日本の科学と技術

Nature姉妹紙Communications Biology

ネイチャーブランドの雑誌(ネイチャー、ネイチャーの名前を冠する姉妹紙)やサイエンティフィックレポーツを発行してい出版社シュプリンガーネイチャーが、新たにオープンアクセスジャーナルCommunications Biologyを創刊しました。最初の論文は、2018年1月22日付けで公開されています。

ネイチャーシュプリンガー社の人気オープンアクセスジャーナルとしては、Nature CommunicationsとScientific Reportsがありますが、Communications Biologyは、投稿規程の記述によるとその中間のランクに位置づけられていることがわかります。

Communications Biology は、Nature Researchが提供するオープンアクセス・ジャーナルで、生物科学の全分野における高品質な論文・総説・論評を出版します。本ジャーナルで出版される論文は、特定の研究分野に新たな生物科学的知見をもたらす重要な進展情報です。

NatureおよびNature 関連誌はその編集過程において、影響度と重要度に関する最高レベルの審査基準を採用しています。学際的オープンアクセス・ジャーナルのポートフォリオ内で先駆けとなったNature Communications は、編集過程において高度な審査基準を採用し、特定分野の専門家にとって重要な進展情報を出版しています。Communications Biology は、Nature Communications を補完する役割を担っています。すなわち、生物学において比較的専門性の高いコミュニティーが注目する可能性のある重要な進展情報を出版する一方、広範な影響度・重要性を考慮したNature関連誌(Nature Communications を含む)の高度な編集基準を満たさない進展情報を提供しています。

論文が1つのNature・Nature 関連誌により不受理となった場合、自動原稿転送サービスを利用して、Communications Biologyに投稿することができます(当該原稿を担当したエディターから投稿先リンクが提供されます)。

Communications Biologyにより原稿が不受理となった場合、著者は同一の原稿転送サービスを利用して、Scientific Reports や他のNature Research出版誌に投稿することができます。

(投稿規程より)(太字強調は当サイト)

 

Communications Biology fills a specific need within the Nature Research portfolio for a high-quality, broad-scope biology journal publishing work of importance to fellow researchers without the need for articles to be of broad, general interest outside a specialist community—a theme that extends to our sister journals, Communications Chemistry and Communications Physics. (Introducing Communications Biology. Editorial)(太字強調は当サイト)

 

生物分野だけでなく、化学、物理の分野でも同じ位置づけのオープンアクセス専門誌が創刊されます。オープンアクセスという特性、雑誌の名前の付け方、ロゴデザインからすると、「Nature Communicationsの姉妹紙」というブランディングのようです。

 

Communications Chemistry

Communications Chemistry is an open access, peer reviewed journal that will publish research, reviews and commentary in the chemical sciences. We will be publishing our first articles in early March.

 

論文が1つのNature・Nature 関連誌により不受理となった場合、自動原稿転送サービスを利用して、Communications Chemistry に投稿することができます(当該原稿を担当したエディターから投稿先リンクが提供されます)。

Communications Chemistry により原稿が不受理となった場合、著者は同一の原稿転送サービスを利用して、Scientific Reports や他のNature Research出版誌に投稿することができます。

(投稿案内より 太字強調は当サイト)

 

Communications Physics

Launching soon!
We will publish our first articles in late February.nature.com/commsphys/

Communications Physics は、Nature Researchが提供するオープンアクセス・ジャーナルで、物理科学の全分野における高品質な論文・総説・論評を出版します。本ジャーナルで出版される論文は、物理学の特定の研究分野に新たな知見をもたらす重要な進展情報です。また、専門分野にかかわらず、全ての物理学者にとって重要な課題を審議するフォーラムを提供することを目指します。

論文が1つのNature・Nature 関連誌により不受理となった場合、自動原稿転送サービスを利用して、Communications Physics に投稿することができます(当該原稿を担当したエディターから投稿先リンクが提供されます)。

Communications Physics により原稿が不受理となった場合、著者は同一の原稿転送サービスを利用して、Scientific Reports や他のNature Research出版誌に投稿することができます。

(投稿案内より 太字強調は当サイト)

 

Nature Communications

Nature Communications はオンライン限定の学際的ジャーナルです。生物科学、化学、物理科学のあらゆる領域を対象範囲とし、さまざまな専門分野における高品質な重要論文を掲載することをめざします。

Nature は、これからも科学の最も重要な進歩を出版し続け、Nature 関連誌は、各専門分野における画期的な論文を掲載します。Nature Communications には、科学の領域における質の高い論文が掲載されますが、必ずしも Nature や Nature 関連誌に掲載される論文ほど広範囲にわたる科学的影響力をもつ必要はありません。むしろ、特定の科学分野でかなりの注目を集める研究の進展であることが期待されています。

他のNature、Nature 関連誌で論文原稿が不受理となった場合、著者は、論文原稿の自動転送サービスを利用して、原稿をNature Communications に投稿することができます。

(投稿規程より 太字強調は当サイト)

 

参考

  1. ネイチャー・リサーチがオープンアクセスのポートフォリオを大幅に拡大し、Communications Biology、Communications Chemistry、Communications Physicsを新たに創刊 (natureasia.com 2017年9月6日) ネイチャー・リサーチは、オープンアクセス誌のポートフォリオを拡大し、高品質の選び抜かれた論文を掲載する学際的なオープンアクセス・ジャーナル3誌、Communications Biology、Communications Chemistry、Communications Physicsを新たに創刊します。これら3誌は、オンラインジャーナルとして、CC-BYライセンスのもと、オープンアクセスのコンテンツを出版します。ネイチャー・リサーチでは、著者に提供するオープンアクセス出版の選択肢を拡げるための継続的な取り組みを行っており、今回の3誌の創刊もその一環として決定されました。これにより、すでに世界最大のオープンアクセス出版社であるシュプリンガー・ネイチャーが出版するオープンアクセス・ジャーナル群がさらに充実します。
  2. Comms Physics@CommsPhys A new @nresearchnews journal that will publish high quality primary research, reviews and commentary in all areas of the physical sciences.
  3. Nature Research@nresearchnews Bringing you the latest research and science news from Nature Research.
  4. The Nature family of journals
  5. ネイチャー・リサーチは、シュプリンガー・ネイチャーの一部です。
  6. シュプリンガー・ネイチャーは、研究、教育、専門領域において世界をリードする出版社の1 つです。
  7. Nature Communications Q&A (Science in the Open 16 November 2009):”At present NPG does not provide a rapid publishing opportunity for authors with high-quality specialist work within the Nature branded titles. The launch of Nature Communications aims to address that editorial need.”
  8. Scientific Reports についてよくある質問)Scientific Reports の出版基準は? Scientific Reports は、「技術的妥当性がある」という基準を満たした原著論文を掲載します。論文の査読は、この基準のみで行われます。個別論文の重要性については、出版後、読者の判断にゆだねます。Scientific Reports の対象範囲は?Scientific Reports の対象範囲は、ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)の得意分野である自然科学と臨床科学を反映しています。
  9. 合併の完了によりシュプリンガー・ネイチャーが設立 (Springer.jp 2015/05/07) シュプリンガー・サイエンス+ビジネスメディアとマクミラン・サイエンス・アンド・エデュケーションの大半の事業の合併が、欧州連合や米国司法省などの主要な公正競争監視機関により承認されました。新会社の名称は「シュプリンガー・ネイチャー(Springer Nature)」となります。
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