日本の科学と技術

科研費申請書(研究計画調書)添削サービスってあるんか

自分は科研費の申請書を他人に読んでもらったことは一度もなく、自分でちょちょっと書いて出していました。出せるものは何でも出していたので、勝率は5割程度でした。しかし、世の中は変わったようで、どの大学にも(?)URAなる研究支援者が存在していて、申請書の添削などをやってくれているようです。

それどころか、科研費の申請書のチェックが商用のサービスとしても存在しているようです。科研費申請書の書き方に関する教科書的な書籍が何冊も出ていて、皆がそれを読んだら科研費の競争が激化するだろうと思うのですが、URAの支援や商用サービスを受けるのが普通になると、さらに競争が激しくなりそうです。

科研費なんて所詮決まった大きさのパイの奪い合いなので、こんなに過熱してくるとなんだかシンドイなあというのが本音。申請書の出来で勝負が互角となると、やはり業績で決まるんでしょう。日ごろから論文をきっちりと出し続けることが大事です。

関連記事 ⇒ 研究者にとっての論文十ヶ条

旧帝大を始めとする国公立大学には既に約1,500名のURAが所属しています。(https://kakensinsei.com/aim/

まじか?そんなに多いんか。

URAによる科研費添削支援により、所属機関の採択率が20~30%程度上昇することが知られています(全国URA科研費申請支援チームの独自調べ)。(https://kakensinsei.com/aim/

ほんまかいな。そんなに上がるもんなの?

関連記事 ⇒ 大学における第3の職種URAとは?科研費獲得増の効果は?

そのため、支援を受けた研究者と、そうでない研究者間で採択率に大きな格差が生じ、添削支援が科研費の採択に必須の条件となりつつあります。(https://kakensinsei.com/aim/

どこでも、なんでも、格差社会やね。

特にURAは数十~数百の申請書の添削支援を毎年行っており、申請書添削のプロとして認識されています。(https://kakensinsei.com/aim/

数百って、凄い数。申請書添削にも、プロってあるんか。プロの仕事ぶりってどんなもんなんやろか。

  • 研究者ないし専門職としてのバックグラウ ンドをもとに,申請書の研究プロジェクトとしてのストーリーや文章の論理構成に踏み込んだチェッ クを行う
  • 申請書全体として一貫し,読みやすく,わかり やすく,審査のポイントを押さえているかどうかを 確認し,必要に応じて問題点を指摘し,加筆・修正 を提案する

(京都大学URAネットワークにおける研究資金獲得支援情報の収集・提供・分析 情報管理 2015 vol. 58 no. 2:83-91 J-Stage)

確かに、プロの仕事だね。

ただ、地方にある国公立大学や、私立大学では予算の関係でURAが所属していないのが現状です。そのため、有名大学との研究格差がますます広がっています。(https://kakensinsei.com/aim/

東大とか京大には何十人もいるみたいやしね。選択と集中ですか。裾野を広くしたほうが、日本の研究力はあがるんじゃないかと自分は思う。一人で何億円も予算もらって有効に使ったプロジェクトって一体過去にいくつあったんだろうか。それよりも、基盤C程度の金額でいいからみんなに配ってくれよ。

そこで、私たちURAが「日本の研究者すべてを笑顔にする」ことを目標に「全国URA大学研究支援機構 科研費申請支援チーム」を結成し、これまで支援が行き届いていなかった研究者の皆様(もちろん研究者の卵である博士課程の皆様)にも申請支援の手が届くようにと願いを込めて、申請支援を開始させていただきました。

いや、科研費って決まった大きさのパイの奪い合いだから、全ての人を笑顔にするのは無理やろ。というか、科研費が獲れない人が、どうやってこのサービスのお金を払うんだろう。大学が払ってくれるのか。

全国URA大学研究支援機構 科研費申請支援チーム

いや、初めて聞く名前なんやけど。そんな組織あったんか。というか、会社?

参考

  1. 科研費の申請のプロであるURAによる添削サービス(学振や科研費等)|科研費の添削.com(https://kakensinsei.com/)

ちなみに、この組織と当ブログ執筆者とは、何の関係もありません。数分前に初めてこのウェブサイトを見つけました。

ネットを検索するとほかにも科研費の申請書の添削サービスをしてくれる会社があるようです。

弊社では、勉強会・講演会において申請書(研究計画調書)作成のノウハウを解説するほか、個別に申請書内容のレビューを実施することにより、大学や公的研究機関における科研費申請のサポートを実施しております。(ROBUST JAPAN 科研費申請支援サービス)

科研費申請書の添削がビジネスになっているとは知りませんでした。

申請書の添削サービス 科研費.com

科研費.comは、科研費研究計画調書の書き方に関するノウハウが非常にきれいにまとまっていて、このウェブサイトを眺めるだけで十分得るものがありますが、添削のサービスもしているようです。書籍も出されていて、自分も買って熟読しました。

関連記事 ⇒ 科研費に採択されるための教科書と副読本、厳選4冊

払うお金がないよという人には、本を買わなくてもネット上に科研費の申請書の書き方のノウハウがいくらでも存在しています。

関連記事 ⇒ 採択される科研費申請書の書き方22のヒント

ほかにも、採択率が劇的にアップする申請書の書き方とか。

様々な方が様々な事を述べている.それらを読めば読むほどに「一体どれが正しいんだ!?」と混乱してしまう

採択率が劇的にアップする申請書の書き方

確かに。ベストセラーの科研費の教科書でも、よくよく読んでみると自分はそうは思わんなと思うことが書いてあったりする。

自分のやりたい研究を審査員に正しく伝え,面白く,丁寧に申請書を書いていと思って応援してもらうために,ただひたすら分かり易く丁寧に申請書を書いていただきたい

採択率が劇的にアップする申請書の書き方

これで、言い尽くされていますね。これが理解できない人は、お金を払うしかない。

採否は研究課題名と概要で 8 割方決まる

申請書の内容を端的に表す研究課題名や概要を見た第一印象で大体の評価を決めてしまう場合が多いのではないだろうか.そしてその第一印象を覆すのは,なかなか難しい.

採択率が劇的にアップする申請書の書き方

概要までで、8割方決まってしまうんですね。恐ろしい。採択率が3割くらい。不採択にまわされる申請書は7割。心証が8割きまるってことは、もうほとんど決まってしまうということでしょうか。

この様な研究は他にはない.故に独創的である.」という論調を見ることがあるが,単に独りよがりな想いを書いているだけ

採択率が劇的にアップする申請書の書き方

ギクッとした人が多いはず。独りよがりはダメですよね。

いつしか競争的資金の獲得自身が目的に替わってしまうことが少なくない.そして本来の目的であるはずの研究が競争的資金を獲得するための手段と化してしまうのである.

採択率が劇的にアップする申請書の書き方

目的と手段がひっくり返るってことは、人生のいろんな場面で起こりますね。このパターンの普遍性の高さにいつも驚く。

添削サービスを提供する個人・会社の一覧

  1. coconala科研費チェック」、「科研費」で検索
  2. 科研費の添削.com 科研費の申請のプロであるURAによる添削サービス
  3. 科研費.COM 申請書の添削サービス
  4. ROBUST JAPAN 科研費申請支援サービス 個別に申請書内容のレビュー
  5. クリムゾン・ジャパン 個別に申請書内容のレビュー
  6. educe 個別のレビュー・添削

まだあるかも。適宜追加するかも。

参考

  1. 採択率が劇的にアップする申請書の書き方 まてりあ Materia Japan 第57巻 第 2 号(2018)
  2. 科学研究費申請スキル強化書 岡山から世界に、新た 岡山から世界に、新たな価値を創造し続けるSDGs推進研究大学
Exit mobile version