「 科学者の不正行為 」 一覧

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第115回日本内科学会総会理事選出に異議あり!

第115回日本内科学会総会が、2018年4月13日(金)~15日(日)の日程で京都で開催されました。内科学会理事の選出の際にハプニングがあったようなので、ネット上の噂をまとめておきます 現場を目撃した人の証言 674名無しゲノムのクローンさん2018/04/16(月) 02:02:27.12ID:SZp399Cyx 某医療コミュニティサイトより いやはや、驚きました! 通常は学会の定時総会など〇〇先生を理事にします。〇〇先生を評議員にします。賛成の方は拍手を・・・という感じでまったりと進んで行くのですが・・・ 今年の内科学会は会場が一つしかなく他に行くところもなく居眠りしようと会場に入った途端、女性の声で「小M先生を理事にするのはおかしい。これほどグレーな先生を理事にするのは理解できない!」という内容の罵声が耳に入り、演台の門W先生がたじたじになっていました。 小M先生の事は全く知りませんでしたのでネットで検索すると、ディオバン論文の責任者の方の様で、それならグレーじゃなくてブラックじゃない!と思ってしましました。 会場の中には女性の方の発現に「そうだ!」という賛同の声をあげる方や、「会をぶち壊しにするな!」という否定的な声をあげる方もいました。 私は個人的には疑問を感じたことに自分の考えを述べるのは間違ってはいないと思いますし、言われている事も正しいと思いました。 ネットでさらに検索すると小M先生と門W先生は同門なのですね。それと両方とも論文不正の問題を抱えていることも共通してるなと思って見ていました。今日の内科学会の一番の見どころでしたね。 (一部割愛及び複数の投稿を取り纏め 引用元:http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1520931117/ )   反響 755名無しゲノムのクローンさん2018/04/19(木) 03:33:21.15ID:LL1qvnoox >>753 国内では、権威を振りかざす、三内なんて今まで逆らえなかった まして面と向かって物申す!なんて、内科学会のジャンヌダルクの降臨だったわ  でもね、よく考えたら、MDとしてちゃんとやってけば、捏造してまで権威を振るうような人達に遠慮する事も無いわね 捏造告発の道すじを作ってきた、11jigen,ordinary researchers や匿名の貢献は大きいと思う (引用元:http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1520931117/)   参考 第115回日本内科学会総会・講演会 テーマ:『 明治維新150年目の内科学 ~難治性疾患への挑戦~』主宰会長 河野 修興 (広島都市学園大学・広島大学名誉教授) 開催日 2018年(平成30年) 4月13日(金)~15日(日)会 場 京都市勧業館(みやこめっせ)/ロームシアター京都 日本内科学会の理事選考で東大の小室教授の就任が揉めたそうですね。小室先生、2016年度も製薬企業から864万円も講演料などを受け取っていました。年間の講演会は約50回。何をされているのでしょうか? 上 昌広 @KamiMasahiro 7:53 – 2018年4月14日 …

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東大医学部のフェイク論文が不正にならない理由 (4)不正調査報告書不開示の違法性

東大医学部から出た論文の中に、実験で得られたデータとグラフが示すデータが一致しないような論文が見つかったが、研究不正ではないので、研究不正ではないと判断した根拠は公開しませんと開き直られると、怒りが込み上げてきて収まりません(⇒記事)。しかし、そういった激しい感情は何ヶ月も何年も持続させていると体に悪いので、当ウェブサイトでは東大の対応について考えながら淡々と書き綴っていきたいと思います。 立派な行動規範があっても実践しなけりゃ空虚なものです(⇒記事)。自らが示している行動規範を東大はちゃんと守れ!と叫ぼうが、文科省が示す科学研究のガイドラインを東大は守れ!と叫ぼうが、倫理観が欠落したかにみえる東大執行部の人たちには何も効果がないようです。そうなると、最終的には、法的にどうなのよ?という疑問が湧きます。もう科学者としての行動規範とか、そんな高尚なことは東大に期待しないから、最低限、日本の法律くらいは遵守してね、という話です。そこで、不正調査報告書や調査資料を国民に公開しないという東大の行為が違法なのかどうかについて考えてみたいと思います。自分は裁判官でも法律家でもないので、以下に書き綴ることは、これまで法律になんて全く興味を持ったこともなかった、一納税者、一研究者の考えです。 まず、東大は不正調査報告や調査資料を開示すべきだと私が考える根拠は、「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」です。 第五条 独立行政法人等は、開示請求があったときは、開示請求に係る法人文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該法人文書を開示しなければならない。 (太字強調は当サイト、引用元:e-gov.go.jp) 本来ならこんな法律とは無関係に、科学者の当然の義務として調査報告書を国民に公開すべきだと思いますが、仮に乗り気でなくても、開示請求をされた場合には原則として公開することが法的に義務付けられているわけですから、公開しないのは違法でしょう。ただし、この第五条には例外的に開示しなくても良い場合が掲げられおり、東大はそれを盾に開示を拒んでいます。 第五条 独立行政法人等は、開示請求があったときは、開示請求に係る法人文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該法人文書を開示しなければならない。 一  一の二  二  三 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの 四 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの イ  ロ  ハ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ ニ  ホ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ ヘ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ ト  (一部割愛、太字強調は当サイト、引用元:e-gov.go.jp) 東大が調査報告書や調査資料の公開を拒む法的根拠はこの不開示にする条項なので、結局、東大のその法解釈は合ってるの?ということが争点になります。 不開示とする場合には開示請求者にその理由を伝えなければなりません。「不開示とした部分とその理由」という項目には、東大の主張が書いてあります。 22報論文に関する調査報告書(117枚117頁) 開示する法人文書の名称 研究推進部保有の ・22報論文に関する調査報告書(117枚117頁)   不開示とした部分とその理由 ・当該委員会の開催日時については、本学として当該会議をどの程度の頻度で開催していることが公になることが本学にとっての当該事業の適正な遂行に支障がでるため、法第5条第4号柱書に該当するため不開示とする。 ・当該委員会委員長以外の委員名及び部局内調査班班長以外の構成員名については、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあり、法第5条第3号に該当するため不開示とする。 ・調査の経緯、調査の概要、調査結果等に関する文書のうち、審議、検討又は協議に関する情報であって、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、本学の事務及び事業に関する情報であって、当該事務及び事業の適正な遂行に支障が生じるおそれ、内容確認に係る事務に関する情報であって、当該事務及び事業の適正な遂行に支障が生じるおそれ、研究に関する情報であって、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ、及び人事管理の公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある情報に該当する部分については、法第5条第3号、法第5上第4号柱書、法第5条第4号ハ、法第5条第4号ホ及び法第5条第4号へに該当するため不開示とする。  最初この理由を読んだときは、なんてまどろっこしい物言いをするのかと思いましたが、なんてことはない、対応する第五条の不開示事由の事項の文言が使われているだけでした。以下、理由と根拠とする法律の文章を並べて、ひとつひとつみていくことにします。 調査委員会の開催日時 不開示とした部分とその理由 ・当該委員会の開催日時については、本学として当該会議をどの程度の頻度で開催していることが公になることが本学にとっての当該事業の適正な遂行に支障がでるため、法第5条第4号柱書に該当するため不開示とする。 法第5条第4号柱書 四 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの  自分が知りたいことは、研究不正があったのかなかったのか、不正が疑われている論文の図に対応する実験が本当になされていたのか、データの捏造や改竄がなかったのかどうかなので、調査会議がどの程度の頻度で開催されていたかには興味はあまりありません。なぜ日時を公表すると事業に支障がでるのかはわかりませんが。 調査委員の氏名 不開示とした部分とその理由 …

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答申書 平成26年度科学研究行動規範委員会資料等の一部開示決定に関する件

匿名A氏が指摘した類似画像を含む84報のうち東大の医学系研究者が著者であった12報に関して東大が予備調査の結果不正無しと結論したことに関して情報の開示請求がありましたが、東大が一部不開示の決定をしたため、それを不服とする開示請求者が審査請求を行い、それを受けて審査会が審査を行い、その結果を答申として公開していました。以下、その内容です。東大が不開示としたのは違法であると結論しています。 以下、http://www.soumu.go.jp/main_content/000506048.pdf の内容の転載。太字強調は当サイト。   諮問庁:国立大学法人東京大学 諮問日:平成29年6月8日(平成29年(独情)諮問第31号) 答申日:平成29年9月6日(平成29年度(独情)答申第24号) 事件名:平成26年度科学研究行動規範委員会資料等の一部開示決定に関する件 答 申 書 第1 審査会の結論 別紙に掲げる文書1ないし文書5(以下「本件対象文書」という。)につき,その一部を不開示とした決定については,理由の提示に不備がある 違法なものであり,取り消すべきである。 第2 審査請求人の主張の要旨 1 審査請求の趣旨 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)3条の規定に基づく開示請求に対し,平成29年2月8日付け第2 016-45号により国立大学法人東京大学(以下「処分庁」又は「諮問庁」という。)が行った一部開示決定(以下「原処分」という。)について,原処分を取り消し,出席者を除く不開示部分(以下「本件不開示部分」という。)の開示を求める。 2 審査請求の理由 (1)審査請求書 ア 不開示とされた各議事などについて,調査・事案処理の方法・方針,委員の発言内容に係る記載は,調査委員会での審議が適切に行われたか知る上で必要な情報である。開示された各議事はほぼ全てが黒塗りされており,ひとつひとつの論文について十分に審議されたか否かが,現状の開示資料では推測することすら困難である。これでは審議内容が適切か否かを判断することができず,かえって疑念を抱かせる原因となる。「東京大学の科学研究における行動規範」にあるように研究不正は,「科学研究の本質そのものを否定し,その基盤を脅かす,人類に対する重大な背信行為」である。奇しくも ,現在,同じ研究者に対する研究不正の告発が行われており,過去の調査が適切に行われたかどうかを示すことは,研究不正に貴大学がどのような姿勢で臨んできたのかを示すことにもつながる。同じ行動規範には,「科学者コミュニティの一員として,研究活動について透明性と説明性を自律的に保証することに,高い倫理観をもって努めることは当然である」と明記され,それに続く総長声明では「この行動規範を大学自ら担保するための委員会制度を規則として定めることにした」と委員会の位置づけを説明している。こうした規範や総長声明の理念を守り,調査の審議過程及び内容の適切さを担保するためにも,貴大学には当該資料を開示して調査が適正に行われたことを示す責務がある。 イ 発言者の特定をしなければ,審議内容を情報開示することにより,特定の者に不当に利益を与え,または不利益を及ぼすとは到底考えられない。また,個人が特定されなければ,人事に支障を及ぼすおそれもない。仮に,社会の公器としての貴大学が,原則として開示すべき資料を,例外的に不開示とするためにこのような主張を行うならば,具体的な根拠を示して主張する必要がある。そうでなければ,この主張自体が極めて不合理であり,世間から疑惑の目で見られることを,自ら容認することになろう。そのような姿勢は上記行動規範に反するものである。貴大学として,発言者が特定されないとしても,将来予定される審議において委員の意見等が公表されることを前提にすると,委員が部外の評価等を意識して素直な意見を述べることを控えるなど,意思決定の中立性や独立性が不当に損なわれるおそれがあると主張されるかもしれない。しかし,発言者が特定されないのであれば,委員の意見等が公表されたとしても素直な意見を控えるとは到底考えられない。もし意思決定の中立性や独立性が不当に損なわれるなどと主張するのであれば,発言者が特定されないにもかかわらず,素直な意見を述べることができないような調査委員を選任することを前提としており,専門家としての各調査委員を愚弄するのみならず,調査委員会の適正さそのものに疑義を生じさせる主張と言わざるを得ない。一連の資料の開示を拒むことは,研究不正を真摯に取り扱おうとする姿勢に真っ向から反するものである。さらに審議が終わった研究不正調査に関する議事の公開は,将来他の研究不正事案を審議する場合の参考となりうるものであり,貴大学の対応は,社会的に評価されるものではあれ,非難されることはありえない。なお,調査対象者については対象となった論文が公開されていることから,少なくとも責任著者と筆頭著者については対象となることが明らかなため,ヒアリングなどの議事録を含め公開すべきと考える。その他の調査対象者について個人名などは不開示でも構わない。 ウ 既に審議が終わり調査の結論は貴大学のホームページでも公開されている。そのため,議事内容が公開されることで本件の事務や事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれはない。また,同じ理由から,たとえ,審議のある時点で生じた,未成熟な情報や事実関係の確認が不十分な情報を公にしたとしても,その後,結論に至った過程を合わせて公開すれば新たに混乱を生じさせるおそれもない。加えて,結論が「不正なし」というものであるため,公開することで当該研究者の今後の研究活動にも影響を与えるおそれもない。 エ 将来に行われる類似の審議・検討・協議に係る意思決定に不当に影響を与えるおそれについては,研究不正事案というものは,事案ごとにその内容や性質が異なるものである。それぞれ個別に審議されるものであり,その都度適切に審議されることで問題は生じない。これは,本件と同じ研究者が対象となり,現在行われている研究不正調査への影響についても同様である。また,審議,検討の内容を公にすることにより,調査にあたっての考え方,主張等が明らかになり,今後の同種の調査にあたり,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は不当な行為を容易にするおそれがあるという主張についても,同様に事案ごとに内容や性質が異なるため懸念は当たらない。逆に「何が不正に当たるのか」といった考え方などはむしろ公開することで不正の防止につながる情報で,これらを不開示の理由とすることは調査の正当性に疑念を抱かせるだけでなく,研究機関として不正に真撃に対応できているのか,その姿勢を問われかねない事態にもつながると考える。 オ 独立行政法人は,原則として保有する情報を公開しなければならず,不開示はあくまで例外規定である。個別具体的な事情なく漫然と不開示とするのであれば,世間に対し,情報公開をする気がない大学であることを表明するに等しい。また,調査方針・手法自体は,調査委員会の判断の公正さを担保するために開示は必須であると考えられるのみならず,開示を拒むことは,逆に調査委員会の判断に対する疑義を生じさせるものであり,不開示とすることによりあたかも不正があったかのように流布されるおそれもある。現実に,一部マスコミ報道やインターネット上では本件論文の研究者に対する記事が多数掲載されており,研究者個人のみならず大学にとっても不利益が生じる事態につながっている。なお,調査過程の開示は,例えば貴大学の「分子細胞生物学研究所・旧特定研究室における論文不正に関する調査報告書(第一次)」の資料「不正な図の例」においても行われている。特定URL調査が適正に行われていることが示されており,こうした開示によって他の不正調査に悪影響が出る問題も生じていない。 カ 貴大学として,不正がなかったと認定されたにもかかわらず,議事内容が公表されることで,再び,当該調査事案が注目され,公表された一部の情報だけをもって新たに誹誘中傷が行われる可能性があるとの主張を行う可能性もある。しかしながら,そもそも本件調査事案は,同じ研究者が新たに告発を受けたことで ,現在,非常に注目されており,過去の調査内容が公表されたからといって「再び」注目されるという状況にはない。加えて,新たに誹誘中傷が繰り広げられるというのも,憶測の域を出ず,研究不正を厳に取り締まる立場にある貴大学が,法的に公表が原則となっている情報を不開示にする理由としては著しく正義に反するものである。 キ 以上,アからカで述べた通り,貴大学が示した見解は,いずれも資料の中の個人名以外を不開示とする理由には該当しない。各議事は不正行為か否かの判定が適切に行われたかどうかを知る上で必要な情報である。議事などの資料を公開して当該委員会が研究不正事案に真摯に取り組んだ事を示し,結論に対する信頼を得ることは,上記行動規範や規則を制定した貴大学の責務である。発言者の個人が特定できる氏名等は伏せて,資料を公開すべきである。 (2)意見書 …

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東大医学部のフェイク論文が不正とされない謎 (3)国民の知る権利を蹂躙する東大

日本は民主主義の国家であり、主権は国民に存在します(日本国憲法)。国民主権を保証するための一つとして、表現の自由が憲法で保障されています(日本国憲法第二十一条)。表現の自由は、情報を得たり、共有したり、発信したりする自由が含まれると解釈されます。つまり、必要な情報を得る権利、「知る権利」が国民にはあるわけです。国民の知る権利を保障するのが、それと表裏一体の関係にあるの行政側の説明責任です。説明責任が果たされないと、国民の知る権利が侵害されます。 大学での科学研究を可能にしているのは研究費であり、その原資は税金です。大学で研究する以上、その研究成果は国民に直接、または間接的に国民に還元される必要がありますし、研究費が公正に使われていることを国民がチェックする体制が保証されていなければ、民主主義が成り立ちません。研究不正は、税金が正しく使われなかった状態ですから、研究不正の調査報告は、納税者である国民に対してなされるべきものです。納税者には知る権利があり、大学には説明責任があります。 東大が1年間に使う研究費の総額はどれくらいでしょうか?少なくとも1000億円は軽く超えるはずです。もちろん、国民の税金がその原資です。東京大学から出た科学論文に不正があるという告発がなされ(⇒記事)、東大は調査委員会を立ち上げて調査を行いましたが、その報告書はなぜか公開されませんでした。これでは、説明責任を全く果たしていません(⇒記事)。不正が無い場合には説明しないという時代錯誤なふざけたガイドラインにすがっているようですが(⇒ヤフー記事)、不正なしとした根拠を示さない限り、第三者には本当に不正がなかったのかどうかのチェックができません。実際、告発された論文を見ると、専門家から見て、不正がなかったと考えることが極めて困難なものです(⇒記事)。このような事例に関して、不正なし、だからそれ以上の説明はしないというのは、不正の隠蔽を強く疑わせる行為であり、決して許されません。 国民の知る権利を実効性のあるものにするための法律として、情報公開法があります。その第五条によれば、情報は公開が原則であり、情報を開示しなくてよい例外的な場合が列挙されています。東大はこの例外の解釈を不当に広くとることにより、情報の開示を拒んでいます。しかし、東大のこのようなやり方は違法であるという答申が、以前、匿名A氏が指摘した84報のうちの東大医学系論文12報に関する研究不正疑惑予備調査結果の隠蔽の際に出ています(⇒記事、東大の発表、総務省の答申)。東大は違法性を認識しつつ同じやり方を繰り返しているのですから、国民の知る権利を蹂躙しているといわざるを得ません。東大の科学研究の行動規範を遵守しないどころか、「東大医学部のデータ捏造の有無の判断材料となるような何がしかの情報」を隠すためであれば法をも犯すというのは、大変な暴挙です。科学研究の在り方以前の話として、法や民主主義を真っ向から否定しています。 東京大学というのは、大勢の優れた才能の集まりであって、誰か個人の所有物ではありません。東大の現執行部の一部の人間が東大を私物化し、身勝手な法解釈をすることによって医学部の中の誰かの不正を隠蔽するような行為は、東京大学の科学研究の高潔さ(Research Integrity)を貶めています。法を遵守し科学研究行動規範を実践するという当たり前のことができない人間は、東大の運営にかかわるべきではないでしょう。 (つづく)   同じカテゴリーの記事一覧

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東大医学部のフェイク論文がなぜ不正とされないのか? (2)行動なき言葉は無益である

東大医学部のフェイク論文を、なぜ東大は研究不正と認定しないのでしょうか?不正でないと判断するのであれば、その根拠を、各々の論文の図ごとに説明すべきです。 「東京大学の科学研究における行動規範」(PDF)には、 「研究活動について透明性と説明性を自律的に保証することに、高い倫理観をもって努めることは当然である。」 「広く社会や科学者コミュニティによる評価と批判を可能とするために、その科学的根拠を透明にしなければならない」 「十分な説明責任を果たすことにより研究成果の客観性や実証性を保証していくことは、研究活動の当然の前提であり … その責任を果たすことによってこそ、東京大学において科学研究に携わる者としての基本的な資格を備えることができる。」 など、読んでいて全くその通り!と叫びたくなるような良いことが書いてあります。まさか、こんな立派なことを言っている大学が不正調査報告書を公開しないなんて、普通は想像できませんよね。 「行動を伴わない言葉は無益である」 とギリシャ時代から言われてきましたが、まさにこのことかと思います。科学がこれほど進歩したというのに、人間自身は2000年以上たってもちっとも進歩してません。東大は、説明責任を果たさない奴は科学研究に携わる資格なしと自分で言っているわけですから、科学研究を止めるのか、説明責任を果たすのか、どちらかを選んで欲しいものです。運営費交付金とか科研費とか全部合わせたら、年間で軽く1000億円を超えるお金を使っているのが、東京大学です。納税者に対する説明責任が、おおいにあります。 文科省も、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」の中で、 「研究者間相互の吟味・批判によって成り立つチェックシステムが不可欠である。」 と言っています。大学の監督省庁としての役割をもう少し果たして欲しいところです。 日本学術振興会の「研究活動の公正性の確保及び適正な研究費の使用について確認・誓約すべき事項」でも、 「国費による研究費支援が増加する中、国費の効果的活用の意味でも研究の公正性の確保がより一層求められる。」 とか、 「研究成果の発表とは、研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、研究者コミュニティに向かって公開し、その内容について吟味・批判を受けることである。」 などと書いてあります。どれもこれも、実に良く練られた力強い文章で、研究者であれば、読んでるだけで身が引き締まる思いがするはずです。東大の現執行部が不正調査報告書を公開しないことは、東京大学自身の行動規範や、こういったガイドラインに真っ向から反しています。実践されない規範なんて、あるだけ無駄です。無駄で済むならまだしも、国民を欺いています。 学術誌に掲載された論文には、著者名や所属が明記されており、報告書で墨塗りする必要がある個人情報とは言えないでしょう。発表論文の実験結果や実験方法に関して読者が疑問を持てば、論文著者らに対して気軽に質問し回答を得るというのは、研究者コミュニティにおいては当たり前のことです。不正が疑われた図表の作成がどのように行なわれたのかは、研究者みんなが知りたいことですし、その調査結果は隠すような種類のものではありません。調査報告書を公開することは、研究者コミュニティ内の通常のコミュニケーションとなんらかわりません。また、調査内容が公表されたからといって、論文著者や所属機関が不利益を被ることないでしょう。もし不利益が生じるとすれば、それは、データ捏造が露呈するケースくらいではないでしょうか? 不正が認定されないときには調査内容を公表しなくていいというなら、研究機関が組織的に隠蔽した場合にはデータ捏造がやりたい放題になってしまいます。NATURE等の一流誌に論文を掲載して、その業績により何億円もの研究費を獲得するという、悪魔のような循環が断ち切れなくなるわけです。これでは日本の科学研究の進展が著しく阻害されます。性善説を捨てようという議論がありますが、研究者だけでなく、大学の執行部だって不正を働く可能性があるという観点で制度をつくっておかないと、大変なことになります。岡山大学で研究不正を告発した教授二人が大学の学長によって解雇されるというとんでもない事件が起きてるのが、いい例です。大学執行部の公正さを前提とする制度は、欠陥があるのです。 公開するのが当然の最終報告書を東大が公開できない理由があるとしたら、それは、やっぱり研究不正があったからなんじゃないの?って考えるのは自然なことでしょう。なぜなら、「東大医学部不正隠蔽仮説」を採用すれば、報告書の開示された部分の日本語の支離滅裂さとか、そのほか、あらゆる矛盾した状況を、矛盾なく説明できてしまうのですから。全ての現象が無理なく説明できる仮説を、当面の真実として受け入れるのは、科学的な態度です。 2016年8月に告発されたというのに、その後、論文著者らが反論も訂正も論文撤回もせずに2年近く経過しています。単なる図表の取り扱いミスだったら、普通何らかのアクションがあるのが当然でしょう。昔STAP細胞騒ぎで世の中がひっくり返ったときは、疑われた調査委員長のラボは実験ノートをすぐさま公開して、実験がきちんと行なわれていたことを研究者コミュニティに示しました。あれは模範的な行動だったと思います。論文の図が示す値はデタラメですと東大が自分で認めた以上、最低限、速やかな訂正か撤回がないのはおかしいのではないでしょうか? ネイチャーなどの雑誌社も、データが正しくないと大学が認めた論文をいつまで放置するのでしょう?論文著者が説明責任を果たさないのであれば、編集部で撤回するのが、筋でしょう。それとも、NATUREは研究者のための雑誌ではなくて、お金儲けのための存在でしかなかったのでしょうか?東大も雑誌社も、放置プレイはやめてほしいものです。 万が一、現在の東大の執行部の人たちが東大医学部の不正行為を知りつつ隠し、疑惑論文の論文業績で新たに研究費を獲得しているのならば、それは詐欺行為というべきでしょう。実際、海の向こうの話ですが、研究不正を隠蔽したデューク大学は捏造研究者とともに訴えられていて、6億ドル(~600億円)以上の支払いを求められる訴訟になっています(参考:bna.com)。大学首脳陣が研究不正を隠蔽した場合、大学が窮地に陥りますから、東大の現執行部の責任は重大です。 行動を伴わない行動規範は欺瞞です。今すぐ、「東京大学の科学研究における行動規範」の言葉を実行に移してもらいたいと思います。 (つづく)   同じカテゴリーの記事一覧