研究者の雇止め問題(2024年度末)
北大、研究支援職員(URAなど)を無期雇用にする体制をつくってキャリアパスの整備を文科省にアピールする一方で、成果を挙げている研究者を解雇するのなら本末転倒すぎる。これは、北大に限らず全国の大学で見られる現象。文科省さん、これで日本の研究力低下が回復できるわけがないじゃないですか? https://t.co/l2CyPNyaAW
— 博士(理学) (@scitechjp) February 1, 2025
「解雇する」ではなく「雇止めする」、「雇用を継続しない」というべきでした。済みません、言葉が適切ではありませんでした。
— 博士(理学) (@scitechjp) February 2, 2025
URAは研究支援職です。支援すべき研究者がいなくなるのであれば、URAの存在意義は危ぶまれると思います。無期雇用を勝ち得たURAを非難しているわけではなく、そういう制度設計をしている大学や文科省への批判です。私自身、URAが雇止めされた例(現にされている例)はリアルでいくつも知っています。 https://t.co/uNp8es9TH7
— 博士(理学) (@scitechjp) February 2, 2025
URAの意義が研究力強化なら、研究力のある研究者を大学に、そして研究の世界に、留まれるようにする、および、そういう人をリクルートするのが早道です。現状そうなっていません。ついでにいうとURAが研究者の業務を肩代わりできるわけではないので、研究する時間が確保できるようには結局なりません。 https://t.co/h3QUYoJTcB
— 博士(理学) (@scitechjp) February 2, 2025
マクロな話(研究組織にURA的支援人材がいることで円滑に駆動し総体として研究力強化につながる)とミクロな話(一人分の人件費枠ならURAに使うより研究者に使う方が研究力強化につながる)は、混ぜるな危険 https://t.co/DqFmWi7e8X
— 海ゴリラ (@the_kawagucci) February 2, 2025
「文科省から降ってくるお金で人を増やすためのツール」、おっしゃる通り、まさにそういうことです。研究力低下を回復させるために文科省が最優先すべきは研究者の雇用の安定化であり、その問題から逃げている限り、いくら周辺のいろいろな政策を打ち出したところで効果が弱いと思います。 https://t.co/Xv3BTMtJQg
— 博士(理学) (@scitechjp) February 2, 2025
研究者の雇用の持続可能性のなさについて
世の中ではSDG、SGDとまるでSGDを掲げてそれを達成するこそが正義みたいな風潮を感じますが、研究の世界ほどSGDを感じさせない場所もないのではないかと思います。研究の世界に蔓延する、雇止め、任期付き雇用、辞職の強要は、SDGsからは程遠いと思います。
これほどSDGsを大事にしている日本が、研究者の雇用に関する持続可能性の問題が、未解決のまま放置され続けているのが、不思議でなりません。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
2024年度の年度末ですが、気になるツイートがほかにもありました。
退職願を出しました。私は無任期で雇用された「国家公務員」時代の最後の生き残りで、研究所からは「教授の退職と同時に辞めろ」プレッシャーがあり、私は3月末で「自己都合」により退職することになります。その前に教授として転出するのは力不足で出来ませんでしたので、研究職はここまでと思います
— Emi E. Nakayama MD, PhD (@EmiNakayama7) January 31, 2025
25年前に赴任した時からの「口約束」がありましたので、そこまで理不尽でもないのです。新しく来られる教授が子飼いのスタッフを連れて来られた方が仕事が捗る。誰も連れて行けない落下傘で赴任する教授が前から残っている人と苦労して軋轢が生まれることもありますので、学部教育のdutyの軽い研究所の
— Emi E. Nakayama MD, PhD (@EmiNakayama7) January 31, 2025
このやり方は、今の助教三年准教授五年の任期制では、とても出来ません。
今後ますます研究予算が小さくなるウイルス学の領域で、人間にしかない病態を、実験動物を通さず多数の臨床検体を通して直接解析する手法は、検体収集の時間と手間とコスト(著者順)から考え難しくなってしまったのが残念です— Emi E. Nakayama MD, PhD (@EmiNakayama7) January 31, 2025
だから、「その2つのポストも場所と一緒に研究所に返上してね」っていうのは、リーズナブルだと私は納得しています。もう一歩でノーベル賞だった先生方が多数ひしめく微研で、PNASもNatureも出せなかった私は完全な落ちこぼれでしたので、まぁ25年間続けられただけでも御の字ですわ。
— Emi E. Nakayama MD, PhD (@EmiNakayama7) January 31, 2025
日本のアカデミアは、以前は終身雇用だったPIでない研究者(助手等)が、教授等PIの退官後に大学,研究所に居残る(のが困る)というトラウマがあり、PI以外をほぼ任期制にしてしまった。その弊害が大きい。しかも、Nakayamaさんの場合は辞める必要もない。… https://t.co/Stzpe4zEt1
— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) February 1, 2025
数人、抵抗して研究所に残った准教授は、研究ができない「机」に追いやられて、「あそこはどう?ここに出してみたら?」みたいな「ご指導」が入るんですよ。
私はそれが嫌で、「辞めるんだから好きにさせてくれ、黙ってて、邪魔しないで今の研究に集中させてくれ」と振り切りました。幸いにして
— Emi E. Nakayama MD, PhD (@EmiNakayama7) January 31, 2025