
骨の内部にある組織。血球(赤血球、白血球、血小板)が産生される場所。 - 脳幹 重要語
brain stem
中脳・橋・延髄からなる脳の部位。呼吸、心拍など生命維持の中枢。 - 脳死 重要語
brain death
脳幹を含む脳全体の機能が不可逆的に停止した状態。臓器移植との関連で議論される。 - 血圧 重要語
blood pressure
血液が血管壁に与える圧力。心臓の拍出や自律神経系で調節される。 - グリコーゲン 重要語
glycogen
グルコースが枝分かれ状に重合した多糖。肝臓と筋肉に貯蔵される動物のエネルギー貯蔵物質。 - 糖尿病 重要語
diabetes
インスリンの不足や作用不全により血糖値が慢性的に高くなる疾患。
6. 免疫
- 免疫 最重要語
immunity
病原体や異物から体を守る防御機構の総称。自然免疫と獲得免疫からなる。 - 自然免疫 最重要語
innate immunity
生まれつき備わっている非特異的な免疫。マクロファージ、好中球、NK細胞などが関与。 - 獲得免疫(適応免疫) 最重要語
acquired immunity / adaptive immunity
特定の病原体に対して後天的に獲得される特異的免疫。T細胞・B細胞が中心。 - 食作用 最重要語
phagocytosis
マクロファージや好中球が異物を細胞内に取り込んで消化する作用。 - 抗原 最重要語
antigen
免疫応答を引き起こす物質。病原体表面のタンパク質など。 - 抗体 最重要語
antibody
B細胞(形質細胞)が産生するY字型のタンパク質。特定の抗原に結合して排除を促す。 - 免疫グロブリン 最重要語
immunoglobulin
抗体の化学的な名称。IgG、IgM、IgAなど複数のクラスがある。 - ワクチン 最重要語
vaccine
弱毒化・不活化した病原体やその成分を接種し、免疫記憶を形成させる製剤。 - アレルギー 最重要語
allergy
免疫系が通常無害な物質(花粉など)に過剰に反応する状態。 - 好中球 重要語
neutrophil
白血球の中で最も多い種類。食作用で細菌などを素早く排除する。 - マクロファージ 重要語
macrophage
大型の食細胞。異物の食作用と抗原提示を行い、獲得免疫を始動させる。 - 樹状細胞 重要語
dendritic cell
抗原提示能力が高い免疫細胞。抗原を取り込み、T細胞に提示して獲得免疫を活性化。 - リンパ球 重要語
lymphocyte
白血球の一種。T細胞、B細胞、NK細胞を含む。獲得免疫の主役。 - NK細胞(ナチュラルキラー細胞) 重要語
NK cell / natural killer cell
ウイルス感染細胞やがん細胞を非特異的に攻撃するリンパ球。自然免疫の一部。 - B細胞(Bリンパ球) 重要語
B cell / B lymphocyte
骨髄で成熟するリンパ球。形質細胞に分化して抗体を産生する。 - T細胞(Tリンパ球) 重要語
T cell / T lymphocyte
胸腺で成熟するリンパ球。ヘルパーT細胞やキラーT細胞に分類。獲得免疫を制御。 - リンパ節 重要語
lymph node
リンパ管の途中にある小さな器官。リンパ球が集まり、異物のろ過と免疫応答を行う。 - 胸腺 重要語
thymus
胸骨の裏にある器官。T細胞が成熟・選択される場。 - 抗原抗体反応 重要語
antigen-antibody reaction
抗体が特定の抗原に結合する反応。凝集、中和、オプソニン化などの効果。 - 炎症 重要語
inflammation
組織損傷や感染に対する生体防御反応。発赤、腫脹、発熱、疼痛を伴う。 - 免疫記憶 重要語
immunological memory
一度出会った抗原を記憶し、再感染時に素早く強力に応答できる仕組み。 - 免疫応答 重要語
immune response
抗原の侵入に対して免疫系が反応する過程の全体。 - 一次応答 重要語
primary response
抗原に初めて出会ったときの免疫応答。抗体産生に時間がかかる。 - 二次応答 重要語
secondary response
同じ抗原に再び出会ったときの免疫応答。記憶細胞により迅速かつ大量に抗体が産生。 - 記憶細胞 重要語
memory cell
抗原刺激後に長期間残存するB細胞やT細胞。二次応答の担い手。 - 抗原提示 重要語
antigen presentation
マクロファージや樹状細胞が抗原断片を細胞表面に提示し、T細胞に認識させること。 - 免疫寛容 重要語
immunological tolerance / immune tolerance
自己の成分に対して免疫系が反応しないようにする仕組み。自己免疫疾患の防止。 - 花粉症 重要語
hay fever
花粉を抗原とするアレルギー疾患。IgE抗体が関与し、くしゃみ・鼻水・目のかゆみを生じる。 - エイズ(AIDS) 重要語
acquired immune deficiency syndrome
HIVがヘルパーT細胞を破壊して免疫不全を引き起こす疾患。 - 拒絶反応 重要語
rejection
移植された臓器や組織を免疫系が非自己と認識して攻撃する反応。 - がん 重要語
cancer
遺伝子の変異により細胞が無制限に増殖する疾患。免疫逃避も関与。
7. 神経系と感覚・運動
神経系の構成
- 中枢神経系 最重要語
central nervous system
脳と脊髄からなる神経系の中心部分。情報の統合と処理を行う。 - 末梢神経系 最重要語
peripheral nervous system
中枢神経系と体の各部を結ぶ神経の総称。感覚神経と運動神経を含む。 - 自律神経系 最重要語
autonomic nervous system
内臓の働きを無意識に調節する神経系。交感神経と副交感神経からなる。 - 交感神経 最重要語
sympathetic nervous system
緊張・興奮時に優位になる自律神経。心拍促進、血圧上昇などを引き起こす。 - 副交感神経 最重要語
parasympathetic nervous system
安静・消化時に優位になる自律神経。心拍抑制、消化促進などを引き起こす。 - 感覚神経 最重要語
sensory nerve
受容器からの情報を中枢神経系に伝える神経(求心性神経)。 - 運動神経 最重要語
motor nerve
中枢神経系からの指令を効果器(筋肉など)に伝える神経(遠心性神経)。 - 大脳 最重要語
cerebrum
脳の大部分を占め、思考、記憶、意志、感覚認知などの高次機能を担う。 - 小脳 最重要語
cerebellum
運動の協調と平衡感覚の調節を行う脳の部位。 - 脊髄 最重要語
spinal cord
脊柱管内を通る中枢神経。反射の中枢であり、脳と末梢の中継も行う。 - 大脳皮質 重要語
cerebral cortex
大脳の表面を覆う灰白質の層。高次の精神活動の中枢。 - 大脳髄質 重要語
cerebral medulla
大脳皮質の内側の白質部分。神経繊維の束が通る。 - 海馬 重要語
hippocampus
大脳辺縁系にある構造。記憶の形成(短期→長期記憶の変換)に重要な役割。 - 反射 重要語
reflex
刺激に対して無意識に起こる素早い反応。脊髄反射(膝蓋腱反射など)が代表例。
ニューロンと興奮伝導・伝達
- ニューロン(神経細胞) 最重要語
neuron
神経系の機能単位。細胞体、樹状突起、軸索からなり、電気信号を伝える。 - 樹状突起 最重要語
dendrite
ニューロンの細胞体から伸びる短い突起。他のニューロンからの信号を受け取る。 - 軸索 最重要語
axon
ニューロンから長く伸びる突起。活動電位を伝導する。 - 活動電位 最重要語
action potential
刺激により一過的に膜電位が逆転する電気的変化。神経の興奮の本体。 - 膜電位 最重要語
membrane potential
細胞膜の内側と外側の電位差。静止時は内側が負(約−70mV)。 - 興奮 最重要語
excitation
ニューロンに活動電位が発生した状態。 - 伝導 最重要語
conduction
活動電位が1つのニューロンの軸索上を伝わること。 - 伝達 最重要語
transmission
シナプスを介して信号が次のニューロンや効果器に伝わること。 - シナプス 最重要語
synapse
ニューロン間、またはニューロンと効果器の間の接合部位。シナプス間隙がある。 - 神経伝達物質 最重要語
neurotransmitter
シナプスで放出される化学物質。次の細胞の受容体に結合して信号を伝える。 - 静止電位 重要語
resting potential
刺激を受けていないときのニューロンの膜電位。K⁺の漏出により内側が負。 - 脱分極 重要語
depolarization
膜電位が静止電位より正の方向に変化すること。Na⁺の流入で起こる。 - 閾値 重要語
threshold
活動電位が発生するために必要な最小限の刺激の強さ。 - 全か無かの法則 重要語
all-or-none law
閾値以上の刺激では活動電位の大きさが一定になる法則。刺激が弱ければ反応しない。 - 跳躍伝導 重要語
saltatory conduction
有髄神経繊維で活動電位がランビエ絞輪を飛び飛びに伝わる高速の伝導様式。 - 無髄神経繊維 重要語
unmyelinated nerve fiber
髄鞘をもたない神経繊維。伝導速度は遅い。 - 有髄神経繊維 重要語
myelinated nerve fiber
髄鞘に覆われた神経繊維。跳躍伝導により高速に伝導する。 - グリア細胞 重要語
glial cell / glia
ニューロンの支持・栄養・絶縁などを行う細胞群。シュワン細胞など。 - 髄鞘(ミエリン鞘) 重要語
myelin sheath
軸索を巻くグリア細胞由来の絶縁層。跳躍伝導を可能にする。 - 興奮性シナプス 重要語
excitatory synapse
シナプス後細胞を脱分極させ、活動電位の発生を促進するシナプス。 - 抑制性シナプス 重要語
inhibitory synapse
シナプス後細胞を過分極させ、活動電位の発生を抑制するシナプス。 - リガンド 重要語
ligand
受容体に特異的に結合する物質の総称。ホルモンや神経伝達物質など。 - アセチルコリン 重要語
acetylcholine
代表的な神経伝達物質。副交感神経の末端や運動神経の神経筋接合部で放出。 - γアミノ酪酸(GABA) 重要語
GABA / gamma-aminobutyric acid
中枢神経系の代表的な抑制性神経伝達物質。神経活動を鎮静させる。 - シナプス可塑性 重要語
synaptic plasticity
シナプスの伝達効率が経験や活動に応じて変化する性質。学習や記憶の基盤。 - シナプス小胞 重要語
synaptic vesicle
シナプス前末端にある小胞。神経伝達物質を貯蔵し、エキソサイトーシスで放出。 - 学習 最重要語
learning
経験や訓練によって行動が変化すること。シナプス可塑性が関与。 - 刷込み 重要語
imprinting
生後の特定時期(臨界期)に形成される不可逆的な学習。鳥のひなの追従行動など。 - 適刺激 重要語
adequate stimulus
各感覚受容器が最も敏感に反応する刺激の種類。目には光、耳には音など。
感覚(視覚)
- 網膜 最重要語
retina
眼球の内面を覆う層。視細胞(桿体細胞・錐体細胞)が並び、光を受容する。 - 桿体細胞 重要語
rod cell
暗い場所で働く視細胞。明暗の感知を担い、ロドプシンを含む。 - 錐体細胞 重要語
cone cell
明るい場所で色覚を担う視細胞。赤・緑・青の3種類がある。 - 水晶体 重要語
lens
眼球内の透明な構造。毛様体の筋肉で厚さを変え、焦点を調節する。 - 盲斑 重要語
blind spot
網膜上の視神経が束になって出る場所。視細胞がなく、像が映らない。 - 黄斑 重要語
macula
網膜の中心部。錐体細胞が密集し、最も鮮明な像を結ぶ部分。 - 明順応 重要語
light adaptation
暗い所から明るい所に移ったとき、眼が明るさに慣れる現象。 - 暗順応 重要語
dark adaptation
明るい所から暗い所に移ったとき、眼が暗さに慣れる現象。ロドプシンの再合成が関与。 - ロドプシン 重要語
rhodopsin
桿体細胞に含まれる光受容タンパク質。光を受けると構造変化し、神経信号を生じる。
筋肉と運動
- 骨格筋 最重要語
skeletal muscle
骨に付着し、意志で動かせる横紋筋。運動を担う。 - 筋収縮 重要語
muscle contraction
筋繊維が短くなること。アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの滑りによる。 - 単収縮 重要語
twitch
1回の刺激に対する筋の短い収縮。連続刺激で強直収縮となる。 - 横紋筋 重要語
striated muscle
規則的な横縞模様をもつ筋肉。骨格筋と心筋が該当。 - 筋小胞体 重要語
sarcoplasmic reticulum
筋繊維内の特殊な滑面小胞体。Ca²⁺を貯蔵・放出し筋収縮を制御。 - 筋原繊維 重要語
myofibril
筋繊維内に束状に並ぶ繊維。アクチンとミオシンのフィラメントから構成。 - 筋繊維 重要語
muscle fiber
筋肉を構成する細長い多核細胞。多数の筋原繊維を含む。 - ミオシンフィラメント 重要語
myosin filament
サルコメア内の太いフィラメント。頭部がアクチンと結合して筋収縮を駆動。 - サルコメア 重要語
sarcomere
筋原繊維の収縮単位。Z膜からZ膜までの区間で、アクチンとミオシンが配列。 - フェロモン 最重要語
pheromone
同種個体間の化学的コミュニケーション物質。性行動や警報など特定の行動を誘発。
8. 内分泌系とホルモン
- 内分泌系 最重要語
endocrine system
ホルモンを産生・分泌して体の調節を行う器官系。神経系と協調してはたらく。 - 内分泌腺 最重要語
endocrine gland
ホルモンを血液中に分泌する腺。下垂体、甲状腺、副腎など。 - ホルモン 最重要語
hormone
内分泌腺から血液中に分泌され、微量で標的器官に特異的な作用を及ぼす化学物質。 - 受容体 最重要語
receptor
ホルモンや神経伝達物質などのリガンドに特異的に結合するタンパク質。 - 視床下部 重要語
hypothalamus
間脳の一部。自律神経系と内分泌系の最上位中枢。体温・食欲・浸透圧の調節。 - 標的器官 重要語
target organ
特定のホルモンの受容体をもち、そのホルモンが作用する器官。 - 分泌 重要語
secretion
細胞が合成した物質を細胞外に放出すること。 - 下垂体(脳下垂体) 重要語
pituitary gland
視床下部の下にある内分泌腺。成長ホルモンなど多くのホルモンを分泌する「ホルモンの司令塔」。 - 甲状腺 重要語
thyroid / thyroid gland
喉の前面にある内分泌腺。チロキシンを分泌して代謝を促進する。 - 副腎 重要語
adrenal gland
腎臓の上にある内分泌腺。皮質からは糖質コルチコイド、髄質からはアドレナリンを分泌。 - 成長ホルモン 重要語
growth hormone
下垂体前葉から分泌。タンパク質合成や骨の成長を促進するホルモン。 - アドレナリン 重要語
adrenaline
副腎髄質から分泌。心拍・血圧上昇、血糖値上昇など「闘争・逃走」反応を促すホルモン。 - グルカゴン 重要語
glucagon
膵臓のA細胞から分泌。グリコーゲンの分解を促進し、血糖値を上げるホルモン。 - インスリン 重要語
insulin
膵臓のB細胞から分泌。グルコースの細胞への取り込みを促進し、血糖値を下げる唯一のホルモン。 - フィードバック 重要語
feedback
出力の結果が入力に影響を及ぼす仕組み。負のフィードバックは恒常性維持に重要。 - シグナル伝達(情報伝達) 重要語
signal transduction
細胞外のシグナルが受容体で受け取られ、細胞内の応答へと変換される一連の過程。
9. 生殖・発生
- 発生 最重要語
development
受精卵から成体になるまでの過程。細胞分裂、分化、形態形成を含む。 - 分化 最重要語
differentiation
細胞が特定の構造や機能をもつようになる過程。遺伝子発現のパターンが変化する。 - 卵 最重要語
egg
雌性の配偶子。栄養分(卵黄)を含み、精子より大きい。 - 精子 最重要語
sperm
雄性の配偶子。鞭毛をもち、運動能力がある小さな細胞。 - 受精 最重要語
fertilization
卵と精子が融合して受精卵が形成される過程。 - 受精卵 最重要語
fertilized egg
精子と卵が融合してできた細胞。発生の出発点。 - 卵割 最重要語
cleavage
受精卵が急速に繰り返す細胞分裂。全体の大きさはほぼ変わらず、細胞が小さくなる。 - 胚 最重要語
embryo
発生初期の個体。受精卵から各器官が形成されるまでの段階。 - 胞胚 最重要語
blastula
卵割が進み、内部に腔(胞胚腔)をもつ球状の胚。 - 外胚葉 最重要語
ectoderm
三胚葉の最も外側の層。表皮や神経系を形成する。 - 内胚葉 最重要語
endoderm
三胚葉の最も内側の層。消化管や呼吸器の内壁を形成する。 - 中胚葉 最重要語
mesoderm
三胚葉の中間の層。筋肉、骨格、循環系、腎臓などを形成する。 - 誘導 最重要語
induction
ある細胞群が隣接する細胞群の分化に影響を与える現象。 - オーガナイザー(形成体) 最重要語
organizer
周囲の細胞を誘導して特定の構造を形成させる領域。シュペーマンが発見。 - 原口 重要語
blastopore
原腸形成時に細胞が陥入する開口部。新口動物では肛門、旧口動物では口になる。 - 脊索 重要語
notochord
脊索動物の胚に形成される棒状の支持構造。脊椎動物では脊柱に置き換わる。 - 体節 重要語
segment / somite
中胚葉が分節して形成される塊。筋肉や脊椎骨に分化する。 - 原腸胚 重要語
gastrula
原腸形成が起こった段階の胚。内胚葉と中胚葉が形成される。 - 神経胚 重要語
neurula
神経板が形成される段階の胚。神経管へと閉じていく。 - 神経管 重要語
neural tube
神経板が閉じてできる管状構造。脳と脊髄に発達する。 - 幹細胞 重要語
stem cell
自己複製能と分化能をもつ未分化な細胞。ES細胞やiPS細胞など。 - 多能性 重要語
pluripotency
多くの種類の細胞に分化できる能力。ES細胞やiPS細胞がもつ。 - アポトーシス 重要語
apoptosis
プログラムされた細胞死。不要な細胞を除去し、正常な発生や恒常性維持に寄与。 - 有性生殖 最重要語
sexual reproduction
配偶子の融合(受精)を経て新個体をつくる生殖。遺伝的多様性を生む。 - 無性生殖 重要語
asexual reproduction
配偶子の融合を経ずに新個体をつくる生殖。分裂、出芽、栄養生殖など。 - 配偶子 最重要語
gamete
有性生殖に関わる生殖細胞。卵と精子の総称。 - 生殖細胞 重要語
germ cell
配偶子のもとになる細胞系列。体細胞とは区別される。 - クローン 重要語
clone
遺伝的に同一な細胞や個体の集団。無性生殖で生じる。 - 接合 重要語
conjugation
2つの細胞が接触して遺伝物質を交換する有性生殖の一形態。ゾウリムシなど。
10. 植物の構造・反応・生殖
- 形成層 最重要語
cambium
茎や根の維管束にある分裂組織。内側に木部、外側に師部を形成し、肥大成長に関与。 - 茎頂分裂組織 重要語
shoot apical meristem
茎の先端にある分裂組織。茎や葉の伸長成長の源。 - 根端分裂組織 重要語
root apical meristem
根の先端にある分裂組織。根の伸長を担う。 - 維管束 重要語
vascular bundle
道管(木部)と師管(師部)が束になった構造。水分や養分の通路。 - 気孔 重要語
stoma
葉の表皮にある孔辺細胞に囲まれた開口部。ガス交換と蒸散を行う。 - 蒸散 重要語
transpiration
植物が気孔から水蒸気を放出する現象。根からの吸水の駆動力となる。 - 植物ホルモン 最重要語
plant hormone / phytohormone
植物体内で微量で生理作用を調節する化学物質。オーキシン、ジベレリンなど。 - オーキシン 最重要語
auxin
茎の伸長成長を促進する植物ホルモン。光屈性や頂芽優勢に関与。極性移動する。 - エチレン 最重要語
ethylene
果実の成熟や落葉を促進する気体状の植物ホルモン。 - ジベレリン 最重要語
gibberellin
種子の発芽促進や茎の伸長成長を促す植物ホルモン。 - アブシシン酸(アブシジン酸) 最重要語
abscisic acid
種子の休眠維持や気孔の閉鎖を促す植物ホルモン。ストレス応答に関与。 - 休眠 最重要語
dormancy
種子や芽が成長を一時停止している状態。不適切な環境での発芽を防ぐ。 - 屈性 最重要語
tropism
刺激の方向に依存した成長反応。光屈性、重力屈性などがある。 - 極性移動(極性輸送) 重要語
polar transport
オーキシンが茎の先端から基部へ一方向に輸送される現象。 - 光受容体 最重要語
photoreceptor
光を受容するタンパク質の総称。フィトクロム、フォトトロピン、クリプトクロムなど。 - フィトクロム 最重要語
phytochrome
赤色光と遠赤色光を受容する植物の光受容体。光周性の制御に関与。 - 光周性 重要語
photoperiodism
日長の変化に反応して開花などの生理現象が調節される性質。 - 長日植物 重要語
long-day plant
日長が一定以上(暗期が限界暗期より短い)になると花芽を形成する植物。 - 短日植物 重要語
short-day plant
日長が一定以下(暗期が限界暗期より長い)になると花芽を形成する植物。 - 限界暗期 重要語
critical dark period
花芽形成を左右する連続暗期の長さの閾値。 - フロリゲン(花成ホルモン) 重要語
flowering hormone / florigen
葉で合成され茎頂へ移動して花芽形成を誘導する物質。FTタンパク質として同定。 - ABCモデル 重要語
ABC model
花の器官(がく片・花弁・雄しべ・心皮)がA・B・C遺伝子群の組合せで決まるモデル。 - 花粉 最重要語
pollen
種子植物の雄性配偶体を含む構造。花粉管を伸ばして精細胞を送り届ける。 - 胚乳 最重要語
endosperm
種子内で胚に栄養を供給する組織。被子植物では重複受精で形成。 - 卵細胞 最重要語
egg cell / ovum
植物の胚のう内にある雌性配偶子。精細胞と受精して胚になる。 - 精細胞 最重要語
sperm cell / spermatid
花粉管内で形成される雄性配偶子。1つは卵細胞、もう1つは中央細胞と受精。 - 子房 重要語
ovary
めしべの基部にあり胚珠を含む構造。受精後に果実になる。 - 胚珠 重要語
ovule
子房内にある構造。受精後に種子になる。内部に胚のうを含む。 - 胚のう(胚嚢) 重要語
embryo sac
胚珠内の雌性配偶体。卵細胞、中央細胞などを含む。 - 花粉管 重要語
pollen tube
花粉がめしべ上で発芽させる管。柱頭から胚珠まで伸び、精細胞を運ぶ。 - 重複受精 重要語
double fertilization
被子植物に特有の受精。1つの精細胞が卵細胞と、もう1つが中央細胞と受精する。
11. 遺伝(メンデル遺伝・染色体)
- 減数分裂 最重要語
meiosis
配偶子を形成するための特殊な細胞分裂。染色体数が半分になる。2回の分裂を含む。 - 性染色体 最重要語
sex chromosome
性の決定に関与する染色体。ヒトではX染色体とY染色体。 - アレル(対立遺伝子) 最重要語
allele
同じ遺伝子座にある遺伝子の異なる型。相同染色体の対応する位置に存在。 - 遺伝子座(座/座位) 最重要語
gene locus / locus
染色体上での遺伝子の位置。 - 遺伝子型 最重要語
genotype
個体がもつ遺伝子(アレル)の組合せ。AA、Aa、aaなど。 - 表現型 最重要語
phenotype
遺伝子型と環境の相互作用によって現れる、観察可能な形質。 - 組換え 最重要語
recombination
減数分裂時に相同染色体間でDNAが交換され、新しい遺伝子の組合せが生じること。 - 連鎖 最重要語
linkage
同じ染色体上にある遺伝子が一緒に遺伝する傾向。 - 乗換え 重要語
chromosomal crossover
減数分裂の第一分裂前期に相同染色体の一部が入れ替わる現象。組換えの物理的基盤。 - 顕性(優性) 重要語
dominant
ヘテロ接合体で表現型に現れるアレルの性質。 - 潜性(劣性) 重要語
recessive
ホモ接合体でのみ表現型に現れるアレルの性質。 - ホモ接合体 重要語
homozygote
同じ遺伝子座に同じアレルを2つもつ個体(AA、aaなど)。 - ヘテロ接合体 重要語
heterozygote
同じ遺伝子座に異なるアレルを2つもつ個体(Aaなど)。 - 常染色体 重要語
autosome
性染色体以外の染色体。ヒトでは22対44本。 - X染色体 重要語
X chromosome
性染色体の1つ。ヒトでは女性がXX、男性がXY。 - Y染色体 重要語
Y chromosome
性染色体の1つ。ヒトでは性決定遺伝子SRYを含み、男性の性分化を誘導。 - 相同染色体 重要語
homologous chromosome
形や大きさがほぼ同じで、同じ遺伝子座をもつ一対の染色体。父方と母方から1本ずつ。 - 対合 重要語
pairing / synapsis
減数分裂第一分裂の前期に相同染色体どうしが並んで密着すること。 - 二価染色体 重要語
bivalent
対合した一対の相同染色体。計4本の染色分体からなる。 - 野生型 重要語
wild type
自然集団で最も一般的な表現型やそれをもたらす遺伝子型。 - 変異(多様性) 最重要語
variation
集団内の個体間に見られる形質の違い。遺伝的・環境的要因による。 - 突然変異(変異) 最重要語
mutation
DNAの塩基配列が変化すること。進化の原材料となる。 - 突然変異体(変異体) 重要語
mutant
突然変異によって通常とは異なる形質をもつ生物個体。 - 挿入 重要語
insertion
DNA配列中に塩基が加わる突然変異。フレームシフトを引き起こすことがある。 - 欠失 重要語
deletion
DNA配列の一部が失われる突然変異。 - 置換 重要語
substitution
DNA配列中の塩基が別の塩基に替わる突然変異。 - 一塩基多型(SNP) 重要語
single nucleotide polymorphism
集団中で1か所の塩基が個体間で異なる遺伝的多型。個人差や疾患リスクに関連。 - 倍数体 重要語
polyploid
基本数の3倍以上の染色体セットをもつ生物。植物の種分化で重要。 - 遺伝子頻度(アレル頻度) 重要語
gene frequency
集団中における特定のアレルの割合。進化の指標。
12. 進化と系統分類
進化のメカニズム
- 進化 最重要語
evolution
長い世代を経て集団の遺伝的組成が変化する過程。 - 適応 最重要語
adaptation
環境に適した形質を獲得すること。自然選択の結果として生じる。 - 自然選択(自然淘汰) 最重要語
natural selection
環境に有利な形質をもつ個体が子孫を多く残す結果、集団の遺伝的構成が変化する過程。 - 種分化 最重要語
speciation
1つの種から新しい種が分かれて生じること。地理的隔離などが契機となる。 - 共進化 最重要語
coevolution
互いに影響し合う2種が相互に進化すること。花とポリネーターなど。 - 分子進化 最重要語
molecular evolution
DNA配列やタンパク質のアミノ酸配列が世代を経て変化する過程。 - 細胞内共生 最重要語
endosymbiosis
原核生物が真核細胞内に共生し、ミトコンドリアや葉緑体となった進化的出来事。 - 適応度 重要語
fitness
ある個体の遺伝子が次世代に残される相対的な成功度。 - 適応放散 重要語
adaptive radiation
共通祖先から多様な環境に適応して多くの種が急速に分化する進化。 - 生殖的隔離 重要語
reproductive isolation
異なる集団間で交配や繁殖が妨げられる状態。種分化の完成に不可欠。 - 地理的隔離 重要語
geographic isolation
山脈や海などの地理的障壁により集団が分断されること。異所的種分化の出発点。 - 遺伝的浮動 重要語
genetic drift
偶然によってアレル頻度が変化する現象。小さな集団で影響が大きい。 - 化学進化 重要語
chemical evolution
無機物から有機物が生成され、原始的な生命へと至る化学的過程。 - 遺伝子重複 重要語
gene duplication
遺伝子のコピーが染色体上に生じること。新しい機能をもつ遺伝子の進化に寄与。 - 分子時計 重要語
molecular clock
塩基配列やアミノ酸配列の変化が一定速度で蓄積するという仮説に基づく年代推定法。 - 直立二足歩行 重要語
erect bipedalism
ヒトの祖先が獲得した移動様式。両手の自由化と脳の発達に関連。
系統分類
- 系統 最重要語
lineage
共通祖先から派生した生物群の進化的つながり。 - 系統樹 最重要語
phylogenetic tree
生物の系統関係を樹形図で表したもの。分岐の順序と近縁関係を示す。 - 分子系統樹 重要語
molecular phylogenetic tree
DNAやタンパク質の配列比較にもとづいて作成された系統樹。 - 種 最重要語
species
分類の基本単位。自然条件下で交配し、繁殖力のある子孫を残せる集団。 - 学名 最重要語
scientific name
国際的に統一されたラテン語の名称。属名と種小名からなる二名法で表記。 - 二名法 重要語
binomial nomenclature
属名+種小名で生物の学名を表記する命名法。リンネが体系化。 - ドメイン 最重要語
domain
生物分類の最上位階級。細菌、アーキア、真核生物の3ドメイン。 - 界 最重要語
kingdom
ドメインの下の分類階級。動物界、植物界、菌界など。 - 門 重要語
phylum
界の下の分類階級。脊索動物門、節足動物門など。 - 科 重要語
family
目の下、属の上の分類階級。ネコ科、バラ科など。 - 属 重要語
genus
科の下、種の上の分類階級。学名の属名に対応。 - アーキア(古細菌) 最重要語
archaea
3ドメインの1つ。核膜をもたないが、真核生物に近縁。極限環境に生息するものが多い。 - 細菌(バクテリア) 最重要語
bacteria
3ドメインの1つ。核膜をもたない原核生物。大腸菌、乳酸菌など多様。 - 菌類 最重要語
fungi
真核生物の一群。細胞壁をもち、体外消化で有機物を吸収する従属栄養生物。 - ウイルス 重要語
virus
核酸をタンパク質の殻で包んだ粒子。細胞構造をもたず、宿主細胞内でのみ増殖。 - シアノバクテリア 重要語
cyanobacteria
光合成を行う細菌。酸素発生型光合成の起源。葉緑体の祖先と考えられる。 - 脊椎動物 最重要語
vertebrates
脊柱をもつ動物の総称。魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類を含む。 - 哺乳類 最重要語
mammals
乳腺で子を育て、体毛をもつ恒温動物。胎生が多い。 - 霊長類 最重要語
primates
ヒトを含む哺乳類の一目。立体視、つかむ手、大きな脳が特徴。 - 種子植物 最重要語
seed plants / spermatophytes
種子をつくって繁殖する植物。裸子植物と被子植物を含む。 - 被子植物 最重要語
flowering plants / angiosperms
胚珠が子房に包まれた植物。花を咲かせ、果実をつくる。 - 裸子植物 最重要語
gymnosperms
胚珠がむき出しの植物。マツ、スギ、イチョウなど。 - 魚類 重要語
fishes
水中でえらで呼吸する変温の脊椎動物。 - 両生類 重要語
amphibians
幼生はえら呼吸、成体は肺呼吸する脊椎動物。カエル、イモリなど。 - 爬虫類(は虫類) 重要語
reptiles
乾燥に強い鱗をもつ変温の脊椎動物。トカゲ、ヘビ、カメなど。 - 鳥類 重要語
birds
羽毛をもち飛翔する恒温の脊椎動物。爬虫類から進化。 - 脊索動物 重要語
chordates
発生過程で脊索をもつ動物。脊椎動物やホヤを含む。 - 節足動物 重要語
arthropods
外骨格と関節のある付属肢をもつ動物。昆虫、甲殻類、クモなど。動物界最大の門。 - 軟体動物 重要語
molluscs
柔らかい体と外套膜をもつ動物。貝類、イカ、タコなど。 - コケ植物 重要語
bryophytes
維管束をもたない陸上植物。ゼニゴケ、スギゴケなど。胞子で繁殖。 - シダ植物 重要語
pteridophytes
維管束をもつが種子をつくらない植物。胞子で繁殖。ワラビ、ゼンマイなど。 - 胞子 重要語
spore
配偶子を経ずに新個体を生じる生殖細胞。菌類やコケ植物、シダ植物で見られる。
13. 生態と環境
- 植生 最重要語
vegetation
ある地域に生育する植物の集まり全体。 - 遷移 最重要語
succession
ある場所の植物群落が時間とともに移り変わっていく過程。 - 極相 最重要語
climax
遷移が進行して達する、安定した最終段階の植物群落。 - バイオーム 最重要語
biome
気候条件(気温・降水量)に対応した大規模な生物群集のまとまり。熱帯雨林、砂漠など。 - 優占種 最重要語
dominant species
群集内で個体数や占有面積が最も大きく、群集の特徴を決定づける種。 - 生態系 最重要語
ecosystem
生物群集とそれを取り巻く非生物的環境を1つのまとまりとして捉えた系。 - 生産者 最重要語
producer
光合成や化学合成で無機物から有機物を合成する生物。植物やシアノバクテリアなど。 - 消費者 最重要語
consumer
他の生物を食べて有機物を得る生物。動物が代表的。 - 分解者 最重要語
decomposer
遺体や排泄物の有機物を分解して無機物に戻す生物。菌類や細菌。 - かく乱(攪乱) 最重要語
disturbance
台風・山火事・洪水などにより群集の構造が破壊される現象。遷移のリセットを引き起こす。 - 物質循環 最重要語
nutrient cycling
炭素、窒素、リンなどの元素が生物と非生物的環境の間を循環する過程。 - 食物網 最重要語
food web
食物連鎖が複雑に絡み合った網目状の関係。生態系の物質・エネルギーの流れを示す。 - 窒素固定 最重要語
nitrogen fixation
大気中のN₂をNH₃などに変換する反応。根粒菌やシアノバクテリアが行う。 - バイオマス(現存量/生物量) 最重要語
biomass
ある時点である場所に存在する生物の総量(乾燥重量など)。 - 生物多様性 最重要語
biodiversity
生物の多様さ。遺伝子・種・生態系の3つのレベルで捉えられる。 - 環境形成作用 重要語
environmental formation action
生物がその活動によって自らの生育環境を変化させる作用。落ち葉による土壌形成など。 - 土壌 重要語
soil
岩石の風化物と有機物が混合した地表の層。植物の生育基盤で、多くの生物が生息。 - 一次遷移 重要語
primary succession
土壌のない裸地(溶岩台地など)から始まる遷移。地衣類やコケ植物が先駆。 - 二次遷移 重要語
secondary succession
土壌や種子が残っている場所(伐採跡地など)から始まる遷移。一次遷移より速い。 - 先駆種(パイオニア種) 重要語
pioneer species
遷移の初期段階で最初に定着する種。日当たりを好み、成長が速い。 - 森林 重要語
forest
樹木が優占する植生。降水量が十分な地域に成立する。 - 草原 重要語
grassland
草本植物が優占する植生。降水量が森林の成立には不足する地域に発達。 - 荒原 重要語
desert
植生がまばらで乾燥・寒冷な地域の植生帯。砂漠やツンドラなど。 - 垂直分布 重要語
vertical distribution
標高に伴うバイオームの変化。低地から高山にかけて帯状に異なる植生が分布。 - 水平分布 重要語
horizontal distribution
緯度に伴うバイオームの分布。低緯度から高緯度にかけて変化する。 - 森林限界 重要語
forest line
高山や高緯度で森林が生育できる限界線。それより上はハイマツ帯や高山草原。 - 生息場所(ハビタット) 重要語
habitat
ある生物種が生活している場所や環境。 - 捕食 重要語
predation
ある生物が別の生物を食べること。食物連鎖の基本的な関係。 - 被食 重要語
prey
他の生物に食べられること、またはその対象となる生物。 - 生態ピラミッド 重要語
ecological pyramid
各栄養段階の個体数、バイオマス、エネルギー量をピラミッド状に表した図。 - キーストーン種 重要語
keystone species
生態系全体の構造やバランスに大きな影響を与える種。失われると群集が大きく変化。 - 間接効果 重要語
indirect effect
直接の相互作用ではなく、別の種を介して間接的に影響が及ぶこと。 - 富栄養化 重要語
eutrophication
水域に窒素やリンが過剰に流入し、藻類が異常増殖する現象。水質悪化を引き起こす。 - 外来生物 重要語
alien species / exotic species
人間活動によって本来の分布域外に持ち込まれた生物。在来種への脅威。 - 絶滅危惧種 重要語
threatened species
絶滅のおそれがある種。レッドリストに記載される。 - 環境アセスメント 重要語
environmental impact assessment
開発事業が環境に与える影響を事前に調査・予測・評価する制度。 - 炭素循環 重要語
carbon cycle
炭素がCO₂→光合成→有機物→呼吸/分解→CO₂と循環する過程。 - 窒素循環 重要語
nitrogen cycle
窒素が大気中のN₂→窒素固定→有機態窒素→分解→硝化→脱窒と循環する過程。 - 脱窒(脱窒素) 重要語
denitrification
硝酸イオンをN₂に還元して大気に戻す過程。脱窒菌が行う。 - 窒素同化 重要語
nitrogen assimilation
植物が無機窒素(NH₄⁺やNO₃⁻)を吸収してアミノ酸などの有機窒素に変換する過程。 - エネルギー効率 重要語
energy efficiency
ある栄養段階のエネルギーが次の栄養段階に移る割合。一般に10~20%程度。 - 物質生産 重要語
dry matter production
生態系内で有機物が生産される過程。総生産量から呼吸量を引いたものが純生産量。 - 総生産量 重要語
gross production
ある栄養段階の生物が一定期間に同化した有機物の総量。 - 純生産量 重要語
net production
総生産量から呼吸量を差し引いた値。成長や繁殖に使えるエネルギー量。 - 呼吸量 重要語
amount of respiration
生物が呼吸で消費した有機物量(エネルギー量)。 - 同化量 重要語
amount of assimilation
消費者が摂食した有機物のうち、実際に体内に同化された量。
14. 個体群と群集
- 個体群(集団) 最重要語
population
ある地域に生息する同種個体の集まり。 - 生物群集 最重要語
biological community
ある地域に生息するすべての種の個体群の集まり。 - 共生 最重要語
symbiosis
異なる種の生物が密接な関係を保って生活すること。相利・片利・寄生を含む。 - 競争 最重要語
competition
食物や空間などの資源をめぐって生物が争うこと。種内競争と種間競争がある。 - ニッチ(生態的地位) 最重要語
niche
ある種が群集の中で占める機能的位置。食物、空間、活動時間などで定義される。 - 個体群密度 重要語
population density
単位面積(体積)あたりの個体数。 - 密度効果 重要語
density dependence
個体群密度の変化が出生率・死亡率・成長に影響する効果。 - 環境収容力 重要語
carrying capacity
ある環境が支えられる最大の個体数(K値)。資源量や空間によって決まる。 - 生命表 重要語
life table
各年齢区分の生存数や死亡率をまとめた表。生存曲線の作成に用いる。 - 生存曲線 重要語
survival curve
時間経過に伴う生存個体数の変化を示す曲線。早死型・均等型・晩死型がある。 - 成長曲線 重要語
growth curve
個体群の個体数の時間変化を示す曲線。S字型(ロジスティック成長)など。 - 群れ 重要語
group
同種個体が集合して行動する集団。捕食防御や採食効率の向上に寄与。 - 種内競争 重要語
intraspecific competition
同じ種の個体間での資源をめぐる競争。密度効果の原因。 - 縄張り(テリトリー) 重要語
territory
個体が防衛する空間。食物、繁殖相手などの資源を確保する。 - 社会性昆虫 重要語
social insect
繁殖カーストとワーカーカーストに分化した社会を形成する昆虫。アリ、ミツバチなど。 - 共存 重要語
coexistence
競争関係にある種が同じ場所で存続し続けること。ニッチの分化が条件。 - 寄生 重要語
parasitism
一方の生物(寄生者)が他方(宿主)から栄養を得て、宿主に害を与える共生関係。 - 種間競争 重要語
interspecific competition
異なる種の間で資源をめぐって生じる競争。 - 競争的排除 重要語
competitive exclusion
同じニッチをもつ2種が共存できず、一方が排除される現象(ガウゼの法則)。 - 相利共生 重要語
mutualism
両方の種が利益を得る共生関係。マメ科植物と根粒菌、花と送粉者など。
15. バイオテクノロジー
- 制限酵素 最重要語
restriction enzyme
特定の塩基配列を認識してDNAを切断する酵素。遺伝子組換えの必須ツール。 - ベクター 最重要語
vector
外来DNAを宿主細胞に導入する運び屋。プラスミドやウイルスなど。 - 組換えDNA 最重要語
recombinant DNA
異なる由来のDNA断片を人工的に連結したDNA。遺伝子工学の基盤技術。 - PCR(ポリメラーゼ連鎖反応) 重要語
PCR / polymerase chain reaction
微量のDNAを短時間で大量にコピーする技術。変性→アニーリング→伸長の繰返し。 - プラスミド 重要語
plasmid
細菌がもつ染色体外の小さな環状DNA。遺伝子組換えのベクターとして利用される。 - ゲノム編集 重要語
genome editing
CRISPR-Cas9などのツールで狙った遺伝子を正確に改変する技術。
出典:日本学術会議 基礎生物学委員会・統合生物学委員会合同 生物科学分科会「高等学校の生物教育における重要用語の選定について(2025年版)」(令和7年11月14日)
注:各用語の説明は学習の便宜のために付した簡易版です。詳細は教科書をご参照ください。
注:各用語の説明は学習の便宜のために付した簡易版です。詳細は教科書をご参照ください。