ムーンショットPM筑波大教授が強制猥褻で逮捕

筑波大教授逮捕のニュース

【逮捕】女子学生に“わいせつ” 筑波大教授の男を逮捕 Dec 7, 2021【公式】日テレNEWS (動画削除済)

筑波大学の教授の男が、大学内で20代の女子学生に複数回にわたってわいせつな行為をしたとして逮捕されました。 強制わいせつの疑いで逮捕されたのは筑波大学・生命環境系の教授の大沢良容疑者(61)です。 警察によりますと大沢容疑者はことし4月から9月にかけて複数回にわたり、大学内の建物の中で20代の女子学生の胸などを無理やり触るなどのわいせつな行為をした疑いがもたれています。先月、女子学生が警察に被害を訴えたことから発覚したものです。 調べに対し大沢容疑者は、「強制的にわいせつな行為をした認識はない」と容疑を否認しています。(2021年12月7日放送「news every.」より)

逮捕の筑波大教授を送検

【指導後も】筑波大教授を送検 女子学生に“わいせつ” Dec 8, 2021 【公式】日テレNEWS (動画削除済)

報道に基づく事実関係

  • 2021年4月~9月 筑波大学生命環境系 系長 大澤良教授(61)が学内で複数回にわたって20代の女子学生の胸を触るなどのわいせつな行為
  • 9月下旬 女子学生が大学の「ハラスメント相談センター」に相談
  • 10月中旬 加藤副学長が教授に対して、女子学生と会ったり連絡を取ったりしないよう指導
  • 11月18日 女子学生が警察署に相談
  • 12月 警察が捜査し逮捕

参考:筑波大学幹部の教授 強制わいせつ疑いで逮捕 容疑を否認 12月07日 18時08分 茨城 NHK NEWS WEB

筑波大学の発表

本学教員の逮捕について

令和3年12月7日

筑 波 大 学

本学教員の逮捕について

 本日(令和3年12月7日)、本学の教員が、強制わいせつの容疑でつくば警察署に逮捕されたことは、誠に遺憾であり、大学としても大きな衝撃を受けております。

 警察の発表によると、同教員は、今年4月から9月にかけて、本学構内において県内在住の20代女性に数回にわたりわいせつな行為を行ったとされています。

 国立大学法人の教員という立場の者が、構内において、かかる行為を行ったことは許されざることであり、大学としてこのたびの事態を極めて重く受け止めています。被害者の女性に対しまして、心からお詫び申し上げます。

 今後、詳細が明らかになった段階で、大学として厳正な処分を行います。

 本学におきましては、これまでにも法令順守や職員倫理について指導を徹底してまいりましたが、このたびの事態を受けて、全学を挙げて更なる取り組みの強化を進めてまいります。

https://www.tsukuba.ac.jp/news/20211207173000.html

この筑波大学の公式発表を見て、呆れかえりました。「県内在住の20代女性に」ってなんですか?この文言だと、まるで筑波大学とは無関係な女性に対してのわいせつ行為であるかのように思えます。しかし実際には、自分が指導する大学院生(D3)の女性に対するわいせつ行為です。大学の事なかれ主義がよくわかる文章だと思います。「本学構内において」というのも、まるでキャンパスのどこかベンチかと思いました。実際には教授室という密室の中で行われたわいせつ行為です。「逮捕されたことは、誠に遺憾であり、大学としても大きな衝撃」というのもおかしな反応で、被害者は事前に大学に相談したにも関わらず、ほとんどなんの対応もせずに放置したため、被害者が弁護士や警察に相談したといういきさつがあるようです。

 

逮捕された教授はムーンショット型研究開発制度のPM

今回逮捕された教授は内閣府の1000億円規模の予算の研究事業「ムーンショット型研究開発制度」のプロジェクトマネージャー(PM)の一人です。

サイバーフィジカルシステムを利用した作物強靭化による食料リスクゼロの実現

プロジェクトマネージャー 筑波大学 生命環境系 教授 大澤 良
Researchmap

実施体制

被害を受けた女子大学院生にしてみれば、大規模な予算を獲得しているようなビッグボスを告発するのは非常に勇気の要ることだったと思います。普通に大学に通報しても、大学は学生よりもまず教授を守ろうとするのではないでしょうか。大学の公式発表の心無い文章ひとつみても、自分にはそのようにしか思えません。

被害者の女子学生は、ツイッターで告発に至る経緯を、拡散希望として詳細に説明していましたが、現在は削除したようです。


告発の経緯を説明した文章(削除前)を一読しましたが、重要なこととして、会話の一部が録音されていて、相手はセクハラ(強制わいせつ)をしていることを自覚してる発言があったこと、被害者は行為をやめてくれるように頼んでいること、被害にあった日付、時刻、場所の情報までないと証拠として取り上げられてもらえないこと、逐次記録された文書の存在が大事のようです。大学に相談したが放置され(大学からは他言しないように口止めされた)、弁護士や警察に頼ったといういきさつも書かれていました。セクハラやわいせつ行為は立証することが困難で、できるだけ客観的な証拠を残すことが大事だと思います。

”大沢容疑者は、調べに対し「強制的にわいせつな行為をした認識はない」と容疑を否認”(ヤフーニュース)とのことなので、合意があったかなかったかが裁判での焦点になるのかもしれませんが、大学教員が自分が指導する博士課程の学生に対してラボ内でわいせつ行為を働いたという事実だけで、断罪されるに十分事足りるのではないかと思います。研究者生命に関して言えば、博士課程の学生は教授に生殺与奪の権利を持たれている状態なので、弱い立場の学生から拒絶しづらい条件がそもそも存在しており、強制したつもりはないという言い訳は通りません。

勘違いする大学教授

今回の報道で、容疑者の言い訳「強制的にわいせつな行為をした認識はない」を見て思い出したのが、以前、日本化学会がつくった、教授の勘違いを助長させそうなこの動画。

関連記事 ⇒ 日本化学会のPR動画 教授への恋愛感情

学部学生や大学院生は、指導してくれる大学教授に対してはほとんど無条件に尊敬の念を抱くのではないかと思います。それを、何をやっても許されると勘違いしてしまうのだとしたら大間違いです。

 

参考

  1. 2021-12-07 ■筑波大の教授にセクハラされていた女子学生の件 はてな匿名ダイアリー