理系大学生初年級向けの数学、物理学、化学の親切な教科書

      2020/05/05




理系の大学に入ると数学、物理、化学などの授業がありますが、新しく学ぶことがあまりにも多く、しかも高校の授業のように先生が懇切丁寧に説明してくれるわけでもないので、自分で主体的に学ぶ態度がないとあっというまに落ちこぼれます。

自分が大学生だった頃は、不出来な学生の目線で説明してくれるような大学の教科書は皆無でした。ところが今では、できない、わからない学生の疑問や不安を丁寧に拾い上げてくれるような口調で書かれた教科書が多数出版されています。

そこで、大学の講義内容をわかりやすく教えてくれる、自習向きの教科書を紹介します。なるほど、わかりやすい、よくわかる、単位が取れる、などと書籍タイトルが工夫された教科書がたくさんの出版社から刊行されています。

海鳴社の なるほど シリーズ

海鳴社から出ている村上 雅人 著『なるほど~学』と題されたシリーズで、熱力学、量子力学、解析力学、物理数学など物理学のあらゆる分野をカバーしています。数学に関するものもあり。一人の著者によるシリーズなので、一冊読んでもしこの説明の仕方がわかりやすければ、他の分野の本も読み易いはず。ハマる人にはハマるシリーズです。最近だと、『なるほど生成消滅演算子』(2020年1月30日)が発刊されています。

海鳴社 なるほど シリーズ 

 

講談社ブルーバックスの 高校数学でわかる シリーズ

大学の物理や化学が難しい理由の一つに、そこでは大学の数学の数学が遠慮なく使われるからというものがあります。数学の講義ではまだ出てきていない数学が物理の講義で先に使われることもあるでしょう。だったらいっそ高校の数学の知識だけで説明してもらえれば、落ちこぼれなくて済みそうです。竹内 淳 著、講談社ブルーバックスの高校数学で分かるシリーズは、マクスウェルの方程式、シュレーディンガーの方程式、半導体の原理、その他大学で出てくるトピックをカバーしています。この本の特徴は、高校数学でわかるということよりもむしろ、新しい物理法則が発見された歴史的な経緯が丁寧に解説されていて、新しい概念を学ぶ動機や必然性を与えてくれることではないかと思います。読み物として、非常に興味深く読めます。文章が読み易くて、説明が非常にわかりやすいです。大学指定の教科書がツマラナイと感じたら、面白さをわかるための副読本としてお勧めです。

高校数学でわかる シリーズ(講談社ブルーバックス)

偏微分とか全微分は高校数学の範囲を超えていますが、説明したうえで使っていたりもします。偏微分や微分(dUとか)を使わずに熱力学を説明するのは無理なのでしょう。

 

マセマの キャンパス・ゼミ

スバラシク実力がつくと評判の量子力学キャンパス・ゼミ 大学の物理がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!』などの仰々しいタイトルで、大学の教科書がシリーズ化されています。出版社はマセマ。このシリーズの最大の特徴は、思うに、親切な大学受験参考書のノリで書かれていることでしょう。通常の大学の教科書なら絶対に省略するような細かい計算もまったく端折らずに書かれています。マセマは、数ある教科書のなかでも異色の存在。

マセマ 大学物理学キャンパス・ゼミ

マセマ 大学数学キャンパス・ゼミ 

Shankarの物理の教科書

邦訳はまだないようですが、イエール大学物理学科教授Shankarの教科書も、言葉による説明が非常に多くて、わかりやすいと思います。YOUTUBEでもShankarの物理学の授業を視聴できますが、非常に真面目な話し方の中にユーモアがあって面白いです。数式よりも言葉による説明が多いという特徴があり、講義の饒舌さが教科書にも反映されています。

R. Shankar著 Fundamentals of Physics (Yale University Press)

19. Quantum Mechanics I: The key experiments and wave-particle duality

 

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東京図書の よくわかる 物理学のシリーズ

東京図書から、前野 昌弘 著でよくわかる量子力学、その他物理学の範囲をカバーする教科書が出版されています。

東京図書 既刊書 よくわかる電磁気学 ほか よくわかるシリーズ

 

講談社の 単位が取れる ノート シリーズ

フーリエ解析などの数学や電気力学や流体力学など物理学をカバーした講談社の単位が取れる~ノートのシリーズ。

講談社 単位が取れる~ノート

 

講談社の 絶対わかる 化学シリーズ

絶対わかる化学シリーズは、講談社の企画。一つのトピックについて、見開き2ページに図と説明文が配置されて読み切りというスタイル。化学熱力学、物理化学、量子化学、化学結合などのほか、化学科の専門分野までカバーしています。

絶対わかる化学シリーズ(講談社)

 

講談社の ゼロから学ぶ シリーズ

統計力学、解析力学、その他。

講談社の ゼロから学ぶ シリーズ

 

講談社の なっとくする シリーズ

数学、物理学、化学、など広い範囲をカバー。『なっとくする群・環・体』、『なっとくする量子力学』、『なっとくする量子化学』など多数、刊行。

講談社の なっとくする シリーズ 

 

オーム社の まんがでわかる シリーズ

電磁気学、相対性理論、熱力学、統計力学、その他身の回りの科学から社会学の分野までカバーした、オーム社のまんがでわかるシリーズです。

オーム社 まんがでわかるシリーズ

単発もの

シリーズ化されたものではありませんが、わかりやすく学生の目線まで降りてきて紙面で授業を繰り広げてくれる教科書も紹介します。

共立出版 これなら分かる応用数学教室―最小二乗法からウェーブレットまで 金谷 健一 著(正誤表あり)

『これなら分かる応用数学教室』は工学部の学生向けのため、網羅的な内容ではありませんが、とても読み易い教科書でした。学生に理解させようとする先生の熱意が紙面から溢れ出てくるように感じられます。

物理の先生が書いた熱力学の教科書は、熱力学が何に応用できるのかあまり書いていなくて有難みを感じるのが困難ですが、化学熱力学の教科書は化学への応用という明確な目的のもと熱力学が解説されているので、学ぶ動機が高まってよいです。

オーム社 見える! 使える! 化学熱力学入門 由井 宏治 著

『見える! 使える! 化学熱力学入門』は、一冊を通読したときに、講義の流れが感じられて、頭の中に内容が入ってきやすかったです。この本も学生に理解させようという熱気がこもった本です。重要事項がわかりやすく整理されているので、頭の中も混乱せずに済みます。

 

 


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