Monthly Archives: June 2017

データ捏造論文が生まれる瞬間 実況説明

以前も紹介しましたが、2008年12月 日本分子生物学会 若手教育シンポジウム 記録全文『今こそ示そう科学者の良心2008 -みんなで考える科学的不正問題-』(PDF)の中の、夏目徹氏による分析を再び紹介したいと思います。現場を知る研究者にしかわからない、データ捏造の心理メカニズムを理解する一助になります。

不正論文が告発され調査委員会が不正の有無を認定し報告書をまとめる際、単に個々のデータに関して不正の状況を明らかにしてお終い、では誰も納得しません。研究組織を改編したところで、中にいる人間の中身が変わらない限り同じことが起きます。ここに示されたような徹底的な心理分析を行ってその結果を公表しないと、真に効果的な再発防止策は生まれてこないでしょう。

(以下、本文部分は議事録中の夏目氏の発言の一部を転載したもの。見出しは当サイトによる)

 

データ捏造の心理メカニズム

捏造が生まれる瞬間、捏造の温床、それから、まさに捏造が発覚する瞬間というのをですね、まあ幸か不幸か、自慢にも何にもならないんですが、結構な数を見てしまいました。それを見てしまってですね、その後、何が見えてきたかということなんですけども、だいたい私の見るところによると、捏造というのは4つのパターンに分類されます。

 

捏造レベル1

基本的には、まずボトムアップ型というのが非常に基本的ですね。ボトムアップ出来心。あなたが実験をやったとします。「ここに、バンドが出ればなぁ…」、「この濃淡がひっくり返ってくれたらなぁ…」なんて思いながらですね、ついデータをいじってまった。これは全く遊びでやったんですけども、やってるうちに何か妙に熱中してくるんですね。「この濃淡、意外に自然じゃないか」とかですね。悪いことにですね、それをボスに見つかっちゃうんですよ。「お、A君、やったな、とってもいいじゃないか」、「いや、先生これは…」、「よくやったな。君はいつかやってくれると思ってたんだ」、なーんてやってるうちにデータが一人歩きしてですね、言い出せなくなってしまう。で、それがパブリッシュされる。それがたまたま某プレミアムジャーナルで、記者会見までしてしまって・・・。最悪のパターン。これはボトムアップ出来心型という、一番レベルの低い捏造です。

 

捏造レベル2

レベル2というのはですね、ボトムアップ確信犯型というやつですね。レビューアーから「確かめの実験をしなさい。ここの再現性をもう少し見なさい」、あるいは「このデータは数値が少し差が少ない。もう一回確認しなさい」。これはもう何回やったって同じだと。でもしょうがないからやろう。やろうと思ったんですが、それをやるにはですね、抗体が要るんですが、「あっ、抗体が切れてる。ストックが尽きた。しょうがない、ハイブリドーマを起こさなきゃいけないな」。そしたらですね、もう正月休みだったんですね。正月返上で、レビューアーが、「リバイズしなさい」。誰もいない正月の研究室で、ストックを開けてみたらですね、液体窒素が切れてるんですよ。(笑)ハイブリドーマ全滅。どうしようと途方に暮れてる時に除夜の鐘がボ~ンなんて鳴ってね。僕がやったんじゃないですよ。そこで、ですよ。ところが、それで仕方ないと途方に暮れてエクセルに向かってですね、カシャカシャ…。そこに立ち話をしにボスが来たっていうのも知らないのに、やってしまった。というのもあるんですね。これがボトムアップ確信犯型です。どうせバレない。これは非常にたち悪いです。最近ハイテク化したので、こういうのをほぼ生業としているプロの方もいらっしゃって、皆さん「えっ?!」と思うような、ものすごい手口があるんです。それはなかなか見破られません。

 

捏造レベル3

それから、次のレベル3は、もっとたち悪いですね。ボトムアップがあるということは、当然トップダウンもあるんですね。トップダウン恫喝型というのがありますけれども。これはですね、ボスが非常に思い込みの激しい情熱家だったりする場合が多いんですけども、このストーリーの実験でこういうデータが出るまで絶対許さない。データを出さない限りは家にも帰っちゃだめ。全くコントロールと差のないデータを先生に出しても、「心の目で見てみろ」とすごいことを言われて… 泣く泣く捏造に近いことを、なかば強制される。恫喝される。これをトップダウン恫喝型って言うんですね。で、これはレベル3です。

 

捏造レベル4

レベル4はどういうやつだと思いますか? トップダウン洗脳型というやつです。これはですね、これは私、見て本当に驚いたんですけども「捏造は悪ではない」。こんなのやったってやんなくても変わらないようなものはやる必要はない。それによってコストと人件費を大幅に節約できるのだと。「だからバレそうもない捏造は大いにやりなさい」というようなことを激励するような人を、私はたった1人ですが、見たことがあります。(笑)

 

研究不正を防ぐためにPI(研究室主宰者)ができること

実はボトムアップというのも、出来心っていうのもですね、これは、実はボスの責任ですね。PIの責任ですね。そんなうかつにいいデータが出たのを喜んじゃいけないんです。きちんとしたモラルがあれば、こういう捏造というのは未然に防がれるはずです。それからですね、先ほど非常にたち悪いと言いました確信犯型ですね。ボトムアップ確信犯型。もう全然最初からモラル、ある一種の精神異常者に近いと言われてますけど、犯罪が嬉しいんですよね。で、そういう人たちというのも、実はですね、ボスの目から、PIの目からは見えないんですけども、そういうことをやる人間ってやっぱり、何となく雰囲気がおかしいので、周りの人間には何となく伝わってるんです。ということは、ボスがですね、周りの人間によく話を聞いて、データが出た時、ビッグデータが出た時、それをいろんな人間に意見を聞いて検証すれば、これも実は未然に防げるんです。
私の意見としては、鉄則としてはですね、若手の方に「モラルを持って良心を示せ」というPRをもっとしっかりしなきゃいけない。それからですね、先ほども議論があったと思うんですけども、恫喝型の捏造をやむなくしなかった人というのは、ものすごい苦しかったと思うんですね。やっぱり告白する場所がないというのが非常に大変で、ましてや洗脳されなんかしたりすると、悪い宗教に引っかかっちゃったようなもので、抜け出すの大変ですよ。ということは、4つのタイプの捏造も、実際はそのミックスのタイプなんですけども、だいたいの原因、捏造を生む温床というものは、まあ我々自身、研究所のスタッフがつくっている。というふうに私は思ってですね、全然趣旨のない、関係のない話をしました、どうもすみませんでした。

引用元:http://www.mbsj.jp/admins/ethics_and_edu/doc/081209_wakate_sympo_all_final.pdf

 

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東大分生研渡邊教授が論文不正疑惑を説明

NHKニュースなどによれば、東京大学分子細胞生物学研究所の渡邊嘉典教授はOrdinary_researchersによって告発された論文に関して、コメントを発表しました。また、告発で指摘された図表に関して説明した文書、および、雑誌編集者とのやり取りなど論文の訂正に関する対応状況を説明した文書を、関連分野の研究者らに対して開示しました。

 


写真:NHKニュースサイト(既にリンク切れ)の画面のキャプチャー

 

 

Corrections in our papers

コミュニティーの皆様へ                           2017.6.17
このたび東京大学に対する匿名の論文不正の告発があり、私どもの研究室から出された7報の
論文について全てのデータに渡る詳細な調査を受けることになり、研究室を上げて全面的に調
査に協力してきました。8ヶ月に及ぶ調査の結果、5報の論文において、いくつかのデータの表示
において不適切な操作およびミスがあったことが調査委員会により指摘されました。私は今回の
調査結果を真摯に受け止め、これらの論文の責任著者として、論文に正確さに欠ける図表が
載ってしまったことに大きな責任を感じております。指摘を受けたいずれの記載も、当該論文自体
の科学的な結論に影響を与えるものではないと考えておりますが、論文の訂正あるいは取り下
げに関しましては、掲載誌と相談した上で最も適切な処置を速やかにとらせて頂く所存です。私
どもの論文疑惑が関連分野の研究者の皆様をいたずらに惑わすことのないように、委員会より
不適切の指摘を受けた記載についての詳細な情報と、それに対する生データに基づいた修正を、
以下に開示いたします。このたびの私どもの軽率な行いにより、研究者コミュニティーの皆様には
大変なご迷惑をおかけしましたことを心より陳謝いたします。
東京大学分子細胞生物学研究所 染色体動態研究分野 渡邊嘉典

 

追記(20170622):Science誌のニュース欄で、渡邊氏が開示した文書Corrections in our papers全文のリンク(link on a personal website)を含む記事が報道されています。

Watanabe goes through the 23 allegations one-by-one in a document placed in a Dropbox reached by following a link on a personal website. He explains where he believes Ordinary_researchers went wrong or misunderstood the image.
(University of Tokyo scientist hit by anonymous allegations fights back By Dennis Normile Science News Jun. 21, 2017 , 1:00 PM)

指摘された図の生データを開示した例が見られるほか、大半の指摘箇所に関しては調査委員会に対して生データ(”original data”)を呈示したという記述がみられます。

  1. We showed unassembled original data, validating the conclusion.
  2. We showed original data. Figures were correctly assembled (Potential aberration in figures pointed by this accuser can be explained by the limited ability of powerpoint operation).
  3. Original data show identical error bars. But another issue arose through the investigation (see Corrections in our papers).
  4. We showed the original image, which excluded the possibility of a copy and paste. However, a faint band in the IP IgG lane was partly erased by flaFening (see Corrections in our papers).
  5. We showed original data. No image manipulation occurred.
  6. We showed original data. All figures were correctly assembled. In graph e, the fold enrichment to the arm region (zfs) is shown (as described in the legend). Therefore, a set of zfs scores is always ‘1’.
  7. We showed original data. Graphs were correctly assembled.
  8. We showed original data. Graphs were correctly assembled.
  9. We showed the original pictures. All pictures were similarly assembled from two parts in the same plate, so they are valid. Erroneously introduced different adjustment does not influence the conclusion.
  10. The original data indicate that there are minus scores in the ChIP assays. The indicated error bars derive from scores near zero or minus. Graphs were correctly assembled.
  11. We explain that the plates contain phloxin B so that the dead cells become darker. No image manipulation occurred.
  12. We showed original graph, which we traced to produce the published version.
  13. We showed original data in all these panels. No image manipulation occurred. The accentuated contrast, however, erased faint bands in the panels of Tubulin (Fig 3e), CAP-H (Fig 3g), Cdc13 (Fig 5a) and Ac-n (Fig S16) (see Corrections in our paper).
  14. We showed original data. No image manipulation occurred.
  15. These are artifacts arising from the PDF conversion. We showed the original data in Powerpoint file. No image aberration occurred.
  16. We showed original data of all panels, including the right upper panel. Although the leZ two panels derive from the same sample, these were concatenated to assemble the published figure (see Corrections in our papers).
  17. We showed original data in the Excel file. These errors were caused by a mis-calculation of the Excel file (see Corrections in our papers).
  18. We showed original data. No image manipulation occurred.
    (出典:Accusation(E).pdf 太字強調は当サイトによる)

 

報道

  1.  University of Tokyo scientist hit by anonymous allegations fights back (By Dennis Normile Science News Jun. 21, 2017 , 1:00 PM)
  2. 東大教授、実験データ“改ざん”研究不正か (日テレNEWS24 2017年6月21日 02:46):”不正が認定されるのは、東大・分子細胞生物学研究所に所属する50歳代の男性教授。教授は、2003年から2016年にかけてアメリカの科学誌「サイエンス」などに掲載された染色体などに関する複数の論文で、実際には行っていない実験のデータをねつ造したグラフを掲載したり、顕微鏡画像の色や明るさを加工して、実験結果に差があるかのように改ざんしたという。” (注:下線太字の強調は当サイトによる)
  3. 東大論文「不正の疑い」 調査委が報告書案 (日本経済新聞 2017/6/20 20:37):”東大では、渡辺教授を含めた生命科学系や医学系の教授6人を責任著者とする計22本の論文に不正の疑いがあるとの告発があり、外部の有識者らで構成する調査委が調べていた。〔共同〕”
  4. 東大教授、科学論文で不正…顕微鏡画像を加工か (読売新聞 YOMIURI ONLINE 2017年06月20日 07時14分):”東京大学は、同大分子細胞生物学研究所(分生研)に所属する50歳代の男性教授が発表した複数の科学論文について、画像の改ざんなどが行われていたとして、研究不正と認定する方針を固めた。… 学内で調査した結果、教授が中心となって2015年までに発表した染色体にかかわる論文で、顕微鏡画像の色や明るさを加工し、実験結果に差があるように見せかける改ざんなどが少なくとも3本の論文で判明したという。調査に対し、教授は「分かりやすくした」と釈明しているという。”
  5. 東大教授が論文の訂正など検討 大学は不正ないか調査 (NHK NEWS WEB 6月19日 17時01分):”東京大学の教授が、ネイチャーなどの科学雑誌で発表した分子生物学の論文5本について、「正確さに欠ける図表が載ってしまった」として、論文の訂正や取り下げについて検討を始めたことがわかりました。”

 

参考

 

更新 20170625 東大分生研の捏造ラボに関するツイートを参考に追加 20170622 サイエンス誌の記事を追加、投稿記事タイトルにも追加 20170620 読売新聞等の報道を追加

 

 

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東大医学部の疑惑論文等を画像ソフトで確認

対立する主張

ネットには真偽不明な情報が氾濫しています。正反対の主張を目にしたとき、どちらを信じればよいのでしょうか?

Ordinary_researchersの主張

東京大学は、この夏に2回にわたって届いた研究不正の告発書を受けて、規程に従って予備調査を行い、正式に調査に入ると9月20日に発表した。医学部を中心とした6つの研究室から出ている合計22本の論文で、不自然な点があるという。6つの研究室の主宰者は、いずれもその分野では名前の知れた大物教授ばかりだ。国から受けている研究費の額も大きい。 (ヤフーニュース 2016/10/15)

告発された東大教授らの一人の反論

“This is a totally groundless and false accusation by a faceless complainant,” Kadowaki told ScienceInsider in an email. “We have absolute confidence in all of our data,” he wrote. (University of Tokyo to investigate data manipulation charges against six prominent research groups.  Science News ScienceInsider By Dennis Normile Sep. 20, 2016)

 

自分達の実験データに絶対的な自信があるというのであれば、実験ノートを見せて実験が行われていた事実を示し、生データを全て開示して、エラーバーをいじった棒グラフに関してp値を計算して有意差が確かにあることをみせてほしいものです。

 

Ordinary_researchersの告発文書 Documents of accusation by Ordinary_researchers

Ordinary_researchersは告発文書には、論文の図のおかしさが言葉と図で説明されています。

  1. http://ow.ly/d/5cvq (12ページPDF はじめに~ 2016年8月14日)(PDF コピー
  2. 告発文1 5cvq.pdf )
  3.   http://ow.ly/d/5cvr (5ページPDF 研究資金リスト 2016年8月14日)(PDF コピー 告発文2 5cvr.pdf
  4. http://toudai20168.up.seesaa.net/image/E5918AE799BAE69687EFBC93.pdf(52ページPDF  不自然なデータの指摘 2016年8月14日) (PDF コピー 告発文3.pdf  )
  5. 追加の告発文 http://toudai20168.up.seesaa.net/image/E69DB1E5A4A7E5918AE799BAE7ACACE4BA8CE5BCBE20-20E382B3E38394E383BC.pdf (2016年8月29日)(PDFコピー

 

報道でも、不正が疑われる図の解析手法について、説明があります。

ベクトルデータの図は、Adobe Illustratorなどの作図ソフトで開くと、誌面上では1枚に見えるグラフが、X軸、数字、棒グラフのデータの棒の枠、塗りつぶしにするための黒い長方形、エラーバーを構成する横棒と縦棒など、いくつもの構成要素(オブジェクト)から成り立っていることがわかる。そして、個々のオブジェクトをずらしたり、消したりできるのだ。告発の対象になった論文で、棒グラフのデータ本体の棒を横にずらしたり削除したりすると、エラーバーがデータの下に埋め込まれていた例が多数あった。また、本来であれば1枚の図であるはずなのに複数のパーツからできていたり、あるパーツを90度回転させると、別の図でのパーツに酷似していたりする。(論文不正の告発を受けた東京大学(2) その解析方法の衝撃 ヤフーニュース 2016/10/15

 

DIY: Exposing hidden error bars in Nature papers

ところで、一次情報である論文にアクセスできる場合には、真偽のほどを自分で判断することが可能です。しかし、告発された論文の図をウェブサイトで確認してみると、JPEG形式になっており、自分も最初そうでしたしたが、どうしてあのような解析ができたのかがわからない人もいるようです(897)。そこで、告発文書で指摘されている疑惑のごく一部ではありますが、「棒グラフの背後に隠されたエラーバー」、および「使いまわされた同一のエラーバー」を実際に確認してみたいと思います。高価なアドビイラストレーターがなくても、フリーウェアで事足ります。どちらの主張が本当にgroundless(事実無根)なのか、是非ご自分の目で確かめてみてください。

 See which claim is groundless and make your own judgement

用意するもの What you need

  1. インターネットがつながるパソコン A PC with an Internet connection
  2. ベクター形式の図を取り扱える画像編集ソフト。Inkscape(インクスケープ)(無料)やアドビイラストレーター(有料)など。Vector graphics software
  3. 疑惑論文PDFへのアクセス権 Access to the paper PDF of your interest

 

手順 Step-by-step instructions to reveal hand-written error bars

ベクター形式の図を含む論文PDFの入手 Get the full paper in PDF format, not each JPEG image

不正が疑われている論文のPDFを入手します。図単体のJPEGファイルは、ベクター形式でないため解析できません。必ず論文のPDFを入手してください。もちろんPDF中の画像がベクター形式でないような論文の場合、この解析は適用できません。

一つめの例として、告発文書で指摘された東大医学部の論文の一つ、Adiponectin and AdipoR1 regulate PGC-1α and mitochondria by Ca2+ and AMPK/SIRT1をみてみます。まずは、PDFをダウンロードします。


Fig. 1, On the website, the bar graphs seem to show significant differences. 例として用いた論文の図。解析のためには、このような図単体の画像ファイルではなく、論文全体のPDFに含まれる図を対象とする必要がある。

 

画像編集ソフトで論文PDFを開く  Open the PDF in Inkscape and “un-group” the objects in the PDF

この論文PDFをInkscapeで開きます。これで、図の個々のオブジェクトを編集できる状態になります。ただし、論文によっては図を構成するオブジェクトがグループ化されている場合もあるので、その場合は個々のオブジェクトがばらばらになるまで「グループを解除」する必要があります。

それではいよいよ、バーグラフを構成するオブジェクトのうち、白色や黒色に塗られた部分に相当するオブジェクトを脇にどけてみます。今回の例では、棒グラフの枠の部分のオブジェクトと、内部のオブジェクトが重なって配置されていましたが、クリックを繰り返すことにより選択するオブジェクトを変更できました。

Fig.1a, bの白塗り、あるいは黒塗りのオブジェクトを上の方に全部ずらしてみると、告発文書の説明通り、エラーバーが棒グラフの中に深く埋もれている様子が露わになりました(下図)。


Fig. 1, If you open the paper PDF in Inkscape or Adobe Illustrator, and put aside some objects on the bar graphs, the hidden parts of the error bars come into sight. You can find similar inappropriate data presentation all over this paper, as Ordinary_researchers pointed out in the documents.

この論文のほかの棒グラフも同様に処理してみると、驚いたことに全てのグラフでこのようになっています。

 

2つめの例として、東大医学部の別のラボから出たこの論文HIF-1α-PDK1 axis-induced active glycolysis plays an essential role in macrophage migratory capacityを見てみましょう。

 

告発文書によれば、この論文の図4のバーグラフでは、なんとエラーバーの長さが複数のグラフに対して2種類しかないそうです。先ほどと同様に論文のPDFファイルInkscapeで開きます。不自然な箇所の指摘は多数ありますが、とりあえず、Figure 4a i のグラフに絞ってみてみます。ここには9個の棒グラフおよびエラーバーがありますが、エラーバー以外を全て取り去り、「グループ解除」「グループ化」「整列」「配置」などを使って、エラーバーの高さがわかりやすいように整列させてみました(下図)。告発文書の指摘通り、9つのエラーバー(標準偏差)なのに、大きさが2種類しかありません。


Fig.4a i, When aligned, it becomes obvious that some error bars are identical to each other. You can find similar inappropriate data presentation in other graphs in this paper, as pointed out by Ordinary_researchers in the documents. Semba et al., 2016 Nat Commun Fig.4a iで用いられていた9つのエラーバーを整列させたところ、高さが2種類しかない

 

2022年12月25日追記:余談ですが、大文字のTをエラーバーに使ってましたっていう論文がリトラクションウォッチに紹介されてました(下のツイート)。この撤回論文はもうジョークでしかないですが、上の東大医学部の論文も、この撤回論文とやっていることが大差ないように自分には思えます。しかし、東大は何の理由も述べずにこれらの疑惑論文に不正は認められないと主張しました。そのため、上の論文は撤回されることもなく、今(2022年12月現在)でも生きています。つまり、東大の研究業績として、東大に公的補助金が流れ込むのに貢献しているというわけです。ジョークとして笑いとばすことは全くできません。実験値を表さないような棒グラフを適当に手で描いたり、エラーバーを手作業でいじるのは研究不正には該当しないとか、統計ソフトを使えば手作業を入れる余地がないにもかかわらず、手作業を挟むのが通常の論文作成の作法だなどとのたまうような大学が、10兆円ファンドの対象となる国際卓越研究大学に選ばれるのって、何かの悪い冗談ですか?って内心思います。

 

 

3つめの例として、東京大学分子細胞生物学研究所(分生研)からの論文Condensin association with histone H2A shapes mitotic chromosomes Fig.3dをみてみます。棒グラフの黒い部分を脇にどけてみると、おかしなエラーバーが現れます。図の説明によれば、Error bars represent s.e.m. (n=15 cells). ***,P<0.001. エラーバーはSEMだそうですが、やはり中に押し込んで短く見せかけています。

それだけでなく、上図3つのエラーバーを拡大して整列させてみると、大きさが同一で、しかもなぜかほんのわずか傾いていることがわかります。告発文書が指摘している通りでした。


(Fig.3d, When aligned, it becomes obvious that the error bars in Fig.3d are identical. For more detailed information, see the Ordinary_researchers’ documents.)

 

考察 Some thoughts

1番めの例のように、片側表示しているエラーバーが棒グラフの内側に入り込むなどということは、通常の論文図作成過程ではあり得ません。念のため、他の不正の疑いがない論文PDF中の棒グラフも試しましたが、このようなおかしなことは生じませんでした。この論文にはここで示した以外にも多数の棒グラフが含まれますが、ほぼ全てでエラーバーの陥没が認められました。エラーバーを短くして有意差があったかのように見せかける意図が伺われます。論文の主張を裏付けるはずの多数の実験データが、実はどれも”有意差無し”だったのだとしたら、実に衝撃的です。操作された図の多さからすると、「この実験で有意差が出てくれないと困る!」という切羽詰った動機によるものではなく、このような”作業”が常態化していることが伺われます。

2番目や3番目の例のように実験群のエラーバーがこんなふうに同一になることはあり得ません。標準偏差や標準誤差の計算すら端折って、コピペで同じエラーバーを使いまわしていることから、このような”作業”が常態化していることが伺われます。統計ソフトを使うと数値データからグラフを描くのはソフトが自動的にやってくれますので、エラーバーの位置や長さに関して手作業が介入する余地はありません。標準偏差や標準誤差の計算をはしょったどころか、計算に使うべき数値データがそもそも存在していなかった可能性すら考えられます。

 

結論 Concluding remarks

実験データを統計処理してグラフを描いた経験がある人であれば、これぞまさしくデータ捏造の動かぬ証拠と考えるのが普通でしょう。これがデータ捏造ではないというのであれば、東京大学の調査委員会や論文著者は、実験ノートを開示して実験が本当に行なわれていたことを示し、実験ノートに記載され図作成に用いられた全ての数値から有意差があることを計算してみせ、何の意図でどのような操作をすればこんなデタラメな図が作成できるのかを、研究者コミュニティおよび国民に対して早急に説明する必要があります。仮に、そういった情報の開示なしに「不正はありませんでした」と言われたところで、そんな根拠のない主張を受け入れる人はあまりいないでしょう。

 

(20170807追記) m3.comに調査書本文の一部と思われる部分が記載されていたので、転載しコメントを追加します。

【医学系研究科5教授の論文の調査結果の概要】
 調査においては、実験ノート、オリジナルデータの確認を行い、これらの全部または一部失われた場合は、関連する実験ノート、その他のデータ・記録の存在および内容を確認した。その結果、全ての論文について、実験は実施されたものと認められ、本件においては捏造はないと判断した。
 他方で、雑誌に掲載された論文の図および再現データ(出版社のWebサイト上の論文の図等から得られる「ベクトルデータ」から再現された数値データ)を確認したところ、ほとんどの図で、申立者の指摘するような、再現データとオリジナルデータは一致していないという事実が確認された。
 そのため、さらにその原因を調査し、不一致が改ざんによるものか否かの確認、検討を行ったが、いずれも改ざんによって生じたものとは認められなかった。(引用元:東大・分生研教授ら、5報の論文で不正行為 調査結果を公表、医学系研究科5教授は不正なし m3.com 2017年8月2日)

実に興味深いことに、東大の不正調査委員会は、「ほとんどの図で、申立者の指摘するような、再現データとオリジナルデータは一致していない」とOrdinary_researchersの指摘を認めました。生データが図に一致しない論文を出すのは、研究不正の定義そのものですから、事実上研究不正を認めた文言と受け取れます(少なくとも自分には)。

改ざん:データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。文科省

それにもかかわらず、東京大学は何の根拠も示さずに、図とオリジナルデータの不一致は改ざんではないと主張しています。改竄ではないと判断するならその根拠を説明すべきです。改竄ではないので調査内容は公開しないという主張は、論理が破綻しています。

 

 

このような不適切なデータを含む論文が、2016年8月14日付けの告発以来長期にわたって著者からの何の釈明もなく、訂正も撤回もされないまま現在に至るまで放置されています。何も知らない世界中の研究者らは今日もこの論文を読み、引用し続けていることが、論文のArticle metricsから伺えます。

 

追記(6月20日)

T大糖○△内科の論文著者の一人が「手作業でエクセル変換したらズレただけ」と釈明したというツイートを見かけました。仮にこの発言が真実だとすれば、この著者はズレる前のエラーバーの長さとズレた後のエラーバーの長さを見ていたということになります。研究者であれば実験結果のエラーバーの大きさは非常に気になることなので、これほど長さが変われば、気付かないはずがありません。仮に、気付かなかったという言い訳が出たとしても、質や量を考えればこれは「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる捏造」(文科省ガイドラインPDF)に該当すると思います。また、エラーバーがズレたのかどうかは別にしても、実験ノートに記録されているデータに対して正しい検定方法を適用した場合に有意差があること、さらに、このエラーバーの長さも再現されることを示す責任が論文著者にはあります。また、そのような調査を行ったかどうかを国民に報告する責任が、東京大学の調査委員会にはあります。

関連記事 ⇒ 医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大

 

参考

  1. 22報論文に関する調査報告書
  2. 東京大学病院糖尿病・代謝内科(科長 門脇 孝 教授)
  3. 東京大学医学部附属病院 循環器内科(小室 一成 教授)
  4. 東京大学分子細胞生物学研究所 染色体動態研究分野 渡邊 嘉典 研究室

 

論文不正疑惑のラボで起きていたもっと恐ろしい出来事

研究をやってきた人間としては、トップジャーナルの論文の図の棒グラフやエラーバーが全部デタラメという様を見せつけられるのは、一般の人が人殺しの現場を見せられるくらいのおぞましさじゃないかと思います。ところが、上で紹介した臨床系のラボが関わった東大病院の手術でトンデモないことが起きていたという報道がありました。手術で患者さんが亡くなったのですが、その経過を読んだら、基礎研究の論文におけるデータ捏造のおぞましさが吹っ飛ぶくらいの衝撃を受けました。

  1. シリーズ「検証東大病院 封印した死」(TANSA (旧称:ワセダクロニクル))

 

更新:20180221 誤字訂正 20170814 記事タイトルを短く「東大医・分生研論文疑惑を画像ソフトで確認」と変更していたのですが、旧タイトル「不正疑惑渦中の東大医学部論文および東大分生研論文の告発内容を画像編集フリーソフトで確認する方法」に戻しました。ヤフー解説記事に旧タイトルでリンクしていただいたため。 20170807 m3.comの資料を転載 20170702 簡潔な英語の注釈を付記 20170621 解析例を2つ追加

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インパクトファクター2018学術誌ランキング

 

なぜあなたの研究は進まないのか?
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Science Research Writing 


医学雑誌のインパクトファクターは、記事を分けました。

関連記事⇒ 医学系の学術雑誌インパクトファクター 2018ランキング


インパクトファクター2019年6月発表

毎年6月にクラリベイト(Clarivate)がJournal Citation Reports (JCR) を発表しています。2019年6月には前年度の集計JCR2018 が発表されます。ClarivateのJCRは契約をしている大学や研究機関しか見ることができないのですが、各雑誌社が多くの場合に自分の雑誌のインパクトファクターを直ちにウェブサイトに掲載するので、最新の数値を雑誌サイトで調べることが簡単にできます。

以下、Nature 43.070(2018)と表記した場合、2019年6月に発表された2018年のジャーナルサイテーションインデックス(JCR)(つまり、インパクトファクター)という意味です。

主なジャーナルの最新のインパクトファクターを見てみます。

NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE 79.258(2017)-70.670(2018)
JAMA-JOURNAL OF THE AMERICAN MEDICAL ASSOCIATION 47.661(2017)-51.273(2018)
Nature 41.577(2017)-43.070(2018)
SCIENCE 41.058(2017)-41.037(2018)
NATURE MATERIALS 39.235(2017)-38.887(2018)
NATURE BIOTECHNOLOGY 35.724(2017)-31.864(2018)
NATURE MEDICINE 32.621(2017)-30.641(2018)
CELL 31.398(2017)-36.216(2018)
NATURE GENETICS 27.125(2017)-25.455(2018)
NATURE METHODS 26.919(2017)-28.467(2018)
Nature Chemistry 26.201(2017)-23.193(2018)
Cell Stem Cell 23.290(2017)-21.464(2018)
BMJ-British Medical Journal 23.259(2017)-27.604(2018)
CANCER CELL 22.844(2017)-23.916(2018)
NATURE NEUROSCIENCE 19.912(2017)-21.126(2018)
NATURE CELL BIOLOGY 19.064(2017)-17.728(2018)
NEURON 14.318(2017)-14.403(2018)
MOLECULAR CELL 14.248(2017)-14.548(2018)
NATURE STRUCTURAL & MOLECULAR BIOLOGY 13.333(2017)-12.109(2018)
Nature Protocols 12.423(2017)-11.334(2018)
Nature Communications 12.353(2017)-11.878(2018)
PLOS MEDICINE 11.675(2017)-11.048(2018)
Molecular Psychiatry 11.640 (2017)-11.973(2018)
Science Advances 11.511(2017)-12.804(2018)
Nature Plants 11.471(2017)-13.297(2018)
EMBO JOURNAL 10.557(2017)-11.227(2018)
GENOME RESEARCH 10.101(2017)-9.944(2018)
DEVELOPMENTAL CELL 9.616(2017)-9.190(2018)
PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES OF THE UNITED STATES OF AMERICA (PNAS) 9.504(2017)-9.580(2018)
GENES & DEVELOPMENT 9.462(2017)-8.990(2018)
Molecular Plant 9.326(2017)-10.812(2018)
CURRENT BIOLOGY 9.251(2017)-9.193(2018)
PLOS BIOLOGY 9.163(2017)-8.386(2018)
PHYSICAL REVIEW LETTERS 8.839(2017)-9.227(2018)
JOURNAL OF CELL BIOLOGY 8.784(2017)-8.891(2018)
EMBO REPORTS 8.749(2017)-8.383(2018)
PLANT CELL 8.228(2017)
Cell Reports 8.032(2017)
eLife 7.616(2017)
NEURAL NETWORKS 7.197(2017)
Stem Cell Reports 6.537(2017)
Science Signaling 6.378(2017)
CEREBRAL CORTEX 6.308(2017)
GLIA 5.846(2017)
BMC BIOLOGY 5.770(2017)
FASEB JOURNAL 5.595(2017)
Journal of Molecular Cell Biology 5.595(2017)
PLoS Genetics 5.540(2017)
DEVELOPMENT 5.413(2017)
Scientific Data 5.305(2017)
SLEEP 5.135(2017)
Human Molecular Genetics 4.902(2017)
Cells 4.829(2017)
FEBS Journal 4.530(2017)
RNA 4.490(2017)
BIOESSAYS 4.419(2017)
Scientific Reports 4.122(2017)
GENETICS 4.075(2017)v
JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY 4.010(2017)
METHODS 3.998(2017)
Open Biology 3.286(2017)
CEREBELLUM 3.199(2017)
Frontiers in Neural Circuits 3.131(2017)
HIPPOCAMPUS 3.966(2017)
PLoS Computational Biology 3.955(2017)
Biochemical Journal 3.857 (2017)
BMC GENOMICS 3.730(2017)
CELL CALCIUM 3.718(2017)
NEUROSCIENCE 3.382(2017)
Zoological Letters 2.900(2017)
PLoS One 2.766(2017)
G3-Genes Genomes Genetics 2.742(2017)
BMC Developmental Biology 2.427(2017)
Neuroscience Research 2.277(2017)
Biology Open 2.217(2017)
Mechanisms of Development 1.900 (2017)
JoVE 1.184(2017)

参考

  1. 各雑誌社のウェブサイト
  2. クラリベイト プレスリリース
  3. 2018 Journal Citation Reports
  4. [2018年] 最新インパクトファクター 基礎医学・生命科学 負け犬主義。2018年06月27日02:13

 


インパクト・ファクターとは?

ジャーナル・インパクト・ファクター(Journal Impact Factor)は、学術雑誌の影響力を測る指標で、対象年における引用回数を、対象年に先立つ 2 年間にそのジャーナルが掲載したソース項目の総数で割ることによって計算されますインパクトファクターについて  Clarivate Analytics)。

The Impact Factor of journal J in the calendar year X is the number of citations received by J in X to any item published in J in (X-1) or (X-2), divided by the number of source items published in J in (X-1) or (X-2). (Measuring  a journal’s impact. ELSEVIER)

日本語で説明されたほうがわかりやすいですね。

2010年のIFは次のように計算されます。

IFX =2008年と2009年にジャーナルX誌が掲載した論文の2010年の総引用回数
2008年と2009年にジャーナルX誌が掲載した全ての引用可能な論文数

お気付きだと思いますが、2010年のIFは2011年以降に利用できるようになります。(nue.riec.tohoku.ac.jp

 

インパクトファクターが高いジャーナルに論文が通るかどうかで、研究者は一喜一憂しますが、インパクトファクターの動向が気がかりなのは、雑誌社にとっても同じです。ちなみに、研究分野や雑誌のスコープにより数字の出方がかなり異なるため、分野や性格の違う雑誌同士でインパクトファクターを比較して優劣を論じるのは無意味です。

しかし、現実的にはインパクトファクターは研究者の業績の目安として使われることが多く、ファカルティポジションへの応募書類の中の業績一覧にインパクトファファクターを併記させる大学があるなど、人物評価の基準として用いられることがあるようです。

インパクトファクターの調べ方

毎年クラリベイトという会社が学術誌のインパクトファクターを計算して、公表しているようです。多くの雑誌社は自分の雑誌のインパクトファクターをウェブサイト上で紹介しています。インターネットを検索すると、インパクトファクターの一覧表がヒットします。

 

2016年のインパクトファクターが、公表されました。その中から一部を紹介します(参照サイト: researchgate.net/post/New_Impact_factors_2017_for_Journals_are_released_nowbioxbio.com/ifCell Press Journal Metrics、個々のジャーナルサイトなど)

2017年の6月に発表されるインパクトファクターは、「2016年のインパクトファクター」です。ややこしいですが、当サイトでは、Nature 40.137(2016)-41.577(2017)のように表示することにします。

雑誌研究分野別インファクトファクター一覧

科学総合誌

  1. Nature (ネイチャー)40.137(2016) (推移:31.434 – 34.48 – 36.101 – 36.28 – 42.351 – 41.456 – 38.138 – 40.137(2016) bioxbio.com)
  2. Science (サイエンス)37.205(2016) (推移:28.103 – 29.747 – 31.364 – 31.201 – 31.027 – 31.477  –  33.611 – 34.661 –  37.205(2016)   bioxbio.com)
  3. Nature Communications (ネイチャーコミュニケーションズ)12.124(2016) (推移:7.396 – 10.015 – 10.742 – 11.470 – 11.329 – 12.124(2016) bioxbio.com)
  4. PNAS (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) (ピーエヌエイエス)9.661(2016) (推移:bioxbio.com
  5. Scientific Reports (サイエンティフィックリポーツ)4.259(2016) (推移:2.927 – 5.078 – 5.578 – 5.228 – 4.259(2016) bioxbio.com

 

生物学総合誌

  1. Cell 30.41(2016)(セル) (推移:32.242 – 28.71 – 30.41(2016) bioxbio.com)
  2. PLOS Biology (プロスバイオロジー)9.797(2016) (推移:9.343 – 8.668 – 9.797(2016) bioxbio.com)
  3. Current Biology (カレントバイオロジー) 8.851(2016) (推移:9.571 – 8.983 – 8.851(2016) bioxbio.com)
  4. Cell Reports (セルリポーツ)8.282(2016) ( 推移:7.87 – 8.358 – 8.282(2016) bioxbio.com)
  5. elife (イーライフ)7.725(2016) (推移:9.322 – 8.282 – 7.725(2016) bioxbio.com)
  6. BMC Biology 6.779(2016) (推移:7.984 – 6.967 – 6.779(2016) bioxbio.com)
  7. Proceedings of the Royal Society B-Biological Sciences  4.940(2016)
  8. PLOS ONE (プロスワン)2.806(2016) (推移:3.234 – 3.057 – 2.806(2016) bioxbio.com)
  9. Biology Open (バイオロジーオープン)2.095(2016) 

 



 

発生生物学

  1. Genes & Development 9.413(2016) (推移 13.623 – 12.075 – 12.889 – 11.659 – 12.444 – 12.639 – 10.798 – 10.042 – 9.413(2016) bioxbio.com)
  2. Developmental Cell 9.174(2016) (推移 12.882 – 13.363 – 13.946 – 14.03 – 12.861 – 10.366 – 9.708 – 9.338 – 9.174(2016) bioxbio.com)
  3. Development 5.843(2016) (推移 6.812 – 7.194 – 6.898 – 6.596 – 6.208 – 6.273 – 6.462 – 6.059 – 5.843(2016) bioxbio.com)
  4. Developmental Biology 2.944(2016) (推移 4.416 – 4.379 – 4.094 – 4.069 – 3.868 – 3.637 – 3.547 – 3.155 – 2.944(2016) bioxbio.com)
  5. Differentiation 2.567(2016)
  6. Development Growth & Differentiation 2.145(2016)
  7. Developmental Dynamics 2.004(2016)
  8. International Journal of Developmental Biology 1.981(2016)
  9. Mechanisms of Development 1.333(2016) (推移 2.534 – 2.827 – 2.958 – 2.833 – 2.383 – 2.238 – 2.440 – 2.041 – 1.333(2016) bioxbio.com)

 

ゲノム科学・遺伝学

  1. Nature Genetics 27.959(2016)
  2. Genome Research  11.922(2016)
  3. Genome Biology  11.908(2016)
  4. PLoS Genetics 6.100(2016)
  5. Genetics 4.556(2016)
  6. BMC Genomics 3.729(2016)
  7. Genomics 2.801(2016)

 

神経科学

  1. Nature Neuroscience 17.839(2016)
  2. Neuron 14.024(2016)
  3. Frontiers in Neuroendocrinology 9.425(2016)
  4. Journal of Neuroscience    5.988(2016) (推移 7.452 – 7.178 – 7.271 – 7.115 – 6.908 – 6.747 – 6.344 – 5.924 – 5.988(2016) bioxbio.com)
  5. Frontiers in Molecular Neuroscience 5.076(2016)
  6. Frontiers in Cellular Neuroscience 4.555(2016)
  7. Frontiers in Aging Neuroscience 4.504(2016)
  8. Frontiers in Neuroinformatics 3.870(2016)
  9. Frontiers in Neuroscience 3.566(2016)
  10. Frontiers in Neurology 3.552(2016)
  11. Frontiers in Neuroanatomy 3.267(2016)
  12. Frontiers in Neural Circuits 3.005(2016)
  13. European Journal of Neuroscience  2.941(2016)
  14. Journal of Neuroscience Methods 2.554(2016)
  15. Journal of Neuroscience Research 2.481(2016)
  16. BMC Neuroscience 2.312(2016)
  17. Neuroscience Letters 2.180(2016)
  18. Neuroscience Research 2.060(2016)

 

細胞生物学、分子生物学、その他の生物学専門誌

  1. Nature Biotechnology 41.667
  2. Nature Methods 25.062
  3. Nature Cell Biology 20.060
  4. Molecular Cell  14.714
  5. Nucleic Acids Research (NAR)  10.162(2016) (推移 6.878 – 7.479 – 7.836 – 8.026 – 8.278 – 8.808 – 9.112 – 9.202 – 10.162(2016) bioxbio.com)
  6. EMBO J 9.792(2016)
  7. Molecular Plant  8.827(2016)
  8. Plant Cell 8.688(2016)
  9. Journal of Cell Biology (JCB)  7.955(2016)
  10. Cell Reports 8.282(2016)
  11. Frontiers in Ecology and the Environment 8.039(2016)
  12. Biochimica et Biophysica Acta (BBA)- General subjects  4.702(2016)
  13. Frontiers in Pharmacology 4.400(2016)
  14. Journal of Biological Chemistry (JBC) 4.125(2016)
  15. Biochemical and Biophysical Research Communications (BBRC)  2.466(2016)
  16. Genes to Cells 1.993(2016)
  17. Cell Structure and Function 1.900(2016)

化学

  1. Nature Chemistry 25.870(2016)
  2. Journal of the American Chemical Society (JACS) 13.858(2016)
  3. Angewandte Chemie-International Edition  11.994(2016)
  4. Bulletin of the Chemical Society of Japan 2.297(2016)
  5. Chemistry Letters 1.801(2016)

 

物理 物理化学 材料科学 工学

  1. Nature Materials 39.737(2016)
  2. Nature Nanotechnology 38.986(2016)
  3. Nature Photonics 37.852(2016)
  4. Physical Review Letters 8.462(2016)
  5. Soft Robotics 8.649 (2016)

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

医学系雑誌のインパクトファクター

医学雑誌のインパクトファクターは、記事を分けました。

関連記事⇒ 医学系の学術雑誌インパクトファクター 2018ランキング

医学系総合誌

  1. New England Journal of Medicine (NEJM)  72.406(2016)
  2. LANCET 47.831(2016)-53.254(2017) –59.102(2018)
  3. JAMA (Journal of the American Medical Association) 44.405(2016)
  4. Nature Medicine 29.886(2016)

 

医学系専門誌

  1. LANCET Oncology   33.900(2016)
  2. Cancer Cell 27.407(2016)
  3. Journal of Clinical Oncology 24.008(2016)
  4. LANCET Neurology 26.284(2016)
  5. Immunity 22.845(2016)
  6. Nature Immunology 21.506(2016)
  7. JACC (Journal of the American College of Cardiology) 19.896(2016)
  8. Molecular Psychiatry 13.204(2016)
  9. Journal of Clinical Investigation 12.784(2016)
  10. Liver Cancer 7.854(2016)
  11. Frontiers in Immunology 6.429(2016)
  12. Epilepsia 5.295(2016)

 

参考

  1. New Impact factors (2017) for Journals are released now (https://www.researchgate.net/post/New_Impact_factors_2017_for_Journals_are_released_now)
  2. NATURE RESEARCH JOURNAL METRICS ネイチャーおよびネイチャー姉妹紙のインパクトファクター一覧など
  3. Cell Press Journal Metrics JCR(2016) セル・プレスジャーナルのインパクトファクター一覧
  4. Frontiers journals indexed in the 2016 Journal Citation Reports (Table 1) フロンティアジャーナルのインパクトファクター一覧
  5. ELSEVIER Journal Metrics: Find the latest metrics for Elsevier’s journals per subject area ELSEVER社が出版する学術雑誌のインパクトファクター総覧(分野別)
  6. Journal IF (bioxbio.com) ジャーナル・インパクトファクター検索サイト
  7. Journal Citation Reports (JCR) で最新版(2016年)のインパクトファクターが公表されました (鹿児島大学附属図書館 情報サービス課情報調査支援係 2017.6.15):” 2017年6月14日付(米国時間)で最新版Journal Citation Reports (JCR) がリリースされ、インパクトファクターをはじめとする、ジャーナルの各種指標の最新データ(2016年)が公表されました。世界81か国から236分野、11,459誌が収録されています。”
  8. World’s most influential journals for 2017 unveiled in the Journal Citation Reports from Clarivate Analytics (Clarivate Analytics News releases):”PHILADELPHIA, June 14, 2017 /PRNewswire/ — Clarivate Analytics today released the 2017 Journal Citation Reports (JCR), an annual update of the world’s most influential and comprehensive resource for information on highly cited, peer-reviewed publications and the source of Journal Impact Factor (JIF) scores. “
  9. World’s most influential journals for 2017 unveiled in the Journal Citation Reports (tass.com June 14,2017 16:00 UTC+3) :”Clarivate Analytics today released the 2017 Journal Citation Reports (JCR), an annual update of the world’s most influential and comprehensive resource for information on highly cited, peer-reviewed publications and the source of Journal Impact Factor (JIF) scores.”
  10. Scientific Reports 2017年発表インパクトファクター 4.259 (http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/):”2016 Journal Citation Reports (Thomson Reuters, 2017) Scientific Reports は、一次研究論文を扱う、オープンアクセスの電子ジャーナルです。本誌は、自然科学(生物学、化学、物理学、地球科学)のあらゆる領域を対象としています。
  11. ACMG’s Genetics in Medicine Journal Receives Record High Impact Factor of 8.229 for 2016: GIM Now in Top 2.5% of All Indexed Journals (PR Newswire/American College of Medical Genetics and Genomics 15 Jun, 2017, 11:33 ET):”The American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG) announced that the Thomson Reuters Impact Factor Journal Citation Reports has just increased the impact factor of the ACMG’s peer-reviewed medical genetics and genomics journal, Genetics in Medicine (GIM) to 8.229 for 2016, up from 7.710 in 2015. GIM is currently ranked 10 of 166 titles in the Genetics & Heredity category and is the top-ranked of genetic journal that has a primarily clinical focus.”
  12. Clinical Chemistry Impact Factor Rises to 8, the Highest in the History of the Journal (Newswise/American Association for Clinical Chemistry (AACC) 15-Jun-2017 1:00 PM EDT):”AACC, a global scientific and medical professional organization dedicated to better health through laboratory medicine, is pleased to announce that the impact factor of its journal, Clinical Chemistry, has risen to 8.008 in the 2016 Thomson Reuters Journal Citation Reports. This impact factor places Clinical Chemistry in the top 2.6% of 12,062 ranked academic journals and speaks to the significant influence of the science it publishes on laboratory medicine and patient care.”
  13. Celebrating a high performing new journal in quantum information (EurekAlert!/University of New South Wales Public Release: 15-Jun-2017):”UNSW Sydney is proud of the early publication performance, influence and reach of its Nature Partner Journal npj Quantum Information, from advancing discovery to affecting public discourse. At a time of the year when the Journal Citation ReportsTM are published, UNSW sees npj Quantum Information’s inaugural Impact Factor in the context of a variety of journal-based metrics that provide a richer view of the journal’s performance. For 2016, the range of performance metrics, which are made available on the journal website, include:2-year Impact Factor: 9.111   Immediacy Index: 1.560   Eigenfactor® score: 0.00060   Article Influence Score: 4.617″
  14. 日本発化学ジャーナルの行く末は? (日本最大の化学ポータルサイト Chem-Station 2015/11/20)

 

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