日本の科学と技術

早稲田大学博士論文不正認定も学位は取消さず

STAP細胞論文捏造事件に絡んで小保方晴子氏の出身大学である早稲田大学における博士論文不正が問題になりました。早稲田大学は調査委員会を立ち上げて不正の解明に当たってきましたが、ついにその調査結果が公表され、ニコニコ生放送で中継されました。

博士論文の実験結果の図が、コスモバイオなどのウェブサイトから写真を転用していたことが明らかになったことが不正を裏付ける決定的証拠とみなされたにもかかわらず、「あれは下書きでした。」と言ってのけた小保方晴子氏のあの発言はあまりにも衝撃的でした。あの時、誰もが妄言と受け止めたはずです。

ところが、今日、あの日よりもさらに大きな衝撃が走りました。早稲田大学は、小保方氏の「下書き」という妄言を認め、あとから提出された博士論文を受け入れたのです。実験ノートはほとんど確認できなかったと認める一方で、該当する実験は行なわれたものと認定。早稲田大学の学位授与の過程はでたらめすぎて、もう言葉を失います。

副査に名を連ねていたハーバード大学のバカンティ教授は、小保方氏の博士論文を読むように頼まれたことはないと発言していたにもかかわらず、その点に関しては記者会見でも回答は言葉を濁されていました。記者会見の受け答えを聞く限り、早稲田大学はバカンティ教授に対して正式なコンタクトを取らなかったようです。これでは、まともな調査だったとは到底考えられません。

小保方 学位取り消さない早稲田調査委に「納得いかない」記者が続出7/17【全】

【会場のご案内】2014/07/17(木) 開場:16:50 開演:17:00

理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、2011年に
早稲田大学大学院先進理工学研究科で博士号を取得した論文に
文章や画像の流用が指摘された問題で、同大学が2014年3月31日に設置した
「大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」
による調査報告書が、7月17日中に鎌田薫 早稲田大学総長に提出される予定です。
大学側は小保方氏に授与した博士号の取り扱いを検討する方針です。

ニコニコ生放送では、小林英明 調査委員会 委員長による記者会見の模様を
生中継でお届けいたします。

小保方氏の博士論文は、1月にSTAP細胞論文を発表した後、ネットで
問題点が指摘されました。英語で書かれた約100ページの論文のうち、
冒頭の約20ページの文章が米国立衛生研究所のサイトとほぼ同じ記述だったほか、
実験結果の画像としてバイオ系企業のサイトに掲載された写真を
切り取って使ったのではないかと疑われています。

【出席者】
小林英明 調査委員会 委員長(長島・大野・常松法律事務所 弁護士)

http://live.nicovideo.jp/watch/lv186404938

参考

  1. 早稲田大学 常田聡 研究室の博士論文のコピペ疑惑 他者著作物との類似性が見られた博士論文  (計23報)
  2. 小保方氏の博士論文、盗用疑惑の調査公表へ 早大 (産経ニュース2014.7.16 21:18):理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの博士論文に文章や写真の盗用が疑われた問題で、早稲田大は16日、調査委員会の結果を17日に公表すると明らかにした。
  3. 博士学位取り消しについて 早稲田大学 2013/10/21 早稲田大学は、下記のとおり、不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明しましたので、当該学位について、授与の取り消しを決定しました。現在、本人に学位記の返還を求めています。(注:後日学位記の返還があった。2013年12月26日追記)
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