ハゲが治る日も遠くない? ふさふさの髪の毛を取り戻す方法へ道筋

      2017/09/19

人の毛髪を再生することは大きなチャレンジです。しかし、今回コロンビア大学の研究者らは脱毛症の男性から採取した「毛乳頭細胞」を髪の毛を生やす能力を保たせたまま培養する方法を発見。培養した毛乳頭細胞が人の皮膚に作用して髪の毛を生えさせたと報告しました。

同様の実験はマウスなどの細胞では既にうまくいっていましたが、なぜか人の毛乳頭細胞を培養しても、皮膚に働きかけて「毛包」を誘導する作用が失われてしまうという困難がありました。マウスでは培養した細胞が塊りを作っているという観察がブレークスルーになりました。人の毛乳頭細胞の培養でも平面的に増殖させるのではなく、立体的な塊りになるような培養条件にしてみたら、うまくいったというものです。

今回の研究では、人の皮膚(新生児の陰茎の皮膚)をマウスの背中に移植しておき、その人の皮膚に脱毛症の男性から取った毛乳頭細胞を培養して増やした塊りを移植して、皮膚から髪の毛が生えてくるかどうかを実験で調べました。まだ全ての実験を人間に対して行える段階ではないため、このようにマウスの背中を借りた実験が行われました。しかし、生えてきた毛髪はマウスの細胞に由来するものではなく、人の細胞由来だったということが確かめられています。

新生児の陰茎の皮膚を用いたというのはちょっとびっくりしますが、もともと毛がまったく生えていないので毛が生えてくるかどうかの実験に適しているとのことです。アメリカでは生まれた赤ちゃんに割礼(男性の陰茎包皮の切除手術)を行うことが多いので、材料として入手しやすいのも一つの理由でしょう。

参考ウェブサイト

  1. Microenvironmental reprogramming by three-dimensional culture enables dermal papilla cells to induce de novo human hair-follicle growth. Claire A. Higgins, James C. Chen, Jane E. Cerise, Colin A. B. Jahoda,and Angela M. Christiano, Published online before print October 21, 2013, doi: 10.1073/pnas.1309970110 PNAS (米国科学アカデミー紀要)
  2. Hair Regeneration Method is First to Induce New Human Hair Growth(コロンビア大学ニュースルームOctober 21, 2013)
  3. 毛乳頭細胞で毛を再生=立体的な培養法工夫、移植で―脱毛症治療に期待・米英チーム(ヤフーニュース・時事通信 10月22日(火)1時36分配信
  4. 脱毛症患者に新たな希望(ウォールストリートジャーナル2013年 10月 22日 15:37 JST
  5. New Hope for Baldness(The Wall Street Journal Oct. 21, 2013 2:07 p.m. ET)
  6. マルホ皮膚科セミナー ラジオNIKKEI2011 年8 月25 日放送第74 回日本皮膚科学会東京支部学術大会①会長講演「毛成長誘導の主役は毛乳頭細胞?毛包幹細胞?」北里大学 皮膚科教授 勝岡 憲生(PDF)
  7. 東京理科大学辻孝研究室「毛髪再生医療の実現を目指して
  8. 株式会社エーセル「毛乳頭細胞の活性化試験(養毛・育毛・発毛試験)
  9. 割礼、するべき?(わいわい! ママのブログ2010-08-14 15:03:22)

この論文の責任著者である2人、アメリカ・コロンビア大学のAngela M. Christianoさんとイギリス・ダラム大学のColin A. B. Jahodaさん(3分25秒~)による解説。

Angela Christiano: New Method for Hair Regeneration

(Visited 8 times, 1 visits today)

 - 再生医学