日本の科学と技術

平成31年度(2019年度)科研費申請書の変更点まとめ

研究計画調書変更の衝撃

平成31年度(2019年度)の科研費(2018年の秋に申請、2019年春に採択通知、交付)では、研究計画調書の様式が劇的に変わりました。一番大きな変化は、「論文業績欄」のための欄が消えて、「研究者の遂行能力」を示す欄にとって代わられたことです。論文業績といえば、審査の際に最重要視される部分ですから、このセクションが突然変更されたっために一体何をどう書くのが正解なのかと思い悩んだ人が数多かったようです。また、概要を10行程度で書けという指示もなくなったため、何行くらいで書けばよいのか?と悩んだ人もいたはずです。

 

研究計画調書変更はいつ知らされるのか?

科研費の公募は通常9月の始めなので、2019年9月になってから申請書の様式を見て驚いた人が多いと思いますが、このような大きな変更はいつ周知されたのでしょうか?ネットで見ると実は8月の上旬にお知らせがなされていたことがわかります。

事務連絡

平成30年8月9日

科学研究費助成事業研究機関担当者殿

文部科学省研究振興局学術研究助成課

独立行政法人日本学術振興会研究事業部

平成31年度科学研究費助成事業(科研費)の公募に係る変更等について

(今回予定している研究計画調書の変更)
○ 研究計画調書における「研究代表者および研究分担者の研究業績」欄について、評定要素に合わせ、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更する。

(引用元:2018年08月09日平成31年度科学研究費助成事業の研究計画調書について

その年にどんな変更があるかは8月上旬に日本学術振興会(JSPS)のホームページのお知らせ欄チェックしておくのが大事なようです。自分でチェックしなくても研究機関の事務担当者宛にこのお知らせは送付されているので、事務の科研費担当者から学内に周知されたはずですが。

 

研究計画調書変更はどう伝わるのか?

世の中には前年度の様式をうっかり使ってしまう研究者もいるくらい、研究者は様式など事務的なことに弱いようです。そんな研究者に大事なことはどう伝わっていくものなのでしょうか?今時、ツイッターは情報拡散ツールとして大きな社会的役割を果たしていると思います。

後はやはり研究者間での口コミでしょう。研究者同士の雑談は情報伝達の重要な手段です。

書籍の出版は、科研費制度の変更になかな追いつかないのですが、科研費関連書籍のウェブサイトでは最新情報が逐次アップデートされるので、頼りになります。

科研費獲得の方法とコツ 速報科研費獲得応援ページ 羊土社

 

平成31年度科研費研究計画調書の変更点などのまとめ

  1. 研究代表者及び研究分担者の研究業績」欄が、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更
  2. 研究分担者の承諾書面での承諾から、科研費電子申請システム上で承諾を行うことに変更
  3. 審査の際には、必要に応じて審査委員が、researchmap 及び科学研究費助成事業データベース(KAKEN)の掲載情報を参照することに

(参考:http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/__icsFiles/afieldfile/2018/08/31/1408714_01.pdf

 

令和2年度(2020年度)の科研費

さて、令和2年の科研費ではどんな変更があるのでしょうか?新学術に関して劇的に制度が変更されることは、すでに公表されています

⇒ 【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~

 

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