自分が大学4年生のときに製薬企業の人に話を聞いたときには、学部卒はあまり相手にしてもらえない感じでした。学部卒程度では研究なんてできないので修士出てからまた来てねというスタンスだったように思います。実際修士課程の2年間を研究室で過ごしてみて、やっと多少の実験手技を身に付けられたという程度で、自分でもひよっこレベルだと自覚していました。自分の場合、研究者になれるかどうかという不安は多少ありましたが、自分のラボの教授がただのオッサンにしか見えなかったので自分でも研究者になれるだろうと楽観していました。どこの大学の大学院にいるかにもよるとは思いますが、自分の場合ほとんどの修士の学生は博士課程に進学したように思います。
しかし、企業に行くタイミングとしては修士卒というのが一つの大きな節目になります。今の状況は正直よくわかりませんが、当時は、修士で実験手技を身に付けたくらいの学生が一番歓迎される風潮でした。将来企業に入るつもりであれば、修士のときにいちど企業とコンタクトを取って、修士卒や博士卒に対する企業のスタンスを確認することが必要でしょう。
もちろん、修士の2年間ラボで生活して、こんな生活は耐えられないと思った学生は企業への就職を考えたほうがいいと思います。実験が中心の生活はかなり特殊で、人によって合うあわないはあります。というより、実験して充実感や満足感が得られる種類の人間はかなり少数派なのではないかと思います。