日本の科学と技術

スピンカロリトロニクス(spin caloritronics)とは

スピンカロリトロニクス(spin caloritronics)とは

Spintronics is about the coupled electron spin and charge transport in condensed-matter structures and devices. (Spin caloritronics Gerrit E. W. Bauer, Eiji Saitoh & Bart J. van Wees Nature Materials volume 11, pages391–399(2012) Published: 23 April 2012 )

内田氏が所属する東北大学の研究室は、温度差や音波を「スピン流」(スピンの流れ)に変換する技術を次々と開発してきた。スピン流に変換した後に、微小電力に変換して取り出す技術も確立している。 2008年には磁性体に温度差をつけるとスピン流が生じる「スピンゼーベック効果」を発見し、2010年絶縁体でもスピンゼーベック効果が生じることを明らかにした。これにより「spin caloritronics」という新たな研究分野が誕生し、東北大学はNECと共同で新たな熱電変換素子の実現に取り組むことになった。(熱や音、光のエネルギーを、1つの素子で微小電力へ スピン流を使って東北大学が実現 河合 基伸 2015.01.28 日経 x TECH)

  1. 齋藤研究室

スピン・カロリトロニクスナノ構造デバイスにおいて、電荷・スピン・熱流が結合する物理現象およびその制御に関する科学技術の研究分野である[1]。(4th International Workshop on Spin Caloritronics PDF)

近年、スピン流を用いた新原理エネルギー変換技術が提案され、にわかに注目を集めています。その端緒となったのは、熱流によるスピン流生成現象「スピンゼーベック効果」です。スピンゼーベック効果はその名の通りスピン流版のゼーベック効果であり、この効果を用いることで熱流によるスピン流生成が可能になりました。2010年にはスピンゼーベック効果が絶縁体においても発現することが明らかになり、「絶縁体を用いた熱電変換」が初めて可能になりました。スピンゼーベック効果の発見を契機に急速に進展した熱とスピントロニクスの新しい融合研究領域は「スピンカロリトロニクス」と呼ばれており、世界中の多くの研究グループによって熱流-スピン流相関効果に関する研究が進められています。(研究背景 Spin Caloritrnics Group, CMSM, NIMS)

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