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小野田 紀美(おのだ きみ) 経済安全保障担当大臣 就任会見

10月21日夜に発足した高市早苗内閣に参議院岡山選挙区選出で、初めて入閣した小野田紀美経済安全保障担当大臣。22日、就任会見で抱負を述べました。https://news.yahoo.co.jp/articles/a303d258a6834531dff97c367588bb788c948cec

小野田紀美経済安全保障担当相が、2025年10月22日に大臣就任会見を行った。https://news.yahoo.co.jp/articles/f20367837c2d4ffbda0f4bc027467434a8797d1e

【LIVE】小野田紀美 経済安全保障担当大臣 就任会見|外国人との秩序ある共生社会推進担当、内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、人工知能戦略、経済安全保障)ニコニコニュース チャンネル登録者数 29.8万人

小野田紀美大臣 就任記者会見

おはようございます。この度、経済安全保障担当大臣、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣、並びにクールジャパン戦略、知的財産戦略科学技術政策宇宙政策人口知能戦略、経済安全保障を担当する内閣府特命担当大臣を拝命した小野田です。よろしくお願いします。

まず経済安全保障についてですが、我が国の自立性、そして優位性、不可欠性の確保に向け、サプライチェーンの強靱化、重要技術の流出対策、同盟国、同志国との連携の強化など、関係の協力を得ながら各般の施策にしっかり果敢に取り組んでまいります。この他にも産業が直面する各種リスクの点検、総合的な経済安全保障シンクタンク機能の強化など、いわば足腰を強めるための課題もございまして、これらも含めて様々な課題に必要な体制を構築しつつ、スピード感を持って取り組んでまいります。 これらに加えて、令和4年に成立した経済安全保障推進法に定められた各施策(かく せさく)を着実に実施いたします。その上で同法では施行後3年を目途(もくと)に必要な措置を講ずることと規定されておりまして、見直しに向けた検討を進めてまいります。さらに今年5月に施行された重要経済安保情報保護法を着実に運用してまいります。

次に重要土地政策について。重要土地等調査法に基づき、対象となる区域内の土地等の利用状況等について土地等利用状況調査等を着実に実施し、重要施設及び国境離島等に対する機能阻害行為を防止すべく万全を期してまいります。また、同法の附則第2条には法の施行後5年を経過した時点での見直し規定が置かれているところでございまして、法の執行状況や安全保障を巡る国内外の情勢などを見極めた上で、有識者の意見も聴取しつつ、同法の見直しの議論を進めてまいりたいと考えています。

次に外国人との秩序ある共生社会の推進について。一部の外国人による犯罪や迷惑行為、各種制度の不適切な利用などにより、国民の皆様が不安や不公平を感じる状況も現在生じております。排外主義に陥ってはなりませんが、国民の皆様の安全安心の確保は経済成長に不可欠です。ルールを守らない方々への厳格な対応や、外国人を巡る現下(げんか)の情報に十分対応できていない制度・政策の見直しを含めた様々な課題について、関係行政機関との緊密な連携のもとで政府一体となって総合的な検討を進めてまいりたいと思います。

次に科学技術政策について。科学技術イノベーションは経済成長を加速させ、社会課題を解決する原動力であり、世界の安全保障を取り巻く環境が厳しさを増す中で、その重要性は一層高まっています。今年度は来年4月から始まる第7期科学技術イノベーション基本計画の策定年度にあたることから、特に重要なタイミングで担当大臣に任命していただいたものと認識をしております。我が国の研究力を抜本的に強化するとともに、AI、量子、フュージョンといった重要分野でのイノベーションを一層推進すべく検討を進めてまいります。

原子力政策についてですけれども、原子力委員会が策定した「原子力利用に関する基本的な考え方」を踏まえて、エネルギー安定供給やカーボンニュートラルに資する原子力エネルギーの活用を、安全確保を大前提に、国民の理解と信頼を得つつ進めていくことが重要です。その際、内閣府としては中立的・俯瞰的視点から関係省庁としっかり連携して検討と取り組みを進めていく必要があると考えております。

次にAI戦略について。AIは社会課題の解決や産業競争力の強化に不可欠な、国力を左右する技術です。世界でAIの開発競争が激化する中で、我が国もまずはAIを使ってみる。その上でAIでイノベーションを生み出していくことで、反転攻勢を仕掛けなければなりません。AI戦略担当大臣として、AI基本計画を年内目途(もくと)に策定するとともに、スピード感を持って必要な支援策や制度的な対応を講じてまいります。

次にグローバルスタートアップキャンパス構想についてですけれども、日本(にほん、にっぽん)の持つ技術を生かし、先端技術から世界に通用するスタートアップを生み出すエコシステムを形成するため、グローバルスタートアップキャンパス構想(ぐろーばるすたーとあっぷきゃんぱすこうそう)を推進してまいります。昨年8月に統合イノベーション戦略推進会議で決定された基本方針に基づき、エコシステムのハブとなる拠点の運営法人の設立準備や拠点の整備、先行的活動をしっかりと進めてまいります。

次に宇宙政策について。近年、世界的に官民による宇宙の開発利用が活発化し、国際競争が激化しています。我が国としても世界の動きに遅れを取ってはなりません。外交、防衛、経済、科学技術など様々な分野につながる総合的な国力の源泉とも言える宇宙政策を、私自身が先頭に立って関係省庁と協力し、しっかりと進めてまいります。

次に健康医療戦略の推進について。国民が健康な生活と長寿を享受することができる社会を実現しなくてはなりません。第3期健康医療戦略を踏まえた出口志向の研究開発マネジメントの強化や、創薬エコシステムの発展に向けた取り組み、医療データの利活用の推進、感染症危機対応医薬品等の開発戦略の策定等を行うことにより、健康医療に関する研究開発がさらに発展し、国民の皆様にその成果が迅速に届くように取り組んでまいります。さらにグローバルヘルス戦略等を通じた国際展開の促進や新産業創出など、健康長寿社会の実現に向けた施策(しさく)を着実に進めてまいります。

次に知的財産戦略について。イノベーションの活性化や国際競争力の強化に向けて、内閣府が司令塔となって知的財産推進計画の着実な実行や、新たな国際標準戦略の推進に取り組んでまいります。

クールジャパン戦略についてですけれども、新たなクールジャパン戦略等を踏まえ、関係省庁と連携してクールジャパン関連産業の国際競争力の強化や、コンテンツを活用した地方創生の好循環プランの推進に取り組んでまいります。

次に特定秘密保護の運用について。特定秘密の保護に関する制度に関する事務についても担当するようご指示を頂きました。制度の適正運用に万全を期してまいります。

次に遺棄化学兵器処理(いきかがくへいきしょり)についてですけれども、化学兵器禁止条約上の我が国の義務を履行(りこう)するために、引き続き処理事業を着実に進めてまいります。

次に日本学術会議についてですけれども、先の国会にて新たな日本学術会議法が成立したことを受け、来年10月の新法人発足(しんほうじんほっそく)に向けて準備を進めております。学術に関する知見を活用した国民及び社会への貢献、課題解決への寄与という新法の趣旨を実現できるように、学術会議とのコミュニケーションを取りながらしっかりと進めてまいります。

高市内閣(たかいちないかく)の一員として精一杯務めてまいる所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

質疑応答

(科学新聞 ナカムラ記者) 大臣おめでとうございます。早速科学技術政策についてお伺いしたいんですけれども、大臣としては科学技術政策どういう、どんなですね、問題意識を持っているのか、また、最優先で進めるべきことは何なのか教えてください。

(小野田大臣) はい、ありがとうございます。科学技術イノベーションは言うまでもなく国力の源泉でありまして、城内(きうち)前大臣が実施されてきたことを着実に引き継いで、私自身も可能な限り現場の取り組みを見させていただきながら取り組みたいと考えております。 特に、就任今間もない時点での考えでございますけれども、基礎研究力を抜本 に強化するための科学の再興、そして国際的に競争が激化しているフュージョンなどの戦略分野への着実な投資。これを重要と思っておりまして、来年4月から5年間の第7期科学技術イノベーション基本計画の検討をしっかりと進めてまいりたいと思います。 あとですね、AI基本計画の早期策定、そしてグローバルスタートアップキャンパス構想の推進も重要だと思っておりますので、こちらも進めてまいりたいと思っております。詳細についてはこれから現場の声をですね、ちゃんと現場で聞きながら把握して進めて検討していきたいと思っておりますけれども、我が国が科学技術創造立国として世界を先導していくために、科学技術イノベーション政策の推進に全力で取り組んでまいりたいと思っております。

(共同通信 イワムラ記者) 共同通信のイワムラと申します。科学技術の関係で伺います。国際頭脳循環ということについて、政府これまで取り組みを進めてきておりますが、この海外から優秀な学生や研究者をこう、受け入れていくこと、これを強化していくことについてどうお考えかということと、実際来られた方が、日本がまず選んでもらって、かつ来た人がこう長く日本で研究をしていける環境を作る上でどういう方策が必要であるかという点についてお聞かせください。

(小野田大臣) はい、ありがとうございます。海外の優れた研究者を獲得していくことは、科学技術イノベーションの推進において非常に重要なことだというふうに思っております。海外の優れた研究者の招聘について、政府としては本年6月にJ-RISE(イニシアチブ)を取りまとめて、我が国が研究者にとって世界で最も魅力的な国になるように向けて取り組みを進めているところであります。 このイニシアチブに盛り込んだ施策については、優れた研究者等を直接支援するための取り組みに加えて、そうした人材の我が国への定着を図るために人事給与改革、そして世界トップレベルの魅力ある研究環境を実現していくための各種取り組みを合わせて実施することという風に考えております。 これまたですね、現場の声をしっかり何が必要とされているのかを聞きながら、研究セキュリティも確保しながらしっかりと取り組みを進めてまいりたいと思います。

(山陽新聞 アベ記者) 山陽新聞のアベと申します。外国人政策について伺います。これは連立を組む維新との合意事項にも盛り込まれており、高市首相の肝煎りの政策ということなんですけれども、改めてこの現状の課題どのように認識されているか、そして今後どのように取り組んでいくか、所見を伺いたいと思います。

(小野田大臣) はい。冒頭発言でも申し上げましたけれども、本当一部の外国人による犯罪や迷惑行為、そして各種制度の不適切な利用によって、国民の皆様が不安や不満、不公平感を感じていらっしゃるというのは、今の現状だと思います。 それをですね、排外主義に陥ることなく、ちゃんと国民の皆様の安心安全を確保していくという視点から、総理からは関係大臣と協力して、国・地方自治体の情報連携や制度の適正利用、そして国土の適切な利用管理など、外国人との秩序ある共生社会に向けた施策を総合的に推進するということ。そのために必要な推進体制の強化を図るようにとのご指示をいただいているところでございます。 これらの課題について、もう主(おも)に入管庁になってくると思うんですけれども、関係行政機関との緊密な連携のもとで政府一体となって総合的な検討をしてまいりたいという風に思っています。

(電気新聞ツツミ記者) 電気新聞、ヤマノウチの代理のツツミと申します。よろしくお願いいたします。科学技術政策のうちの、核融合について、城内(きうち)大臣からの方針を引き継いでいくと思われますが、イノベーション戦略の課題は、検討課題は数多くあると思います。大臣が取り組むべき課題、真っ先に解決するとするべきところがどういうところか教えてください。

(小野田大臣) はい、ありがとうございます。城内(きうち)大臣、非常にこのフュージョンについても力を入れてらっしゃったのは承知しております。で、我が国初の国家戦略『フュージョンエネルギー・イノベーション戦略』が高市総理の主導のもとで策定されて、今年の6月には城内(きうち)大臣の元で改定され、2030年代の発電実証を目指すことが明記されております。 高市総理、城内(きうち)大臣が築かれた方向性に基づき、わたくしもこのフュージョンには大変期待しているところでございますので、引き続きフュージョン関連の政策を進めていきたいという風に思っています。 また、発電実証に向けては改定された戦略を踏まえて、現在内閣府のタスクフォースにおいて社会実装にあたっての課題を整理しているところでございます。このタスクフォースの検討結果も踏まえながら、フュージョンエネルギーの早期実現に向けて必要な取り組みを講じてまいりたいと思っております。

(読売新聞 オオヤマ記者) 読売新聞のオオヤマです。よろしくお願いいたします。今の質問に関係してなんですけども、フュージョンに関しましては、高市首相もですね、相当熱意を持って取り組まれていたかと思うんですけども、その関係でですね、何か総理から指示あったんでしょうか? 現状でのですね、認識改めて伺いたいのと、もし、実現に向けて意気込みがあればお聞かせください。

(小野田大臣) はい。高市総理は令和4年の8月から令和6年の10月まで2年2ヶ月の間、科学技術政策担当大臣を務めていらっしゃって、その間もいろんなところでこのフュージョンエネルギーの大切さ、分野に高い関心を持ってらっしゃるというのは、重々(じゅうじゅうう)私(わたくし)も承知しております。 フュージョンエネルギーの社会実装に向けては、さらなる研究開発の推進、そしてコストと実施主体のあり方など、様々な課題が存在するという風に認識しておりますけれども、先ほど申し上げたようにタスクフォースの検討結果も伺いながら、とにかくフュージョンエネルギーの早期実現に向けて、私自身もここには大変期待をしているところでございますので、取り組んでまいりたいと思っております。

(読売新聞 ミズノ記者) ご就任おめでとうございます。読売新聞のミズノと申します。経済安保担当大臣は総理も務められた役職になります。総理ご自身も思い入れあるかと思うんですけども、総理からどのようなお言葉をもらいましたでしょうか? また、総理は『決断と前進』の内閣だというふうにおっしゃっています。大臣、この経済安保の分野でどういった課題に対してどう決断し、前進させていくお考えでしょうか。お願いします。

(小野田大臣) はい。先ほど申し上げました高市総理が2年2ヶ月、経済安全保障大臣を務めていらっしゃったわけでございまして、今般(こんぱん)その高市さんが大変大切に、総理が大変大切に思われてる担当大臣をお任せいただいたということで、身が引き締まる思いです。 その上で経済安全保障については、戦後最も厳しく複雑な安全環境のもとで、経済的手段を通じた様々な脅威が高まっている状況というのは本当にもう迫っているので、こうした中で我が国の自立性、優位性、不可欠性の確保に向けて、冒頭発言でも申し上げたような各種政策について、必要な体制を構築しつつ、とにかくスピード感を持ってやってまいりたいというふうに思っています。

(ニコニコ動画ナナオ記者) (ニコニコ動画のナナオ)と申します。今ですね、生配信(なまはいしん)やっておりますけど、ものすごい同時接続数でですね、大臣の期待の大きさが伺えます。よろしくお願いします。 クールジャパン戦略についてお聞きします。劇場版の『鬼滅の刃 無限城編』第一章(きめつのやいば むげんじょうへん)がですね、今年9月の公開時に、全米でですね、興行収入第1位を獲得しまして、アニメ映画のオープニング興行収入記録を樹立するなどですね、年々、その、日本独自のコンテンツの世界的評価、高まっていると思います。 大臣のご関心高いことは承知しておりますけど、改めてですね、ゲーム、アニメ、漫画等の日本のコンテンツに対する評価をお聞きしたいのと、もう1点がですね、クールジャパン戦略が、これまでですね、国民からしてみると一体何をやってきたのかと、よくわからない状況の中で、例えば大臣、就任されてですね、今後詰めていくと思うんですが、例えば成長戦略の柱とするお考えがあるのか、あるとすればそれはどういった側面からの取り組みを進めていくべきとお考えなのか。現状の認識、お考えをお聞かせください。

(小野田大臣) はい、ありがとうございます。ご指摘の通り、我が国のゲーム、アニメ、漫画等の日本のコンテンツというのも、今や世界的な人気を博しておりまして、海外展開の市場規模、半導体産業や鉄鋼産業を超えて、2023年には約5.8兆円に達していると。 で、こうした中で昨年新たなクールジャパン戦略を策定いたしまして、コンテンツ産業を基幹産業として位置づけて、日本発のコンテンツの海外市場規模を2033年まで20兆円とするという目標を掲げております。 また、コンテンツはアニメツーリズムやロケ誘致など、観光客の誘致にも地方創生にも大きな期待が込められていると思います。そのために、コンテンツを起点としてアニメのゆかりの地の食や伝統文化などの地域資源を最大限活用した、地域一体となった取り組みを加速し、コンテンツ産業と地域経済の活性化の好循環につなげていくこととして、そして骨太の方針や成長戦略にも位置づけているところでございます。 加えてですね、クールジャパンのこのコンテンツ政策に対しては、その輸出規模だとかこの経済効果が言われがちなんですけども、それだけではないと思っておりまして、今、日本語を学ぶ方々のきっかけの多くがアニメ、漫画、ゲームであり、そしてそれをきっかけに日本の文化とか考え方とか、この日本が世界で1番多様性がある国だということを分かってもらえるきっかけになる武器でもあると思ってます。 なので、あくまでそのお金の道具だけではなくて、この日本が誇る文化が知日派、親日派の育成にもなっていますし、世界平和にも貢献してるんだと私は思っておりますので、そういったその日本の自由な表現が持つコンテンツの力というものを、これからその海外との交流にもそうですし、そして経済の柱としても、ある面で皆様の『好きを力に変えていく』を実現していけたらなと思っております。 あ、そう。そして引き続き関係省庁、自治体、民間事業者等と連携しながらコンテンツに携わる人材育成、本当に人材育成しないと外に流出がすごくしてしまってるので、この人材育成や海外の事業展開の両面について強力に取り組みを推進していきたいと思っています。

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