Daily Archives: March 14, 2015

電王戦FINAL開幕 斎藤五段がAperyを破る

「将棋電王戦FINAL」がついに開幕しました。第1局は斎藤慎太郎五段とAperyとの対決。「完勝」と言える内容で斎藤五段がAperyに勝利しました。

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery (1/8)

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery  (2/8)

Aperyが予想外の手を指してしまったようで、解説者が激しく動揺してしまいました。

【将棋】 「りゅ、りゅ、りゅ、龍を取ったんですかぁ!?」 予想外の手に動揺を隠せない村田顕弘五段 【将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery】

デンソーの開発したロボットアーム「電王手さん」の進化した点は、駒を成る時に駒をいったん置いて裏返しに持ち直すということをしなくても良くなったことです。今回は、駒を持ったまま向きを反転させる機能が実装されました。

【将棋】電王手さん、華麗に歩を成る

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery (3/8)

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery (4/8)

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery (5/8)

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery (6/8)

今回の対局の棋譜。

20150315SaitoVSApery
(将棋電王戦FINAL第1局斎藤慎太郎五段対Aperyの棋譜を紹介しているブログ「将棋上達の探求」へのリンク(上記画像をクリック))

負けが確定した後もAperyが長時間にわたって王手を続けるなどして投了せずに最後まで指したことをネット上で「棋譜を汚す行為」だと批判する声もあるようです。しかし、これに関してはApery開発者の平岡氏は対戦前日のブログで

明日斎藤慎太郎五段とAperyが対局する訳だけれど、
Aperyは負ける時は最後の一手まで指します。
開発者に投了の権利があるらしいですが、どんな勝ち目の無い状況になろうとも、途中で投げません。
一部の将棋ファンからしたら退屈になるかも知れませんが、
もしもプログラムに興味を持ってくれた人がいるなら、、、
負ける直前のコンピュータの特徴的な手は新鮮に映るかもかも知れません。
折角棋譜が残るのだから、コンピュータの特徴的な手を残したいと思います。
それに、Aperyと斎藤五段が戦う訳で、私が間に入って投了するというのは気が引けます。
斎藤五段とは今日少しお話できました。その際に一応先にことわっておいた方が良いと思って、
すみませんが負ける時は最後の一手まで指しますと伝えておきました。
http://d.hatena.ne.jp/hiraoka64/

と事前に断っています。この情報は解説者にも伝わっていたようです。

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery (7/8)

以下の動画は、対局終了直後の両者へのインタビューおよび、メディアによる質疑応答を含めた記者会見の模様など。

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery (8/8)

コンピュータ将棋ソフトウェアの開発者はソフトを事前に対戦相手に提供しており、棋士は対戦するソフトウェアを十分研究して対決に臨んでいます。斎藤慎太郎五段とApery開発者平岡拓也氏の対戦にかける意気込み。

参考

  1. 第4回電王戦第1局 Aperyの不可解なミスと斎藤五段の完璧な準備(遠山雄亮のファニースペース 2015-03-16):”斎藤五段が完璧な準備でAperyに完勝。団体戦としては幸先の良い1勝をあげました。この将棋は35手目▲2一飛成の局面が大きなポイントでした。ここでAperyは△4四角。おそらく敗着となった一手です。△4七歩成と指すべきでした。”
  2. 「将棋電王戦FINAL」斎藤五段が完勝でプロ棋士1勝目「準備したことが出せた1局」(マイナビニュース2015/03/14)
  3. 電王戦FINAL現地からの声 : 1手目: ▲7六歩から116手目△投了 までの全指し手
  4. 電王戦FINAL公式サイト(ニコニコ動画)
  5. 電王戦FINALへの道 : 【電王戦FINALへの道】#1「五人の棋士」から#75 「五人で戦う電王戦FINAL」まで、参戦する5人の棋士と5人のソフト開発者を対局前の半年間追いかけたドキュメンタリー動画。
  6. Apery のログ、実行ファイル、ソースコード(buoyance 2015-03-16):Aperyの開発者である平岡拓也氏がブログでAperyのソースコードなどを公開されています。ちなみにAperyは今回の電王戦FINALでは斎藤慎太郎五段に惜しくも破れましたが、第24回世界コンピュータ将棋選手権(2014年5月3日~5日開催)で優勝したソフトウェアです。