2014年(平成26年)9月27日11時52分に長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山が噴火し、登山者ら58名の死亡が確認され5名が行方不明のままです。この噴火で亡くなった5人の遺族が、国と県に対し総額1億5000万円の損害賠償を求める訴えを今月25日に起こすことがわかりました。
気象庁などは噴火前の2日間にわたって1日50回以上の火山性地震を観測していたにもかかわらず、噴火前に噴火警戒レベルを引き上げなかったこと、山頂付近に山頂周辺などに設置していた3つの地震計のうち2つが故障していたにもかかわらず故障を放置していて精度の高い観測ができなかったことが、提訴の理由として挙げられています。
気象庁のデータをみると、噴火に先立ち、2014年9月に入ってから地震の回数が増加している様子がわかります(下図)。
(図:気象庁作成のグラフを着色し(1、2段め)、重ね合わせた(3段目))
参考
- 気象庁ホーム > 各種データ・資料 > 火山観測データ > 御嶽山の火山観測データ
- 2014年の御嶽山噴火 (ウィキペディア)
- 御嶽山噴火災害で遺族が国と長野県を提訴 「国は警戒レベル上げず」「県は地震計の故障を放置」(産経ニュース 2017.1.17):”58人が死亡、5人が行方不明となった平成26年9月27日の御嶽山噴火災害で、噴火前に噴火警戒レベルを引き上げず、山頂付近の地震計の故障を放置して適切な観測を行う義務を怠ったとして、長野県内外に住む5遺族が国家賠償法に基づき、国と県に総額1億5千万円の損害賠償を求める訴訟を長野地裁松本支部に起こすことが17日、分かった。”
- 御嶽噴火、5遺族が国・県を賠償提訴へ 「警戒レベル不適切」(日本経済新聞 2017/1/17):”58人が死亡、5人が行方不明となった2014年9月の御嶽山の噴火災害で、5遺族が国家賠償法に基づき、国と県に総額1億5千万円の損害賠償を求める訴訟を長野地裁松本支部に起こすことが17日、遺族らへの取材で分かった。”
- 御嶽山噴火の遺族 国と長野県に損害賠償求め提訴へ(NHK NEWS WEB 2017年1月17日):”58人が死亡、5人が行方不明となった3年前の御嶽山の噴火災害で、亡くなった5人の遺族が、噴火前に噴火警戒レベルを引き上げなかったほか、山頂付近にある地震計の故障を放置していたとして、国と県に対し総額1億5000万円の損害賠償を求める訴えを起こすことになりました。”
- 御嶽山噴火で遺族が提訴へ 国と県に1億5千万円請求朝日 (新聞DIGITAL 2017年1月17日):”2014年9月27日に起きた御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火災害をめぐり、死亡した登山者5人の遺族が、国と長野県を相手に総額1億5千万円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を起こす。”