“官邸の守護神”黒川弘務・東京高検検事長 黒川ありきの検察庁法改正であることを森法相が事実上認める発言

      2020/05/22




官邸による恣意的な人事であることは、過去のいきさつをみると明かなのですが、不正行為を誤魔化そうとしているために、安倍首相や閣僚の答弁では矛盾が噴出しています。

また、“官邸の守護神”というと聞こえは良いですが、単に安倍晋三氏に検察の魂を売り渡しただけの人?検察OBが今更慌てふためいても自業自得?と素人考えでは思ってしまいます。

  •  官邸の守護神か、政治の犠牲者か 黒川検事長の「異色」 (有料会員限定記事 検察庁法改正案 2020年5月13日 5時00分 朝日新聞デジタル

起訴すべき事件を起訴して、徹底的に悪事を暴いていれば安倍内閣はもっと早い段階で崩壊し、このような事態にはなっていなかったでしょう。

安倍晋三内閣の守護神

 

 

官邸による検察人事への介入

 

定年延長とか法改正とか、話がややこしいので、官邸がどのような思惑で検察人事に横やりをいれているのかわかりやすく解説したウェブ記事を紹介。

最大の論点は、「国家公務員法によって検察官の定年を延長できる」という法解釈の正当性だ。検察官の定年は検察庁法で定められており、人事院は1981年4月の衆院内閣委員会で「検察官には国家公務員法の定年規定は適用されない」と答弁していた。この通りだと、今回の定年延長は検察庁法に違反して行われた疑いが出てくるのだ。… 適用範囲の広い一般法である国家公務員法に対し、検察庁法は、特定の事項を定める「特別法」の関係にある。「特別法は一般法より優先される」というのが普通の法律解釈だ。(黒川検事長の定年延長を事前に承認した稲田検事総長の説明責任は? 村山 治 2020/03/30 法と経済のジャーナル Asahi Judiciary)

東京高検検事長の黒川弘務は2月8日の63歳の誕生日をもって検察官の定年を迎える。新たな検事長の交代に備え、年の初めにはその内示があるはずだった。松の内が明ける1月7日の初閣議前になっても、その内示がない。動きがまったくなかったのである。そうして1月31日を迎えた。検察関係者たちは、当日の閣議決定に仰天する。それが黒川の半年間の勤務延長だった。東京高検検事長は検事総長の待機ポストと位置付けられている。退官するはずだった黒川は定年延長により、8月7日まで東京高検検事長として勤務する。この間の7月、検事総長の稲田伸夫は任期の2年を迎え慣例通りなら黒川検事総長が誕生する。それが「政権の守護神」の異名をとる黒川のために首相官邸が描いた人事のシナリオではないか――。すぐさま野党が、検察庁法で守られてきた司法の独立をないがしろにした政治介入だ、と国会で追及の火の手を上げた。(「黒川東京高検検事長“定年延長”の真実」安倍政権の思惑vs.検事総長の信念 文藝春秋digital 2020/04/27 08:00)

定年云々を上記3氏でおさらいしておきます。

稲田検事総長(定年65歳)……2021年8月14日定年

黒川氏……2020年2月8日定年半年延長され8月8日定年

氏……2020年7月30日定年

【慣例1】検事総長の任期は2年である

【慣例2】検事総長は東京高検検事長が昇格する

まず【1】により稲田氏(2018年7月25日総長就任)は今年7月末ぐらいに退任します。延長がなければ黒川氏は検事長を最後に退官しており、後継の東京高検検事長に林氏が就いて【2】を満たした上で誕生日の7月30日までに総長へ就任というシナリオでした。ところが黒川氏の定年延長で林氏は【2】を満たせず、稲田氏が【1】通り退官したら黒川氏が次期総長になると変更されたのです。ここで検察幹部やOBらが「検察権の政治介入だ」「独立性を揺るがす」果ては「検察は死んだ」とまで批判の嵐。(法律論以外で探る検事長定年延長問題と検察の特殊性 坂東太郎 2020/4/29(水) 11:00 YAHOO!JAPAN)

状況が一変したのは、2019年11月中旬。辻次官が2020年1月上旬発令に向けて、黒川検事長退官の人事案に対する官邸の感触を探ったところ、官邸側は、法務省側の意に反して黒川氏の検事総長昇格を求めていることが分かった。黒川氏を検事総長にするには、稲田氏が退官するしかない。その後、辻次官は何度か官邸の意向を探り、官邸側の「黒川総長」希望が固いことを確認。(稲田検事総長が退官拒絶、後任含みで黒川氏に異例の定年延長 村山 治 2020/01/31 法と経済のジャーナルAsahi Judiciary )

 

2020年5月15日(金)内閣委員会

2020年5月15日(金)に開催された内閣委員会では、森法相は機械的な答弁を繰り返すばかりで、真摯な説明はなされませんでした。しかし、後藤議員の質問に答えるうちに、結果的に、森法相が黒川氏ありきの法律改正であることを認める展開になりました。

 

 

 

強行採決が行われるのではないかと危惧された、2020年5月15日(金)の内閣委員会ですが、森法相は真摯に説明すると最初に言っておきながら、型通りの発言を機械的に繰り返すのみで、誰も納得しない内容でした。その後、武田大臣に対する不信任案が野党から提出されたため、休憩後ただちに散会となり、強行採決はとりあえず回避された状況です。

この日行われた内閣委員会の質疑応答の中では、森法相が黒川氏と法改正との関連を認める発言をしたことが最大のニュースなのではないかと思いました。

大手メディアの記事を見ても、内閣委員会で何が起きたのかはあまりわかりませんが、下の動画は、かなり見ごたえがあります。

【国会中継】検察庁法改正案、森雅子法務相が出席し審議 採決は先送り(2020年5月15日)THE PAGE(ザ・ページ)

2020年5月15日質問者:後藤祐一(立国社)13時50分~ ・藤野保史(共産)13時54分~ ・後藤祐一(立国社)14時24分~ ・藤野保史(共産)15時4分~ ・足立康史(維新)15時20分~

国民の怒りの声

PAGEはYOUTUBEで生配信しましたが、30万人以上が視聴し、ライブ時のコメントの書き込みが非常に多くて書き込まれた文が滝のように流れ落ちていきほとんど読めない状態でした。また国会前にデモにいた人たちもいたようで法案改正に反対する声が後ろで響いていました。

 

  1. 検察庁法改正に抗議するツイッターの動きをどう見るかは大事な問題だ (篠田博之 | 月刊『創』編集長 5/17(日) 6:00 YAHOO!JAPAN)鳥海不二夫・東大准教授による分析では、5月8~11日の約473万件の投稿のうち自分で投稿したアカウント数は約32万人、投稿数は約56万件。リツイートは約417万件になるが、重複を除いたアカウント数は約59万人だったという。
  2. 政治に対して声を上げ始めた芸能人──「 #検察庁法改正案に抗議します 」の背景 (松谷創一郎 2020/5/13(水) 5:30 YAHOO!JAPAN) 「#検察庁法改正案に抗議します」──Twitterをこのハッシュタグが席巻している。その数はすでに600万ツイートを超えると見られるが、注目されるのは多くの芸能人たちも声をあげたことだ。その一部を列挙すると、小泉今日子、浅野忠信、ラサール石井、大久保佳代子(オアシズ)、井浦新、城田優、Chara、秋元才加、西郷輝彦、大谷ノブ彦(ダイノジ)、緒方恵美、高田延彦、水野良樹(いきものがかり)、日高光啓(AAA)、末吉秀太(AAA)などである(敬称略)。なかでも、きゃりーぱみゅぱみゅのツイート(現在は削除)に対し、保守系の評論家が「歌手やってて、知らないかも知れないけど」と前置きしたうえで反論したことは強く注目された。
  3. 芸能人の政治発言、今もタブー? ファン意見割れ削除も (有料会員限定記事 江戸川夏樹、林幹益 2020年5月11日 21時04分 朝日新聞DIGITAL)「#検察庁法改正案に抗議します」。10日に急速に広がった投稿は、11日午後8時過ぎ680万件を超えた。
  4. 検察庁法改正に抗議、ツイッターで470万超 著名人も 有料記事 検察庁法改正案 (2020年5月10日 20時18分 朝日新聞DIGITAL)「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい。この国を壊さないで下さい」。俳優の井浦新さんが10日朝に投稿すると、昼までに2万件以上リツイートされた。歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん、音楽グループ「いきものがかり」の水野良樹さん、俳優の浅野忠信さん、秋元才加さん、芸人の大久保佳代子さん、漫画家の羽海野チカさんらも同様に、ハッシュタグ付きで抗議の意思を示した。

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検事の定年延長の基準に関して森法相は何も説明できず

時の政権が検事長の定年を恣意的に延長することで支配が可能になってしまいます。恣意的にはやらないというのであれば、どんな基準で延長するのかを説明せよということが今回の論点になったのですが、森法相は人事院が新たな基準をつくるのでそれに準じるという答えを何回も機械的に繰り返しただけでした。必要性を説明できないのに、法改正が必要というのは順序がひっくり返っていて、意味不明です。

後藤議員は、3つの基準を逆に提案しそれらが受け入れられるのか?という質問をすることにより、森法相から言質を取ろうとしていました。

 

 

森法相が黒川氏と法改正の関係性を認める

後藤議員による一連の論理的な質問構成により、論理的な帰結として、森法相は黒川さんと今回の法改正は無関係と言いつつ、黒川さんのための法改正であるという矛盾を認めた形になったと思います。

 

昨年十月までは、検事長が六十三歳以降も居座れる規定を作らなくても『公務の運営に著しい支障が生じる』事例はなかったか」国民民主党の後藤祐一氏は十五日の衆院内閣委員会で、国家公務員法が定める定年延長の要件を挙げ、森雅子法相に見解を求めた。法務省が昨年十月にまとめた検察庁法改正原案には、定年延長を認める特例規定は含まれていなかったからだ。森氏は「見当たらなかった」と説明した。後藤氏は続けて「昨年十月以降は黒川さんの件だけか」と確認した。森氏は「その通り」と認めた。後藤氏は「黒川氏の人事と法案は関係がある。唯一の立法事実だ」と断じた。森氏は十二日の記者会見では、黒川氏の人事と法案の関係を否定していた。(法解釈では無理だった!? 黒川氏人事で検察庁法改正案一変 批判浴び「事後正当化」 2020年5月16日 朝刊 東京新聞TOKYO Web) *太字下線強調は当サイト

 

 

 

 

強行採決は回避

 

 

東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書

内閣委員会で後藤議員が話題にしていましたが、5月15日には検察官OBによる意見書も提出されました。法務大臣 森まさこ氏宛てで、名を連ねているのは、元仙台高検検事長・平田胤明(たねあき) 、元法務省官房長・堀田力、元東京高検検事長・村山弘義、 元大阪高検検事長・杉原弘泰、 元最高検検事・土屋守、 同・清水勇男、 同・久保裕、 同・五十嵐紀男、 元検事総長・松尾邦弘、 元最高検公判部長・本江威憙(ほんごうたけよし)、 元最高検検事・町田幸雄 、同・池田茂穂、 同・加藤康栄 、同・吉田博視の諸氏。

  1. 【意見書全文】首相は「朕は国家」のルイ14世を彷彿 検察庁法改正案 (2020年5月15日 16時14分 朝日新聞DIGITAL)

 

森法相の人となりについて

同情する必要はないのでしょうが、見ていて可哀そうにすら感じる答弁でした。理性が完全に崩壊していない限り、あの場はしのげないでしょう。


 

関連記事 ⇒ 自分が政治に向いているかどうかを知る7つの質問 ~立派な政治家になるために必要な素養とは?進路に迷っている人のための条件チェックリスト~

日本の検察について

検察庁法改正案に抗議しますとか言ってる奴ら全員見ろ 2020/05/11  堀江貴文 ホリエモン

 

参考 

  • 「与党は甘く見ていた」 答弁下手の森雅子法相、引きずり出され…案の定「botみたい」 (2020年05月15日20時19分 J-CASTニュース)
  • 美魔女まるで壊れたレコード「森隠し」失敗の大誤算 (2020/5/15(金) 19:56 日刊スポーツ)森氏は12日の会見で「法改正と黒川検事長の定年延長は無関係」と説明したが、改正案は、法解釈を変更して強行した黒川氏の定年延長を事後的に正当化するための「後付け」と疑われている。「63歳以降も検事長が居座らなければいけないケースは、黒川さん以外あったのか」と尋ねられた森氏は、「ございませんでした」。野党、傍聴者からは「関係あるじゃないか」と、怒りの声が飛んだ。
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  • 検察OBも法案反対へ決起 黒川検事長は辞任迫られどうする(2020/05/15 12:13 日刊ゲンダイDIGITAL)「検察庁法改正案」の最大の問題は、時の権力者が、気に入った検事の定年を恣意的に延長できるようになることだ。必然的に、検察官は権力者の顔色をうかがうようになる。
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  • 検察庁法改正採決後も波乱…黒川氏や国に訴訟続出の可能性(2020/05/13 日刊ゲンダイDIGITAL)仮に今国会で改正法案が成立したとしても、施行日は2022年4月1日の予定だ。今なお恥も外聞もなく、検事長に居座る黒川氏の現状に決定的な法の根拠がないことに変わりはない。
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  • “官邸の守護神”黒川検事長の黒歴史 安倍官邸擁護に暗躍8年(2020/05/13 日刊ゲンダイDIGITAL )民主党政権下の2011年8月、法務・検察と政界の折衝役である官房長に就任。12年の第2次安倍政権発足時に菅官房長官の信頼を得て以降、官邸とのパイプ役を一手に担った。「黒川氏を通じて官邸の意向が検察サイドに一方的に伝わる状況になった」(司法記者)という。こうして“守護神”になってからは、内閣が吹っ飛んでもおかしくないレベルの政治事件がことごとく不問にされてきた。
  • 官邸の守護神か、政治の犠牲者か 黒川検事長の「異色」(有料会員限定記事 2020年5月13日 5時00分 朝日新聞デジタル)

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