京都府立医科大学が2013年7月11日に出した調査結果によると、松原弘明教授(2月に退職)が実施した日本人の高血圧患者約三千人のデータに基づく臨床研究で、「ディオバンがほかの降圧剤より脳卒中や狭心症を減らせる」と結論づけたことに関して、「この結論には誤りがあった可能性が高い」ということです。
「誤り」という言葉は曖昧です。要するに、捏造、でっち上げということです。ディオバンは年間の売り上げが約一千億円以上にもなるノバルティス社の看板商品。京都府立医科大学の学長は記者会見で、刑事告発なども視野に協議していると話したそうです。
この臨床研究にはノバルティス社の社員が参加していたこと、松原教授の研究室にはノバルティス社から一億円を超えるお金が寄付されていたことなどから、これは誰か一人の犯罪というよりも、組織ぐるみのより大きな枠組みの中で起きた事件といえそうです。
参考
- 降圧剤問題 臨床データ操作判明 京都府立医大「論文、誤り濃厚」(東京新聞2013年7月12日 朝刊)
- 京都府立医科大学によるバルサルタン医師主導臨床研究に係る調査報告発表に対するノバルティス ファーマの見解(ノバルティス ファーマ ウェブサイト)
- ノバルティス ディオバン(バルサルタン)臨床研究データ捏造疑惑 追求ブログ: ノバルティスファーマ社員の白橋伸雄氏が身分を隠して多数の降圧剤バルサルタンの臨床研究(臨床試験)の統計解析に関与していことが判明。果たして、データ捏造への関与はあるのか?会社ぐるみの詐欺的販売促進活動か?(http://diovan-novartis.blogspot.jp/)