「 科学者の不正行為 」 一覧

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九州工業大学助教が実験を失敗した大学院生を金属棒で殴打し懲戒解雇に

九州工業大学(北九州市戸畑区 尾家祐二学長)が2018年12月5日に記者会見を行い、同大大学院工学研究院の大学院生に対して暴力行為を働いた指導教官の助教を解雇したそうです。 教育職員の懲戒処分について 更新日:2018.12.05  本学では、平成30年12月5日、学生に対する暴力行為により、教育職員を懲戒処分(懲戒解雇)としました。 本学は、建学以来の精神である「技術に堪能なる士君子」の養成を基本理念として、学生と教職員が互いに尊重しあう人間関係を保ち、充実した安全で快適な生活を送ることができるよう努めてまいりました。なかでも教育職員には、良好な教育研究環境の下で学生を適切に指導する重い責務があります。それにも拘わらず、今回の不祥事が起きたことは大変残念であり、関係の皆様に深くお詫び申し上げます。 このようなことが二度と繰り返されることのないよう、本学構成員一人一人が、教育機関としての使命を強く自覚し、全学をあげて再発防止に取り組み、信頼回復に努めてまいる所存です。 平成30年12月 5日 国立大学法人九州工業大学長 尾家 祐二 (九州工業大学 > TOPICS > 教育職員の懲戒処分について) 九州工業大学のウェブサイトの発表では、具体的に何が起きたのかが一切説明されていません。再発防止の取り組みとして、まずは、何が起きたのかを報道機関に頼らずに自らのウェブサイト上で国民に説明して欲しいと思います。ハラスメントは閉じられたドアの向こうで起きるものですから、ドアをオープンにするだけで抑止効果があるはずです。九工大が暴力行為の内容をウェブサイト上で伏せてしまうのは、オープンさが全く感じられず、こういう姿勢がアカハラの温床を維持するのではないかと危惧されます。不祥事が発覚するたびに全学をあげて再発防止に取り組んでいる大学で、なぜこのようなハラスメント行為がいつまでも繰り返されるのか不思議です。 過去記事⇒九工大准教授がアカハラで停職2か月の処分   報道では具体的な暴力行為の内容が報じられています。 3月ごろ平手打ち▽5月上旬と中旬に顔面殴打▽6月ごろ右上腕部を金属製の棒(長さ50~60センチ)で殴打▽8月8日に頭頂部を金属製の棒で3回殴打し2針縫う傷を負わせる――5回の暴力行為をした。 他にも学生の前髪をハサミで切るなどの行為もあり、いずれも実験室で2人きりの時に行われた。(学生の頭を金属製の棒で殴りけがさせる 九州工業大助教を懲戒解雇 2018/12/5(水) 20:54配信 毎日新聞/YAHOO!JAPAN) 金属の棒で殴ったという新聞記事を見ると、懲戒のための金属棒でも用意していたのかと思いましたが、ラボにありがちな部材が凶器になったようです。↓ スチール棚の柱に当たる部材(長さ50~60センチ)で、6月に右腕を、8月8日に頭頂部を殴った。(金属棒で学生殴る 九工大助教を解雇 2018年12月06日 06時00分 西日本新聞) ↓いや、そういう問題ではないでしょう。 記者会見した尾家祐二学長は「教職員にあるまじき行為。再発防止に努める」と述べた。教員と学生の「1対1」の状況も原因の一つとして、複数教員による指導体制が確立できないか検討するという。(金属棒で学生殴る 九工大助教を解雇 2018年12月06日 06時00分 西日本新聞) 複数の教員にシバかれたら、たまりません。   参考 学生に暴力か 九工大助教を解雇 NHK 2018年12月05日 19時26分 懲戒解雇になったのは、九州工業大学大学院工学研究院の30代の男性の助教です。大学によりますと、助教は、ことし3月から6月ごろにかけて指導していた男子学生の顔を手で殴ったり、金属の棒で腕を殴ったりする暴力を繰り返していました。さらに、ことし8月には学生の頭を金属の棒で殴り2針縫うけがを負わせたうえ、病院に連れて行った際「上から物が落ちてきてけがをしたといいなさい」とうその説明をさせたということです。 大学生を金属棒で殴った30代男性助教を懲戒解雇 2018年12月5日22時2分 日刊スポーツ 助教は3~6月、自身の研究室に所属する男子学生1人に対し、顔を素手で殴るなどの暴行を繰り返した。8月には長さ約60センチの金属製の棒で殴り、頭頂部を2針縫うけがを負わせた。「学生が実験サンプルを壊したことなどに腹を立てた」と話しているという。 学生の頭を金属製の棒で殴りけがさせる 九州工業大助教を懲戒解雇 2018年12月5日 20時53分 毎日新聞 助教はこの学生に対し、3月ごろ平手打ち▽5月上旬と中旬に顔面殴打▽6月ごろ右上腕部を金属製の棒(長さ50~60センチ)で殴打▽8月8日に頭頂部を金属製の棒で3回殴打し2針縫う傷を負わせる――5回の暴力行為をした。 他にも学生の前髪をハサミで切るなどの行為もあり、いずれも実験室で2人きりの時に行われた。助教は「実験サンプルを壊されたりしたので手を上げてしまった」などと認めているという。

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ランチョンセミナー出席で学会出張の日当が減額される理由

多くのの学会では昼食時にスポンサー企業が主催するランチョンセミナーがあります。その企業の測定機器や試薬などをよく利用しているどこかの大学の先生が講演し、聴衆は企業から提供されたお弁当を頬張りながら聞くことになるわけですが、学会出張を終えてラボに戻ると、ランチョンセミナーに出席したかどうかを事務に報告しなければなりません。なぜなら、学会出張中の日当の金額が、ランチョンセミナーに出席したかどうかで変わってくるからです。ランチョンセミナーでお昼代が浮くわけではなくて、その分は日当から減額されることになります。これに関しては、大学や研究機関によってはあまり徹底されていないところもあるようで、研究者の間に不公平感がたまっているかもしれません。   日当の意味とは? 日当を学会参加の労務に対する報酬と理解している研究者も多いと思いますが、旅費の意味を正しく理解しておく必要があります。 学会とか出張でランチョンセミナーに参加すると日当が減らされるのって何でなんだ?? — ひかる (@tamago329) 2016年9月23日   旅費の中に含まれる「日当」(にっとう)は、社会常識としての日当とは全く意味が異なり「昼食代」のことです。旅費法上の「日当」を正確に表現すれば「昼食代等」です。研究費を使用するときに、この日当を正確に理解していないと、真面目に研究していても思わぬところで「研究費の不正使用」を疑われてしまいます。(旅費法上の日当は昼食代、学会参加費に昼食代が含まれるなら減額調整 誰も教えてくれない官公庁会計実務)   学会のランチョンセミナー等への出席の報告の義務 2.確認事項(用務内容が「学会等参加」と「招聘」のとき) (□へのチェック) ①参加費の立替払請求を経費を問わず □する □しない □含まない → ※協賛企業等負担 ②ランチョンセミナー等で食事の提供があったとき、参加費に食事代が □含まれる(   回) 会議費で食事の提供を □する □しない → ※飲み物だけの提供は「しない」にチェック (出張報告書 東京医科歯科大学) Conbio2017のランチョンセミナーに出席したかどうか事務から問い合わせがあった。日当支給に関わるからと。あれは企業が勝手に配ってるんだから関係ないでしょ。 — masayume (@masayume_32) 2017年12月13日   日当の減額調整 Q27:国際会議等の参加登録費には、以下のものが含まれている場合、どのようにすればよいでしょうか? ① モーニングセミナー等 ② ランチョンセミナー等 ③ イブニングセミナー等 ④ ウェルカムレセプション等 A …

2018年11月19日ディオバン論文不正事件の控訴審判決

アンジオテンシンII受容体拮抗系高血圧治療薬・ディオバン(一般名:バルサルタン)を巡る医師主導の臨床研究でデータを改ざんしたとして、薬事法(現・医薬品医療機器法)の第66条に基づく誇大記述・広告違反に問われたノバルティスファーマの元社員・白橋伸雄被告と同法両罰規定により起訴された法人としてのノバルティスファーマに対する控訴審判決で、東京高裁は11月19日午後、一審の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。 同裁判は、日本人の高リスク高血圧患者を対象にノバルティスのディオバンの上乗せによる心血管イベント発症抑制効果を比較検討した「Kyoto Heart Study(KHS、主任研究者:松原弘明・京都府立医科大学循環器内科教授)」の2つのサブ解析論文での不正について問われたもの。(一審の無罪判決を支持。「66条1項での対応は無理があり、新たな立法措置が必要」 2018年11月19日 PM04:38 医療NEWS QLifePro) 「ディオバン」データ改ざん、2審も無罪判決 (2018年11月19日 21時34分 読売新聞 YOMIURI ONLINE) 高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データを改ざんしたとして薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(誇大記述・広告)に問われた製薬大手「ノバルティスファーマ」の元社員・白橋伸雄被告(67)と法人としての同社の控訴審判決で、東京高裁は19日、無罪とした1審・東京地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。 芦沢政治裁判長は、「たとえ白橋被告が虚偽のデータを提供し、それを基に虚偽の論文を学術雑誌に掲載させたとしても、薬事法が禁じる誇大記述・広告にはあたらない」と述べた。 薬事法違反を巡る裁判で一審を支持 ディオバン論文不正事件で判決、二審も無罪 (2018/11/19 満武 里奈=日経メディカル) 降圧薬バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床研究論文不正事件で医薬品医療機器等法(旧薬事法)違反の罪に問われ、一審で無罪を言い渡されたノバルティスファーマ元社員の白橋伸雄被告とノバルティスファーマの控訴審判決が11月19日、東京高裁であった。東京高裁は一審の判決を支持し、検察側の主張を棄却した。論文を掲載した行為は、旧薬事法第66条第1項の「虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」には抵触せず、違法性はないと判断した。     ノバルティスファーマ社の降圧薬バルサルタン(商品名:ディオバン)の論文不正で、ノバ社の元社員と同社が薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)の罪に問われた事件の控訴審初公判が12日に東京高等裁判所で開かれ、即日結審した。判決は11月19日。元社員と同社に対して無罪とした東京地裁の判決を不服として、東京地検が控訴していた。… 昨年3月の判決で東京地裁は、元社員がディオバン群に有利にするために意図的にデータを改竄したとの検察の主張を認めたものの、学術雑誌の論文掲載に購入意欲を喚起する性質があるとはいえず、薬事法が規制する虚偽広告には当たらないと判断し、無罪判決を言い渡した。(NEWS ディオバン論文不正事件の控訴審判決は11月19日  2018-09-14 日本医事新報社) ノバルティスファーマ社の降圧剤(一般名バルサルタン:商品名ディオバン)を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件の控訴審が9月13日、東京高裁(芦澤政治裁判長)で開かれ、即日結審した。開廷時間は3分程度で、裁判所は事実関係については一審判決を踏襲し、学術論文を作成する行為が薬事法66条1項の虚偽広告に当たるかどうかを改めて判断すると見られる。(ディオバン裁判、高裁は即日結審、11月に判決 学術論文を作成する行為が薬事法違反かどうかが争点レポート 2018年9月13日 (木)高橋直純 m3.com編集部) 白橋被告らは、薬事法で禁じられている「虚偽記述・広告」をしたとして起訴された。一審・東京地裁は白橋被告が臨床データを改ざんしたと認定しつつ、「論文は広告にあたらない」と判断し、無罪とした。検察側はこの日、「誇大な事柄を広く知らしめれば、法律に違反する」と主張した。(「一審は法解釈を誤った」ノバルティス論文不正で検察側 2018年9月14日14時00分 APITAL 朝日新聞DIGITAL) 一審は17年3月、データ改ざんを認定したが、データに基づく論文投稿は「購入意欲を喚起させる手段と言えず、誇大広告に当たらない」として無罪を言い渡した。(2018/09/13-16:48) 一審は17年3月、データ改ざんを認定したが、データに基づく論文投稿は「購入意欲を喚起させる手段と言えず、誇大広告に当たらない」として無罪を言い渡した。(二審判決は11月19日=ノバルティス論文改ざん-東京高裁 2018/09/13-16:48  JIJI.COM)   【タブー】ディオバン事件は一部マスコミ関係者の地道な追及で、大学教授、製薬会社員の犯罪の事実関係を解明。だが、捏造が明らかでも、裁判所が無罪に、関係教授が学会理事長に。日頃、社会保障の金がかかりすぎると騒ぐ提灯マスコミは、健康保険にたかる詐欺企業の控訴審の存在すら国民に伝えない。 — 金子勝 (@masaru_kaneko) 2018年11月18日   参考 金子勝の「天下の逆襲」 これは深い病だ…文書やデータの改竄に社会が驚かない異常 2018/05/30 06:00 日刊ゲンダイDIGITAL 意外な無罪判決で検察に衝撃 ディオバン事件の経過と今後 前田恒彦 | …

東大医論文(5)医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大

日本の科学研究史上最悪の研究不正 サイエンス記事では、弘前大の研究不正事件を史上最大級の一つとしていますが、私は個人的には東京大学医学部のデータ捏造論文(=オリジナルデータと論文データがことごとく異なる)を東大の現執行部が隠蔽(=本調査の報告書すら非公表)していることも、日本の科学研究の歴史における最大最悪の不正の一つだと思っています。 なにしろ、「論文のグラフが手描きで作られていて(=つまり、デタラメ)、オリジナルデータと論文データがことごとく異なるもの(=つまり、全部がデタラメ)」を、日本でトップの研究大学である東京大学の総長や理事ら現執行部が「研究不正とはみなさない」と公式に宣言したのです。これにより、日本の科学研究の世界において「研究倫理」という言葉は、その意味を完全に失ったように感じます。 Ordinary_Researchersが同時に告発した理学系論文の方はクロをクロとして厳正に対処した一方で、医学系論文に関してはクロをクロと呼ばずにシロと呼ぶことにして、シロなのでハイおしまい、こんな屁理屈で重大な論文不正疑惑にフタをしようとする東大の破廉恥ぶりには驚き呆れます。 私はOrdinary_Researchersの告発文書を見て、いくらなんでもここまでデータ捏造の証拠を突きつけられたら誰も言い逃れはできないだろうと思っていました。 東大医学部の疑惑論文、エラーバーすら使い回しって。。これで不正と認定されない可能性って0.0何パーセントくらいあるんだろうか? https://t.co/bhYH3q0wbr pic.twitter.com/I5vNyFNHD9 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年6月21日 なので、まさか、科学者や弁護士という立派な経歴を持つ東大執行部の大人たちが、こんな幼稚なことを真顔で言って医学部の不正疑惑の幕引きを謀ろうとするなどとは、自分は夢にも思いませんでした。 背中にナイフが刺さった状態でうつ伏せに倒れて路上で死んでいる人を誰かが見つけて通報したところ、それは自然死なので事件性はないと現在の日本の警察が発表したくらいの計り知れない衝撃を感じたニュース 東大が医学系5研究室に不正はないと結論 https://t.co/q7qzJ4PhSf — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年8月1日 医学系論文の一部に関してはオネストエラーあるいは雑誌社編集過程でのミスだったと説明されましたが、説明が一切なされなかった論文に関しては、デタラメな論文(=論文の図のどのグラフも実験値を表していない)にもかかわらず不正認定を免れて立派な”研究業績”として生きているため、現在も、国民の税金が原資である科学研究費が何億円という規模でこれらの”研究者”のもとに流れ込んでいます。 もしもデータ捏造の事実があり、東大理事や監督省庁(文科省)、研究資金配分機関(文科省、厚生省、経産省、AMED)の官僚らがそれを知りつつ隠蔽しているのだとしたら、彼らのやっていることは公金の横領となんら変わらない重大な犯罪行為だと思う。https://t.co/ceD9nWEu17 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2018年2月20日 日本の科学研究において、そして、東大において、一刻も早く正義が回復することを願ってやみません。マスメディアも、東大が不正なしと発表したから「不正なし」と報道するのではなく、「東大が不正なしとした」ことの意味を報道し、ジャーナリストとしての使命を果たすべきです。 東大医学部といえば、日本全国から最高の学力を備えた高校生たちが入ってきて、トップでないと気がすまない子供たちがさぞ夢と期待を抱いて学んでいるはずなんだが、その行き着く先が捏造が常態化した研究室になるとしたら、シュールすぎる。と書いたてみたがホラー映画より恐ろしい現実に気が滅入る。 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年8月2日 昨今、日本の研究力が低下したことを危惧する論説が増えていますが、研究不正を研究大学のトップが公認しているという異常さに異議を唱えずに、他の原因ばかり考えるのはおかしいと思います。研究不正の蔓延が、研究力低下の大きな要因の一つであることは論をまたないでしょう。   医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大 東大は「22報論文に関する調査報告」の本体を非公表、「骨子」のみ東京大学ウェブサイト上で公開しており、そこには医学部系に関しはわずか19文字からなる一文しかありません。ところが、この19文字だけでもすでに大きなゴマカシがあることに気付きます。Ordinary_Researchersが告発したのは、あくまでも、図が怪しい「論文について」でした。この調査報告書もタイトルが示すとおり、「論文に関する」報告です。分子細胞生物学研究所関係の結論も、 論文(図) 5報(16図)について不正行為があったと認められた と記述されており、「論文に関して」不正があったかなかったかの結論を述べています。ところが、非常におかしなことに、医学系研究科関係に関しては、 (結論)申立のあった5名について不正行為はない としか言っておらず、実は、論文に関する報告をしていないのです。5名の医学系教授に不正があったかどうかの話にすり替えています。Ordinary_Researchersの告発文書を読めば明らかですが、誰も医学系教授5名を告発などしていません。告発の対象はあくまで、これらの教授の研究室から出た数々の論文です。いずれも複数の著者からなる論文であり、研究不正を働いた人間が著者の中の誰なのかは、告発者にはわからないわけですから、当然のことです。医学部の論文に関して、「(結論)申立のあった○○報(□□図)について不正行為はなかった」と書けなかった理由は何でしょうか?調査委員らも東大執行部も研究不正の自覚が十分にあり、「論文について不正行為はなかった」と言い切ることにはさすがに心理的な抵抗があったために、こんな誤魔化した日本語になったのだろうと私は想像しています。開示された調査書本体の墨塗りでない部分を読むだけでもこのような痛々しいゴマカシがさらに数多く見つかりますから、調査報告書本体を東大がウェブ公開できない心情はよく理解できますが、許されることではありません。 東大は医学系論文に関して不正行為があったかなかったかという報告をまだきちんと国民に対してしていません。「22報論文に関する調査報告」全文を速やかに全国民に対して公開し、調査報告書の結論を導く根拠となる、個々の論文の個々の図の実験事実を証明する調査資料の全ても合わせて開示すべきです。東大医学部における研究不正の有無を判断するのは、日本の研究者コミュニティが担うべき役割であり、東大はそれに必要な全ての資料を開示する責任があります。一部の人間による情報不開示の判断は、日本の研究の公正さ(Research …

サイエンス誌が弘前大学の故 佐藤能啓氏の論文不正に関する詳細な解説記事を掲載

サイエンス誌が、弘前大学の故 佐藤能啓氏の論文不正を取り上げています。不正調査に関わった研究者はの1人はこれを史上最大級の研究不正の一つと位置づけています。 Researcher at the center of an epic fraud remains an enigma to those who exposed him (By Kai KupferschmidtAug. 17, 2018 , 9:15 AM sciencemag.org) Sato’s fraud was one of the biggest in scientific history. The impact of his …

間違った医学論文で取得した博士号を徳島大学が取り消し

  2018/07/28    論文データ捏造, 研究倫理

学位取り消し 徳島大学では,元大学院学生(徳島大学大学院医科学教育部医学専攻博士課程(平成29年3月23日修了))の学位論文「A significant causal association between C-reactive protein levels and schizophrenia」(甲医第 1318 号・博士(医学))に関して,下記のとおり「学位を授与された者が,その名誉を汚辱する行為をしたとき」と判断し,学位授与の取り消しを決定し,学位記の返還を命じた。(徳島大学 平成30年7月6日)   論文の間違いが発覚した経緯 学位授与の根拠となった論文に関連し,外国人研究者が同じ公開データを使用した同じテーマの論文が,結果が逆の内容で別学術雑誌に掲載された。今回対象の論文を掲載している学術雑誌の編集者から,研究内容を確認して回答するよう要請があった。著者らは,要請を受けて再確認し,計算自体に間違いがなかったが,当初の公開データの取り間違いがあったことに気づき,論文の根幹に係る主張の間違いだと言うことで,論文撤回(H30.2.21)という結果になった。(徳島大学 平成30年7月6日)   研究不正の有無 特に公開データの場合は,誰もが同じことを直ぐにでも試みることができるので,データを故意に間違えて計算するという蓋然性は低く,この論文撤回に関して不正はなかったと判断した。(徳島大学 平成30年7月6日)   学位を取り消す根拠 学位授与の前提となる論文が事実上なくなった 研究者として当然持っているべき基本的な慎重さが欠け,主張が間違った論文を学位論文として申請した (徳島大学 平成30年7月6日)   徳島大学学長のコメント このたびの事態によって損なわれた徳島大学の学位に対する社会的信頼を回復するため、大学院生に対する研究者倫理教育の醸成を図ることはもちろんのこと、論文の作成段階及び学位の申請段階において、教育・研究の達成を見る上でも、実験内容を適切に記録していることを確認させるとともに、論文審査体制を一層厳格化することにより、学位審査体制の充実、透明性、客観性の確保を図り、学位の質保証に結びつけてまいります。(学長 野地澄晴)(学位授与の取消しについて 徳島大学 2018年7月6日)   参考 学位授与の取消しについて(概要) 平成30年7月6日 徳島大学 Retraction: A significant causal association between C-reactive protein levels and …

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第115回日本内科学会理事選に異議あり!

第115回日本内科学会総会が、2018年4月13日(金)~15日(日)の日程で京都で開催されました。内科学会理事の選出の際にハプニングがあったようなので、ネット上の噂をまとめておきます 現場を目撃した人の証言 674名無しゲノムのクローンさん2018/04/16(月) 02:02:27.12ID:SZp399Cyx 某医療コミュニティサイトより いやはや、驚きました! 通常は学会の定時総会など〇〇先生を理事にします。〇〇先生を評議員にします。賛成の方は拍手を・・・という感じでまったりと進んで行くのですが・・・ 今年の内科学会は会場が一つしかなく他に行くところもなく居眠りしようと会場に入った途端、女性の声で「小M先生を理事にするのはおかしい。これほどグレーな先生を理事にするのは理解できない!」という内容の罵声が耳に入り、演台の門W先生がたじたじになっていました。 小M先生の事は全く知りませんでしたのでネットで検索すると、ディオバン論文の責任者の方の様で、それならグレーじゃなくてブラックじゃない!と思ってしましました。 会場の中には女性の方の発現に「そうだ!」という賛同の声をあげる方や、「会をぶち壊しにするな!」という否定的な声をあげる方もいました。 私は個人的には疑問を感じたことに自分の考えを述べるのは間違ってはいないと思いますし、言われている事も正しいと思いました。 ネットでさらに検索すると小M先生と門W先生は同門なのですね。それと両方とも論文不正の問題を抱えていることも共通してるなと思って見ていました。今日の内科学会の一番の見どころでしたね。 (一部割愛及び複数の投稿を取り纏め 引用元:http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1520931117/ )   反響 755名無しゲノムのクローンさん2018/04/19(木) 03:33:21.15ID:LL1qvnoox >>753 国内では、権威を振りかざす、三内なんて今まで逆らえなかった まして面と向かって物申す!なんて、内科学会のジャンヌダルクの降臨だったわ  でもね、よく考えたら、MDとしてちゃんとやってけば、捏造してまで権威を振るうような人達に遠慮する事も無いわね 捏造告発の道すじを作ってきた、11jigen,ordinary researchers や匿名の貢献は大きいと思う (引用元:http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1520931117/)   発言者本人の弁 医師の世界では、エムスリーという会社に医師用の掲示板があり。そちらで書かれているのでご存知の方も多くなっているのですが。… 会場で小室先生の理事就任を認めるか、と当時の理事長の門脇先生が言うので異議あり!とすくっと立ち上がりました。… 小室先生は黒ではないが、白でもなくグレーです。そのような理事をお迎えしてなぜ運営しなければなりませんか。こんなことをやれば日本はまた海外から失笑される。日本の研究の国際的信用が失墜している中、グレーな人をお迎えして運営するのだ、と示せばまた信用が落ちる。容認できません。これに対して門脇先生は、手続きの適正性を盾に否決するのを拒みました。しかし。わたしの質問は、なぜあまた白い人がいる中グレーな人を幹部に迎えねばならないのかというものであり議論がかみ合っていません。… (【内科学会総会】ディオバン問題:総会を荒らしてしまいました【NIPT】Posted on 2018年4月22日 by minerva-clinic 医術と戦術の女神ミネルバ 仲田洋美 オフィシャルブログ)   参考 第115回日本内科学会総会・講演会 テーマ:『 明治維新150年目の内科学 ~難治性疾患への挑戦~』主宰会長 …

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東大医論文(4)不正調査報告書不開示の違法性

東大医学部のフェイク論文が不正にならない理由 (4)不正調査報告書不開示の違法性 東大医学部から出た論文の中に、実験で得られたデータとグラフが示すデータが一致しないような論文が見つかったが、研究不正ではないので、研究不正ではないと判断した根拠は公開しませんと言います(⇒記事)。 立派な行動規範があっても実践されなければ空虚でしかありません(⇒記事)。自らが示している行動規範を守ること、文科省が示す科学研究のガイドラインを守ること、が期待されるわけですが、残念ながら全く守られていません。そうなると、最終的には、法的にどうなかという疑問が湧きます。もう科学者としての行動規範とか、そんな高尚なことは東大に期待しないから、最低限、日本の法律くらいは遵守していただきたいという話です。そこで、不正調査報告書や調査資料を国民に公開しないという東大の行為が違法なのかどうかについて考えてみたいと思います。自分は裁判官でも法律家でもないので、以下に書き綴ることは、これまで法律になんて全く興味を持ったこともなかった、一納税者、一研究者の考えです。 まず、東大は不正調査報告や調査資料を開示すべきだと私が考える根拠は、「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」です。 第五条 独立行政法人等は、開示請求があったときは、開示請求に係る法人文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該法人文書を開示しなければならない。 (太字強調は当サイト、引用元:e-gov.go.jp) 本来ならこんな法律とは無関係に、科学者の当然の義務として調査報告書を国民に公開すべきだと思いますが、仮に乗り気でなくても、開示請求をされた場合には原則として公開することが法的に義務付けられているわけですから、公開しないのは違法でしょう。ただし、この第五条には例外的に開示しなくても良い場合が掲げられおり、東大はそれを盾に開示を拒んでいます。 第五条 独立行政法人等は、開示請求があったときは、開示請求に係る法人文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該法人文書を開示しなければならない。 一  一の二  二  三 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの 四 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの イ  ロ  ハ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ ニ  ホ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ ヘ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ ト  (一部割愛、太字強調は当サイト、引用元:e-gov.go.jp) 東大が調査報告書や調査資料の公開を拒む法的根拠はこの不開示にする条項なので、結局、東大のその法解釈は合ってるの?ということが争点になります。 不開示とする場合には開示請求者にその理由を伝えなければなりません。「不開示とした部分とその理由」という項目には、東大の主張が書いてあります。 22報論文に関する調査報告書(117枚117頁) 開示する法人文書の名称 研究推進部保有の ・22報論文に関する調査報告書(117枚117頁)   不開示とした部分とその理由 ・当該委員会の開催日時については、本学として当該会議をどの程度の頻度で開催していることが公になることが本学にとっての当該事業の適正な遂行に支障がでるため、法第5条第4号柱書に該当するため不開示とする。 ・当該委員会委員長以外の委員名及び部局内調査班班長以外の構成員名については、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあり、法第5条第3号に該当するため不開示とする。 ・調査の経緯、調査の概要、調査結果等に関する文書のうち、審議、検討又は協議に関する情報であって、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、本学の事務及び事業に関する情報であって、当該事務及び事業の適正な遂行に支障が生じるおそれ、内容確認に係る事務に関する情報であって、当該事務及び事業の適正な遂行に支障が生じるおそれ、研究に関する情報であって、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ、及び人事管理の公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある情報に該当する部分については、法第5条第3号、法第5上第4号柱書、法第5条第4号ハ、法第5条第4号ホ及び法第5条第4号へに該当するため不開示とする。  最初この理由を読んだときは、なんてまどろっこしい物言いをするのかと思いましたが、なんてことはない、対応する第五条の不開示事由の事項の文言が使われているだけでした。以下、理由と根拠とする法律の文章を並べて、ひとつひとつみていくことにします。 調査委員会の開催日時 不開示とした部分とその理由 ・当該委員会の開催日時については、本学として当該会議をどの程度の頻度で開催していることが公になることが本学にとっての当該事業の適正な遂行に支障がでるため、法第5条第4号柱書に該当するため不開示とする。 法第5条第4号柱書 四 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの  自分が知りたいことは、研究不正があったのかなかったのか、不正が疑われている論文の図に対応する実験が本当になされていたのか、データの捏造や改竄がなかったのかどうかなので、調査会議がどの程度の頻度で開催されていたかには興味はあまりありません。なぜ日時を公表すると事業に支障がでるのかはわかりませんが。 …

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東大H26行動規範委員会資料不開示問題の答申

匿名A氏が指摘した類似画像を含む84報のうち東大の医学系研究者が著者であった12報に関して東大が予備調査の結果不正無しと結論したことに関して情報の開示請求がありましたが、東大が一部不開示の決定をしたため、それを不服とする開示請求者が審査請求を行い、それを受けて審査会が審査を行い、その結果を答申として公開していました。以下、その内容です。東大が不開示としたのは違法であると結論しています。 以下、http://www.soumu.go.jp/main_content/000506048.pdf の内容の転載。太字強調は当サイト。   諮問庁:国立大学法人東京大学 諮問日:平成29年6月8日(平成29年(独情)諮問第31号) 答申日:平成29年9月6日(平成29年度(独情)答申第24号) 事件名:平成26年度科学研究行動規範委員会資料等の一部開示決定に関する件 答 申 書 第1 審査会の結論 別紙に掲げる文書1ないし文書5(以下「本件対象文書」という。)につき,その一部を不開示とした決定については,理由の提示に不備がある 違法なものであり,取り消すべきである。 第2 審査請求人の主張の要旨 1 審査請求の趣旨 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)3条の規定に基づく開示請求に対し,平成29年2月8日付け第2 016-45号により国立大学法人東京大学(以下「処分庁」又は「諮問庁」という。)が行った一部開示決定(以下「原処分」という。)について,原処分を取り消し,出席者を除く不開示部分(以下「本件不開示部分」という。)の開示を求める。 2 審査請求の理由 (1)審査請求書 ア 不開示とされた各議事などについて,調査・事案処理の方法・方針,委員の発言内容に係る記載は,調査委員会での審議が適切に行われたか知る上で必要な情報である。開示された各議事はほぼ全てが黒塗りされており,ひとつひとつの論文について十分に審議されたか否かが,現状の開示資料では推測することすら困難である。これでは審議内容が適切か否かを判断することができず,かえって疑念を抱かせる原因となる。「東京大学の科学研究における行動規範」にあるように研究不正は,「科学研究の本質そのものを否定し,その基盤を脅かす,人類に対する重大な背信行為」である。奇しくも ,現在,同じ研究者に対する研究不正の告発が行われており,過去の調査が適切に行われたかどうかを示すことは,研究不正に貴大学がどのような姿勢で臨んできたのかを示すことにもつながる。同じ行動規範には,「科学者コミュニティの一員として,研究活動について透明性と説明性を自律的に保証することに,高い倫理観をもって努めることは当然である」と明記され,それに続く総長声明では「この行動規範を大学自ら担保するための委員会制度を規則として定めることにした」と委員会の位置づけを説明している。こうした規範や総長声明の理念を守り,調査の審議過程及び内容の適切さを担保するためにも,貴大学には当該資料を開示して調査が適正に行われたことを示す責務がある。 イ 発言者の特定をしなければ,審議内容を情報開示することにより,特定の者に不当に利益を与え,または不利益を及ぼすとは到底考えられない。また,個人が特定されなければ,人事に支障を及ぼすおそれもない。仮に,社会の公器としての貴大学が,原則として開示すべき資料を,例外的に不開示とするためにこのような主張を行うならば,具体的な根拠を示して主張する必要がある。そうでなければ,この主張自体が極めて不合理であり,世間から疑惑の目で見られることを,自ら容認することになろう。そのような姿勢は上記行動規範に反するものである。貴大学として,発言者が特定されないとしても,将来予定される審議において委員の意見等が公表されることを前提にすると,委員が部外の評価等を意識して素直な意見を述べることを控えるなど,意思決定の中立性や独立性が不当に損なわれるおそれがあると主張されるかもしれない。しかし,発言者が特定されないのであれば,委員の意見等が公表されたとしても素直な意見を控えるとは到底考えられない。もし意思決定の中立性や独立性が不当に損なわれるなどと主張するのであれば,発言者が特定されないにもかかわらず,素直な意見を述べることができないような調査委員を選任することを前提としており,専門家としての各調査委員を愚弄するのみならず,調査委員会の適正さそのものに疑義を生じさせる主張と言わざるを得ない。一連の資料の開示を拒むことは,研究不正を真摯に取り扱おうとする姿勢に真っ向から反するものである。さらに審議が終わった研究不正調査に関する議事の公開は,将来他の研究不正事案を審議する場合の参考となりうるものであり,貴大学の対応は,社会的に評価されるものではあれ,非難されることはありえない。なお,調査対象者については対象となった論文が公開されていることから,少なくとも責任著者と筆頭著者については対象となることが明らかなため,ヒアリングなどの議事録を含め公開すべきと考える。その他の調査対象者について個人名などは不開示でも構わない。 ウ 既に審議が終わり調査の結論は貴大学のホームページでも公開されている。そのため,議事内容が公開されることで本件の事務や事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれはない。また,同じ理由から,たとえ,審議のある時点で生じた,未成熟な情報や事実関係の確認が不十分な情報を公にしたとしても,その後,結論に至った過程を合わせて公開すれば新たに混乱を生じさせるおそれもない。加えて,結論が「不正なし」というものであるため,公開することで当該研究者の今後の研究活動にも影響を与えるおそれもない。 エ 将来に行われる類似の審議・検討・協議に係る意思決定に不当に影響を与えるおそれについては,研究不正事案というものは,事案ごとにその内容や性質が異なるものである。それぞれ個別に審議されるものであり,その都度適切に審議されることで問題は生じない。これは,本件と同じ研究者が対象となり,現在行われている研究不正調査への影響についても同様である。また,審議,検討の内容を公にすることにより,調査にあたっての考え方,主張等が明らかになり,今後の同種の調査にあたり,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は不当な行為を容易にするおそれがあるという主張についても,同様に事案ごとに内容や性質が異なるため懸念は当たらない。逆に「何が不正に当たるのか」といった考え方などはむしろ公開することで不正の防止につながる情報で,これらを不開示の理由とすることは調査の正当性に疑念を抱かせるだけでなく,研究機関として不正に真撃に対応できているのか,その姿勢を問われかねない事態にもつながると考える。 オ 独立行政法人は,原則として保有する情報を公開しなければならず,不開示はあくまで例外規定である。個別具体的な事情なく漫然と不開示とするのであれば,世間に対し,情報公開をする気がない大学であることを表明するに等しい。また,調査方針・手法自体は,調査委員会の判断の公正さを担保するために開示は必須であると考えられるのみならず,開示を拒むことは,逆に調査委員会の判断に対する疑義を生じさせるものであり,不開示とすることによりあたかも不正があったかのように流布されるおそれもある。現実に,一部マスコミ報道やインターネット上では本件論文の研究者に対する記事が多数掲載されており,研究者個人のみならず大学にとっても不利益が生じる事態につながっている。なお,調査過程の開示は,例えば貴大学の「分子細胞生物学研究所・旧特定研究室における論文不正に関する調査報告書(第一次)」の資料「不正な図の例」においても行われている。特定URL調査が適正に行われていることが示されており,こうした開示によって他の不正調査に悪影響が出る問題も生じていない。 カ 貴大学として,不正がなかったと認定されたにもかかわらず,議事内容が公表されることで,再び,当該調査事案が注目され,公表された一部の情報だけをもって新たに誹誘中傷が行われる可能性があるとの主張を行う可能性もある。しかしながら,そもそも本件調査事案は,同じ研究者が新たに告発を受けたことで ,現在,非常に注目されており,過去の調査内容が公表されたからといって「再び」注目されるという状況にはない。加えて,新たに誹誘中傷が繰り広げられるというのも,憶測の域を出ず,研究不正を厳に取り締まる立場にある貴大学が,法的に公表が原則となっている情報を不開示にする理由としては著しく正義に反するものである。 キ 以上,アからカで述べた通り,貴大学が示した見解は,いずれも資料の中の個人名以外を不開示とする理由には該当しない。各議事は不正行為か否かの判定が適切に行われたかどうかを知る上で必要な情報である。議事などの資料を公開して当該委員会が研究不正事案に真摯に取り組んだ事を示し,結論に対する信頼を得ることは,上記行動規範や規則を制定した貴大学の責務である。発言者の個人が特定できる氏名等は伏せて,資料を公開すべきである。 (2)意見書 …

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東大医論文(3) 知る権利を蹂躙する東大

東大医学部のフェイク論文が不正とされない謎 (3)国民の知る権利を蹂躙する東大 日本は民主主義の国家であり、主権は国民に存在します(日本国憲法)。国民主権を保証するための一つとして、表現の自由が憲法で保障されています(日本国憲法第二十一条)。表現の自由は、情報を得たり、共有したり、発信したりする自由が含まれると解釈されます。つまり、必要な情報を得る権利、「知る権利」が国民にはあるわけです。国民の知る権利を保障するのが、それと表裏一体の関係にあるの行政側の説明責任です。説明責任が果たされないと、国民の知る権利が侵害されます。 大学での科学研究を可能にしているのは研究費であり、その原資は税金です。大学で研究する以上、その研究成果は国民に直接、または間接的に国民に還元される必要がありますし、研究費が公正に使われていることを国民がチェックする体制が保証されていなければ、民主主義が成り立ちません。研究不正は、税金が正しく使われなかった状態ですから、研究不正の調査報告は、納税者である国民に対してなされるべきものです。納税者には知る権利があり、大学には説明責任があります。 東大が1年間に使う研究費の総額はどれくらいでしょうか?少なくとも1000億円は軽く超えるはずです。もちろん、国民の税金がその原資です。東京大学から出た科学論文に不正があるという告発がなされ(⇒記事)、東大は調査委員会を立ち上げて調査を行いましたが、その報告書はなぜか公開されませんでした。これでは、説明責任を全く果たしていません(⇒記事)。不正が無い場合には説明しないという時代錯誤なふざけたガイドラインにすがっているようですが(⇒ヤフー記事)、不正なしとした根拠を示さない限り、第三者には本当に不正がなかったのかどうかのチェックができません。実際、告発された論文を見ると、専門家から見て、不正がなかったと考えることが極めて困難なものです(⇒記事)。このような事例に関して、不正なし、だからそれ以上の説明はしないというのは、不正の隠蔽を強く疑わせる行為であり、決して許されません。 国民の知る権利を実効性のあるものにするための法律として、情報公開法があります。その第五条によれば、情報は公開が原則であり、情報を開示しなくてよい例外的な場合が列挙されています。東大はこの例外の解釈を不当に広くとることにより、情報の開示を拒んでいます。しかし、東大のこのようなやり方は違法であるという答申が、以前、匿名A氏が指摘した84報のうちの東大医学系論文12報に関する研究不正疑惑予備調査結果の隠蔽の際に出ています(⇒記事、東大の発表、総務省の答申)。東大は違法性を認識しつつ同じやり方を繰り返しているのですから、国民の知る権利を蹂躙しているといわざるを得ません。東大の科学研究の行動規範を遵守しないどころか、「東大医学部のデータ捏造の有無の判断材料となるような何がしかの情報」を隠すためであれば法をも犯すというのは、大変な暴挙です。科学研究の在り方以前の話として、法や民主主義を真っ向から否定しています。 東京大学というのは、大勢の優れた才能の集まりであって、誰か個人の所有物ではありません。東大の現執行部の一部の人間が東大を私物化し、身勝手な法解釈をすることによって医学部の中の誰かの不正を隠蔽するような行為は、東京大学の科学研究の高潔さ(Research Integrity)を貶めています。法を遵守し科学研究行動規範を実践するという当たり前のことができない人間は、東大の運営にかかわるべきではないでしょう。 ⇒ 東大医論文(4)不正調査報告書不開示の違法性   同じカテゴリーの記事一覧