いいピアノの先生の選び方 そもそもいいピアノのレッスンとは?

      2021/04/10

研究の道に進む人は子供のときにピアノなどの音楽を習っていたことが多いようです。女の子の場合にはピアノはポピュラーな習い事だと思いますが、男の子でピアノを習う子供はそれほど多くないはずです。ところが、大学院くらいになると男性の割合が圧倒的に高いにも関わらずなぜか楽器経験者がたくさんいます。この偏りは一体どういうことでしょうか。

東大生100人にアンケートを採った。ピアノをやっていたのは47人。そのほか16人がバイオリン、エレクトーンなどの音楽教室に通っていたというから、音楽系全体でいえば6割を超える。(東大生にピアノ経験者が圧倒的に多い理由 東大生がやっていた習い事ランキング最新版 次ページ » おおたとしまさ : 育児・教育ジャーナリスト 著者フォロー 2017/03/10 5:00 東洋経済

ピアノを習って指を動かすと脳が刺激されて頭が良くなるなどという議論を見かけますが、どうなんでしょう。

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単に、教育熱心な家庭は勉強と情操教育の両方を子供にやらせているからなのかなとも思います。そんなに頭が良くなるんだとしたら、自分も幼少の頃からピアノを習わせてもらいたかったです。

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さて、自分が思うに、ピアノで頭が良くなるのかどうかというのもずいぶん乱暴な議論のように思います。というのもピアノを習うと一口に言ってもどんな先生に習ってどんなピアノのレッスンを受けるか、どんな風にピアノを練習するかで頭の刺激のされ方が全然変わると思うからです。「塾に行けば勉強ができるようになる」とは限らないのと同じことです。自分の頭を使わずにただ解法のパターンを暗記する訓練をしても、本当の意味で勉強ができるようにはならないでしょう。

自分は研究の都合などであちこち移動したため趣味のピアノを習う教室も何回も変わって、いろんなピアノのレッスンがあるなあと思ったので、全くの個人的な考えですが、ピアノレッスンについて思うところを書き記してみたいと思います。

 

いいピアノのレッスンとそうでないレッスンとの違い

ピアノのレッスンの良し悪しというと語弊があるので、面白くて楽しめるレッスンとそうでないレッスンの違いは何かという観点で考えてみたいと思います。

音が並んだらレッスンが終わり vs. 音が並んでからがレッスンの始まり

先生によってレッスン内容は大きく異なります。自分も趣味でピアノを習ったことがありますが、たいていの先生は、生徒が弾き間違えたら、「ハイ、間違えないいように気を付けて、もう一回弾いてみて。」と言い、間違えずに弾けたら、「じゃあこの曲はこれで合格。来週は次の曲を見てきて。」となります。ピアノのレッスンはこんなものと思っていたのですが、なんだか面白くないなあとモヤモヤしたものがあったのも確かです。しかし、子供のときは疑問を持たなかったでしょう。音楽的なピアノのレッスンはそんなものではないということに気付いたのは、随分後になってからでした。面白いと思えるレッスンをしてくれるピアノの先生の要求は、もっと高かったのです。音が並んだら合格ではなくて、音が並ばないと「ちゃんと練習してきて。これじゃレッスンできないから。」と言われます。音が並んでからがレッスンの始まりなのです。

 

フォルテは大きく vs.  このフォルテのイメージは

「ここはフォルテって書いてあるからもっと大きな音で。」「この音はスタッカートがついているからもっと短く切って。」「曲の終わりの部分だからリタルダンド気味に。」などと言われると、なんだかピアノを習った気がするでしょうか。自分は全くしませんでした。かといって、何がヘンなのかもわかりませんでした。音楽らしいと思えるレッスンを受けてようやくわかったことは、楽譜には何かを表現するためにフォルテやスタッカートの指示が書き込まれているので、その意味するところを考えるのが大事だということです。p(ピアノ)は小さくと機械的に考えるのではなく、なぜpなのか?どんなイメージで、何を表現しているのか、したいのかを考えるわけです。例えば、「遠くで」大きな音がなっているのを表現するためにpという記号がついているのかもしれません。心が穏やかになった様子を表しているのかもしれません。

 

モーツァルトは平坦に?

モーツァルトを弾くときはあまり強弱を激しくつけてはいけないとか、ショパンなどのロマン派を弾くように弾いてはいけないなどと言われたように記憶しています。fと書いてあってもmfくらいにしときなさい、みたいな。そんなことしたら全然音楽的に面白くならないのでは、とはなはだ疑問だったのですが反論できるほど自分の中に考えがあるわけでもなく、なんだかモヤモヤとした状態でした。しかし、昔、「ピアノでモーツァルトを」というNHKの番組があったのですが、講師のワルター・クリーンさんの演奏を聴いたときに、喜怒哀楽がこんなにもめいいっぱい表現されてるではないか、と驚きました。自分がピアノの先生の指示を正しく理解できなかっただけの可能性もありますが、決してモーツァルトはつまらなく弾くべきものではなかったのです。

Mozart on piano , Walter Klien and pupil 1990 2013/06/20 MrCapacitors

 

ピアノの生徒の上達の天井を決めるのはピアノの先生の能力

ピアノに限らずなんでもそうですが、指導者の力量で生徒がどこまで上達できるかが決まると思います。先生のレベル以上に生徒が伸びることはそうそうないのです。組織の力の限界を決めるのはリーダーの力量ということが良く言われますが、似たような話です。研究室のアクティビティの上限も、教授の能力の限界に一致するのでしょう。子供にピアノの才能があったとしても、ついているピアノの先生が音大に合格できるレベルまで持って行けない場合には、生徒の上達は頭打ちになってしまい、そのままでは音大合格はおぼつきません。その場合は、先生は生徒をもっと上のレベルの先生に紹介するべきでしょう。

 

いいピアノの先生の選び方

いいピアノの先生とは、音楽を奏でる面白さや表現方法、そのために必要な技術を習得するための練習方法を教えてくれる先生なのではないかと思います。音楽的な面白い、楽しめるレッスンをしてくれる先生。ただ、そんな先生を探し当てるのは至難の業です。実際に習ってみないことにはわかりません。大学院生やポスドクが、ラボに入ってみないとそのラボのボスがいい人かどうかがわからないのに似ています。いいラボは、卒業生が順調にキャリアアップしているラボでしょう。そう考えると、いいピアノ教室は、生徒さんがいい演奏をしている教室と言えそうです。もし可能なら、その音楽教室の発表会を聞いてみるとか、講師演奏があれば聴いてみるとかするのが良いかと思います。もちろん、レッスンを見学したり、体験レッスンを受けてみると、自分が望むレッスンをしてくれるかどうかがもっとはっきりとわかると思います。

参考

  1. 室内楽生活

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