日本の科学と技術

「勇気ある行動をとっている研究者が複数名いることは、理研にとって大きな救い」

理化学研究所の研究不正再発防止のための改革委員会は、2014年6月12日に「研究不正再発防止のための提言書」を理研理事長野依良治氏に提出し、その内容が公開されました。

「小保方さん所属組織”解体”を」理研の改革委員会(14/06/12)

日本を代表する研究機関である理研で起きた前代未聞の研究不正の解明にあたり、理研内で真相と科学的真実の解明のため勇気ある行動をとっている研究者が複 数名いることは、理研にとって大きな救いである。本委員会はかかる研究者の勇気に敬意を表すると共に、このような行動により不利益な扱いをされることがな いよう、理研に対し、強く求めるものである。

Nature論文は全て撤回される見通しとなったが、STAP問題が日本の科学研究の信頼性を傷つけている事実は消えることはない。日本の代表的な研究機 関である理研が、STAP問題を真摯に総括し再発防止策を実行することができるのか、国内外から注目されている。STAP問題のような研究不正をめぐる不 祥事は、科学者自らによって解明、解決されなくてはならない。(http://news.mynavi.jp/news/2014/06/12/526/)

参考

  1. 研究不正再発防止のための提言書 (独立行政法人理化学研究所 平成26年6月12日)(理研ウェブサイト内PDFリンク):”…また本委員会の聴取に対し、竹市センター長は、小保方氏の採用を決めた人事委員会のメンバーは、「同時に採用された他のPIに比べ、小保方氏は研究者としてのトレーニングが不足している」、と認識していたが、小保方氏自身の研究テーマに研究予算をつける必要等を考慮すると研究員ではなくRULとして採用する必要があった、と答えている。以上の経過から、理研CDBは、小保方氏の研究者としての資質と実績を評価して、というよりも、小保方氏のSTAP研究の成果が魅力的であり、小保方氏をRULに採用することにより、iPS細胞研究を凌駕する画期的な成果を獲得したいとの強い動機に導かれて小保方氏を採用した可能性がきわめて高い。…”
  2. CDB 自己点検の検証について (平成26 年6 月10 日 CDB 自己点検検証委員会) (理研ウェブサイト上のPDFリンク)
  3. 研究不正の再発防止にはCDB解体など抜本的な改革が必要 – 理研改革委員会 (マイナビニュース 2014/06/12):”…また、提言書では小保方氏の採用に信じがたい杜撰さがあったとしており、採用に加担した竹市センター長や西川副センター長(当時)、相澤副センター長(当時)などの理研 発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)のトップにも責任があるとするほか、理研本体の研究不正防止に対する認識不足やガバナンス体制の脆弱性、責任の所在が明らかになることを怖れての及び腰での取り組みなどを指摘しており、再発防止に向け、理研に対し、対象となる論文が取り下げられた場合であっても、個人および責任の明確化と相応の厳しい処分の実施、ならびにコンプライアンス担当理事と研究担当理事の交代、そしてCDBの解体ともし新たに発生・再生科学分野を含む新組織を立ち上げるのであれば、トップ人員を刷新し、理研のためではなく、日本全体の研究力強化に貢献できる体制の構築などを掲げている。…”
  4. 理研:改革委、再生研の解体提言…「関係者厳しい処分を」 (毎日新聞 最終更新 06月12日 22時09分):”…小保方氏には「研究者としての資質に重大な疑義がある」として「極めて厳しい処分」を求め、CDBの竹市雅俊・センター長、共著者の笹井芳樹・副センター長ら幹部の処分と交代を盛り込んだ。…”
  5. 竹市・笹井氏ら4人の辞任求める 理研改革委(日本経済新聞 2014/6/12 19:58):”…再生医療の中核拠点である理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市、CDB)を早急に解体するとともに、竹市雅俊センター長、笹井芳樹副センター長ら上層部4人の辞任を求めた。…”
  6. 「小保方氏の採用過程、信じがたい杜撰さ」 理研改革委 (朝日新聞DIGITAL 2014年6月12日21時27分):”…通常実施する英語による公開、非公開のセミナーをせず、推薦状もない状態だったのに採用を決めるなど、「にわかには信じがたい杜撰(ずさん)さ」と批判した。…”
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