学術誌に論文を投稿すると、最初の数日間はエディターからの連絡が来ないことを祈ります。一週間もすると、レビューにまわしてもらえたのではないかという期待が芽生えます。1ヶ月もすると、早く返事がもらえないのかとやきもきし始めます。1ヶ月も待たされたあげく、エディターに蹴られて、レビューにすら回してもらえていなかったことがわかると、かなりがっかりです。オンラインでステータスをチェックしたり、あるいはエディターからの連絡により、自分の論文がレビューにとりあえず回ったことがわかると、ほっとします。しかし、それからさらに1ヶ月、2ヶ月と待たされると、落ち着かない日々を過ごすことになります。
さて、論文を投稿してから、エディターからの返事をもらうまで、どれくらい待てば良いのでしょうか?日数は、ジャーナルによってかなりの開きがあります。
SciRevというウェブサイトは、研究者の体験をまとめて、ジャーナルごとの統計を出しています。例えばネイチャーの場合、エディターキックは平均11日、レビューから返ってくるのが平均1.9ヶ月、アクセプトされた論文の場合、平均3.8ヶ月かかっています(n=22)。サイエンスの場合は査読に回らなかった場合の平均が13日、査読から返ってくるのが平均1.6ヶ月、アクセプトされた場合にトータルでかかった時間は平均5.6ヶ月となっています(n=19)。eLifeは査読にまわらなかった場合のリジェクションの平均は10日、査読が戻ってくるのは1.3ヶ月、受理された原稿の場合のトータルの日数は平均1.7ヶ月と迅速です(n=17)。PLOS ONEの場合は、レビューに回らず却下された場合の平均は16日、レビューが返ってくるまでの平均は2.6ヶ月、アクセプトされた場合の総日数は3.7ヶ月となっています(n=62)。
研究者は自分の体験をSciRevに投稿することができます。
いつまで待っても音沙汰が無い場合、エディターに催促のメールを出したほうがよいでしょう。すぐに結果が返ってくることがあります。
If, after many weeks you do not receive the reviews of your paper, you should make polite inquiries with the appropriate editor. When a journal takes a long time to process a paper, the bottleneck almost always is a tardy reviewer. Sometimes a note from the author provokes the editor to contact the overdue reviewer, who in turn could deliver the review in a day or two. (From Science to Citation By Stephen G. Lisberger)
催促のメールを書く場合、どのような英文が適切でしょうか?文例を挙げて説明しているウェブサイトを紹介します。
I would be grateful if you could let me know whether there has been any further progress on my submission.
(How do I write an inquiry to the editor about my manuscript’s current status? Editage Insights Mar 22, 2016)
Could you let me know when I can expect notice regarding the decision of the editorial board? (英語のメールで論文を寄稿した後の返信を事務局に催促する書き方:「私の論文はどうなりましたか?」と質問する場合 weblio英語の勉強コラム 英文メールフォーマット・テンプレ 2013/01/16)
I was wondering about the status of my manuscript [title, reference number] that I submitted on [date]. Have you heard back from the referees yet? (When / how should I ask about a manuscript’s status in review? http://academia.stackexchange.com)
参考
- SciRev:”Share your experience with the scientific review process and select an efficient journal for submitting your manuscripts.”
- Submission to first decision time (Cofactor 5th Apr 2013)
- Acceptance to publication time (Cofactor 13th Jun 2012)