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京大学生らが私服公安警察官を取り押さえる

2014年11月4日、大学側に事前通告せずに京都大学構内に潜入していた私服警察官が学生らに発見され、取り押さえられるという事件がありました。京都大学と京都府警察の間には、大学自治の観点から警察官が学内に入る際は事前通告するなどの申し合わせがあったにもかかわらず、それが守られていなかったことに関して、京大当局は、「誠に遺憾」とのコメントを出しています。

京大“潜入”の私服警官、学生に取り押さえられる

京都大学全学自治会同学会11・4周知ビラ.pdf)による事件の経過(一部省略):

11月4日(おおよその時刻)

12:15 同学会中執の情宣活動中に、学生有志が公安を発見・摘発する。
12:30 京大当局職員を呼ぶ。免許証、保険証から京都府警公安であると確認。携帯画面にLINEで「離脱しろ!」というメッセージも確認。
12:45 京大当局の用意した会議室に移動し、追及する。寮、キャンパスに宣伝。当局が免許証、保険証のコピーを取る。学生側もコピーを取って、その場で配布する。
13:30 「本当に警察官で公務中だったなら京大との協定違反だ」として冴木学生部長が京都府警に通報する。
14:00 京大副学長・杉万俊夫が到着する。杉万副学長が「大勢だと監禁罪になる恐れがある」として、学生側3名、当局側3 名 の6名で追及を続ける。
14:45 公安が「杉万副学長と2人なら話す」と言いだす。杉万副学長にICレコーダを持たせて学生は全員退室し、部屋の前で待機。
15:00 機動隊バスが5台と公安が大量に周辺に集まっているという情報が入る。「『釈放しないと突入する』と脅されている」と職員から伝えられる。
15:30 公安が名前と所属を自供。「休憩中に自転車で通行していただけで公務中ではない」と主張(しかし実際は自転車を構内に停め、校舎内に立ち入っている)。杉万副学長が「京大生が何度も目撃しているようだし、ただ普通に通行しているだけの人間を捕まえるはずがない。矛盾している」と追及したが、何も答えず。これ以上は埒が明かないと判断し、校外にいる京都府警の身柄引き受けの責任者を杉万副学長が追及することになる。責任者に対し、杉万副学長が「本人は否定しているが、今回の件は公務だったと考えている。大学の許可なく構内で公務を行うことは、大学の自治に反し、京都府警とのこれまでの約束を破るものだ。しっかり対応するように」と追及する。責任者は身分を明かさず、今回の事件について「公務中だったかは判らない。これから調査する」の一点張り。
16:00 責任者の追及が終わり、大衆が取り巻く中、門前で身柄の引き渡しを行う。

参考

  1. 日本国憲法 第23条 学問の自由は、これを保障する。
  2. 京大の構内に警察官、学生とトラブル 大学「誠に遺憾」(朝日新聞DIGITAL 2014年11月5日):”京都大は4日、京都府警の警察官が無断で構内に立ち入ったとして、「事前通告なしに警察官が立ち入ることは、誠に遺憾。詳細な事実関係の調査を行っている」とする杉万俊夫副学長名のコメントを発表した。”
  3. 京大:私服の府警・警備2課警官を学生ら一時取り囲む (毎日新聞 2014年11月04日):”4日午後0時20分ごろ、京都市左京区の京都大学で、無断で構内に立ち入った京都府警の私服警察官を学生らが一時取り囲む騒ぎがあった。”
  4. IWJ緊急レポート! 京都府警公安幹部にIWJが直撃取材! 京大への「潜入捜査」が発覚! 思想弾圧は進行中? 「第二のポポロ事件」の真相に迫る!
  5. 「京大ポポロ」警察官無断立ち入り 「まだ学生運動が!」「公安がばれちゃ、いかん」 ウェブで波紋広がる (産経WEST 2014.11.8):”京都大(京都市左京区)のキャンパスに4日、私服警察官が無断で立ち入ったとされる問題をめぐっては、大学の自治の観点から一部の学生たちから強い反発の声があがり、京大も「誠に遺憾」と不快感を示している。ただ、こうした動きは、中核派系とみられる学生の逮捕をきっかけに起こっており、反応はさまざまで、じわりと波紋も広がる。”
  6. 公安警察を摘発!(京 都大学全学自治会同学会中央執行委員会オフィシャルblog 2014-11-05 Wed):”昨日11月4日の昼休みに、同学会中執の宣伝活動を監視 していた公安警察を学生有志が取り押さえ、その学生有志と同学会中執をはじめとした大勢の学生と、杉万副学長を含む大学側職員数名で抗議・追及し、警察に 引き渡すという大事件がありました。”
  7. 東大ポポロ事件(ウィキペディア)
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