JoVE (Journal of Visualized Experiments)(ジョウヴ)の論文は、実験プロトコール文書および実験手技を研究者が実際にやってみせている動画からなります。査読付きのジャーナルですが、原著論文ではないので、査読で苦しめられることは全くありません。
目次
- 1 JOVEについて
- 2 細胞株におけるCRISPRを用いたエンハンサー干渉実験
- 3 哺乳類細胞におけるCRISPR/Cas9を用いた欠失変異の導入
- 4 ヒト細胞におけるCRISPRによる一本鎖オリゴヌクレオチドを用いた変異遺伝子修復実験
- 5 レトロ・レンチウイルスへのCRISPRのパッケージングと脳定位固定によるマウス脳へのインジェクション
- 6 マウス小腸オルガノイドにおけるCRISPRを用いた複数遺伝子のノックアウト
- 7 培養細胞におけるCRISPR-dCas9 (CLOuD9)を用いたクロマチンループ再構成の研究
- 8 ゼブラフィッシュの遺伝子をCRISPR/Cas9でノックアウトする実験
- 9 培養細胞や線虫におけるCRISPR/Cas9を用いたゲノム編集実験
- 10 トキソプラズマの薬剤耐性遺伝子をCRISPR/Cas9を用いて調べる実験
- 11 JOVEに関する個人的な感想
JOVEについて
著者が論文作成・掲載費用をたくさん払うとオープンアクセスになりますが、多くの人がそのオプションを選ばないせいか、動画の多くは始めの数十秒しか視聴できません。その中から、フルで視聴できてCRISPR実験に関連する動画をいくつか紹介します。
細胞株におけるCRISPRを用いたエンハンサー干渉実験
哺乳類細胞におけるCRISPR/Cas9を用いた欠失変異の導入
ヒト細胞におけるCRISPRによる一本鎖オリゴヌクレオチドを用いた変異遺伝子修復実験
A Standard Methodology to Examine On-site Mutagenicity As a Function of Point Mutation Repair Catalyzed by CRISPR/Cas9 and SsODN in Human Cells
レトロ・レンチウイルスへのCRISPRのパッケージングと脳定位固定によるマウス脳へのインジェクション
マウス小腸オルガノイドにおけるCRISPRを用いた複数遺伝子のノックアウト
培養細胞におけるCRISPR-dCas9 (CLOuD9)を用いたクロマチンループ再構成の研究
ゼブラフィッシュの遺伝子をCRISPR/Cas9でノックアウトする実験
培養細胞や線虫におけるCRISPR/Cas9を用いたゲノム編集実験
Enhanced Genome Editing with Cas9 Ribonucleoprotein in Diverse Cells and Organisms
Enhanced Genome Editing with Cas9 Ribonucleoprotein in Diverse Cells and Organisms
トキソプラズマの薬剤耐性遺伝子をCRISPR/Cas9を用いて調べる実験
JOVEに関する個人的な感想
最近は、論文が出るたびに誰彼構わずビデオにしませんかとJOVEが論文著者にコンタクトしてくるようです。ファーストフードがハンバーガーを作るみたいに、決まりきった手順を踏襲することにより、編集者とナレーターとカメラマンと研究者が共同作業により実験プロトコール動画を完成させられる仕組みになっていて、ビジネス的にはうまくできていると感心させられます。「型」にはめてつくっているので、出来上がった動画の個性が乏しい印象が否めませんが、さまざまな実験手技が研究室でどのように行なわれているのかを垣間見ることができるので、参考になることも多いです。