日本の科学と技術

虫垂にも役割

盲腸(虫垂炎)になってしまったときに治療で切り取られることが多い虫垂(ちゅうすい)。取っても困らない虫垂なら最初からなければ盲腸になって痛い思い をせずに済むのにと思ったことはありませんか?

何のためにあるのかわからなかった虫垂にも実は重要な役割があることを発見したという研究成果が報告されました。

参考

  1. Generation of colonic IgA-secreting cells in the caecal patch (Masahata et al., Nature Communications 5, Article number:3704 doi:10.1038/ncomms4704 Published10 April 2014)
  2. 無用の長物と考えられていた虫垂の免疫学的意義を解明~炎症性腸疾患の制御に繋がる新たな分子機構~(プ レスリリース 大阪大学、科学技術振興機構(JST)平成26年4月10日):大阪大学 大学院医学系研究科 感染症・免疫学講座(免疫制御学)/免疫学フロンティア研究センターの竹田 潔 教授らのグループは、私たちの体で不必要な組織と考えられていた虫垂に存在するリンパ組織が、粘膜免疫で重要な役割を果たすIgA注1)の産生に重要 な場であり、腸内細菌叢注2)の制御に関与していることを突き止めました。
  3. 虫垂は無用の長物にあらず、免疫に重要 (マイナビニュース 2014/04/12):「無用の長物」と考えられていた虫垂のリンパ組織が、粘膜免疫で重要な免疫グロブリン(Ig)Aを産生しており、腸内細菌叢(そ う)の制御に関与していることを、大阪大学大学院医学系研究科感染症・免疫学講座の竹田潔教授らが初めて突き止めた。
  4. 竹田潔研究室(大阪大学大学院 医学系研究科 予防環境医学講座 免疫制御学研究室、大阪大学免疫学フロンティア研究センター 粘膜免疫学研究室):免疫と環境因子がどのように絡み合い、どのような異常により病気が発症するのか、を解明しようとするプロジェクトが進行中です。
  5. 虫垂炎(ウィキペディア):虫垂炎(ちゅうすいえん、英: appendicitis)は、虫垂に炎症が起きている状態である。虫垂とは右下腹部にある盲腸から出ている細長い器官である。
  6. 盲腸と虫垂:「盲」というのは「突き抜けてない」と言 う意味で、大腸も小腸も先が抜けていますが、盲腸は先がめくらになっています。だから「盲」なのです。もともとはどこかにつながっていたらしいのですが、 先が細くなって退化しています。まるで芋虫がぶら下がっているようなので「虫状突起」または「虫垂」と呼ばれます。
  7. 盲腸と虫垂は別の臓器なんでしょうか? 違いがよく分かりません。(Yahoo!知恵袋 2006/9/23 08:07:22):盲腸は長さ約5cmの臓器で、その先に虫垂がヒモの様にくっ付いています。盲腸は腸ですが虫垂はそうではありません。…盲腸の先に細長く続いているのが虫垂です。虫垂は小指くらいの小さな突起です。
  8. たかが盲腸されど盲腸:虫垂炎は19世紀になってやっと盲腸周囲炎の原因であることが判明し、一八八三年カナダの開業医グロベスが初めて虫垂切除術に成功しました。今では虫垂炎で死なずに済みます。
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