ネット上で指摘された「類似画像」論文に関して大学側が調査へ しかし疑惑はさらに拡大する恐れ

別々の実験結果に対して同一画像データを使用した生命科学・医学系の論文が多数存在していることがインターネット上で明らかにされたのを受け、研究不正の疑義として大学が調査する動きが出ています。

匿名A氏が指摘した84報に関しては、画像データの類似性を解説したPDFファイル(https://infotomb.com/r3hso.pdf)を見る限り、明らかに同一画像データが使われている例が多いようです。しかし、似ているが一致しない例、画素レベルでの一致はないが同一画像データである疑いが拭えない例があるなど、類似の程度は様々です。研究不正の有無を確認するためには、指摘された類似画像データの精査、実験ノート、生データとの突合せ作業が必要となるでしょう。

今回、匿名A氏が指摘した論文は、匿名A氏が掲示板にて「今回の調査は網羅性は全然ないです。」と説明しているように、調べた年代も雑誌の種類も非常に限局されたものになっています。大学が本気で研究不正を許さないと考えているのなら、調査をこの84報に限ってしまうのは無意味です。捏造する人、捏造するラボは不正行為を繰り返している可能性があります。現在に至るまでのすべての論文を調べておかないと、調査終了後に再び疑惑が出てくるでしょう。

((Osaka[Affiliation]) AND Medicine[Affiliation]) AND “The Journal of biological chemistry”[Journal]

で検索して2000年代前半の論文を見たらここに挙げられている以外にも5分で二つ不審なデータが見つかった。

今回インターネット上でなされた匿名の告発を数日以内に文部科学省や大学が確認し、大手メディアがそれを取り上げて一般向けに報道したのは画期的な出来事です。

マスコミがこれだけ一斉に触れるのがいまいち納得いきません。

私はたしかに80報くらい記載しましたが、11jigenサイトに行けば、300報くらい載ってる訳です。少し増やしただけでは?

また、Pubpeerに既に記載されているものを日本人著者だけ集めたら、100報は軽くいくのでは? やったことはありませんが。

しかし、個人でできることには限りがあります。不正疑惑論文調査を個人のボランティア活動に任せ切りにせず、網羅的に不正を検出・防止する制度を国が導入すべき時期が来ているのではないでしょうか?

本当にキリがありません。(1月11日追記)

617 :名無しゲノムのクローンさん:2015/01/10(土) 09:04:47.46
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10336474
Fig1Bのレーン1とFig2Cのレーン1

641 :名無しゲノムのクローンさん:2015/01/11(日) 00:35:54.70 
http://www.jbc.org/content/283/18/12468.long
fig.1Aの上から2レーン目、3レーンが酷似

651 :名無しゲノムのクローンさん:2015/01/11(日) 06:16:27.06
http://www.jimmunol.org/content/161/9/4652.long
fig.1C最下段

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1074761300800059
fig.1Dの最下段が酷似
(http://wc2014.2ch.net/test/read.cgi/life/1404026227/)

大切な実験データをいとも簡単に取り違えてしまうような極度の「うっかりさん」や、意図的に捏造する研究者が日本に蔓延すると、日本の国際的な研究競争力が低下します。早く、健全な世界を取り戻したいものです。不正防止の議論は長年に渡って行われてきたにも関わらず根本的な解決を見ていません。個人の良心やモラルに頼らずに、研究機関による生データの全保存や不正の有無の判定条件変更など、不正が起こしえない制度に変えていく必要があるでしょう。

…やっぱり学生さんが捏造していた場合と、あと例えば博士を取ってちゃんとしたポスドク、その教育を受けたポスドクの人とかスタッフの人がそういうことを行った場合っていうのは多少、同じcorresponding author であっても、ちょっと違うんじゃないか。…、特に学生が筆頭著者でそういうことを行った場合に、やっぱりそれを見抜けなかった、山中先生の言われるように見抜けな
かったとか、あるいはそういう訓練を怠っていたっていう責任は免れないのが、その場合はかなり重い処分をされてもしかるべきではないかというような印象は持っています

僕はやっぱり、corresponding author もそういうことがあったら切腹だと思うんですよね。…やっぱり1つはまず、ボスを喜ばせるからっていう、要するに非常にモラルが低いですね、低いっていうか、それはすごいボスとしてはありがたいですけど、やっぱり科学者としてモラルっていうのがありますよね。…でも、いちばんの問題はやはりだから、そういう倫理観に乗らない人たちがいますね、もう全然、何ていうんですか、標準から外れている人ですね。

… 不正行為をする人の中には、普通の意味でのルールを守る気はもう全く頭の片隅にもない人がいますので、そういう人たちについて、私はやっぱり、サッカーでいうレッドカードで退場していただいて、研究の世界以外のとこでやったらどうですかと。… (日本分子生物学会 若手教育シンポジウム 記録全文 『‐今こそ示そう科学者の良心‐みんなで考える科学的不正問題‐』 2007 年12 月13 日) (http://www.mbsj.jp/admins/ethics_and_edu/investigation/20071213_sympo_kagakusha_ryoshin.pdf)

参考

  1.  阪大など80本超の論文に不正疑惑 共著者に「東大病院長」が (日刊ゲンダイ 2015年1月10日):”…疑惑を指摘された複数の論文の共著者に、ナント東大医学部付属病院の門脇孝院長の名前まで含まれているから、さあ大変だ。…門脇氏が含まれる“疑惑論文”は2000年代前半のもの。門脇氏がまだ講師か助教授時代の論文とみられ、匿名A氏から、左右を反転させた画像が使用されたり、異なる論文の画像がほぼ一致しているなどと指摘されています。…東大病院に問い合わせたら、「(門脇氏の)名前が挙がっていることは認識していますが、事実関係を含めて情報収集中です」(パブリック・リレーションセンター担当者)と、何とも歯切れが悪かった。…”
  2. ネットで論文画像の「類似」、「匿名A」が指摘 東大や阪大などの生命科学系約80本 (産経 WEST2015.1.9 12:45):”東京大や大阪大の研究グループが発表した生命科学系の論文約80本に、不正に加工したり、複製したりした可能性のある画像が掲載されていると、インターネット上で指摘されていることが分かった。”
  3. 阪大と京大の研究者の論文、画像切り貼りの指摘 (読売新聞 YOMIURI ONLINE 2015年01月09日 15時54分):”大阪大と京都大の研究者が1998年~2005年に発表した論文計32本の画像データに、切り貼りや使い回しの疑いがあるとインターネット上で指摘があり、阪大は論文著者への聞き取りなど事実確認を始めた。京大も近く、同様の作業を始める。問題の指摘は、日本分子生物学会の会員研究者が開設したサイト「日本の科学を考える」に昨年末から今月初めにかけ、匿名の人物によって投稿された。阪大では28本、京大については4本を挙げている。大阪大医学系研究科研究支援室の担当者は「論文の主要著者で現在も大阪大に在籍している研究者に、事実の確認を行う。結果次第で、本格的な調査に移るかを検討する」と話している。投稿は、両大学のほか東京大や名古屋大、九州大などの研究者が発表した計52本について同様の疑いがあると指摘しており、東大も情報収集を進めている。”
  4. 東大・阪大などの論文80本に不正疑い ネットで指摘 (日本経済新聞 電子版 2015/1/9 13:47):”東京大学や大阪大学などの研究グループが発表した生命科学系の約80本の論文で、画像の使い回しや切り貼りなどの不正の疑いがあるとインターネット上で指摘されていることが9日、分かった。阪大は研究者に聞き取りするなど事実関係の確認作業を始めた。…”
  5. 論文70本不正画像か 「匿名A」が指摘、東大など確認 (朝日新聞 DIGITAL 2015年1月9日11時47分):” …「匿名A」と名乗る人物が、英科学誌ネイチャーをはじめとする生命科学や医学系雑誌に掲載された約70本約80項目について、画像を具体的に挙げる形で疑問を提起している。…”
  6. ネットで画像流用指摘=東大、阪大など論文80本 (時事ドットコム 2015/01/09-11:07):”..サイト上で、28本の論文に不自然な点があると指摘された大阪大は、文部科学省からの連絡を受け、8日から事実関係の確認を開始。同大医学系研究科の研究支援室の担当者は「遅くとも今月中には現在も在籍している研究者と面談し、調査の必要性などを検討したい」と話している。”
  7. 生命科学論文:「画像不正」ネット投稿 阪大や東大確認へ (毎日新聞 2015年01月09日 07時30分,最終更新 01月09日 09時27分):”指摘された論文の著者が最も多く所属する大阪大医学系研究科の研究支援室は、今月7日に投稿内容を把握したという。担当者は「在籍する著者に事実関係などを確認する」と話す。東大病院は「確認中で、今後調査するかは分からない」としている。”
  8. 生命科学系の論文内で不正に複製/加工されたように見える画像の存在が多数指摘される (エキサイトニュース / スラッシュドット・ジャパン 2015年1月7日 11時28分, 2015年1月9日 17時10分 更新)
  9. 酷似する画像を含む生命科学論文がインターネット上で大量に指摘される
  10. 捏造問題にもっと怒りを(日本の科学を考える)
  11. 論文捏造&研究不正@JuuichiJigen (TWITTER)
  12. pubpeer.com
  13. 捏造、不正論文 総合スレネオ 24 (http://wc2014.2ch.net/test/read.cgi/life/1404026227/)
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