できる研究者の論文作成メソッド【書評】

書籍タイトル:できる研究者の論文作成メソッド 書き上げるための実践ポイント
著者:ポール・J・シルヴィア
訳者:高橋さきの
発行年月日:2016/12/12
出版社:講談社

先に出た「できる研究者の論文生産術」は既に読んでいたのですが、この2作目に関しては、出版されているのは知っていながら長いこと手にしませんでした。ふと思い立って本を開いてみてびっくり、この本もまた、なかなかいいじゃありませんか!論文をまだ一本も書いたことが無い人よりも、既に何本か書いている研究者のほうが何かと思い当たることが多く、役に立つのではないかと思います。もっと早く読んでおけばよかったと後悔していますが、Better late than neverと信じて、読むことにします。

できる研究者の論文作成メソッド

この本の「帯」にある文が結構よいのでそれを紹介します。

本書の最後の章で著者は書き続けることこそ研究者が生き延びる道であると高らかに宣言する。そう、研究者人生は一発花火ではない書け、書くんだ!―そのための心得と戦略がここにある。

研究者を鼓舞し、激励する素晴らしい文ですね。この帯の文を読むだけで、エネルギーがどばっと湧き上がって、体中にみなぎります。この帯の言葉は、本書の中の、三中信宏氏による推薦の言葉でした。「打て、打つんだ、ジョー!」の世界観です。

目次

はじめに
なぜ、書くのか
インパクトが大切──発表すればよいというものではない
本書の構成

第Ⅰ部 計画と準備

第1章 投稿する雑誌をいつどうやって選ぶのか

1-1 雑誌の質を理解する:優・良・不可
1-2 いつ雑誌を選ぶか
1-3 雑誌を選ぶ
1-4 だめだったときの投稿先

第2章 語調と文体

2-1 自分の声はどう聞こえているか
2-2 スキル
2-3 文体の「べからず集」について考える

第3章 一緒に書く:共著論文執筆のヒント

3-1 なぜ一緒に書くのか
3-2 やめておいた方がよいケース:避けた方がよい相手
3-3 実効性のある方法を選ぶ
3-4 うまくいかないときにどうするか
3-5 誰が著者かを決める
3-6 よい共同研究者になる

第Ⅱ部 論文を書く

第4章 「序論」を書く

4-1 論文の目的や論理構成を把握する:「序論」展開用テンプレート
4-2 構成用テンプレート:「ブックエンド/ 本/ブックエンド」
4-3 書き始めは力強いトーンで
4-4 短報の「序論」を書く

第5章 「方法」を書く

5-1 読み手が納得できる「方法」を書く
5-2 どこまで詳しく書くか
5-3 「方法」で記載する各項目
5-4 論文のオープン化、共有化、アーカイブ化

第6章 「結果」を書く

6-1 短い「結果」
6-2 「結果」の構成
6-3 さしせまった問題と細かい問題

第7章 「考察」を書く

7-1 よい「考察」とは
7-2 必須の要素
7-3 厄介な任意の要素

第8章 奥義の数々:タイトルから脚注まで

8-1 文献(Reference)
8-2 タイトル
8-3 要旨(アブストラクト)
8-4 図と表
8-5 脚注
8-6 付録や補足資料
8-7 ランニングヘッド

第Ⅲ部 論文を発表する

第9章 雑誌とのおつきあい:投稿、再投稿、査読

9-1 論文を投稿する
9-2 通知の内容を理解する
9-3 どう修正するか
9-4 自分以外の論文:原稿を査読する

第10章 論文は続けて書く:実績の作り方

このチャプターでは、関連するテーマで論文を何報も続けて出すことの大事さが説かれています。海外でポスドクを何年もやって、トップジャーナルに一本出してジョブを得るという人もいるかもしれませんが、その後、関連する仕事を続けていないのであれば、単発の仕事ということになってしまいその研究分野で大きな影響をもてないかもしれません。極端な場合、論文成果信憑性が疑われかねません。やはり、ひとつのテーマに関して続けて論文を出していくことは、その分野を開拓して豊かな収穫を得るということになりますので、大事なんだと思います。

この書籍のタイトルは論文作成メソッドですが、このチャプターでは研究者としてどのようにして研究を行なっていくのかという長期的なスタンスの重要性を認識する上でとても有益な示唆が得られると思います。

10-1 「1」は孤独な数字

とてもいいことがいきなり書いてあるので、紹介します。

インパクトというのは、論文の「系列」、つまり同じトピックを扱った関連論文何本かがあって、初めて得られる効果だといえる。

これは自分も関連論文を3本ほど出して初めて実感しました。インパクトを与えられたというのは自分の場合、言いすぎなのですが、例えばシンポジウムやセミナーで自分の仕事を喋るときに、3本分の内容をきれいにつなげてしゃべれるのはトークをまとめやすいですし、論文を並べて紹介したときに勢いが出せるのではないかと思います。1は孤独な数字と著者は言いますが、2でもまだ不十分で、最低3、3以上の数字が必要なのではないかというのが自分の個人的な印象です。

そうなると、論文が何本も書けるような大きなテーマに取り組まないといけないわけで、研究にとりかかる前にそのへんをしっかりと考える必要があるでしょう。目先の簡単にできる小さなテーマに飛びついてやらないことが大事です。

10-2 インパクトを高める方法
10-3 やめておいた方がよい執筆
10-4 どうやって全部書くか

最後のこのセクション10-4では、どうやって先延ばしを止めて、書き始め、書き続け、書き上げるかのヒントが書いてあります。ここは前作に近い内容だと思います。

困った習慣や考え方が身についてしまっているから書けないだけだ。

とにかく、書くことをルーチンにすれば必ず書けるというのが著者の主張です。

 

参考

  1. できる研究者の論文作成メソッド 出版社書籍紹介サイト

 


 


 


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