「 研究者の雇用問題 」 一覧

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研究者(大学教授・准教授・講師・助教・ポスドクなど)の年収

研究者や大学教員の年収の「うわさ」などをまとめておきます。 年収が高い職業。 需要の高まりか,採掘・発破工の年収は422万円から571万円に大幅アップしている。 pic.twitter.com/DsZ7XCZtK3 — 舞田敏彦 (@tmaita77) 2018年6月21日 国立大学教授の年収 東京大学教授の年収 1200人あまりいる東大教授の場合、年間給与の総額は約1156万円(平均年齢55.9歳、平成26年度)という平均値が公表されています。最低866万円弱から最高1800万円以上まで幅が広がっている主な理由は、40歳過ぎで教授になっても年功序列のために45歳准教授約860万円というモデル給与と大差がないのに対し、研究科長などの管理職につくと6割の手当がつくからです。つまり、管理職にならないヒラの東大教授の年収は高くとも1200万円に届かないのが普通です。(東大教授の平均年収は1156万円「職務」に見合った額といえるのか 沖大幹 東京大学教授 ironna.jp 太字強調は当サイト) 京都大学教授の年収例 京都大学大学院法学研究科教授の高山佳奈子氏(2013年、45歳時の給与)基本給660万円に賞与279万で年収940万円 (日経ビジネスONLINE 2016年4月12日) 【独占手記】私が京都大学の給与明細を公開したホントの理由 高山佳奈子 京都大教授 iRONNA 国立大学教授の年収例 平成29年の源泉徴収票が送られてきました。 大学が私に支払った総額 9,736,254円 社会保険料その他で差し引かれた額 2,437,918円 所得税(源泉徴収) 609,800円 したがって、いわゆる「手取り」は6,952,828円です。 47歳国立大学教授の手取りは約700万円。高い?安い?こんなもん? pic.twitter.com/i5PB2pam2k — 吉田広志 (@takabee1970) 2018年1月18日 東京工業大学の教員・研究者の年収 下の数字は破格のように思えます(他の1.5倍くらいの印象)。東工大は他の国立大学とは給与体系が異なるのでしょうか。 具体的には、東工大の基準年収では28歳のフレッシュポスドクで500-550万、30代前半の特任助教で600-700万、30代後半の特任助教で800-900万程度です。それでも「劣悪な労働条件」ですか?@_kurotan @sivad @enodon — Satoshi Matsuoka …

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任期付き大学教員の任期について

大学の教員の多くは任期付きであり、どれだけ研究業績があろうが任期が終了するとその大学を去らざるを得ません。任期制の導入には、本来は研究者の流動性を高めるというポジティブな意義が想定されていたわけですが、現実としては、求職者の数に比べて大学におけるポジションの数が極めて少ないため、次のポジションを見つけることは非常に困難になっています。そのため、多くの人にとって、研究者がもはや職業として成り立たない状況です。 任期付き大学教員の雇用に関する話題をいくつか紹介します。 注意:雇止めや無期転換に関しては訴訟がいくつも起きている現状ですので、この記事執筆者(当ウェブサイト管理人)自身、法律の解釈等に関して何が正しいのかを把握しきれていません。また、法の改正も頻繁であり、記事の内容が古くなっている可能性もあります。ここで紹介した内容は鵜呑みにせずに、あくまで参考に留めてください。 雇用継続への合理的な期待 有期雇用については期限が来たら原則として契約は終了しますが、更新が繰り返されるなど、労働者に更新に対する合理的期待が認められる場合には期間満了による雇止めは無効とされます。本件の原告は大学の助教で3年間の期間雇用とされていましたが、過去2回更新されており、また、今回、助教で再任を希望した33人のうち、原告を含む3名が雇止めされたが、33名中原告を含む16名が基準を満たしていなかったことなども考えると、継続的な雇用が前提とされていたとして、更新に対する合理的期待はあったものとされました。(大学の任期付助教に対する能力不足を理由とする雇止めの有効性が争われた事案  労働判例1105号 東京地裁平成26年7月29日判決 弁護士江木大輔のブログ 2015年03月16日 ) 東京医科歯科大学事件 助教に対する研究業績不足を理由とする雇止めの効力が争われた事案 事件番号 平成25年(ワ)11039号 労働判例1105号49頁 労働経済判例速報2227号28頁 本件大学の大学院医歯学総合研究科(歯学系)においては平成25年3月に任期が終了する3年任期の助教で再任を希望した33名のうち30名が再任されたことからすれば、任期のある助教も継続した雇用が前提とされているものと認められる。そして、(中略)X自身、過去2回の再任を経ていることからすれば、Xには、更新の合理的期待が認められる。 (zenkiren.com) Xは、Y法人が設置する大学の助教に3年の期間を定めて採用され、これまで2回契約を更新された。 本件大学においては、「教員の任期に関する規則」が定められており、再任の可否を決定するに際して、研究業績等の事項について業績審査を行うものとされ、このうち研究業績評価については、インパクトファクター2.0以上の雑誌に2報以上発表する(以下「基準1」という。)ほか、その他の論文を2報以上発表する(以下「基準2」という。)こととしていた。なお、特別な事情で条件を満たすことができなかった場合は、本人及び本人が所属する分野の責任者(以下「分野長」という。)の理由書を提出することを再任の基準としていた。(平成25(ワ)11039号 地位確認等請求事件 東京地裁 平成26年7月29日判決 福島県労働委員会事務局 労働判例の紹介) 龍谷大学助手雇い止め事件 係属機関・判決日 京都地方裁判所 平成23年12月22日 訴訟内容 3年の期限付きで龍谷大学(京都市)で経済学部助手を務めていた原告が、1回目の契約更新時に雇い止めを通告されたことに対し、少なくとも1回は更新されるはずであったと主張し、同大学を相手取り、労働契約上の地位確認及び雇い止め以降の未払い賃金を請求した事件。‥ 近年、多くの大学で「高学歴ワーキングプア」と呼ばれる任期付や非常勤の採用が増加し、研究者の雇い止めによる退職も増加しているという実態があるが、そのほとんどが次の再就職を案じて雇い止めを容認しているという。(机・加藤 社会保険労務士法人)   任期付き大学教員に関して Q:有期契約で大学教員をしています。任期5年で1回更新可能、という契約です。現在1回更新を済ませ、2期目の3年目になります。大学でのポジションはキャリア・センターの専任教員(教授職)ですが、キャリア指導にあたるだけではなく、他の専門科目、一般科目、大学院学生の指導も担当しています。‥ 後2年半で私の契約は、打ち切られ、雇い止めを受けることとなるのでしょうか? A:「任期5年で更新1回」という労働条件に合意したうえでの就労ですので、難しい部分はありますが、‥ まず雇止めの問題に、評価の低い教員との比較は全く関係がありません。他の教員の評価が低いから、それよりも評価の高い有期労働者を雇止めしてはいけない、という根拠はないからです。‥ 厚生労働省の重要通達(昭27.2.2基収503号)では、以下のように定められております。「形式的には契約期間の定めがあっても、この契約を反復継続し、相当長期間にわたって労働契約が継続しており、実質的には期間の定めがない労働契約と認められる場合は、契約期間の満了によって労働契約を終了させる場合であっても、解雇と同様に取り扱われ、法20条(労働基準法20条)の解雇の予告を必要とする。」つまり期間満了であっても、契約が反復継続し相当長期間にわたって労働契約が継続していれば、期間満了による労働契約の終了をする場合でも、それは解雇の扱いである、ということを定めています。‥ (justanswer.jp) 上の質問者のように、5年の任期付きの教員が更新して5年を越えた場合に、無期転換できるのか?という疑問が湧きます。安西愈 著『雇用法改正』(日本経済新聞出版社 2013/2/16)の53~55ページに、③大学の講師等5年任期制等(特殊契約)の再契約は というセクションがあり、そこでは「大学の教員等の任期に関する法律」の解説とともに、結論として、  そして、「教育研究の必要に応じて職ごとに異なる任期とすることが可能であること。」とされ、職とは、「教授、助教授、講師、助手」をいうとされています。 これらの職は学校教育上のものであり、労働者の雇用上の権利といったものではないため、5年を超えて再任用されたからといって、任期を定めた任用は、職ごとに行うものとされているので無期転換できるものでありません。 したがって、単純に労契法第18条第1項にいう、「2以上の有期契約を通算した期間」に該当することにはならず、任期及び再任用ごとに別契約であり、通算に該当しないと解されます。これは、同じような任期制が適用される研究機関や同種のほかのケースについても同様と解してよいと思われます。(『雇用法改正』日本経済新聞出版社 2013年 54~55ページ) と記述されています。   文科省による説明 オ.再任の取扱い等 大学の判断により、任期満了者の再任を妨げない運用も、逆に再任を認めない運用も可能とする。 任期制を導入するに当たっては、再任を妨げないものであるか否か(再任を妨げない場合には、必要に応じて再任後の任期の期間)をあらかじめ決定しておくこととするのが適切である。 その際、任期制は、教員の流動性を高めることにより、教育研究の活性化を図ることを目的とするものであることから、他大学や研究機関、企業等との交流をできるだけ促す方向で、制度が運用されることが望ましい。 また、再任を妨げない場合、個々の教員について再任の可否を判断するに当たっては、再任とは再びその職に採用するということであることから、通常の採用手続に基づき、選考を行うことになる(国公立大学の場合、教員の選考は教授会の議に基づき学長が行う。)ので、採用時にこの旨本人に明示しておくことが求められる。再任審査の時期等については、当該教員の円滑な異動という観点にも十分配慮した上で定める必要がある。 (引用元:大学教員の任期制 文部科学省)   関連する法律等 大学の教員等の任期に関する法律 (平成九年法律第八十二号)施行日: 平成二十八年四月一日 …

年収300万円非常勤講師を遮る常勤の壁

2017年10月25日の東洋経済ONLINEに、大学教員公募に関する記事 年収300万円「非常勤講師」が苦しむ常勤の壁 がありました。同記事はヤフージャパンでも読めますが、両ウェブサイトのコメント欄には、あわせると400以上ものコメントが書き込まれました。その中から、アカデミア就活に役立ちそうなコメントをいくつか紹介します(随時入れ替えあり)。   不採用になる理由 大学がほしいと思う人材ではないということ 採用先が採用したい人をとるただそれだけ   職には呼ばれるもの 本当に実力があれば、面接なんかせんでも声がかかるよ 実力がある人へは向こうからオファーが殺到する   大学教員公募選考過程の実際 大学の採用が出来レースなのは周知の事実。… 大抵は教え子か、コネのある人が空いたポストを埋める。表向き公平性を保つために外部に求人を公開しているだけ 確かに出来レースのコネ採用あります。公募でコネ採用とは実に迷惑な話です。ただすべてがそうではありません。… また大学の教員は高校教員とは違い、研究分野を非常に絞って採用を掛けます。分野違いではいくら研究業績が素晴らしくても採用には至らないでしょう。また、面接での態度や人間関係、大学の求める人物像なども加わります。 採用する側に居たこともありますが、外部の優秀な人材より、自分の手下として使える人間を選ぶ行為が平然と行われていました 優秀って言う人程扱いづらくて、結局優秀ではなかったりするから、教授の気に入った人しか採用はされない   採用する側は応募者のどこを見るのか 研究業績がダントツでも人格的に問題があれば採用されない 研究業績の数が優先されるのは、東大京大など一部の研究大学のみです。それ以外の大学では、最低限の業績や経験に加えて、最優先で「人柄」を見ます。学生及び同僚や事務員さんなどと、波風立てず気持ちよく仕事ができる人かどうか、が最も重要   研究だけではない大学教員の仕事を理解すること 旧帝大などを除いた一般的な大学では、大学教員の仕事は、・研究・教育・大学(学部)運営の三本柱から成つのが普通です。研究業績だけで採用が決まるわけではありません 多くの大学教員は自分の好きな研究だけをしているわけではなく、学生に講義をして、人によっては入試や学務など事務的な仕事も大量に処理をするなど、担当する業務は一般に思われているよりもはるかに多面的です。そのために、研究業績は採用時に重要な意味を持つものの、いわゆる研究大学であっても、研究業績だけで評価する訳ではありません。… 組織として機能するために、研究業績以外の側面も勘案して、直面する状況に合わせて適切に人員を配置することが、求められます   各大学のニーズにマッチさせること 研究実績よりも教育実績の方が大切な可能性もあり 業績で選ばれたければ、業績を必要としている大学に応募すること ご自身の考えと大学の求めているニーズが一致しない点を再度考え直して 学生に今までの経験ご還元でき、学生の満足度を高める授業をできないなら申し訳ないが採用は厳しい   コネ採用の現実 世の中コネですよ いいも悪いも世の中コネだらけ 以前、国立大に非常勤で勤務していたけど、採用はコネでしかないんだよね。   …

平成29年度 卓越研究員ポストが公開される

平成29年度 卓越研究員を受け入れる大学、研究所、企業が提示したポストのリストが公開されました。日本全国の国公立大学、私立大学のほか、日立製作所、出光興産、パナソニック、住友電気工業、富士通、日本電気、キリン、日本電子、第一三共、ソニーコンピュータサイエンス、その他の企業が受け入れを表明しています。ジョブタイトルは、助教、講師、准教授、教授、グループリーダー、主任研究員、その他となっており、エクセルファイルの一覧を見ると全部で204件あります。 エクセルファイル、分野別PDFで閲覧可能 ⇒ 平成29年度 卓越研究員事業 公開ポスト一覧 (日本学術振興会) JREC-INのサイトでも、卓越研究員の求人を検索できます。⇒ JREC-IN(検索:「卓越研究員」)   卓越研究員の年齢制限について 卓越研究員事業の英語名はLeading Initiative for Excellent Young Researchers(LEADER)で、「若手」対象であることが明言されており、実際、卓越研究員応募条件には平成30年4月1日の時点で40歳未満であることという年齢制限があります。2012年のデータですが、ポスドク14171人のうち40歳以上は16.4%(2324人の計算)、35歳以上と合わせれば37.2%(5272人の計算)にもなります。それから5年近く経ちポスドク高齢化が一層進んでいること、ポスドクとは別に、任期付き助教も相当数存在することを考えると、年齢がネックで卓越研究員に応募すらできない人は、かなりの数にのぼりそうです。 平成28 年度からの5年間の科学技術政策の方向性を定める第5期科学技術基本計画においては、「40 歳未満の大学本務教員の数を1割増加」、「我が国の企業、大学、公的研究機関のセクター間の研究者移動数を2割増加」させることが目標値として掲げられています。本事業においては、この2つの目標値の達成にも資するため、新たな研究領域に挑戦するような若手研究者が安定かつ自立して研究を推進できるような環境を実現するとともに、全国の産学官の研究機関をフィールドとして活躍し得る若手研究者の新たなキャリアパスを提示することを目指しています。(Q 卓越研究員事業の狙いは何か。) Q 「②平成30 年4月1日現在、40 歳未満(ただし、臨床研修を課された医学系分野においては43 歳未満)の者」とあるが、例えば、病気休暇等で研究を中断した場合など、個別の事情がある場合、例外的に申請することはできるのか。 A 申請者(研究者)の要件について、出産又は育児により、子供1人につき、合計3カ月以上の間、研究を中断した場合を除き、個別の事情を考慮せず、一律に判断させていただきます Q 「②平成30 年4月1日現在、40 歳未満(ただし、臨床研修を課された医学系分野においては43 歳未満)の者」とあるが、雇用対策法との関係はどうなるのか。 A 雇用対策法の改正により、平成19 年10 月1日から、労働者の募集及び採用に当たって、年齢の制限を設けることができなくなっています(雇用対策法第10 条)。一方、本事業は、若手研究者の安定的な雇用の促進を目的とする国の施策であることから、雇用対策法施行規則第1条の3第1項第3号ニに該当するため、雇用対策法第10条の適用除外となります。(平成29年度卓越研究員事業公募に係るQ&A 平成29年2月6日 文部科学省 科学技術・学術政策局   中でも深刻なのは発展著しい生命科学の分野で、日本分子生物学会の最新のアンケート調査(2015年、会員のみ対象)では、ポスドクの59%が35歳以上となっている。(ポスドク問題と人材の流動化―日本のサイエンスを救うために―サイエンスポータル 2016年12月6日)   近藤:20年前に大学院の重点化を進めたことで、現在40歳前後のPDがたくさんおり、非常に厳しい就職難になっています。この年齢層に対する何らかのケアは可能でしょうか? 生田:難しいと思います。財政当局の視点からすると、その年齢層の研究者に対して、大学院重点化を通じて高額の投資を …

ブラック企業の構造と研究者の雇用不安

先日、京大の山中伸弥教授が、「京大iPS細胞研究所は、これが民間企業ならすごいブラック企業」という表現をしたそうです(記事)。しかし、これは決して京都大学のiPS細胞研究所に限った話ではありません。研究者の雇用不安は、現在の日本の科学研究全体を覆う非常に深刻な問題です。 ブラック企業とは、定義にもよりますが、労働者を劣悪な労働条件で酷使し、峻烈な選別を行い、非情に使い捨て、組織だけが成長するような会社のことです(参照:コトバンク)、これはそっくりそのまま今の研究の世界にも当てはます。 研究室では、任期付きの研究者は少しでも早く成果を出さないといけないので必然的に長時間労働を強いられます。ポスドクの報酬は年齢や学歴からは一般の人が想像できないくらいに低く、時給換算したら国が法で定める最低賃金並みになります。ポストの数があまりにも少ないため、ある程度の成果を挙げたとして もそう簡単に定職は見つかりません。任期が切れたり財源が途切れれば、ボスが温情を施したくても研究者はラボを去らざるをえません。しかし買い手市場のおかげで研究室はまた新たな労働力を調達して存続し発展できます。現在の日本の科学研究において、研究室というのは構造的にブラック企業そのものなのです。 ブラック企業の場合は経営者の人格や経営姿勢が問われるところですが、研究室の場合は教授の人柄が良く部下思いであったとしても、現在の研究制度が抱えるこの構造的問題をどうすることもできません。 日本の科学技術政策に関する提言の中では、「至高の科学力で世界に先んじる」とか、 「世界的な卓越した教育研究拠点の形成」などと非常に耳当たりの良いフレーズが飛び交っていますが、人生設計もままならずに不安に苛まされているポスドクや任期付き教員ばかりという暗澹たる研究の現場で、そのような崇高な目標が本当に実現し得るのでしょうか? ”ポスドク等の約40%の年収は400 万円以下である。また半数以上が退職金や住宅手当の支給を受けられない。” ”任期制であることが結婚、子どもを持つこと、住宅購入などに影響すると考えている人の割合は70%もしくはそれ以上” “1週間の労働時間は平均54.8 時間、40%以上が60 時間を超え、100 時間を超える人もいる” ”13%程度が自身もしくは配偶者の実家から経済的援助をうけている。年齢別では41 歳以上の人、また子どもの有無別では子どもがいる人が実家から援助を受けている率が高く、…” “給与の財源は文部科学省研究費助成金( 26% )、その他の競争的資金(22%)、戦略的創造研究推進事業とグローバルCOE プログラム(それぞれ8%)が多く、上司の研究費による雇用が中心である” “78%の人が次の職を探している。…大学や研究所での求人が少ないこと、公募していても形式的で内部昇格が多いことを危惧している。” (引用元:生命系における博士研究員(ポスドク)ならびに任期制助教及び任期制助手等の現状と課題 平成23年 日本学術会議題) 「世界最高水準の卓越した研究」の担い手の多くが、1年契約で年収が300万円台のポスドク(博士研究員)や時給1000円程度のラボテクニシャン(技術員) だったりするのが実際のところです(人件費の財源や機関にもよる)。しかも、彼らは成果を挙げても、どれほど優れた実験技術を持っていても、何歳になっても報酬は増えず生活の保証もありませ ん。せめて、能力や成果に応じてパーマネントの職を得る機会や、昇給の機会を与えるような人事制度へ早急に変えない限り、日本の科学研究は国際的な競争力を失っていくでしょう。 “ポスドクを複数回繰り返す35 才以上のポスドク(シニアポスドク)が2012 年の調査で全体の37.1%に達しています” (引用元:生科連からの<重要なお願い> 生物科学学会連合 ポスドク問題検討委員会) 「酷使」や「使い捨て」というのは認識の問題もありますが、日夜研究に勤しんで、(少なくともボスがその地位に安泰で居られる程度の)論文成果(インパクトファクター5~10)を挙げ、ラボに対してもサイエンスにおいても貢献した研究者が、研究を辞めて教育職や研究事務に転向したり、研究や教育とは全く無関係な職に転じたり、最悪の場合完全に失業するしかないというのが、日本の科学研究の現状です。成果が出ない人間を切り捨てるブラック企業。成果が出ている人間をも切り捨てる研究所。現在の日本の研究社会は、ある意味、ブラック企業よりも更にブラックかもしれません。 ”「お前が研究者をやめてくれて心底ほっとした」 母親もそんな言葉で大卒初任給ほどの待遇で居場所を探してきた息子の転身を心から喜んでくれ、…” (ポスドクからポスドクへ 円城塔 日本物理学会誌 Vol.263, No.7, 2008  PDF)     参考 提言 生命系における博士研究員(ポスドク)ならびに任期制助教及び任期制助手等の現状と課題 平成23年(2011年)9月29日 日本学術会議 基礎医学委員会 (PDF55ページ) …

CiRA これが民間企業ならすごいブラック企業

2015年5月23日に橿原ロイヤルホテル(奈良県橿原市)で奈良県立医科大学開学70周年記念式典が執り行われ、京都大の山中伸弥教授が記念講演を行いました。その中で所長を務める京都大iPS細胞研究所(CiRA)について、CiRAの約300人の教職員のうち9割が不安定な有期雇用であることから、「これが民間企業ならすごいブラック企業。何とかしないといけない」と、研究者の雇用不安にも言及したそうです。   参考 iPS細胞研究所の9割有期雇用 山中教授「民間企業ならすごいブラック企業。何とかしないと」 奈良で講演(産経WEST 2015.5.24):”一方で、所長を務める京都大iPS細胞研究所(CiRA)については、約300人の教職員のうち9割が不安定な有期雇用であることから、「これが民間企業ならすごいブラック企業。何とかしないといけない」と指摘。” 開学70周年記念式典を挙行しました(奈良県立医科大学 2015年5月27日):”記念講演 細井理事長・学長と古家理事(附属病院長)が座長となり、山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長・教授を講師にお迎えし、iPS細胞が移植治療だけでなく難病治療薬の開発にも重要な役割を果たし始めている等「iPS細胞研究の現状と医療応用に向けた取り組み」について、ご講演いただきました。”   同じカテゴリーの記事一覧