Daily Archives: February 4, 2017

学術フォーラム「安全保障と学術の関係」開催

日本学術会議主催の学術フォーラム「安全保障と学術の関係:日本学術会議の立場」が平成29年2月4日に日本学術会議講堂で開催されました。

(引用元:プログラム

総合司会 大政 謙次(日本学術会議第二部会員、東京大学名誉教授、愛媛大学大学院農学研究科客員教授、高知工科大学客員教授)

13:00-13:05 開会挨拶 挨拶 大西 隆(日本学術会議会長・第三部会員、豊橋技術科学大学学長、東京大学名誉教授)

<第Ⅰパート:委員会中間とりまとめの状況報告>
13:00-13:05 開会挨拶 挨拶 大西 隆(日本学術会議会長・第三部会員、豊橋技術科学大学学長、東京大学名誉教授)
13:05-13:35 委員会中間とりまとめの状況報告 杉田 敦(日本学術会議第一部会員、法政大学法学部教授)

<第Ⅱパート:日本学術会議の内外の意見> 進行 小松 利光(日本学術会議第三部会員、九州大学名誉教授)
13:35-13:50 (演題調整中)兵藤 友博(日本学術会議第一部会員、立命館大学経営学部教授)
13:50-14:05 「学術研究のために」という視点 須藤 靖(日本学術会議第三部会員、東京大学大学院理学系研究科教授)
14:05-14:20 (演題調整中)佐野 正博(日本学術会議連携会員、明治大学経営学部教授)
14:20-14:35 軍民両用(デュアルユース)研究とは何か-科学者の使命と責任について 福島 雅典(日本学術会議連携会員、財団法人先端医療振興財団臨床研究情報センター長(兼)研究事業統括)
14:35-14:50 防衛技術とデュアルユース(予定)西山 淳一(公益財団法人未来工学研究所 政策調査分析センター研究参与)
14:50-15:05 安全保障と学術について(予定)根本 清樹(朝日新聞社論説主幹)

<第Ⅲパート:総合討論>進行 杉田 敦(日本学術会議第一部会員、法政大学法学部教授)
15:20-16:55 総合討論(学術フォーラム参加者と安全保障と学術に関する検討委員会委員による質疑応答)
16:55-17:00 閉会挨拶 挨拶 花木 啓祐(日本学術会議副会長・第三部会員、東京大学大学院工学系研究科教授)
17:00 閉会

報道

  1. 軍事的な研究と大学の関わり 公開討論会 (NHK NEWS WEB 2月4日 20時31分):”防衛省が大学などの研究機関に研究資金を提供する制度を始めたことをきっかけに、安全保障技術など軍事的な研究と大学などとの関わり方について議論している「日本学術会議」が4日、公開討論会を開きました。”
  2. <学術会議>「軍事研究拒否」声明堅持を 都内でフォーラム (BIGLOBE ニュース/毎日新聞2月4日(土)20時4分):”… 防衛省が公募で資金を提供する安全保障技術研究推進制度に対しては「政府による研究への介入の度合いが大きい」と慎重な姿勢を示した。 その間、政府は来年度予算案で同制度について今年度の6億円から一気に18倍となる110億円に拡大。…”
  3. 軍事研究「反対」大多数=防衛省資金提供に懸念-学術会議公開フォーラムで科学者ら (時事ドットコムニュース):”日本学術会議は4日、大学などの研究機関が軍事研究とどう向き合うかを議論する公開フォーラムを東京都港区の同会議講堂で開いた。大学教授や市民ら200人以上が参加し、議論では軍事研究に反対する意見が大多数を占めた。”
  4. 日本学術会議が軍事研究めぐりシンポ 「世界中から不信感持たれる」「平和哲学ない科学技術は凶器だ」と反対意見が大勢占め… (産経ニュース 2017.2.4 21:51):”軍事的な研究は行わないとした過去の声明を見直すかどうか検討している日本学術会議は4日、有識者や一般から意見を聞くシンポジウムを都内で開催した。”
  5. 大学が軍事研究、反対意見相次ぐ 日本学術会議シンポ (朝日新聞 2017年2月4日21時28分):”… 続いて意見表明を申し出て講演した科学史、技術戦略、物理学、医学の各分野の4人とメディア代表の1人が中間とりまとめを支持。一方、未来工学研究所政策調査分析センター研究参与の西山淳一氏はミサイル開発の経験から軍民両用研究に理解を求めた。” (全文を読むには登録が必要)

参考(参加者の研究分野)

  1. 立命館大学 経営学部 経営学科 兵藤 友博 教授 研究テーマ(1)科学技術政策に関する史的考察 (2)科学と産業技術の現代的相互交渉に関する考察 (3)技術革新に関する比較研究 (4)戦後核兵器開発に関する研究
  2. 東京大学大学院理学系研究科 須藤 靖 教授  研究テーマ 観測的宇宙論、太陽系外惑星探査
  3. 明治大学経営学部 佐野 正博 教授 科研費研究テーマ] 「現代企業の技術戦略と技術の社会的展開に対する技術史的・技術論的アプローチ」(1996-1998年)
  4. 福島 雅典 先端医療振興財団 臨床研究情報センター長 過去四半世紀にわたって一貫して、がんの内科医として、がんの標準治療の実践とその普及につとめるとともに、わが国の医療の民主化ーインフォームドコンセント、セカンドオピニオンの確立と普及、薬害防止のための科学の確立・普及と実践、医療の科学的基盤の構築整備ならびに臨床科学の確立と普及に貢献し、現在もその活動を鋭意続けている。
  5. 西山 淳一 未来工学研究所 政策調査分析センター研究参与 <専門分野> 航空宇宙技術、防衛産業、国際安全保障

日本学術会議のウェブサイト

  1. 日本学術会議 公開講演会・シンポジウム等開催予定表/2017年実施結果 2017/2/4(土)13:00-17:00 日本学術会議主催学術フォーラム「安全保障と学術の関係:日本学術会議の立場」     日本学術会議講堂 東京都港区六本木7-22-34
  2. 日本学術会議 安全保障と学術に関する検討委員会
  3. 日本学術会議 提言・報告等【声明】 1967-10-20 軍事目的のための科学研究を行なわない声明 第49回総会
  4. 日本学術会議 提言・報告等【1950年(昭和25年)】 1950/4/28 声明 戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明 第6回総会
  5. 日本学術会議 提言・報告等【1949年(昭和24年)】 1949/1/22 声明 日本学術会議の発足にあたって科学者としての決意表明

 

昭和42年10月20日 第49回総会
われわれ科学者は、真理の探究をもって自らの使命とし、その成果が人類の福祉増進のため役立つことを強く願望している。しかし、現在は、科学者自身の意図の如何に拘らず科学の成果が戦争に役立たされる危険性を常に内蔵している。その故に科学者は自らの研究を遂行するに当って、絶えずこのことについて戒心することが要請される。
今やわれわれを取りまく情勢は極めてきびしい。科学以外の力によって、科学の正しい発展が阻害される危険性が常にわれわれの周辺に存在する。近時、米国陸軍極東研究開発局よりの半導体国際会議やその他の個別研究者に対する研究費の援助等の諸問題を契機として、われわれはこの点に深く思いを致し、決意を新たにしなければならない情勢に直面している。既に日本学術会議は、上記国際会議後援の責任を痛感して、会長声明を行った。
ここにわれわれは、改めて、日本学術会議発足以来の精神を振り返って、真理の探究のために行われる科学研究の成果が又平和のために奉仕すべきことを常に念頭におき、戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わないという決意を声明する。

 

昭和25年4月28日 日本学術会議第6回総会
戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明(声明)
日本学術会議は,1949年1月,その創立にあたつて,これまで日本の科学者がとりきたつた態度について強く反省するとともに科学文化国家,世界平和の礎たらしめようとする固い決意を内外に表明した。
われわれは,文化国家の建設者として,はたまた世界平和の使として,再び戦争の惨禍が到来せざるよう切望するとともに,さきの声明を実現し,科学者としての節操を守るためにも,戦争を目的とする科学の研究には,今後絶対に従わないというわれわれの固い決意を表明する。

 

昭和24年1月22日 日本学術会議第1回総会
日本学術会議の発足にあたつて科学者としての決意表明(声明)
われわれは,ここに人文科学及び自然科学のあらゆる分野にわたる全国の科学者のうちから選ばれた会員をもつて組織する日本学術会議の成立を公表することができるのをよろこぶ。そしてこの機会に,われわれは,これまでわが国の科学者がとりきたつた態度について強く反省し,今後は,科学が文化国家ないし平和国家の基礎であるという確信の下に,わが国の平和的復興と人類の福祉増進のために貢献せんことを誓うものである。そもそも本会議は,わが国の科学者の内外に対する代表機関として,科学の向上発達を図り,行政,産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とするものであつて,学問の前面にわたりそのになう責務は,まことに重大である。されば,われわれは,日本国憲法の保障する思想と良心の自由,学問の自由及び言論の自由を確保するとともに,科学者の総意の下に,人類の平和のためあまねく世界の学界と連携して学術の進歩に寄与するよう万全の努力を傾注すべきことを期する。
 ここに本会議の発足に当つてわれわれの決意を表明する次第である。

防衛省のウェブサイト

  1. 防衛省 安全保障技術研究推進制度(競争的資金制度) 安全保障技術研究推進制度について 防衛省では、装備品への適用面から着目される大学、独立行政法人の研究機関や企業等における独創的な研究を発掘し、将来有望な研究を育成するために、競争的資金制度※である安全保障技術研究推進制度を実施しています。本制度は、防衛省が掲げた研究テーマに対して、広く外部の研究者の方からの技術提案を募り、優れた提案に対して研究を委託するものです。得られた成果については、防衛省が行う研究開発フェーズで活用することに加え、デュアルユースとして、委託先を通じて民生分野で活用されることを期待しています。
  2. 安全保障技術研究推進制度の平成27年度採択研究課題について 防衛省 平成27年9月25日 平成27年7月8日(水)から平成27年8月12日(水)までの間、本制度の公募を行ったところ、109件の応募がありましたが、外部の専門家により構成する安全保障技術研究推進委員会の審査を経て、この度、次のとおり採択研究課題が決定しましたのでお知らせいたします。1 平成27年度採択研究課題 採択研究課題数 9件
  3. 防衛装備庁 安全保障技術研究推進制度

大学の声明

東京大学における軍事研究の禁止について
学術における軍事研究の禁止は、政府見解にも示されているような第二次世界大戦の惨禍への反省を踏まえて、東京大学の評議会での総長発言を通じて引き継がれてきた、東京大学の教育研究のもっとも重要な基本原則の一つである。この原理は、「世界の公共性に奉仕する大学」たらんことを目指す東京大学憲章によっても裏打ちされている。

日本国民の安心と安全に、東京大学も大きな責任を持つことは言うまでもない。そして、その責任は、何よりも、世界の知との自由闊達な交流を通じた学術の発展によってこそ達成しうるものである。軍事研究がそうした開かれた自由な知の交流の障害となることは回避されるべきである。
軍事研究の意味合いは曖昧であり、防御目的であれば許容されるべきであるという考え方や、攻撃目的と防御目的との区別は困難であるとの考え方もありうる。また、過去の評議会での議論でも出されているように、学問研究はその扱い方によって平和目的にも軍事目的にも利用される可能性(両義性:デュアル・ユース)が、本質的に存在する。実際に、現代において、東京大学での研究成果について、デュアル・ユースの可能性は高まっていると考えられる。
このような状況を考慮すれば、東京大学における軍事研究の禁止の原則について一般的に論じるだけでなく、世界の知との自由闊達な交流こそがもっとも国民の安心と安全に寄与しうるという基本認識を前提とし、そのために研究成果の公開性が大学の学術の根幹をなすことを踏まえつつ、具体的な個々の場面での適切なデュアル・ユースのあり方を丁寧に議論し対応していくことが必要であると考える。
平成27年1月16日
東京大学総長 濱田 純一
東京大学における軍事研究の禁止について 東京大学 2015年01月16日掲載

その他

  1. 軍と学の接近と学問の自由~その歴史と今~ 名古屋大学名誉教授 池内 了 2016年1月8日付 (長周新聞):”… 2013年12月に安倍首相が「2014年防衛大綱」「国家安全保障戦略」、この二つを閣議決定した。このなかに書かれているのが「大学や研究機関との連携の充実により防衛にも応用可能な民生技術(デュアルユース技術)の積極的な活用に努める」という文書だ。…2014年5月にImPACT(革新的研究開発推進プログラム)が創設された。これは総合科学技術・イノベーション会議というところが5年間で500億円のお金を出して、日本の国の産業力を高めて、非常にハイリスクであるが将来性のある研究開発をおこなう。募集要項の初めの部分に「DARPAを参考にする」と書いてある。… 「安全保障技術研究推進制度」が2015年から始まった。昨年の予算は3億円で2016年の予算は6億円といわれている。このやり方はまず防衛省からのテーマを提示する。…審査結果は応募総数が109件で、採択が9件。10倍以上の競争率だ。非常に高い。大学が58件出して4件通った。ここに東工大、豊橋技術科学大学、東京電機大学、神奈川工大が入っている。…公的研究機関として出したのは22件で通ったのは3件。JAXA、JAMSTEC、理研だが、この3件とも技術交流ですでに防衛省と研究、アイディアの交換をしている。企業が29件出して2件。…「国公立試験研究機関の研究者アンケート」で、36%が軍事研究に賛成している。…今国立大では予算が非常に逼迫している。研究費が1年で20万円とかになると、研究費をとるためにはなんでもしてやろうとなる。研究費のためなら軍事応用でも構わないとなって、軍事研究に繋がっていく。研究費の困窮につけ込んで軍事研究に誘い込む。これを研究者版「経済的徴兵制」といっている。…”
  2. デュアルユース技術の推進がイノベーションを起こすー防衛装備庁シンポジウムで講演 (Huffington Post 投稿日: 2015年12月06日 14時45分 JST):”東京・市ヶ谷で開催された防衛装備庁技術シンポジウム2015で、11月11日、政策研究大学院大学の角南篤教授が、「デュアルユース政策 デュアルユース・イノベーションシステムの構築に向けて」とした講演を行った。”
  3. ノーベル賞の中村修二氏、「アメリカの市民権」を取った理由を語る (withnews 2014年10月18日):”「アメリカの大学教授のする仕事は、研究費を集めることなんですよ。大学は1円(ドル)も出さない、自分で全部現金をとってこないといけない。学生にも給料をやらなきゃいけない。私のところだと年間1億円要るんですけどね、全部自分で集めないといけない。 で、その研究費の半分以上はだいたい軍から来るんですよ。それで、軍のお金をもらう人はアメリカのシチズンシップ(市民権)ないとお金もらえないんですよ。軍は機密でしょ?(支給の対象が)アメリカ人だけなんですよ。 アメリカ人以外のパスポートの人は全部排除されるんですよ、お金もできない、研究もできない。だから(米国で)大学教授として生きるためにはアメリカのシチズンシップもってないとダメなんですよ。取ってないと研究費も集まらないし、研究もできないから。だから、そういう意味で2005、6年ごろに(米国市民権を)取ったんですよ」”

アカデミックハラスメントの現実的な対処法

大学教授は人徳で選ばれるわけでなく、どちらかといえば、好き勝手にやりたい放題に生きて来て業績を出した人が認められてなることが多いのです。そのため、コミュニケーション能力に疑問符が付く教授は多数います。学生と教授の興味や利害が完全に一致すればいいのですが、ズレがある場合には、教授が教育的だと思ってやっていることでも学生からみるとハラスメントと感じてしまう場合があります。もちろん、第三者が客観的に見てもハラスメントとしか考えられないようなことを教授が無自覚にやっていることもあります。

 

アカデミックハラスメント、もしくはアカデミックハラスメントになる可能性がある事例

「こんな実験もできないようじゃどこにも就職できない」「コンタミしたのは、お前が汚いせいじゃないのか」 (見過ごされるハラスメント【調査報道:ブラックラボとは何か②】東京大学新聞社 2017年2月3日)

「驚くことに、『この部屋で修士の学位が取れたのは君で3人目だ』と言われました。10年以上ある研究室ですが、以前在籍されていた他の先輩も同じ状況で苦労され、就職したり別の研究室に移る人が多かったようです」 (見過ごされるハラスメント【調査報道:ブラックラボとは何か②】東京大学新聞社 2017年1月26日)

アカデミックハラスメントの難しいところは、それが教育的な指導なのかハラスメントなのかその境目が明らかでなく、また、自覚のある意図的なハラスメントだったとしても後からいくらでもそれは教育目的だった、あるいは、学生の能力や意欲が低かっただけと言い逃れできてしまうところです。世界的な業績を出している教授と、能力や意欲がどれだけあるのか不明瞭な、まだ何者にもなっていない学生との言い分が食い違ったときに、大学がどちらを守ろうとするかは明らかです。大学によっては外部の人をハラスメント相談所に配置していることもありますが、多くの場合は、同じ大学の教員・職員がハラスメント相談委員を兼ねている場合が多いようです。相談員が被害者側の立場に立って考えてくれる人であったとしても、加害者の行動を改善させることは容易ではなく、一筋縄にはいかない問題です。

立場も弱く圧倒的に不利な状況に置かれて、アカデミックハラスメントの被害に苦しむ人がとるべき最善の対処方法は、何でしょうか?一律にこれが正解と言えるものはないのですが、参考になりそうなアドバイスを紹介します。

 

アカデミックハラスメントの現実的な対処方法に関するアドバイス

すべてが「特殊例」であるハラスメント対応の難しさ (5号館を出て 2007年 06月 03日):”今の日本ではセクハラ・アカハラ・パワハラに対して、裁判などの完全に公開されたかたちで闘いを挑んだ場合は、たとえ勝利したとしても、その後の生活までもが保障されるかどうかは極めて疑問だという社会環境が厳然としてあるのではないかというところが、とても気になるのです。 というわけで、渦中の人になった場合の非常に有効な解決策のひとつが、コメント欄で名無しさんがおっしゃったように「とりあえずその場からできるかぎり早く逃げ出す(辞める)」ということだと、私も思います。”

「教員からのアカハラ被害に遭った」という学生・院生の貴方に:”あなたが望んでいるものは何ですか? 落とし所はどこですか?…本当に、ハラスメントとしての解決を望みますか?…明らかに「ハラスメント以外の何でもない」という少数のケースを除いて、正当な指導とハラスメントの境界は、それほど明確なものではありません。…平和かつ円満な解決の道が、まだどこかに残っているのであれば、それを最優先すべきです。…どうしても「ハラスメント」と思うのならば行動の選択肢は3つしかありません。「逃げる」「闘う」「諦める」です。…休学・転学・退学などに加え、研究室異動・研究テーマ変更が「逃げる」である場合もあります。…大学の組織(あるいは準じる組織)は、大学を守ることが仕事です。大学は正義の行われるべき場ではありますが、大学が組織防衛より正義を優先することは「ありえない」と考えておくべきでしょう。…「大学と闘う」とは、さまざまな意味でその大学を必要としている人々すべてと闘うことです。その覚悟ができない限り、闘うべきではありません。まずは、貴方にとっての「勝ち」を定義しましょう。憎い教員が処罰を受けることが勝ちですか? …「被害者だったはずの貴方が、加害者だったはずの教員や大学に訴えられてボコボコにされる」という事態を防止するためにも、貴方は万が一にも加害者にされないように、賢明に行動する必要があります。…闘うならば、証拠が重要です。”

新米教員から一言。… 現在の指導教授(以下A教授)との関係を悪くしないよう心がけてください。 いろんな人に相談するとき、基本的にA教授を悪者にしてはいけません。 あくまで分野が違うせいで十分な指導を受けられないから変わりたいのだと 言いましょう。 新たな受入れ先の教授(以下B教授)は火中の栗を拾うことになります。 B教授にしてみたら、指導してくれないというあなたの言い分と わけがわからない困った奴だというA教授の言い分のどちらが正しいか判断できません。 学生がメンタルな問題を抱えていること(平たく言えば基地外)という ことも多いし、そんな人に限ってすぐにセクハラだアカハラだと騒ぎ立てる傾向にあるという現実があるのです。だから、その種の人間だと 思われないよう、あなたは分別のある人間であるとB教授が納得できるよう注意深くふるまう必要があります。(367 :Nanashi_et_al.:2006/10/23(月) 09:50:49 http://science5.2ch.net/test/read.cgi/rikei/1151740540/)

ボスがダメな人の場合、騒がず、黙って他を探しなさい、という教えは、2次元NMR関係でノーベル賞をお取りになった、エルンスト先生という方のです。その後実際にそのような場面に直面したり、似たような話を聞いたりした時、確かにまず自分の身の安全を確保した人が生き残ってるなあと納得しました ( @yamayu_lab)

 

 

アカデミックハラスメントに対する文科省の取り組み

アカハラに関して、私のところに個別事案を数多くお寄せいただいておりますが、調査権限もなく、個別事案に対応することは困難です。現在、文科省では旧帝大を中心に実態調査を進めており、今週末には調査が一段落するとの報告をいただいております。それを見たうえで、独立した対応機関の設置等を検討してまいります。アカハラ問題は、想定以上に大きな問題であるという認識です。(天下りな研究者の皆様へ 衆議院議員 河野太郎公式サイト 2017.02.06)

文部科学省と各大学にアカデミックハラスメント対策を徹底し,被害者の保護とケアを最優先するよう求めます (change.org)

 

アカデミックハラスメントに対する大学等の取り組み

  1. そろそろハラスメントですよ(東京大学)
  2. ハラスメント行為の例示について (神戸大学):”卒論や修論、博士論文の提出条件を十分に満たしているにもかかわらず、提出を許さないこと”
  3. アカデミック・ハラスメントの具体例 (日本大学):”指導教授から、授業の手伝いや私用を押し付けられ、一度断ったら、「おまえは指導対象外だ、もう来るな」と言われた。”
  4. アカデミック・ハラスメントになり得る言動の例 (神戸学院大学):”図書や機器類を使わせない、勝手に廃棄するなどの手段で、研究の遂行を妨害される。”
  5. パワー・ハラスメントの定義と事例 (上智大学):”上司から明らかに限度を超えて過重な業務を命じられ、期日までに完了できず、同僚の面前で「無能だ」となじられ、抗議すると「いやなら退職したまえ」と言われた。 “
  6. アカデミック・ハラスメントとなりうる例 (法政大学):”大学院生のEさんは,F教授から「こんなことも知らないのに,よく大学院に入れたな」「研究者としての資質に欠ける」と言われ続け,辛さを感じながらも自分が至らないのだと思い黙って従ってきました。しかし,F教授はEさんの家族や恋人のことをあれこれ聞きだし,「君の研究を優先させないようじゃ,親(恋人)としてダメだな」「恋人とは別れたほうがいい」と言い始め,Eさんはより一層の苦痛を感じるようになりました。”
  7. 「ハラスメント防止研修」に待った! (セクハラ・パワハラ・アカハラの解決・研修 ハーモニークリエイション):”単に、「ハラスメントはしてはいけませんよ」「ハラスメントは法律違反ですよ」などという薄っぺらなハラスメント防止研修をしたところで、人の心は落ち着きませんよね。自分たちの置かれている環境を理解して、風土を改善するのは自分たちなのだ!という「当事者意識」が必要だし、困った時に「助けて!」と言い合える仕組みと風土が必要だと思うのです。”

 

アカデミックハラスメントに関する匿名掲示板での議論(はてな匿名ダイアリー)

  1. 不倫してたり、アカハラ、パワハラしてても、あからさまな証拠がなく、業績が高いとあれだよな。後ろから刺されるってことがないってことよね。という事例を見て、驚愕している。 http://anond.hatelabo.jp/20160908191546
  2. でもそんなブラック研究室の先生が、アカハラの相談先に指定されてたりするんだから、意味わかんないよね。 http://anond.hatelabo.jp/20160701155649
  3. 下手にハラスメントを自浄しようとすると学内の内紛が起きたりハラスメントの「容疑者」から逆に民事訴訟を起こされたり、大学のイメージが悪くなることもあるだろう。(2016-02-15■大学事務のハラスメント対策の部署で働いていたときの「バレンタイン」をめぐる思い出 ) http://anond.hatelabo.jp/keyword/%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%8F%E3%83%A9
  4. 博士号取って企業に就職5年程経ち、一年ほど前縁あって地方の大学に出向することに。そこで大学の現状を知る。まずアカハラ、パワハラ、セクハラ、マタハラありとあらゆるハラスメントが起きている。される方も、する方も問題意識がないから問題にならない。(2015-09-17■大学の終末っぷりが予想以上で嗤える) http://anond.hatelabo.jp/keyword/%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%8F%E3%83%A9
  5. 2014-01-24 最近の大学はホントにアカハラに対して警戒感を持っていて、そういうのの対策会議や教授たちに対して周知みたいのを徹底してる。駄目な学生の場合、もう腫れ物を扱う様な感じで扱うしかない形になってる。「怒る」ということが許されない状況。http://anond.hatelabo.jp/20140124152613
  6. 大学が自ら情報を発信しないということは、2chや伝聞のウワサを通じた、根拠が不確かで、もしかすると尾ひれのついた情報ばかりが世間に浸透する、ということ。もう少し具体的には、博士課程に進んで、十分な成果を出しても論文審査を2年連続で拒否され、自殺した学生がいたという事実と、そこまで追い込んだ教員が、高々「停職」(河北の記事では想定停職期間は不明)程度の処分しかしないという大学の判断、そして、その後どうなったかは不明のままということ。これが伝聞で代々伝わっていく。(■大学はどこを向いているのだろう 2009-07-03)
  7. ひどい、ひどすぎると思い続けてもう2年以上が経つ。その間に助手2人、学生6人が研究室から消えた。それもふっつりと。(■どうしてアカポスには懲戒免職ってないんだろう?)

 

質問掲示板での議論

  1. あなたが、決してアカハラの訴えを取り下げなければ、最後は、ハラスメント調査委員会という民事調停のような場で訴えて審判されることになります。最近のアカハラ判定基準での判断に従ってあなたの訴えが妥当であるならば、それはアカハラと認められます。しかし、ただ、アカハラが認められるだけで、結局はあなたは今の学校に居づらくなるでしょう。だから、退学は覚悟です。(大学でアカデミックハラスメントにあいました。YAHOO!JAPAN知恵袋 2015/3/14

 

アカデミックハラスメントに関する匿名掲示板での議論(2ch)

  1. (20)偉い教授の機嫌を損ねたら最後、大学で生きていけなくなるし、学会でも生きていけなくなる。 アカデミックハラスメントの被害者を助ける活動を大学の中の教職員がするなんて土台無理な話なんだよ。 (57) 結局は、裁判しても賠償額は10万~30万くらいしか 取れないから、裁判するだけ時間とお金の無駄ですよと 言われてしまいました。(107)相談当初はすぐに返信が来て、 「全面的に応援します」と親身は言葉をかけられて、弱った気持ちでまんまと信じ、 さらに詳しく事例相談していったところ、ある日突然、手のひらを反して 大学への降伏を勧めてきた。あまりにも不自然な態度の豹変の理由を質問しても 一切無視。質問があるなら大阪まで来いだと。 情報を大学側に売っているのだろう。アカハラ加害者以上に極悪な団体。 (108)学内のそういうハラスメント委員会って本当の意味で防止にどんなふうに役立つの? だって、委員会のメンバーってそこの大学の先生なんだよね。 で、教員からのハラスメントがあったとして。 そしたら、その大学の同僚に当たる教員のハラスメントにどんなふうに批判なり抗議なりすることができるの? http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/shikaku/1290805636/
  2. (132)2006/08/01(火) 23:14:59 ちなみに多分どこの大学もおそらくそうなのですが、学内の救済機関は実は救済などしてくれません。ハラスメント認定が行われてハラスメントを行った人間に処罰が下るだけです。よって抑止力にしかならないと言うのが実際のところですね。
  3. (114)名無しゲノムのクローンさん:2006/03/05(日) 00:35:25 3年ほどまえ、女子学生から、教授によるセクハラの相談をされたので、教授の顔を立てて、温和に教授と女子学生を離すように策を講じたところ、教授の逆鱗にふれ、解雇されてしまいました。これはアカハラだと思うのですが、学会内の先生に相談したところ、君が悪いで終わりでした。なんで? ><  (153)名無しゲノムのクローンさん:2006/03/10(金) 10:22:17 論文原稿を指導教員が預かったまま放置され、何年経っても投稿できないというのはアカハラですか?いくら催促しても、「今英文校正に出してるから」とか「投稿してあるから」などどごまかされてします。英文校正も投稿も嘘であることは確実です。あまり遅いから問い合わせてみたい、と言ったら絶対に許してもらえませんでした。今後を考えると、自分がcorrespondingになって勝手に投稿する訳にも行かないし。 (アカハラをなくそう!
  4. 学生・ポスドクを飼い殺しにする教授:”正しい学生・ポスドクの飼い殺しの仕方 1.学生が論文を書いて持ってくる  2.投稿前に教授がデスクの上につんでおく  3.約半年放置  4.それくらいたつと関連論文がふえてディスカッション 書き直しになるので  5.またかきなおさせる 2.にもどる。”
  5. アカハラ・セクハラ総合対策スレッド
  6. アカハラ・セクハラ総合対策スレッド2
  7. アカハラ・セクハラ総合対策スレッド3
  8. アカハラ・パワハラについて語りませんか?

 

その他

  1. 4つの大学の事例から学ぶアカハラ加害者にならないための対策 (こころの相談室 2016.12.29)
  2. 東大のアカハラ関係の書類まとめ 更新日 2012/03/08 evernote.com とりあえずこれまでにスキャンしたアカハラ関係の書類をまとめました。
    新しく公開したのは(3)”指導教官と上手につき合うために”です。..
  3. 東京大学ハラスメント相談所の一部について(上)annoiellの日記 2016-11-14
  4. 主にアカハラの話 (河野議員へのレスポンス②) (つなぽんのブログ 2016-11-12)
  5. ボスとの不和を乗りきれるか? 〜学内ハラスメントの話〜 (つなぽんのブログ 2016-03-10)
  6. これってパワハラもしくはアカハラ何ですか?(発言小町 2016年1月16日 こう):”・隔週のゼミ(院生向けの)の廃止、指導教員の日程でゼミが行われる(約3ヶ月に1回の頻度でした)・院生が学会に提出した論文を一部書き換え、提出する・学会に発表した内容を論文にし、自身を筆頭として論文を提出・研究の方向性の強要”
  7. 意外と知られていない大学(研究室)のパワハラ (haniwa Press! 2013/7/24):”心身を病んでボス達の元を去っていった学生は、2年間見てきただけでも片手では収まりません。”
  8. アカデミック・ハラスメントへの防御としても報・連・相が大事 (発声練習 2012-03-09)
  9. アカデミック・八ラスメントの形成過程 医療系女性大学院生のライフストーリーから  (湯川やよい 教育社会学研究第88集(2011))
  10. ハラスメントは認定してもらった。しかし辞めるのは私の方。大学が懲戒処分の手続きを進めなかったからだ。とにかく和解 和解 和解。懲戒の手続をしてもいいけど、数年かかりますよ、だそうだ。そして不服なら裁判でもどうぞ、というような対応。結局、パワハラは継続した。加害者は反省すらしない。耐えれるはずもない。つまり、大学は、経営を優先して先延ばしをすれば、私が辞めると見越していたのだ。大学は経営を考えると、イメージがマイナスになる懲戒処分はしたがらない。(http://ameblo.jp/korakorakensuke/entry-11021579547.html
  11. 修士論文の内容とアカハラについて (YAHOO!JAPAN知恵袋 2011/12/9):”私が示したデータのうち、教授の説と矛盾するものは全てアーティファクトであり、意味を成していないとも言われました。これらは全て修論から削除しろとも言われました。”
  12. 東北大学大学院生の自殺 (とりあえず落ち着いてください) (5号館を出て 2009年 05月 14日)
  13. シンポジウム: 科学研究における「不正」の構造 (5号館を出て 2007年 06月 02日):”どこの大学でも相談室というものが主に教員が対応する組織になっているところに問題があるのではないでしょうか。こういう相談室に、全面的に学生・院生・ポスドクあるいは職員の立場にたってくれる弁護士や学生ユニオン、組合の関係者などを置いているところはあるでしょうか。 本来ならば、こういう「相談室」は「悩みを聞いてあげて、対応してあげる」という場ではなく、学生・院生・ポスドク・職員の権利が侵害されたことに対して、その事実を明らかにし、非のある人間を特定し、的確な対策を講じるためにあるべきものなのではないでしょうか。”
  14. アカハラス (2006年10月開設)
  15. 国立大学法人岡山大学におけるハラスメント関係の懲戒処分等 (PDF)
  16.  アカデミックハラスメント アカハラ大学事例 大学内におけるアカデミックハラスメント(アカハラ)の事例を集めています。
  17. 動画で学ぶパワハラ これってパワハラ? 動画でチェック!
  18. 某大学のアカハラと、アカハラ防止委員会の対応が酷いらしい
  19. アカハラ“加害者”を支援
  20. NPOアカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク(NAAH):”当NPO NAAH(ナア)は、大学、短期大学、高専、研究所など研究・教育活動の場及びそれに関連する施設に在学、在籍、勤務する人に対して、研究や教育活動の妨害、教育を受ける権利の侵害、差別待遇、いじめ、嫌がらせなどのハラスメントのない環境を確保するための事業をおこない、もって差別の撤廃、人権擁護、男女共同参画社会の形成に寄与することを目的としています。”
  21. 利根川教授は、大学内にあるピカウアのライバル研究所から採用の誘いを受けた女性研究者に「あなたがここ(MIT)に、若手教職員としていることを快く思わない」と電子メールを送ったとの疑惑が浮上。学内調査は今月2日、利根川教授の行為を不適当な働き掛けと認定した。(利根川進教授が研究所所長辞任へ・・・女性研究者に圧力メール疑惑 http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1163860707/)
  22. 浅野教授の文春裁判を支援する会 2006年1月に文芸春秋社を相手取り、名誉毀損記事に対する損害賠償請求を起こした浅野健一教授(同志社大学)を支援する会のホームページ
  23. 大学院教育 その恐るべき実態~ 私の体験談 ~:”岡崎基礎生物学研究所(総合研究大学院大学博士課程)において学位取得をめざすも、それを目前にして、指導教授の暴言に抗議したため、断念を余儀なくされる。総合研究大学院大学に対し、研究指導・教育の不備を訴え、教授の横暴を改善させる指針を示すまで授業料半年分の納入を拒否すると宣言したため、除籍処分となる。”

 

更新 20170219 河野太郎衆議院議員のウェブサイトの記事を紹介